汚い子供を拾ったので虐待する事にした(鬼滅の刃)   作:つヴぁるnet

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開けましておめでとうございます。

では早速苦しめ。






【蛇】
第0話(虐待済み)


刃物で口を裂かれそうになった子供がいたので便乗して虐待する事にした。 いや、刃物はまず頬を突き刺していた。 これから裂こうとするところだったのだろう。

 

しかし流石と言うべきだろう、鬼が繰り出す虐待は品の無い。 やはり鬼はこの程度かと思いながらいつもの如く大蛇()の頭を斬り落とし、周りの女子を振り払う。 すると口を裂かれそうになった子供はこちらの手を掴み「連れて行け」と言う。

 

ほぉ? 面白い。 しかし何を考えてそう言うのか? だがここにこの子供を置いてるだけでは将来腐らせるだけだろう。 だから俺が拾う事にした。

 

あとこの屋敷に来る途中、腕に絡みついて虐待してきた小さな白い蛇は少々鬱陶しい限りだが、振り払うほどでも無いのでこの生き物も一緒に連れてこの屋敷を出る。

 

さて村から出ようにも何かと後ろから煩い女たちの声が聞こえたが、虐待好きの俺からしたら関係ないので無視して村を出た。 恐らく虐待する対象として扱われていたこの子供を取られた事に怒っているのだろう。 先程も言ったようにこの子供はこちらが虐待して扱う方がまだ優位性がある。 鬼と手を組んで三流以下の虐待しかできないお前ら程度には勿体ない代物だ。

 

ともかく本日の鬼狩りはついでに良い拾いものした。

 

さて、家に連れて帰るもその子供は随分と怯えきった顔をしていた…が、しかし、その顔に騙されるほどこちらはバカでは無い。 あの村は食べ物が多く、裕福な暮らしをしていたのだろう。 つまり、甘ったれな生活をしていたことは確定明らか。 本気で苦しんでいる訳があるまい。 良環境で蓄えた悪知恵は敵を騙す力となっているだろうが、残念ながら相手が悪かったな。 こちらは鬼殺隊として常に鬼と駆け引きをしている。 皆が尊敬する兄弟子から沢山それを教えてもらい、その力を得た。

 

だからその目に騙されることはない。

 

 

 

「…ぼ、ぼく……は…」

 

「しゅるる…」

 

「!?」

 

 

 

睨み合いが続いていると屋敷から付いて来た小さな白蛇が隊服から飛び出し、地を這って子供に迫る。 そして近づくと小さな舌でその子供を味わっていた。 なるほど、蛇にしか出来ない方法で絶望させるのか。 小さな体とは言え恐怖を味あわせる方法を知ってるのは敬意を抱ける。

 

だが子供はあまり蛇に怯えてるようには見えない。 ふむ、なるほど。 分かったことがある。 蛇などの爬虫類は苦手ではないが、この子供は異性が苦手だと見た。 あの屋敷は女ばかりいたのを視認した。 虐待を施すのに相性や場所など関係ないが、より絶望を味あわせるために効率性は求められる。

 

今度一人女性を連れてこよう。 その時どれだけその余裕ぶった表情を歪ませれるか非常に楽しみだ。 しかし仕込みは大事だ。 食事が豊富な甘ったれな生活をしていたこの子供に出す夜ご飯は、ただのうどんにしてやろう。 粗末な麺を茹で、麺つゆをぶっかけた簡単な料理。

 

残念ながら天ぷらやお刺身と言った高級食が食卓に並ぶことは今後一切無い。 食事環境がガラリと変わった事に絶望して、大人しくうどんを啜ると良い。 もう贅沢な油っこい料理とはおさらばだ。 子供が嫌いだろう野菜もうどんの上に乗っけて虐待しよう。

 

 

「っ…」

 

 

耐えるように麺を啜る姿はとても滑稽だ。 もうあんなに美味しそうな料理を毎日食べることはできないのだぞ? しかも野菜ばかりと慣れない食事はとても苦しいだろう。 しかも首元に巻きついている白蛇に監視されてお残しすら出来ないこの状況、まさに拷問だな。

 

 

 

「ごちそう…さま…です…」

 

 

 

随分と疲れ切った表情だ。 これ以上の反応は求めれないだろう。 絶望してもらうために英気は養って貰わないとな……なんて、思ったか? ただ休んでもらうだけで事が済むと思っていたのなら甘い甘い甘い。 この子供はとある部屋に隔離する。 しかも白蛇を一緒にだ。 逃げ出すことは不可能だろう。

 

更に案内した部屋は小さく、一つの敷布団のみ。 どうせ寝るときも贅沢な生活をしてたのだろう。 だがここに来たからにはそんな生活とはおさらば。 天から地に真っ逆さまに堕ちたこの現状に絶望したながらお布団の中で泣きわめくといいさ。

 

さて、初日とは虐待を施すにあたってとても大事な日だ。 普通なら部屋に閉じ込めてさよならだが今日はこの部屋で白蛇と共に監視することにしよう。 別にこの子供を斬るつもりは全く無いが刀を持って子供には目で牽制する。 逃がさないと。 しかし子供は俺なんかよりも鬼や大蛇の襲撃を気にしているらしい。 なるほど、乱闘に紛れてここから逃げるつもりだろう。 くくっ、それは不可能だ。 もし仮に襲いに来たにしろ速攻で全て斬り伏せてしまうからな。

 

逃亡を考えても無駄だ。

 

 

 

「……目を離…さ、ない……で…」

 

 

 

なになに? 目を離さない? なるほど、むしろそちらが目を離さず逃亡の隙を伺うのが。 しかもそれを敢えて言うのはこちらに対する戦線布告と受け止めれる。 子供はいつでも逃げてやると挑発してるのだな。 くくっ、しかしこれは驚いたな。 細やかながらも虐待返しを知ってたか。 しかしだがバカな奴だ。 眠気に襲われて何もできなくなっている癖によくその大口を立てれたものだ。

 

いいだろ、そっちがその気ならこちらも離さないでやろう。 蛇の(とぐろ)に巻かれるよりも恐ろしい虐待を施し続けてやる。

 

 

明日は異性との対面だ。

 

 

存分に苦しんでくれ、クククッ…

 

 

 

 

そう思うと、楽しみでしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生贄のくせに!! 大人しく気に入られて!そして!そのまま喰われてりゃ良かったのに!!斬られたあの大蛇の半身が大暴れして何人か下敷きになって死んだのよ!!」

 

 

 

心を抉る。

 

心を潰す。

 

僕が何をしたと言うの?

 

なんで?

 

男として生まれた僕が悪いの?

 

どうして…

 

 

 

「下敷きになったのはこの子供を取り返そうととして、いつまでも女達があの屋敷に居座ってたせいだろうが。 俺はさっさと逃げろと忠告した」

 

 

「うるさい!! あなたは部外者よ! 変な刀も持って!! この殺人鬼!!」

 

 

「鬼を殺す人だからまったくもって殺人鬼で結構。 いや単語の並べ方が違うか? まぁいい。 それにお前らはこの子供を生贄以上の扱いをしようとしただろ? 違うか?」

 

 

「ええ! 村の繁栄のために! 女達の子種でも! 見せ物でも! 売買でも! なんでもしたわよ! あの大蛇のせいで何もかも奪われたけど、もうその脅威も無い!! だからソイツを返せ!! "ソレ"は私達のモノだ!!」

 

 

 

っ…

 

ああ、僕なんか…

 

その程度で…

 

大事にされてるようで…

 

大事になんてされてない…

 

口を裂くために貫かれた頬も痛い…

 

心も、体も、痛い、痛い…

 

自分が、憎い…

 

 

 

「返さない、この子は俺の手を取った」

 

 

「!」

 

 

「鬼殺隊のように強い意思を持ち合わせるこの手が"モノ"な訳あるか。 生きるために足掻いたこの子が"ソレ"と言われる筋合いもない」

 

 

「ッッ、か、返せ_」

 

 

「判断が遅い」

 

 

 

そう言うと刀を引き抜きながら振るう。 するとこの侍を中心に嵐が起こる。 海のように荒れ狂い、その中に蛇が睨みを効かせながら斬撃の中を這う。 まるで蛇が戸愚呂を巻くように僕たちを囲っていた。

 

そして空が見えた。

 

 

 

「いやはや、参ったねぇ。 目眩しの斬撃とはいえ、鎹鴉には一般人に刀抜いたとか思われたらどうしようかねぇ…」

 

 

 

鋭かった眼光はいつしか閉ざされ、糸目のように薄く、とほほとしたような顔になったお侍さんは僕を腕の中に収めながら空を飛んでいた。

 

 

 

「さて……」

 

 

 

 

お侍さんは口を開き…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__ほな、そろそろ起きようか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!?」

 

「お? 起きたか。 珍しく無防備だったな」

 

「……錆兎」

 

「ああ、俺だ。 しかし明日の最終選別で緊張してるかと思ったが、案外余裕そうで良かった」

 

「……問題ないです」

 

「そうだな。 伊黒は強くなった。 試験は何も問題ないだろう」

 

 

 

僕の師匠。

 

いや鱗滝先生が師匠であるが、基礎訓練を終えて剣の手解きをしてくれたのは錆兎だ。 だから僕に取っての先生は錆兎だ。 鱗滝一門のお弟子さんの中で特に強い兄弟子。 義勇に続いてまもなく柱に昇格するだろう言われる存在。 しかし戦いの強さだけではなく厳しさと優しさも兼ね備えた鬼殺隊の剣士。 そんな兄弟子の後ろを追いかけたくなるのは誰も同じだ。

 

 

しかし僕が錆兎の後ろをついて行くのは…

 

 

 

「どうした? 俺の何か顔についてるか?」

 

「いや、なんでも…」

 

「もしかして傷のことが気になるか? 前にも言ったがこれは"男"の勲章だ。 気に病まれる事にはならないな!」

 

 

 

兄弟子の錆兎は「ふんすっ!」と頬の傷を誇る。 頬から口元まで大きく削られたように出来上がっている傷。 しかし錆兎は男の勲章として受け止めていた。 それは錆兎も今の自分と同じくらいの頃、最終選別に向けての訓練中に皆が尊敬する兄弟子との一騎打ちに出来上がった。 その代わり頬に出来上がった傷と引き換えに一本取ったらしい。 しかしあまりにも危険なやり方だったらしく、その後は鱗滝先生にこっ酷く怒られたと苦笑いしていた。

 

けれど錆兎は「男なら!傷の一つ二つ、大きかろうが小さかろうが、それを背負って強くなるべきだ!」と前向きだった。

 

僕とは違って…

 

 

 

「…」

 

 

 

僕にも頬に傷がある。

 

あの大蛇に気に入られ、あの大蛇は自分と同じように口を大きくお揃いにしたいと言い、そして女たちに押さえつけられて頬に刃物を食い込まされた。 痛みを受け入れ、恐怖も受け入れ、そして頬を裂かれる寸前で僕を鱗滝一門の兄弟子が助けてくれた。 しかし頬を貫通した傷は痛々しく残る。 それが嫌だった。 あの鬼の大蛇と同じ鬼にされそうになった。 忌々しくて、惨たらしいほどだ。 そんな自分を呪う。 そもそも僕なんかが生まれたからあんなことが起きた。 人も死んだ。 こうして生きてる僕は…

 

 

 

「伊黒、男ならクヨクヨするな」

 

「!……で、ですが…」

 

「お前は女しかいない村から唯一生まれた男だ。 それが幸運か不幸か分からない。 だが、男として生まれた以上は前を向け。 どんなに傷を負っても食いしばれ。 どんなに擦り切れても歩みを止めるな。 その足を止めたら鬼に食われ、鬼にされてしまう」

 

「!」

 

「だがお前が戦えば鬼は消え去る。 人も救われる。 男なら怯えるな。 戦え。 お前は男だ。 伊黒は戦える男として生まれた男だ。 そんな風になれる男のお前を俺は見てきたんだ」

 

「っ、な、なんですかそれ。 無茶苦茶ですよ。 男なら戦えるって、なんでですか…」

 

「それは簡単だ。 女や子供を守るのは男の役目だからだ。 それはどの時代もそうだと思ってる。 もちろん鬼殺隊には女もいる。 とても強い人もいる。 あの蝶柱だってそうだ。 もちろん他にもいる。 でも強さを抱くのはまず男からなんだ。 伊黒もその一人だ」

 

「……」

 

「お前が強い男になれることを望む」

 

 

 

ガサッ

 

 

 

「ええやん、それ」

 

 

 

「!」

 

「海蛇の兄貴か」

 

 

 

狐のお面をつけた兄弟子が空から飛び降りてきた。 狐のお面の目元には水色の蛇が横に長く耳元まで伸び、お面の頬には大海の波が渦巻いてるように描かれていて、こちらをバカにしているようなニヤケ面に見える。

 

けどお面の中身は少し怖い顔だ。

 

まるで蛇のように鋭い目を持っている。

 

 

けど弟弟子思いの優しい兄貴。

 

そして僕の恩人…

 

 

大蛇の生贄から助けてくれた強い剣士。

 

そして……僕の憧れの人だ。

 

 

 

「錆兎の脳筋理論は前向きでええと思うよ? 嫌いじゃない。 けど、心配しなくても大丈夫や。 生きるためにあの場所から逃げ延びようと日々を戦っておったろ? ほな伊黒は戦う男じゃん」

 

「!」

 

「頬に受けた傷は忌々しく、それは無力の表しやろうな。 せやけど鱗滝先生の元で厳しゅう鍛錬を乗り越えて全集中の呼吸をものごっっそしてきた。 今の伊黒はんは鬼の頸を落とせる。 だからあの頃に負けんな。 蛇に睨まれた蛙で収まるな。 今の伊黒は刀を持って戦う剣士(おとこ)やないか?」

 

 

「僕は……」

 

 

「………伊黒、今日から君も"俺"と言うようになれ。 まずはそこからだ。 そうすればあの頃よりも…」

 

 

 

ごちゃ混ぜな方言の口調から真面目な口調の声に切り替わった海蛇の兄弟子は僕に近づくと、傷ついた頬に手を添えて残りの手で頭を撫でる。 狐のお面でその顔は見えないけど、海蛇の兄貴の糸目がニッコリと笑ってるように思えた。 それが狐のお面に映し出されているようで、優しさが現れている。

 

小柄で非力な僕とは違って強い腕。 でも鱗滝一門の中で一番力が弱いと言われる海蛇の兄貴。 小柄な僕と似ている。 でも人間よりも強い鬼たちを屠ってきた手。 触れられる頬からそれは感じられる。 だから……あの時、大蛇を切り落としたり後に兄貴の手を掴んだ。 それは僕に取って非力でもなんでもなく、縋りたくなるほどに逞しかったから。

 

 

 

「ほな、精進せや。 いつか肩並べれる時が楽しみや。 その時の伊黒はんを待ってる」

 

 

 

カー! カー!

アッキメッサツ!

カー! シュツゲキセヨ!

 

 

そのタイミングで海蛇の兄貴の鎹鴉が現れて鬼の討伐を命じた。

 

海蛇の兄貴は頷き、その場を去ろうとする。

 

 

 

「っ……僕…ぃゃ……ッ…おれは…!」

 

 

「?」

 

 

「俺は! いつか…! い、いつか兄貴のように! なれるか!? 俺も兄貴のように!」

 

 

「!…ああ、なれる。 だって、僕も…」

 

 

 

狐のお面を外して糸目が開かれる。

 

青色と赤色の綺麗な色の目。

 

自分と同じだった。

 

 

 

「当時の伊黒よりも弱くて、この両眼の色が気味悪いから虐待を受けて、それで鬼からもバカにされた。 それが嫌で目を細くしてあまり見せないようにした。 俺は臆病者だ。 だが伊黒はその目をしっかり開けて今を視ている。 だから羨ましいくらいに君は強くなるだろう」

 

 

「…」

 

 

「乗り越えて。 昔を、君を、傷を、そして()を…ね?」

 

 

 

そして音もなくその場を去る。

 

そんな兄貴の後ろ姿を錆兎と共に見送った。

 

 

 

 

「その言葉、信じるよ、兄貴」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、錆兎から最後の手解きを終え、最終選別に向かった。 教わった水の呼吸で容易く乗り越えて鬼殺隊として認められた。 それから春が訪れて冬眠から目覚めた鏑丸と共に鬼の頸を落とす毎日。 その途中で海蛇の兄貴と合流した。 よく頑張ったと言葉をもらって涙が流れそうになったがそれを堪える。 それから海蛇の兄貴と共に"蛇の呼吸"を作り上げ、いつの間にか肩を並べてあっていた兄貴を追い越して、間も無く柱になれるほどになった。

 

 

そして…

 

 

 

 

「す、すみません! ここはどこですかぁ!?」

 

 

 

桃色を印象させる鬼殺隊の女の子が尋ねる。

 

そこまで大きくない屋敷なのに道に迷ったらしい。

 

 

 

「迷ったのか? …どこまで向かいたい?」

 

 

「あ、案内してくれるのですね!! ありがとうございます!!」

 

 

 

コロコロと表情を変える彼女を案内する。

 

なんだか目を離せない程だ。

 

普通じゃない自分が彼女と一緒に居ることで普通になれた気がするから。

 

 

でも、それで悲観はしない。

 

この異色を抱えて進めることを教えてくれた兄弟子達に応えるように"俺"はこの両眼を開いて行こう。

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 

 






虐待の犠牲者を増やしたと思ったら…
虐待の加害者(同士)を増やした逆パターンの1話でした。

原作よりも(多分)強化された小芭内に目を付けられた甘露寺の行方は……まぁ、この小説なら言わずもがな、ですね。

あとはご想像の通り、苦しんでください。

ではまた













《本音》これ伊黒小芭内でやる必要ある?

  • ある(鉄の意思)
  • ないです
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