汚い子供を拾ったので虐待する事にした(鬼滅の刃) 作:つヴぁるnet
第1話
縄に繋がれた子供がいたので虐待する事にした。 通行人の目に触れているけどその目を欺くために金を上に撒き散らし、隙をついて子供を掻っ攫う。 撒き散らした金はそこそこな額だが虐待のためなら安い限りだ。
家に連れ帰ったがしかし、掻っ攫った子供は何も反応しない。 とりあえず反応を試すために風呂に入れてお湯攻めを決行。 頭から大量のお湯を流す。 空かさず石鹸を泡だてて泡攻めも行い体力を消費させる。
風呂から上げると汚れで隠していた傷跡を見つけたのだがそこにも空かず虐待。 一つ一つ丁寧に虐待を施す。 消毒の痛みと引き換えにこの子供の傷は治るだろうが残念、これからはこちらの虐待によってまた傷だらけになるだろう。
それでもここまで子供に反応は無い。 どうやら掻っ攫った時からこの子供は絶望に叩き落とされていたらしい。 しかしその手を緩めることは無い。 絶望に絶望を重ねて無表情なその顔はいずれ苦しみに歪むだろう。 そのプランを立てつつ夜ご飯にも虐待。 食事の虐待に関しては虐待好きな兄弟子から教わった。 そう皆が尊敬する兄弟子だ。 いずれ役に立つと叩き込まれたがいままさにその瞬間。
その一作目としてべちょべちょのご飯に味付けを行った粗末な料理を作る。 この子供の喉が荒れていることは知っていた。 なのでその喉にも虐待が通りやすいようにする。 子供は無表情で食し、空っぽの器の前で無表情に座り続ける。 しかしその子供へ更に食べさせようと追加のべちょべちょご飯を投入。 無理やり食べさせる虐待だ。
よく見ると子供の手が怒りに震えていた…ように感じた。 そして食事の手を止めている。 どうやらこのまま抵抗するつもりらしい。 しかし無理矢理でも食べさせるためにべちょべちょご飯を子供の口元に運び、それを飲み込ませる。 抵抗しても無駄なことを知ったのか大人しく食べ始めた。 それでもなお無表情を突き通す。
虐待に対して反応は無い………
少し不安……………ん??
……ッッ!?
ま、待て待て。
待つんだ、落ち着け!
違う、不安なんかではない。
少し落ち着くんだ。
……危ないところだった。 虐待が失敗してると少しでも思い始めたらおしまいだ。 虐待を施す側は相手な隙を見せず、常に上回る姿勢を保たなければならない。 そうでなければ半端な虐待しか出来ないその所業は三流以下である事を思い知らされる。 それは鬼と同レベルを意味する。 その程度の虐待しかできない行いになんの価値もない。
……今一度改めろ。 この子供を残虐非道な虐待にて絶望に叩き落とし、恐怖に歪ませる。 それが一流の虐待だ。 もし仮に手詰まりを起こしそうになった時は皆が尊敬する兄弟子を思い出せ。 お手本となるその偉大さを再確認しながら虐待を知るんだ。 そしてその心情をこの子供に悟らせるな。
…ああ、わかっているとも。 これは虐待だ。 そして虐待だ。 俺にすら虐待が施されている。 当たり前だ。 少しでも甘い考えをしていたのだからそうなって当然だ。 思い出せ。 俺は鱗滝先生の虐待に耐えた来た。
不安に思うな。
思うなかれ…
『判断が遅い…!』
そうとも、虐待の手は緩めるな。 判断を遅らせるな。 もし虐待の効力が浅いなら浅いなりに絶望の叩き込む伏線の一部にしてしまえ。 虐待の果てに覚えた水の呼吸と同じ。 繋げ繋がり繋がらせる。 相手に一息も与えず、余すことなく、絶やすことなく、追い込むこと。 しかし焦るな。 着々と、じわじわと、ゆっくり削って行け。 その足場を少しずつ削ぎ落とし、最後は絶望のそこへ真っ逆様。
「…」
子供の頭を掴みガシガシとする。 唐突な刺激に驚いてるか? しかし今だに無表情の子供。 くくっ、だが悲観する事はない。 これは俺自身が試されているんだ。 俺の虐待力は無表情を突き通すその仮面を歪ませる事が出来るのか力を試されている。 ああそうとも。 そもそも高い拾い物をしたのだ。 それは間違いなく手強いモノなんだ。 しかし、俺には分かる。 一度その仮面を崩壊してしまえば二度と後戻りできないだろう。 ぐちゃぐちゃに崩れてしまった絶望面は最大の報酬なのは間違いない。
良いじゃないか、素晴らしいじゃないか。
ならとことん虐待を施し続け、そしていつしかこの子供が泣き叫んでも許される事はない、終わる日が二度と巡らない永遠の地獄の中で過ごしてもらう。
そう思うと、楽しみで仕方ない。
♢
______プツン
……っと、何かが切れてしまった。
何も成せない毎日が辛い…
___辛いなら感じなければ良い。
蹴られ、殴られるソレが痛い…
___痛いなら感じなければ良い。
生きようとしても苦しい…
___苦しいなら感じなければ良い。
転がるソレはもう息が無い…
___冷たいなら感じなければ良い。
それを悟ってから私はただ呼吸しているだけの生き物に下った。 だって何も考えたく無い。 生きるってなんだろう? それすらも考えれない。 もうそんな問答を抱えたところで私には意味無い。 助かりたいと思う…事も意味が無い。
ある日、売られる事になった。
どうでもいい。
どうでもいい。
人通りの多い橋を裸足で歩かされる。
どうでもいい。
お腹が減った、体が痛い、息が苦しい。
どうでもいい。
目の前に刀を持った人間が私を見ている。
どうでもいい。
目の前で生きる糧である金貨をまき散らした。
どうでもいい。
ひとりの男の人が私を抱きしめて連れ去る。
どうでもいい。
私をどこかに連れ帰り傷の手当てを受けた。
どうでもいい。
久しぶりのお湯と共に体を清められた。
どうでもいい。
汚れた布を捨て綺麗な布を着せられた。
どうでもいい。
数日ぶりのご飯だが喉が荒んで通らない。
どうでもいい。
すると雑炊で食べやすくしてくれた。
どうでもいい。
そしたら暖かい雑炊を食べさせてくれた。
おいしい。
「っ…」
「?」
おいしい…
おい…しい…
おいしい…っ…
「っ…………」
でも切れた糸はその感情を上手く通さないから表に出しづらい。
体だけがガクガクと小刻みに反応するがそれ以上は何も…
だから横にいる人は…
「良いんだよ。 充分に伝わったから」
______そうなの?
「ああ。 ……そうだな、少しだけこんな話をしようか。 水ってね、誰も気づかないような微々たる揺れでも素直に振動するからよく分かる。 だから、今の君が上手く表せなくても大丈夫。 美味しいって事はよく伝わった」
_____ ほ…ん………と?
「ああ。 でもあえて聴くよ。 だから答えて。 美味しかった?」
_________うん。
「そうか、それは良かった」
何も告げてないのに、私が放ちたい言葉を汲み取り答えてくれる。
すると頭が、柔らかに手のひらで撫でられる。
頭に手が触れた時は、叩かれるか、殴られるか、苦しい事しか味わう事なかった。
でも、初めて優しく触れられる。
痛くない。
苦しくない。
怖くない。
とても…暖かい。
「もう大丈夫だから、ここは辛い事はもう無いから、だから安心するんだ」
______うん。
「…………名前は、言える? それとも無い?」
______ない。
「じゃあ……俺が仮で付けるよ」
いつしか意志を『
いつしか自分を『
その二つの意味を持つ君の名前は
けれど…
名前の意味にこだわらなくていい。
名前の画数や文字に意味を求めなくて良い。
そんなに重く考えなくていいよ。
だって【カナヲ】は可愛い子になるから。
「…」
自分では決められない…
こんな良い名前を貰って良いの?
「ああ、素敵な名前だ」
満足そうに頷く狐のお面を見てその名を得た。
♢
手紙が届く。
ひとりの少女を拾ったらしい。
……前にも見たような切り出し方がするが、それは別の弟子からだ。 わかりやすく言うと儂の3番目の弟子のことだ。
これはまた別の弟子の手紙であり、こやつは4番目の弟子だ。
しかし彼らの中で拾い子が流行り…と、言うわけでも無いだろうが少し不安な気持ちにもなるのは彼らの先生として致し方ない。
ともかくその手紙を開き読むことにした。
______間に合わなかった。
その後悔が強く分に現れていた。
うーむ…
切り出し方が全く同じなのはこれも同じ弟子だからか?
しかし文を読んでいくとその拾い子は虐待を受けており、どこに売られる寸前だったらしい。
儂はその文筆に弟子の憤りを感じた。
そうだろうな。
あの兄弟子に影響され、そして心優しい剣士になった其奴だからこそ虐待を受けた拾い子に心を痛めて、ひどく怒りに満ちたんだろう。 水の呼吸の使い手としても鎮めれないほどに怒りに染まってたことが想像できる。
そしてその拾い子は自分の頭で考えて動けなくなった悲しい子供になった。 湯船で流されるお湯は「目を閉ざして」と言うまで閉ざさず、空腹であろうとも出された料理も「食べても良い」と言うまで何も動かず、自分でなにかをする力を失ってしまったと悲しんでいた。
しかしその弟子は悲観することなく、喜びの文もあった。 拾い子は心を壊した訳ではない。 まだ拾い子には感情がある。 雑炊だが「美味しい」と反応を示したらしい。
言葉も放つことない拾い子だが、自分には分かる微々たる震えから感じられる感情を見てちゃんと『生きている』と弟子は安心していた。
ふむ、自分には分かる微々たる震え……か。
この弟子は『目』が特別だ。
弟子の中で一番の観察眼を持ち、儂の3番目の弟子であるその弟子からも「目を鍛えろ」と推されたくらいに特別な強さを持っている。
前に「一瞬だけど人の中身が見えた」など、なんというか超越したような事を冗談混じりで言ってたような気もしたが、恐らく本人にとって己の目はそれほどなんだろう。
それはつまり、その弟子で無ければ絶対にわからないほどと言うことだ。 だからこの拾い子は非常に幸福であろう、この弟子に拾われた事が。
またそのうちこの弟子から手紙が来るだろう。
手紙を畳んで、棚にしまう。
今日も夜空が綺麗に晴れそうだ。
カー、カー!
コキュウー!
ニャー、ニャー!
コキュウー!
ネコ ノ コキュウー カラ!
カーァー!
「また手紙か、今日は良く来る」
手紙を開けばとある弟子からだ。
最初の数行ほど軽く読みあげる。
……現状報告か。
あれから一年経った今も健やかに2人で暮らしているらしい。
鬼の頸を斬って家に帰れば、そこで暖かく迎えてくれる幼妻の話か。
半分ほど惚気だな。
やれやれ、困った弟子だ。 しかし命のやり取りを隣に戦う鬼殺隊だからこそ、幸せひと時を過ごせているこの手紙は儂を思ってだろう。
自分は元気です、と。
さて、それなら弟子のその幸せを手紙から分けてもらうとしよう。
儂は久しぶりにお酒を開ける。
数枚ほど入っていた手紙をお供にして。
今日の夜は楽しみで仕方ない。
もう一人くらい虐待してもええんじゃろ?