オーバーロード 仮面の剣士   作:てこの原理こそ最強

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2話

 

「それじゃあよろしくお願いします」

 

「かしこまりました」

 

「来い”玄武”」

 

カイトは前回出した朱雀とは異なる黒が基調の刀を出現させ構え目を閉じ集中する。そして”円”を発動する

 

円とは自身を中心としてある一定の範囲内の索敵が可能になるスキルである。カイトはこれを平面ではなく空間的に使っている。どちらかと言えばカイトを中心とした一定の球体を想像して貰った方がいいかもしれない。つまりカイトは平面はもちろん空中や地中までも感知できるということだ。ちなみにその円を他人は感じることは人もいるが目にすることはできない

 

カイトは半径2mほどの円を用い目を閉じたまま身を構えた。すると周りから銃弾や遠距離魔法攻撃が次々と放たれた

 

「シッ!」

 

しかしその攻撃は円に接触するやいなやカイトが全て切り刻み防ぐ。だが攻撃は終わることなく続き、その攻撃に合わせるように2人の人物がカイトに接近戦を仕掛けようと試みる

 

「ひゃっ!」

 

「きゃっ!」

 

しかしそれすらもカイトは簡単に往なしてしまった。スピードを殺されることなく往なされた2人は勢いよくぶつかってしまう。そこで銃弾や魔法攻撃は止んだ

 

「ここっす!」

 

最後に空中からものすごい勢いで斧を振り下ろしてくた攻撃をその手首を掴み攻撃者の体を一回転させて抱えた

 

「ひょわっ!」

 

「ふぅ〜。終わりにしましょうか」

 

ここまでの戦闘でカイトの目は瞑られたままだった。そして戦闘終了の合図とともにカイトは目を開いた

 

「カカカカイト様!」

 

「はっ!すいません!」

 

未だお姫様抱っこを続けていたカイトの腕の中でルプスレギナが顔を真っ赤にしていた。カイトはすぐさま何度も頭を下げて謝った

 

「さすがはカイト様、お見事にございます。しかしルプスレギナ、貴女だけなんと羨ましい...」

 

「ズルい...」

 

「いいなぁ」

 

遠距離攻撃組だったナーベラル、シズ、エントマが戻ってきた

 

「愛しい方に私...えへへ」

 

「ルプスレギナ!そのだらけきった顔を何とかしなさい!」

 

「カイト様の前で失礼よ〜」

 

戻ってきた3人含めてルプスレギナ以外の5人は些か不機嫌な様子

 

「しかしカイト様。やはり私共では訓練にならなかったのでは?」

 

「そんなことありませんよ。今回は自分の力がユグドラシルのときとどれだけ大差ないか調べたかっただけですから」

 

「それならよろしいのですが...」

 

「それにみなさんだってたまには仕事以外で体動かしたいでしょ?なので訓練っていうより軽い運動って見てくれていいです」

 

「カイト様がそうおっしゃるならば我らいつでもお供いたします」

 

「はい。こちらからもお願いしたいです」

 

「そんな滅相もない!我ら姉妹にとってカイト様と時間を共にできるだけで至高の喜び。なんなりとお申し付けくださいませ」

 

「あはは...自分も皆さんと一緒にいるのが楽しいです。なので皆さんも自分に何かあったら遠慮なく言ってくれて構いませんので」

 

「御心深い感謝致します。しかしそのような恐れ多いこと私共には...」

 

「それが自分のお願いの一つでもあるんです」

 

「......かしこまりました。でしたらご機会があれば」

 

「えぇ、それで大丈夫です。でもソリュシャンさんとエントマさんには最初に謝っとかないといけないことが...」

 

名指しをされたソリュシャンとエントマは驚きの顔でカイトを見つめる。尤もエントマの表情は変わらないため驚きも何もないのだがそんな感じでってことで

 

「自分の体の一部が欲しいとか、そういった願いはすみませんができないので...」

 

「そのようなことは決して!むしろ私を頂いていただきたいと言いますか...」

 

「わ、私も...カイト様の香りだけで十分ですぅ...」

 

「はい...?」

 

「ソリュシャン!貴女はカイト様に向かってなんてことを!」

 

「エントマ...その気持ちよくわかるわ」

 

ソリュシャンの発言に叱るユリ。なぜかエントマの発言に同意するナーベラル。それぞれ創造者は違うのに本当の姉妹のようだ

 

(カイトさん、今よろしいですか?)

 

(モモンガさん?はいどうぞ)

 

プレアデス姉妹のやりとりをほっこりと見ていたカイトにモモンガからメッセージが発せられた

 

(これから外のある村に向かいます。一緒についていただけますか?)

 

(また急ですね。その村に何かあるんですか?)

 

(襲われています。村人が鎧を着た軍団に)

 

(なっ!すぐ行きます!)

 

村人が襲われている。それもモンスターではなく同じ人間に。それを聞いたカイトはメッセージを切る

 

「皆さんすいません。モモンガさんから収集を受けました。ユリさん、ついてきてもらっていいですか?」

 

「はっ!かしこまりました」

 

カイトはすぐさま走り出す。それを追おうとするユリは一瞬妹達の方を向きメガネをクッと上げて「ふっ」とドヤ顔してからカイトを追いかけた

 

『なっ!』

 

「ユリ姉...」

 

「最後に持ってかれましたね」

 

「ズルい...」

 

「後の報告会で自慢されるんでしょうね〜」

 

「あんな顔もするんだぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モモンガさん!遅くなりました!」

 

「いえ。もう出発の準備はできています。相手がどの程度の強さなのかわかりません。警戒は入念にお願いします」

 

「わかりました。ではユリさん、行ってきます」

 

「行ってらっしゃいませ。ご武運を」

 

部屋に入るとモモンガさんは既にゲートを開き待機していた。先に入ったモモンガに続いてカイトも面をつけ自身の持つ刀の中で最強を誇る”霞”を手にしてゲートに入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ、人を殺しても何も感じない」

 

カイトがゲートを出ると2人抱き合っている子供がおり、既にモモンガによって倒されたであろう鎧の人間が倒れていた

 

「やはり肉体のみならず心まで人間をやめたということか」

 

もう1人の兵士はモモンガの外見に退き気味にも剣を構える

 

「女子供は甥回せるのに毛色が変わった相手はムリか?せっかく来たんだ。無理矢理にでも実験に付き合ってもらうぞ。”ドラゴン・ライトニング”」

 

「うわぁぁぁ!!」

 

モモンガに怯えて逃げ出そうとする兵士はモモンガの放った雷撃の魔法一撃で倒されてしまった

 

「弱い。第5位階魔法で簡単に死ぬとは。中位アンデッド作成、”デス・ナイト”」

 

(げっ...死体に乗り移るのか。ユグドラシルとはだいぶ違うな)

 

モモンガの次なる魔法により死体は中位アンデッドのデス・ナイトへと変化した

 

「デス・ナイト、この村を襲っている騎士を殺せ」

 

「ウボォァァァァァァ!!!」

 

(え...)

 

モモンガの命令により騎士を殺すべくデス・ナイトは走り去った。しかしモモンガは思っていたのと違ったので驚いている

 

(盾になるモンスターが守るべきものを置いていってどうするよ。いや命令したの俺だけどさ)

 

「準備に時間がかかり、申し訳ありませんでした」

 

「いや実にいいタイミングだアルベド」

 

「ありがとうございます。それで...この下等生物の処分はどうなさいますか?」

 

鎧に斧と完全武装したアルベドが遅れて現れた。そして子供2人を見下ろしたためカイトが子供を庇うように手を広げた

 

「カイト様!?」

 

「この子達は敵じゃありません」

 

「その通り。敵はそこに転がっている鎧を着たもの達だ」

 

「かしこまりました。申し訳ございませんでしたカイト様」

 

「いえ、わかってくれたのならいいです」

 

「怪我をしているようだな」

 

「血!?」

 

モモンガは怪我をしている子の方にポーションを渡す。しかしモモンガの外見、声、話し方、ポーションの色と相まってそれを血と勘違いし怯える子供

 

「大丈夫」

 

「っ!」

 

「それを飲めば傷はすぐに癒える」

 

カイトは仮面を外し素顔を見せて安心させようと試みる

 

「貴方は...」

 

「いいから。今は君の傷を治すのが先だ」

 

「はい」

 

子供はカイトを同じ人間として認識して安心したのかポーションを飲んだ

 

(カイトさん、お願いできますか?)

 

(承知)

 

「君達は魔法っていうのを知ってるかな?」

 

「はい。村に時々来られる医師の私の友人が魔法を使えます」

 

「そうですか。なら話は早い。こちらにおられる方は”マジックキャスター”なんだ」

 

カイトはモモンガの方に振り向き2人は同時に頷く

 

「”アンティライフ・コクーン”、”ウォール・オブ・プロテクションフロムアローズ”。守りの魔法をかけてやった。そこにいれば大抵は安全だ。それと念のためにこれをくれてやる」

 

モモンガがかけた魔法により子供達の周りに魔法のドームが形成された。そして念のためにとモモンガはあるアイテムを投げ入れる

 

「吹けばゴブリンの軍勢がお前に従うべく姿を見せるはずだ。そいつらを使って身を守るがいい」

 

「あ、あの!」

 

立ち去ろうとするモモンガを呼び止める子供

 

「助けていただいてありがとうございます!」

 

「ありがとうございます!」

 

「気にするな」

 

「お名前はなんとおっしゃるんですか!」

 

「名前?」

 

(名前...そうだな)

 

「我が名を知るがいい!我こそがアインズ・ウール・ゴウン!」

 

(いやそれギルド名!)

 

(っ!腰を折らないでください!これも作戦なんですから)

 

(そういうことなら。ではモモンガさんが村に向かうなら自分は周辺の見回りに行きます)

 

(わかりました。ナザリックからも人材を派遣しているので合流してください)

 

(わかりました)

 

モモンガはアルベドを連れて村へ、カイトは円を使ってナザリックから派遣された人達の元に向かった

 

「カイト様!」

 

「エントマさん。それにシズさんも」

 

「はい。モモンガ様の名により村の周辺の警戒を承った次第です」

 

「そうですか。今から自分も加わりますね」

 

「本当ですか!」

 

「はい。なので自分が円で周辺感知を請け負います。ですのでエントマさんは蟲で、シズさんは目視での警戒をお願いできますか?」

 

「「はっ!」」

 

カイトの円の最大範囲は半径5km。まぁ体力は消耗するが1日ぐらいは保たせるが可能だ。カイトが円に集中しているとエントマがカイトの顔を凝視していた

 

「どうかしましたか?エントマさん」

 

「はっ!も、申し訳ございません!カイト様にご不快な行動を!」

 

「いえ大丈夫ですから。何かついてますか?」

 

「いえそんなことは...」

 

「なら見てた理由を聞いても?」

 

「...カ、カイト様の凛々しいお顔に...その、見惚れていましたぁ......」

 

「っ!そ、そうですか...」

 

「は、はいぃ...」

 

照れているのかもじもじしているエントマにそんなことを言われてカイト自身も照れてしまう

 

「エントマ。今は任務中。集中して」

 

「ごめんなさいぃ」

 

「まったく。カイト様、妹がご迷惑をおかけして申し訳ございません」

 

「むぅ、シズちゃんの方が妹なんだからねぇ」

 

「違う。貴女が妹」

 

かくしていつもの言い争いが始まってしまった。カイトは思う。ずっとエントマの方が妹だと思っていたことを

 

「2人とも今は集中しましょう。ね?」

 

「カ、カイト様!?」

 

「はわぁ〜!」

 

「ん?」

 

カイトは無意識に2人の頭を撫でていた

 

「こ、これは失礼しました!」

 

「い、いえ...」

 

「カイト様がよろしければもっと...」

 

気づいてカイトが手を話すと2人は物足りない感を出す。それだけカイトの撫で撫では気持ちいいということなのか

 

「っ!2人共、2時の方向に複数の影を感知」

 

「”偵察蟲”からも確認しました。馬で移動中の一個騎士団が村に向かっています」

 

「目視でも確認しました。しかし村を襲った兵士とは武装が異なるようです」

 

「モモンガさんに連絡します。2人はその騎士団を監視しつつ周りの警戒も厳に」

 

「「かしこまりました」」

 

2人に指示を出したカイトはモモンガにメッセージを送る

 

(モモンガさん、村に複数の騎士が接近中です。シズさんによれば村を襲った兵士とは武装が違うとのこと。おそらく別兵団かと)

 

(わかりました。カイトさん達はそのまま警戒を継続願います)

 

(わかりました)

 

「っ!これは...」

 

「カイト様」

 

「今度は人間以外もいますね」

 

「はい。偵察蟲を通して確認したところ、”アークエンジェル・フレイム”かと思われます」

 

「それってユグドラシルで第3位階天使の?なんでここに」

 

「それに関しては不明です」

 

「まぁあれぐらいなら自分達でも対処可能ですね。ですがあれがいるってことは最悪熾天使、智天使なんかが出てきたら厄介です...」

 

「はい」

 

「モモンガさんその辺も含めてもう一度に報告します」

 

「「かしこまりました」」

 

(モモンガさん)

 

(はい)

 

(村を囲むように違う兵団、いや魔法師団が現れました。しかも彼らアークエンジェル・フレイムを連れています)

 

(なんですって!なぜユグドラシルのモンスターがここに!)

 

(それはわかりません。ですがそれよりも熾天使や智天使がいた場合が厄介です)

 

(そうですね。最悪を村は見捨てることも視野に入れないと)

 

(相手が何体使役しているかもわかりません。ですのでナザリックに援軍を求めることを進言します)

 

(そうですね。準備はしておいた方がいいでしょう。遣いを出します)

 

(お願いします)

 

それからいくらかの時間が経ち、先程村に向かった騎士団が魔法師団体に突撃し戦いが始まった。騎士団は1人の兵士が天使相手に奮戦するが続々と復活する天使にどんどんと戦力が削られていった

 

「カイト様...」

 

「これは彼らの戦いです。横槍を入れてはならないのはわかってはいるんですが...やはり自分は人間ということなのでしょうね」

 

カイトは今すぐに飛び出して彼らの命を救いたいという感情を必死に抑えていた。今出ればモモンガさんの、ナザリックの迷惑になるかもしれないと考えたからだ。その握りしめる手の上にシズとエントマが自身の手を乗せる

 

「カイト様は心優しき方です。ですがそう自分を責めないでください」

 

「そのようなお人柄に我らはお慕いしております。ですがご自身でもカイト様を傷つけるお姿は見たくありません」

 

「シズさん...エントマさん...ありがとう...っ!消え、っ!」

 

カイトが2人に慰められているその時、奮戦していた兵士が突如消えた。そしてそれと同時に現れたのはモモンガとアルベドだった

 

「ははっ...あの人は...」

 

「モモンガ様、アルベド様」

 

「これで、あの人は助かりましたねカイト様」

 

「はい。ってこれは自分も出て行った方がいいパターンですかね?」

 

「よろしいのではないでしょうか」

 

「えぇ。あの程度モモンガ様の足元にも及びません」

 

「...ですね。なら自分らは他の警戒をしていますか」

 

「「はっ!」」

 

シズの言う通りモモンガが劣勢になるということはなかった。しかもそれはもう戦いではなくモモンガによる蹂躙と表現した方が正しいくらいとなった。しかし全天使が消されたことで魔法師の中の1人が”魔封じの水晶”みたいなものを取り出した

 

「っ!シズさん、エントマさん、交戦の用意を!場合によれば加勢に入ります!」

 

「「はっ!」」

 

熾天使か...レベルは...緊張がカイトを襲った。しかしその緊張は一気に冷めてしまった

 

「......は?」

 

「あれは...」

 

「違う意味で予想外...」

 

それはカイト達が想定した最悪には程遠く、逆に遠すぎて力が抜けてしまった

 

「ま、まぁ警戒して損はないから...はぁ〜」

 

「お疲れ様でございました、カイト様。モモンガ様とアルベド様であれば問題なく集結するでしょう」

 

「ですね。あっ、”ホーリー・スマイト”ですかねあれ」

 

「そのようです。はっ!モモンガ様!」

 

「大丈夫だと思いますよ?やろうとすればあれ撃たれる前に処理できたはずですから。ほら」

 

「し、しかしいかに無傷であろうと思考の御身に攻撃など!」

 

「...モモンガさんは幸せ者ですね。心配してくれる方がこんなにいるんですから」

 

ユグドラシルではソロで活動していたカイトには心配してくれる仲間など存在しなかった

 

「それはカイト様にも同じでございます」

 

「え?」

 

「この先カイト様に刃を向け、剰え傷をつけよう者を私共は許しはしません」

 

「...ありがとうございます」

 

「もったいなきお言葉」

 

「これからも我々はカイト様をお守りいたします」

 

「......あ、アルベドさんがキレましたね...こっちにまで声が聞こえるなんて」

 

カイトは泣きそうになるのを必死に抑える

 

「終わりましたね」

 

「はい」

 

「2人もお疲れ様でした」

 

「お気遣い感謝致します」

 

「さて、じゃあモモンガさん達と合流しますか」

 

「「かしこまりました」」

 

最高単位で警戒していたためどっと疲れたカイトはちょっとだけ重くなった腰を持ち上げる

 

「さ、行きましょ」

 

カイトは振り向いて手を差し伸べる

 

「そ、そんな...」

 

「カイト様のお手を煩わせるわけには...」

 

「あー、ご迷惑でしたね。すいません」

 

「い、いえ!恐悦至極にございます!」

 

「謹んで繋がせていただきます!」

 

カイトが手を引っ込めるスピードよりも2人が取る方が早く2人はカイトと手を繋ぐことに成功する

 

「それじゃあ行きましょうか」

 

「「はい!」」

 

「...」

 

「...」

 

「...」

 

(やばっ!2人と手繋げちゃったよ!)

 

((えへへ〜))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戻ったモモンガは全員を玉座の間に集めた

 

「まずは私が個人で勝手に動いたことを詫びよう。何があったかはアルベドから聞くように。ただ1つだけ至急伝えるべきことがある。”グレーター・ブレイカー・アイテム”」

 

モモンガは魔法を発動し天井にある自身の旗を消した

 

「私は名を変えた。これより私の名を呼ぶときは”アインズ・ウール・ゴウン”、”アインズ”と呼ぶがよい。異論ある者は立ってそれを示せ」

 

「御尊名伺いました。いと尊きお方に絶対の忠誠を。アインズ・ウール・ゴウン様、万歳!」

 

『アインズ・ウール・ゴウン様、万歳!』

 

「至高の御方に私共の全てを捧げます!」

 

「「恐るべき力の王よ!」」

 

「この世の全ての者が御身の偉大さを知るでしょう!」

 

「全テヲ超越セシ我ラの王!」

 

「死の支配者、オーバーロードに栄光を!」

 

「お前達に厳命する。アインズ・ウール・ゴウンを普遍の伝説にせよ!」

 

(地上に、天空に、海に、この世界の知性を持つ全ての者にアインズ・ウール・ゴウンの名を知らしめる。こちらの世界に来ているかもしれない友たちの元にその名が届くように)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういうことだったのか」

 

その夜カイトはモモンガ、基アインズが名を変えた理由を聞き納得する

 

(オレもモモ、アインズさんの名が轟くように手伝おう)

 

カイトが1人心に誓うと同時に部屋のドアがノックされた

 

「どうぞ」

 

「失礼致します」

 

「ソリュシャンさん。どうかしましたか?」

 

「はい。この度はご夜伽に参じました」

 

「................はい?」

 

「カイト様のご寵愛を受けに参りました」

 

「いやいや...いやいやいやいやいや!!!夜伽!?寵愛!?」

 

「はい。この体、カイト様のお好きなように」

 

そう言って服の肩の部分に手をかけるソリュシャン

 

「ちょっ!ちょっと待って!」

 

それを目にも止まらぬ速さで駆け寄ったカイトが止める

 

「そういうのは大丈夫だから!」

 

「私めではご満足いただけないでしょうか...?でしたらカイト様にあった体に擬態してご覧にいれます」

 

「ちっがーう!ソリュシャンさんは今のままで十分に、十二分にキレイだから!魅力的だから!」

 

「そ、そんな!カイト様、お戯れを...」

 

そうは言っても嬉しそうなソリュシャンである

 

「はっ!つい本音が...って違う!今はそうじゃない!つまり自分にそういう行為はしなくていいですから!」

 

「私だけでは力不足でしょうか...でしたら増員致します!」

 

「そういうことじゃないです!とにかく話し合いましょう!」

 

それからどうにかしてソリュシャンを説得し話し合うためにお互いベッドに座った

 

「それで、どうしてこんなことを?」

 

「カイト様からご寵愛を賜りたかったのです」

 

「...なぜ唐突に。しかもなぜ自分なんですか...?」

 

「それは私の愛するお方だからです」

 

「...」

 

カイトの至高停止・・・リロード・・・復元完了

 

(あ、愛する!?え、なんで!?だって彼女は元NPCでしょ!そんな感情あるわけ...いや嬉しんだけどね...)

 

「えっと...すいません、ちょっとタイムもらっていいですか...?」

 

「かしこまりました」

 

(モモンガさん!あ違う。アインズさん!)

 

(はい、何でしょうカイトさん)

 

(なんか今ソリュシャンさんに言い寄られるっていう最高の場面に遭遇してるんですが!)

 

(そうですか。よかったじゃないですか)

 

(それはそうなんですけどそうじゃないんです!彼女が愛するお方なんて言ってくれてるんですがNPCってそんな感情あるんですか!?)

 

(あっ...)

 

(え、なにその、わっすれてたーてへっ、みたいなやつ)

 

(わっすれてたーてへっ)

 

(うぉい!一体なにをしたー!)

 

(いやーユグドラシル最終日にもう終わりだからって思ってプレアデス達の設定書き換えちゃったんですよ。カイトさんが彼女達のこと気に入ってたの知ってたし)

 

(マジですか...)

 

(マジです)

 

(確かナザリックのNPCってアインズさんの友人が創造したって言ってましたよね)

 

(そうですね)

 

(どう説明するんですか...)

 

(まぁなんですか...俺が言うのもあれなんですが、美味しくいただいちゃっていいですよ?それじゃ!)

 

(ちょっ!)

 

「切りやがった...」

 

「カイト様?」

 

「はい!あ、すいません。えっと今アインズさんに確認を取りました。一旦ユリさん達を呼んでいただいてよろしいですか?」

 

「はい、かしこまりました」

 

ソリュシャンは一旦部屋を出て他のプレアデス5人を連れて戻ってきた

 

「お呼びでしょうかカイト様」

 

「急に呼び出しちゃってすいません。とりあえず座ってください」

 

「いえ、私共はこちらで」

 

「そう言うわけには。座ってください、お願いします」

 

「...かしこまりました。失礼します」

 

ユリ達をイスに座らせて早速本題に移る

 

「アインズさんに確認を取りました。皆さんの中にある自分への感情について...」

 

「はい。私共プレアデス姉妹にとってカイト様は愛すべきお方です」

 

「っ!それについてなんですが、皆さんのそれはアインズさんが勝手に歪めた者です。言うなれば強制的にそうさせているものなんです」

 

「...ご迷惑、でしょうか......?」

 

「んぐっ!」

 

(そんな悲しげな目で見ないでください!)

 

「...皆さんには皆さんを造った方々がいらっしゃるのですよ......?」

 

「我らを想像したる至高の御方々もカイト様ならとお許しになると思います」

 

「そ、そうですかね...」

 

ユリに続いて姉妹全員が力強く頷く

 

「じ、自分も皆さんのことは...その、好意的に捉えています...」

 

『っ!』

 

「しかし、愚かな自分は皆さんの中から1人を選ぶことができないんです...」

 

「カイト様が苦しむ必要はございません!」

 

「その通りです」

 

「え?」

 

「本来私共がカイト様と結ばれるなどあってはならないこと」

 

「しかし万が一にもカイト様に想って頂けるのあればそれだけで十分にございます」

 

「つまり、誰か1人を選ばないでいい、ということでしょうか...?」

 

「はい。カイト様を悩ませるなどメイドとして、そして愛する者としての名折れでございます」

 

「でも虫が良すぎるんじゃ...」

 

「カイト様にはそうできる権利がございます」

 

「ですのでカイト様...」

 

ユリ達は立ち上がり再び跪く

 

『どうかこの身を貴方様のお側に』

 

「......よ、よろしくお願いします」

 

『っ!ありがたき幸せ!』

 

「とりあえずイスに戻りましょうか。お茶淹れますね」

 

「そんな!お茶ならボ...私が!」

 

「え、じゃあお願いします」

 

カイトの代わりにユリがお茶を淹れ他はイスに座りなおす

 

「でもホントによかったんですか...?特にナーベラルさんは...」

 

「ど、どうしてでございますか...?」

 

「ほらだって、ナーベラルさん人間嫌いじゃないですか。自分人間ですし」

 

「お、お戯れを...今それをおっしゃられるなんて、カイト様はいぢわるです...」

 

(ぐはっ!ナーベラルさんのいじけた顔可愛い!)

 

「私が愛する人間など、カイト様以外おりません...」

 

(ぐはっ!やばっ...胸キュンしすぎて心臓止まる...)

 

「あ、ありがとうございます...」

 

「お待たせ致しました」

 

ユリが淹れてくれたお茶のおかげでカイトはなんとか落ち着きを取り戻した

 

「そういえば自分ちょっとここから出ることになりました」

 

『お供いたします!』

 

「いや、嬉しいですけどアインズさんの護衛が全員抜け出すのはダメでしょう」

 

明らかにテンションが下がる姉妹

 

「でもアインズさんから1人お供を連れて行っていいと許可を得たので、どなたかお願いs『私が!』...」

 

今度は睨み合う姉妹

 

「ここは長女である私が行きます!」

 

「いやいやーユリ姉はメイド隊の副リーダーなんすから残らないとダメっす。なんでここは私が行くっす!」

 

「貴女みたいなサディストがお供なんてムリよ。なのでここはこのナーベラルが!」

 

「貴女こそ人間嫌いなのに外なんてムリでしょ。よって私が!」

 

「ソリュシャンはアインズ様からセバス様と一緒に君命を受けてる。だから私が行く」

 

「私が行きたいぃ」

 

(あはは...冒険者になるつもりだからオレの戦闘スタイル的に援護系が欲しい...なんてもう言えない...)

 

お供が決まるのはもう少しかかるようだ

 

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