「カンパーイ!」
今日は比企谷たちが二十歳になった記念にプチ同窓会を開いた日である。
「ったく、なんでこんなことになってるんだよ…」
「あら?二十歳になった記念にお酒を飲んでみたいと言ったのはあなたじゃないの?」
そう言うのは比企谷の隣には当然のような顔をしてして座ってる雪ノ下。
「そうだよ!人数多いほうが楽しいじゃん!」
そして反対側には由比ヶ浜である。
「小町は楽しいけどなぁ」
斜め向かいに座ってるのは小町である
「お前は酒飲むなよ?ってか飲み会なんてリア充のイベントだろうが…やるなら身内だけでやりたかったのによ…」
不満げな比企谷
「ゴメン八幡…僕邪魔だったかな…」
正面に座っているのは戸塚
「いや!戸塚はいいんだ!むしろ戸塚だけで良かった!男同士でな?一緒に飲んでホテルで二人の将来ついて朝まで語ろうぜ?」
「んもう八幡は、雪ノ下さんに怒られるよ?」
比企谷の隣では雪ノ下がこめかみを押えてまたこの男は…とため息混じりにつぶやきそれを苦笑いして眺めてる由比ヶ浜と小町
「その男同士ってのには俺は入ってないのかな?」
戸塚の隣に座って爽やかスマイルを投げかける葉山
「大体なんでそもそもなんでお前がいんの?おかしいでしょ?おまえ俺の事そんなに好きだっけ?」
「当然でしょ!大学になってもハヤハチは健在!酔った比企谷くんを隼人くんが介抱してそのままなし崩しに!キマシタワー」
「海老名、ウッサイ」
やはり当然のようにいる三浦と海老名
「ゴメンネ八幡、僕が戸部くんに話したばっかりに…」
戸塚は戸部と同じ大学に進学、そのせいもあって構内ではよく顔を合わせていたのだ。
「え?俺余計なことしちゃった系?ッベー、ヒキタニクンゴメン!俺ら余計だった?」
と頭を下げる戸部にうろたえる比企谷
「い、いや別にいいけどよ…」
「ほら戸部、別にいいってさ、なんの問題もないね」
爽やかスマイルをする葉山にウンザリ顔の比企谷である。
このワイワイ騒いでるテーブルの端には無論材木座
「八幡!ほら!我!我もいるから!」
材木座もなんとか進学していた。
大学は違っていたが比企谷と戸塚とは連絡は取り合っていたのだ。
今回の事は戸塚から聞いて我も我もと強引に参加した次第である。
ちなみに材木座は大学デビューしようと一念発起、その手の遊び系サークルに入りリア充を満喫しようとして壮大に爆死していたのであった。
「我を忘れないでよはちえもーん」
「いやお前のこと忘れろって言っても無理だろ、サークルに選び失敗したとかで毎日俺のとこに押しかけてきやがって」
「そうね、なんで私が行くといつもあなたがいるのかしら?」
比企谷は大学進学を機に一人暮らしを始めたわけだが材木座はほぼ毎日遊びに行っている状態である。
憤慨して材木座をにらみつける雪ノ下に
「まあまあ、ゆきのん落ち着いて、ね?楽しくやろう?」
なだめる由比ヶ浜であった、しかしここに当然いるべき人がいない
「そういえばみんな一色さんの情報ってなにか知ってる?」
戸塚が口を開く、一色いろはが大学進学直後行方不明となっていたのだ。
「さきさきも突然いなくなっちゃったし・・・」
海老名と川崎は同じ大学へと進学してたが川崎沙希もほぼ同時期に行方不明となっていたのだ。
「・・・あの二人なら大丈夫だろ・・・一色はあざといし、川・・・崎はなんか怖いし・・・」
と比企谷がいうが場は一気にお通夜ムードに
「そ、そう!いろはすはアレだって!先輩を上手くつかえるし!俺なんて何度も便利屋扱いされたっしょ!川崎さんは知らないけどきっと大丈夫っしょ!」
「八幡!ともかく!今我らがどうこう言っても始まらぬ!今回はその問題は置いといてさあ飲もうぞ!・・・あ、すみませーんファジーネーブルくださーい!カクテルはジュースのように飲めるから我は好きだぞ!」
戸部と材木座が場を盛り上げようと必死だ
「そんな図体してカクテルかよ・・・悪酔いすんぞ?でもそうだな・・・」
比企谷がそういうと少しづつ場は元に戻りはじめる、そして宴もたけなわとなったころには最終的に皆酔っ払いとして出来上がる始末である。
店をでて帰路に就く途中
「比企谷くん、私少し酔ったみたい・・・」
少しどころか足がふらついてる雪ノ下は比企谷の右腕にしがみ付いている
「ヒッキー、あたしも・・・」
由比ヶ浜もふらふらで左腕にしがみつく
「お前ら・・・変なサークルにつかまったりするなよ?なんか心配になってきた」
「大丈夫!いつもお兄ちゃんがいれば変なことなんてされないよ!」
と小町
「八幡・・・僕も酔ったみたい・・・」
「よし!戸塚!ホテルいこう、そこで酔いを覚まそう!」
「比企谷くん、なぜ戸塚くんとホテルに行くのに私とは行ってくれないのかしら?」
「え?ヒッキーホテル連れてってくれるの?」
「うわーお兄ちゃんもてもてだねぇーここはいっそみんなホテルに連れ込んでみんな小町のお姉ちゃんにしましょう!ついでに小町も女にしてくれるとうれしいかな?」
「ちょっと小町ちゃん本当に飲んでないよね?」
と比企谷に皆べったりとくっついてもはや歩くのが困難な状態、対して葉山はというと
「ねぇ隼人・・・」
と三浦は葉山の腕に抱きつき上目遣い、反対側の腕には
「隼人君!俺ら一生ずっ友っしょ!運命共同体っしょ!」
と戸部がまとわりつく
「ずっ友・・・ハヤトベは・・・うーん」
と悩む海老名に
「ほら!海老名も!あんたもいい加減戸部の告白受けな!」
戸部は進学後も何度も海老名にアタックし続けていたが未だに返答もらってない始末
「えーうーん・・・」
と悩む海老名を強引に引っ張ると戸部のほうへ押し付ける
「きゃっ」
そのままの勢いで戸部に抱きつく海老名
「うひょー俺今幸せっしょ!みんな大好き!」
「・・・戸部・・・うるさい・・・」
結局葉山の周りも団子状態でまるで動けなくなっていた。
それをちょっと離れたところから見る材木座
「ぐ・・・完全に出遅れた!このリア充ども!爆発しろ!」
スマホをいじっていた材木座だけ蚊帳の外である、その時葉山と比企谷の足元が光りだす
「うぉ!」
「なんだ?」
「ちょっと!なにこれ!」
「ヒッキー!」
「八幡!」
皆それぞれぎゅっとしがみ付いている状態でそのまま光っている地面に吸い込まれていった。
それを唖然としてみていた材木座
「はれ・・・?八幡?・・・あれ・・・何が・・・?」
光は消え目の前にはただの地面、材木座はしばらく立ち尽くした後
「け、けいさつを・・・」
と先ほど比企谷達が消えたあたりに向かいながらスマホから110番にかけようとしたのだが
「うひゃぁ!」
光は消えていたが穴?はまだ開いていたらしく材木座も地面の中へと吸い込まれていった。
異世界へと召喚される過程、召喚の術式の効果で召喚された人には魔力が自動的に注入される。
今回召喚のターゲットとなったのは葉山と比企谷の二名のはずだったのだ。
だが回りの人が予想以上にくっつきすぎていたので巻き込まれる形で召喚されてしまう、そのため注入する魔力の量が圧倒的に足りない、そうなると術式は自動的に供給元となる魔力を探し出す、そして儀式が行われている世界そのものに漂う魔力を強制的に吸い上げてしまった、なにしろ想定外の事態である。
そして、それらは全員に順次注入れるわけだが、問題は後から吸い込まれた材木座である。
葉山と比企谷達に注入された後、材木座も何故か複数名と認識されてしまい、吸い上げた魔力の残りすべてを注ぎ込まれることとなってしまったのだ。
そして更に不幸なことに後から吸い込まれた材木座だけ別なところに召喚されることとなるのであった。