汚い子供を拾ったので虐待する事にした(鬼滅の刃)   作:つヴぁるnet

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第2話

おはよう、諸君。

 

今日も素晴らしい時間を始めよう。

 

鬼よりも恐ろしい虐待に怯えすくむと良い。

 

しかし朝ご飯は大事だ。 朝ご飯は力の源となり、食べなければ生活中の力を発揮し辛くなる。 なによりも虐待のキレが落ちてしまうのは頂けない。 もちろん虐待される側も活力を得ないと反応が悪くなる。 これでは面白くない。 だが鬼よりも恐ろしい虐待のプロは朝ご飯すら虐待の一部にしてしまう。

 

この完璧な計画に笑っていると後ろから視線を感じる。 先日拾った少女だ。 はやくもこちらの観察か? 朝早くから御苦労なこった。 しかし朝ごはんはすでに作り終えており、あとは運ぶだけだ。 残念だったな_と後ろを振り向けばそそくさと退散した。 あちらも隙を晒さないよう心がけているのか? 面白い奴だ。

 

さて、持ってきたのはお米と味噌汁。 これは定番だ。 まずこの二つに安心感を得るだろう。 しかし甘い。 その安心感をどん底に落とすお菜を用意した。 焼き魚だ。 真っ白に死んだ目をした生き物をお米と味噌汁のど真ん中に置いた。 お米や味噌汁よりも中央に陣取る焼き魚。 お前もいずれこうなる。 そう知らしめるように朝から精神攻撃だ。 しかも綺麗に焼き目をつけ、中途半端ではなく完全無欠に虐待する証を目の前に知らしめる。

 

小さくだが唾液の飲む音が聞こえる。 怖いか? しかし遅い。 虐待好きに捕まった以上諦めることだ。 それに虐待は食べるだけではない。 座布団にも虐待だ。 こちらのよりも小さな座布団だ。 上下関係をはっきりとさせる座布団の大きさ。 しかし少女は気にせず座布団の上に座り込んだ。 なるほど。 いずれこちらをそうやって踏みつけるということか。 生意気なやつだ。 だがそうでなくては面白くない。

 

しかし朝ごはんが始まれば早速焼き魚に苦しんでいる。 くくっ、大変だろう? すごく大変だろう? 無論、骨を取るのはとても大変だ。 間違えて飲み込んでしまっては喉に虐待してしまう。 しかしこの焼き魚は俺が解体してやろう。 食事中にもかかわらず少女のとなりに座り、急に迫ってきた恐怖心に驚いて身が固まる。 もっと怖がるといい。 だが今からこの焼き魚を綺麗に解体してやる。 少女もいずれこうなる事を知らしめるように骨と身を綺麗に分けてやる。 虐待のために手を抜かない主義である事を少女にその恐ろしさを知らしめてやった。

 

あまりの恐怖心に縮こまる少女だが、まだ少し反応が鈍いな。 眠気はこうなるのだろう。 そのお口に焼き魚の身を放り込み、少女の反応を取り戻させる。 残念ながらいつでも残虐非道な虐待を施せるのだ。 顔を赤くして耐えている。 怒り示してるつもりか? くくっ、反抗心はあるみたいだ。 そうでなくては虐待は面白くない。

 

食べ物が暖かいうちに朝食をすませ、少女にはしばしの休息を与えた。 あまり虐待の時間を長すぎるのは得策ではない。 そこそこ短い時間中にどれだけ濃密に施せるかが鍵だ。 じわじわと、定期的にだ。 それをこれから朝、昼、夜を繰り返していく。 くくっ、1日に3回も決まった時間に虐待されるのだ。 実際のところ少女に休息など無い。

 

さて、一人で住むには少し広すぎる屋敷で歩き回る事を許可した。

 

む? 何故かって?

 

 

無論、虐待のためだ。

 

 

少女にとって安全な部屋が何処にも無い事を知らしめるためだ。 もし安全な場所が見つかったとしても、そこはすぐに絶望的な空間と化すだろう。 なんせこの屋敷は俺と少女だけだ。 どこかに隠れても見つける。 しかしじわじわと追い詰めて探してやる。 見つかる恐怖心に怯えさせる精神的な虐待。 抜かりない。

 

だが虐待のために頭ばかり使っても仕方ない。 己の虐待精神と肉体を鍛え、そして虐待のキレを落とさぬよう鍛錬を始める。 重ねることが大事。 鬼よりも恐ろしい虐待をするならば強くなければならない。 木刀を振るい、水の呼吸と共に動く。

 

こうした時間は我が師、鱗滝先生を思い出す…

 

 

まだ自分が虐待"される"側だった俺を鱗滝先生が虐待してくれた。 空気の薄い山の中に一人残し、丸太やロープに短剣などで虐待してきた。 だが虐待に耐える力を付け、むしろ虐待する側になればいい事を悟った。 しかし油断していた俺はとある最終試験に放り込む虐待を施された。 鱗滝先生の反抗心として半数以上の鬼を斬り落としてやった。 この程度の虐待に負けるほど弱くない事を。 しかし中には虐待のために使うだろう手を多く持っている鬼もいたが斬った。 馬鹿なやつだ。 ただ手が多ければ良い訳でもない。 俺の方が虐待が強い事を証明してやった。 優越感。

 

生ぬるい最終試験の虐待を容易く乗り越え、鱗滝先生に結果を告げる。 怒りのあまりこちらを抱きしめて、絞め殺そうとしてきたが、あまりの悔しさにその力は弱かった。 こちらとしては疲労は大きかったがその状態で笑い飛ばしてやった。 初めて泣き崩れた鱗滝先生にやっと勝てた気がした。 勝てない事を知ったのか、その日からピタリと虐待は止んだ。

 

しばらくして刀が届いた。 これからは鬼を斬る。 反吐がでるような雑な虐待しかできない鬼を斬り落とす日々が始まるだろう。 鬼はアホだ。 虐待ってのはもっと苦しめてこそ虐待だ。 すぐに事終わらせる虐待など三流以下。 そんな愚かどもに虐待など生ぬるい。 首を斬り落とす価値にしかならない下郎の存在。

 

それから鱗滝先生の元から去り、住まう場所を手に入れたり、数年が経過した。 そして今まさに汚い少女を拾い、鱗滝先生が施したよりも残虐非道な虐待を行なっているところだ。 それを手紙にして送ってやった。 反応が楽しみだ。 それでも時々手紙を送っては返ってくる。 手紙の大体は鱗滝先生の虐待を乗り越えて鬼殺隊になった面々の話だ。 なるほど、虐待好きの同士が増えてる訳か。 三流以下の虐待しかできない鬼を減らしてくれる者が増えてくれるのは助かる限りだ。

 

しかし今日は鴉が動かない。 どうやら鬼はいないらしい。 ここには鬼よりも鬼な奴がいるけどな。 無論、虐待の達人である俺を示すがな。 くくっ。

 

それよりも気づいたら少女がこちらを観察していた。 どうやらあの感じだとこちらの弱点を探ろうとしているのだろう。 ただ虐待を受けるだけではなく、覆すための方法や抜け道を探してる目だ。 観察とは大事だ。 ただ少しこそばゆい感じだが、鱗滝先生もそんな感じだったのだろう。

 

……まて、いま"こそばゆい"と思ったのか?

 

 

…ッ!?

 

な、なるほどッ!

やってくれる…!!

 

いま俺はささやかに反撃を受けたと言うのか!

 

面白い!!おもしろ面白い!!この少女、あの頃の俺を思い出す! この少女が昔の自分で、今の自分がその時の鱗滝先生だろう。 虐待に対して抵抗し、反撃するその精神。 たしかにこの少女はあの頃の俺だろう。 ああ、良い拾い物をした。 くくっ、とても愉快だ。

 

くくっ…だめだ、笑みをこぼして隙を晒すな。 これ以上反撃を許すな。

この少女もいずれ俺を超えて虐待を覚えていくのだろう。 それは構わない。 だが俺の虐待に耐えれたらの話だ。 しかしその時が来ると思うと本当に楽しみでしかない。 だが俺の虐待は鱗滝先生よりも残虐非道だ。 それに何年も何年も耐えれたらの話だ。 この少女にはそれができるかな。

 

 

「!」

 

 

おおっと、逃げられたか。 ふん、甘いな。 そして後悔したな。 しかしちらりと壁越しからこちらを見ている。 顔を怒りに赤く染めているが、本当に良いのかな? その挑戦的な視線は俺に火をつけることになったのだ。 しかし後悔しても遅い。 この少女には生きている事が苦しいと思える虐待の日々を過ごしてもらうだろう。 くくっ。

 

 

さて、鍛錬を終えてまもなく時間だ。

 

腹が減る頃だろう。

 

……む? なんの時間かと?

 

 

 

 

 

 

 

無論、虐待のためだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝起きて、ここが知らない天井である事を知ると、昨日の事を思い出した。 ゆっくりと起きて、布団を畳み、昨日助けてくれたあの人を探す。 すると朝ごはんを作っていた。 狐のお面は被っておらず、その後ろ姿を眺めていた。 ちょうど朝ごはんが完成したのかこちらに振り向き、私の姿を見て微笑む。 柔らかにおはようと言われて頬が熱い。 私も挨拶を済ませて退散した。

 

それから朝ごはんとなり、私は座布団に案内させられる。 私の大きさに見合った座布団だ。 テーブルにはお米と味噌汁と焼き魚。 定番のメニューでホカホカと暖かい湯気が上に漂う。 手を合わせて頂きます。 しかし食べることに躊躇してしまう私だが、美味しそうに食べ始める彼を見て私も不思議と箸を進められた。

 

しかしカタカタて震える箸。 まだ密かにあの時の恐怖心が残っているのだろうか、情状不安定な震えはうまく焼き魚を解体して食べれない。 そんな様子を見た彼は立ち上がり、私の隣にやって来ると焼き魚をほぐしてくれた。 綺麗に身と骨を分けてくれた。

 

むぅ…別に私は焼き魚をうまく食べれないわけではなく、むしろ器用な方だ。 しかしそう勘違いされたと思うと恥ずかしくなって頬が赤く染まる。

 

それから美味しい朝ごはんが終わり、彼は「自由にしてて」と言って狐のお面を手に取り、庭に向かった。 私は彼に保護されている。 保護されてる以上はこの家に住まうことになるのだろう。 私は探索する。 しかし一人で住まうにはやや広く、少し迷いそうになった。 しかし一人で管理するには大変で、ところどころ埃などで汚れているところが目立っていた。

 

でもそれは仕方ない。 彼はどこかの剣士。 家にいることは比較的少ないのだろう。 あの鬼たちを斬ったように、彼はどこかに派遣される事なんだろう。 だから家を空けていることが多いかもしれない。

 

一人静かな廊下。 そして……怖い。 不意にそう感じた私は彼を求めて探し回ると、庭に人気を感じる。 木刀を振るい、鍛錬していた。 目で追うには非常に難しい太刀筋を見て、この人はとても強い剣士だと素人ながら理解した。 水が流れるように、振るわれる剣は綺麗だった。 座ってしばらく眺めていた。

 

しばらくして彼はこちらに気づくと「どうした?」と微笑む。 見惚れていた私は反応に遅れ、慌てて「い、いえ…」と言ってなぜかその場から退散してしまう。

 

一人怖くなって探しに来ましたというのはあまりにも恥ずかしい。 いや、彼なら別にこの事実を曝け出しても……いや、なんでもない。 しかしまた一人寂しくどこかに居るのはとても辛い。 彼の温度を感じれる距離に座り、ちらりと眺める。

 

 

「やはり何かあったか?」

 

「ッ〜」

 

 

視線が合う。 こっそり眺めているのを思いっきりバレている。 少し縮こまる私に首をかしげながりも再び木刀を振るう。 別に私がそこにいても困らないように、彼は鍛錬を続ける。 その状態で私はしばらく眺める。 今日の昼はささやかな距離で彼との時間を共有することにしたい。

 

 

廊下に置かれている狐のお面が私と彼に向けて笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手紙が届く。

 

ひとりの少女を拾ったらしい。

 

少女が住んでいた村は鬼によって壊滅して、ただひとり残った女の子がいた。

 

彼はその事を手紙に書いて送ってくれた。

 

 

______間に合わなかった……

 

 

その後悔が強く文筆に現れていた。

 

基本的には間に合わない事が多い。

 

鴉の伝達を受けて向かうのだから、一足遅い討伐は珍しくない。 彼はそれを理解している。 けれど間に合う時は間に合い、仮に死者を出したとしてもほんの数名だろう。 彼の脚も合わさり救出率は高い鬼殺隊の一人。 しかし今回は鬼も多く、村を壊滅させてしまった。 結果として少女一人を残してしまったその残酷に彼は苦しんだらしい。

 

優しい奴だ。

 

ほかの弟子も彼を慕う理由がわかる。 私が弟子を取るたびに顔を出して、その弟子となる子に励ましを送り、鍛錬を手伝ったりと、私にはできない影響を与える。 前日の最終試験から帰ってきた錆兎と義勇が寂しがってたな。 本当に慕われておる。 ああ、そんな優しい彼だからこそ今回の件で少女を拾ったのだろう。 今は保護という形で拾ったが、その少女はどのように現実を生きるのかは彼次第だ。

 

しかしあの者なら大丈夫だろう。

 

私の試練すら容易く乗り越え、無傷な狐の面と共に最終試験を「合格したぞ」と簡単に笑い飛ばしてしまう強者。 あの死地へと送らなければならない私の苦痛たる深淵を払い飛ばした三人目の弟子。 あの時の彼は十代半ばだったが最近になって二十代となり、今では時折私とお酒を分かち合うほどに成長した。

 

あれからさらに逞しくなった愛する弟子ならば、拾われた少女も大丈夫だろう。 弟弟子や妹弟子の面倒を見ることにも慣れている彼ならば。 育手の能力も高い彼ならば。

 

大丈夫と言えてしまえる。

 

 

 

「…」

 

 

 

手紙を畳んで、棚にしまう。

 

 

今日の夜空が綺麗に晴れていた。

 

 





虐待にしてはまだ序の口ですね。
なるべく耐えてください。
よろしくお願い致します。



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