最近リアルで色々あったので中々書くことが出来ませんでした。
職場の人間関係のトラブルで正直な話、中々書くことが出来ず…………。
仕事終わってから三時間も電話されたら書く暇も無かったんで…………。
取り敢えず続きどうぞ。
「見つけた」
並盛町に来てから早三日。
自らの手駒を従えた金髪碧眼の少女は木の上に登り、ライフルに付けられたレンズ越しに遠くを見ていた。
双眼鏡の先には自身がこの日本に来た理由である、標的のボンゴレ10代目候補の沢田綱吉とジッリョネロファミリー次期ボスのユニ・ジッリョネロが居た。
レンズ越しに見える二人は話し合っているようにも見える。
「殺すなら、今がチャンス」
自分よりも先に二人の命を狙ったマッドクラウンは失敗し、返り討ちにあった。
だがそれはマッドクラウンが弱かったというわけではない。
油断こそしたものの彼は力の限り戦った。とはいえ、標的は平和な日本で暮らしている平和ボケした人間と箱入り娘のように育てられてきた娘だ。油断しても無理はないだろう。
だがその油断はもう無い。相手が刺客を返り討ちにするだけの実力があると分かった以上、此方も最大限の準備をする。
用意した手駒を使う事なく終われば薬を無駄遣いしたことに後悔するだろうが、この際細かい事は気にしない。
ライフルの引き金に指をかける。
「死ね」
一気に指を引いて弾丸を放とうとする。
死ぬ気の炎を纏ってない攻撃だが、命を奪うにはこれで十分だ。
銃口から放たれた弾は空気を切り裂きながら突き進む。このままいけば沢田綱吉の頭部を潰れたスイカのように変えるだろう。
そう思いながら引き金を引き絞ろうとして、レンズ越しに見える沢田綱吉が此方に視線を向けた事に気が付いた。
「ッ!?」
気付かれた、そう理解しながらも引き金にかけていた指が止まる事はなく、銃口から弾丸が放たれる。
その衝撃で少女は仰け反り、レンズから離れてしまう。
「しまった!」
視線を外してしまった事を悔いながらも、再びレンズ越しに二人を見ようとする。
攻撃が当たっていてほしい、そう思うものの二人の姿は見えなくなっていた。
「何処に消えた…………?」
姿を消した二人を見つけようと周囲に視線を向ける。
暗殺対象に気付かれた上、姿まで見失ったのはかなり不味い。
少女は必死になって標的である二人を見つけようと周囲を見渡して探そうとする。
その瞬間だった、足場にしていた木が倒れようとしていたのは。
「えっ?」
突如感じた浮遊感に少女は何も出来ず宙に投げ出される。
「見つけたぞ」
ふと耳に響いた声に、少女は声がした方向を見る。
視線を向けた先に居たのは、自分が見失った標的である沢田綱吉の姿だった。
+++
時間は少しだけ遡り、修行を開始してから三日目の早朝。
「襲撃者は北西からライフルで狙撃して来ると思います」
ユニの口から語られた言葉に綱吉は気を引き締める。
彼女の言葉通りに行くならば既に自分達は命を狙われているのだ。
何時狙撃されてもおかしくはない。
「ただ最初の一発が当たる事はありません。そこまでは予知で見る事が出来ました」
「それじゃあ、そこから先の未来はどうなるの?」
「…………すみません。私もここまでしか分からないんです。元々私の予知はそこまで便利なものではないですから」
「そうなんだ…………」
それでも未来を視る事が出来る時点で破格なのだが。
綱吉はユニの口から語られた予知の内容を聞きながらそう考える。
最初の一発は必ず外れると分かっているとはいえ、相手はライフルを持っているのだ。
仮に最初の攻撃が当たらなかったとしても、次の攻撃が当たらないわけではない。相手はそのままライフルで狙撃を続けるだろう。
あの技を使えばライフル程度なら防ぐのは容易い。
だがそれを何度でも防げるわけではない。
「どうすれば良いんだ…………」
「大丈夫ですよ」
一人頭を悩ませている綱吉の頭の上にユニは優しく手を乗せる。
「沢田さんは少し自分の事を過小評価するきらいがあります。これまでの事を考えればそれも当然だとは思います。ですが、今の沢田さんは辛い修行を乗り越えました」
「ユニ…………」
「だから大丈夫。沢田さんなら乗り越えられます。自分を信じてください」
その言葉を聞いて綱吉は笑みを浮かべる。
本当に心の底からそう思っているのだろう。彼女の口から出た言葉に嘘は一欠けらも含まれていない。
とはいえ、何の策も無しにライフルを持っている殺し屋相手に突っ込むのはあまりにも危険過ぎる。
だけど、彼女の信頼に応えたい。
「本当に、オレなんかが勝てるかな?」
「はい。沢田さんなら勝てます。だって、私の生徒なんですから」
「ふぅ…………分かった。なら、ユニはオレが必ず守るから」
自分が勝つと宣言した少女に報いる為に、綱吉は覚悟を決めた。
+++
「はぁあああああああああっ!!」
雄叫びと共に綱吉は右拳をライフルを手に持った少女に向かって振るう。
「ッ!?」
少女は驚愕に満ちた顔をしながらもライフルを盾にして、攻撃を防ごうとする。だが死ぬ気モードに加えてリングの炎も込められた一撃を防ぐ事は出来ず、拳はライフルを破壊して少女の身体を打ち抜いた。
「げっ、ぶぅ…………!」
腹部を強打した事で少女は口から胃液を吐き出す。
「っ、らぁ!!」
右拳に感じる人を殴った感触を不快に感じながらも、綱吉はそのまま拳を振り抜く。
少女の身体はそのまま地面に激突――――する直前に現れた三体の怪物によって受け止められた。
「げっ、げぇえええ!! おぇ、ぁあああああああ!!」
怪物達の腕の中で少女は苦しみ悶える。
正直な話、ここまでダメージを与える事になるとは思っていなかった。
だがよく考えればそれも当然だ。マッドクラウンと戦った時に比べても自分は強くなっている。死ぬ気弾を受けてもパンツ一丁になっていないし、力の使い方に関しても無駄が無い。
実感してなかっただけで、自分は強くなっている。
「よし、戦えてる…………!」
少女の武器であるライフルも既に壊した為、彼女一人相手ならば余程の事が無い限り負ける事は無いだろう。
ただあの三体の怪物を相手にするのは少しキツイかもしれない。
ユニから聞いた話だが、
「後は彼奴等を倒せば――――」
そう判断した綱吉は三体の怪物を倒そうと右手に死ぬ気の炎をチャージする。
が、その三体の様子に違和感を感じた為、炎のチャージを一時止める。
「ゔうぅ…………い、た」
呻き声にしか聞こえないような、けれどもそれは確かな人の言葉だった。
「まさか…………」
綱吉の脳裏にある考えが過ぎる。
「人間なのか?」
「ああ、そうだよ…………」
戸惑う綱吉の呟きを聞いて、襲撃者である少女はお腹を抱えながら肯定する。
「こいつ等は人間よ。と、いっても薬と炎で色々と弄ったから元人間の方が正しいかな?」
少女がそう告げると同時に三体の怪物、否、三人は綱吉の方を向く。
「いやー、私一人だったら間違いなくここで終わってたわ。薬で多少お金はかかったけど、用意しておいて本当に良かった」
「…………なんて、酷いことを」
「酷い、ねぇ。元々は何処にでも居るような普通の家族だったのよ。居ても居なくても何の価値も無いわ。むしろ私に使ってもらえただけ感謝してほしいぐらいよ」
呆気からんに言う少女の言葉に顔を青褪める。
彼女の言葉通りなら三人はただの被害者でしかない。
「許せない」
胸の奥から込み上げて来る怒りに綱吉は炎を燃え上がらせる。
「別に許されなくて良いわよ。あんたはこれから死ぬんだから――――ほら行け! 私の役に立ちやがれ!!」
三体の人間だった怪物の雄叫びが、絶叫が響き渡る。
とてもではないが人間のものとは思えないその叫びに綱吉は顔を歪ませる。
殺し屋と違って本来なら戦わなくても良い相手だ。いや、そもそも戦う必要すら無い。それを薬でこんな姿に変えた上で無理矢理戦わせているのだ。
哀れとしか言いようがない。
「すまない…………!」
綱吉はそう呟くと同時にリングの炎を拳に集める。
出来ることなら戦いたくはない。だが戦わなければ此方も死にかねない。
なら、自分に出来ることはただ一つ。
全力を出しつつも、決して致命傷を与えない程度の威力の攻撃で動きを止めることだけだ。
「メテオアクセル――――!!」
右拳に集めた炎を拳に乗せて放つ、一点集中の攻撃。
その一撃を三体の人間だった怪物に叩き込んだ。
次回でこの話も終わりです。
そして次はあの少女の出番です。