「我はハーレムが欲しい!」
街を逃げ出し隣国へとに向かっている最中のこと野宿の準備中に唐突に材木座が叫ぶ
「はいはい、出来るといいね」
川崎はまたも呆れている
「クソみたいな妄言う暇あったら薪を集めてきてください」
一色が戻ってくる、スカウトスキルが高いので周囲に魔物がいないか偵察してきたのだ。
「だって!ツンしかない沙希殿と!小悪魔じゃなくて悪魔的女子とか!そういうのじゃなくて、せっかく異世界なのだからエルフの女の子とか!かわいい僧侶の女の子とかとイチャイチャとか!そういうの!」
「はぁ、仮にそういう人がいたとしてもステータス2桁でイケメン要素皆無な義輝先輩がモテモテになるとは思えないんですけど?」
やれやれといった表情の一色
「大体見た目が葉山先輩と違ってアレなんですから、先輩みたいにいざという時は頼りになるとか助けてくれるとか、そういうのがわからないとモテないですよ?多分初見では先輩みたいに無理でしょうねー」
うんうんと頷く川崎
「んもう!本当は!我がチートステータスで!チートでハーレムで!」
本当は500兆を超えているステータスになっている材木座だが理解していないので弱そうな魔物としか戦ってないのである、おかげで自分がチートであることを全く気が付いていない、そもそも川崎も一色も勇者として召喚されたので並みの冒険者よりは強い為、自分たちが先行して戦ってしまう、それも気が付かない要因となっていたのだ。
「はいはい、そんなにチートがいいんだったらもっとまともに魔法を使えるようになれば?さっさと薪を集めてきてもらえない?料理作ってまってるから」
「義輝先輩お土産よろしくですー」
「ぐっ!結局雑用であるか」
現在強そうな魔物に遭遇した場合、川崎が切り込み一色が魔法で援護と補助、弱ったところを材木座が最後に魔法や大剣でとどめといった戦法をとっている。
「うーむ、我の場合直接攻撃よりも搦め手で戦った方がいいのかもしれぬな・・・」
歩きながら魔導書をめくる材木座
「うむ、あるな、詠唱破棄、これを使えばわざわざイグニッションと叫ばなくてもよくなる、逆に我の考えた詠唱を唱えることができるな、なになに・・・デメリットは威力の低下・・・これは我にとってメリットであるな」
さらに魔導書をめくる
「そしてこれだな、多重詠唱、これもデメリットは魔法威力の低下とあるが我にとっては好都合、片手に炎、もう片手に氷でメドローアができるやも!」
薪を背負い魔導書を開き、歩きながら練習する材木座、通常この魔法は簡単に取得できるものではないのだがけた違いのステータスを持っている材木座の事、やすやすと習得してしまう
「案外簡単だのう、皆やらんのは威力が落ちるからか?」
と試しにイグニッションの魔法を両手から放出
「何も言わなくともいきなり同時に出せるな、これはいいぞ」
しばらく交互に試した後
「うむ!満足である!、次は・・・」
近くにあった大木に手をつく
「ムフフ、我の換気の魔法は何故か竜巻になるのでな!竜巻ときたらあのキャラであろう!吹き荒ぶ風のゲーニッツ!」
要は某K〇F98のラスボスである
「お別れです!」
今度は大木相手にゲーニッツの超必殺技風にやってみる、無論ポーズも同じ、巨大な竜巻が大木を覆い全ての枝を薙ぎ払う
「詠唱破棄最高ではないか!次は・・・」
「なんか騒がしいと思ったら・・・どうしたの!?なんか凄いことになってるんだけど、大丈夫?!」
いつのまにか川崎が後ろに立っていた。
材木座の回りには竜巻によってへし折られた大木の枝が散乱していたのだ。
明らかに何か大変なことが起きたように見える。
「新しいスキルの習得に励んでいたのよ!とうとう無詠唱で魔法を同時に使えることに成功したわ!威力は落ちるが問題なし!結果は見てのとおりよ!んで沙希殿はなぜここに?」
「そっか、よかった・・・あんたが遅いと思ったから様子見に来たんだよ」
「すまぬ、つい魔法のパワーアップぶりが凄すぎて忘れておった」
川崎はホッとしてるのか胸を撫でおろしてる
「どうされた?・・・ハッ!もしやデレ!いろはすに続き沙希殿がもとうとうデレを習得したのであるか!?」
その様子にため息交じりの川崎
「あんまふざけていると今日のご飯やらないよ」
「そんな!沙希殿のご飯美味しいのに!勘弁してほしいなりよ!」
すたすたと先を進んでいく川崎の後ろを追いかける材木座であった
夕食を取りつつ今後の予定を話し合うことに
「やはり沙希殿の料理は美味い!」
「・・・おだててもなんも出ないんだけど?」
「そうですよ、わたしの時はなんも行ってくれなかったくせに、なんで褒めてくれないんですかー?」
と一色はご立腹
「いや、ほれあの・・・いろはすの料理は普通というか、こう・・・いつも通りというか?」
「それってどういう・・・は!家庭的で違和感なく毎日食べられるから一生わたしに飯を作れというつもりですか?!遠回しな告白のつもりですか?ごめんなさい、そういうのはまだ早いと思うで落ち着いたら考えさせてくださいごめんなさい」
「早口で何言ってるのか分からんのだが?それよりしゃべってばかりで食っておらぬな、我が食ってやる、よこせ」
「は?なに自然に間接キス狙ってるんですか?ごめんなさい、そういうのはまだちょっとだけ気持ち悪いんでもう少し慣れてからにしてくれませんかごめんなさい!」
それをやれやれといった表情で見る川崎
「義輝?足りないならあたしの上げようか?あたしはよく弟とかにやってたからそんなの気にしないし?」
「沙希先輩、あんまり甘やかすのよくないですよ?ちょっとは痩せてもらわないと・・・あと義輝先輩?あんましふざけたこと言ってますともう作ってあげませんよ?」
ちなみに材木座が出来るのは肉や魚の丸焼き程度で、あとはそれに保存食をそえるだけというある意味男らしいものである。
「んもう、なんでおぬし何時もそういう時って顔は笑ってるけどセリフが恐ろしいの?我にちゃんと美味い飯を毎日作ってほしいのだが」
その言葉に固まる二人
「ちょっと義輝先輩?」
「あ、ああんた・・・」
赤くなる二人だったが意味が全く分からない材木座
「あ?二人ともどうされた?飯食わぬのか?」
「・・・ハイハイ、まあ義輝先輩はいつも通りですよね」
「・・・そうだね・・・はぁー・・・えーっと今後どうするかだっけ?」
なにか落胆したような二人にハテと首をひねる材木座だったがそれは置いといてと今後のことを話す。
「うむ、隣国の魔法都市帝国では魔道具の開発が盛んだと将軍殿より聞いたのだ、もしかしたら帰る方法が分かるやもしれぬ」
「それは分りましたがなんで魔法の練習毎日する必要あるんですか?くたびれるんですけど」
移動しつつも材木座達は魔法の練習を怠っていなかった。
魔力が無くなったら魔力を転送させ強引に回復、また繰り返し魔法の練習をさせる。
おかげで魔力の成長力が異常に早い。
あまりに早い成長速度だが他の冒険者との接触を避けていたため普通がわからず、召喚された勇者だからかと思い深くは考えていなかったのだ。
「強力な魔物に遭遇しておらぬが今後はわからぬ、その為の備えは必要であろう、この間の川辺のワニに襲われたことみたいになりたくないのでな」
「・・・あの時はごめんなさい」
「謝ることではない、それでだ、ああなった時の対処として新魔法レビテーションを覚えることが必要である!」
「またあんたの妄想?」
「違う!魔法スキルが上がったので覚えれるのだ、これを使えば物を浮かせることが出来る!無論自分もだ!空が飛べるとういうことよ!」
「マジですか!わたし空飛んでみたかったんですよ!早速やりましょう!」
意気込む一色
「もう遅いからあしたにしない?あと義輝、今日から同じテントで寝ていいから」
「は?」
材木座のテントは破壊したままで、新しく購入する前に街から逃げ出したのでテントは一つしかないのだ
「よく考えるとあんたステータス低いでしょ、一人で外で寝られると朝死体になってたりしたら困るっていろはと昨日話し合った」
「そうですよ、でも変な事したら分かってますよね?」
「それと地図見ると国境沿いに村があるみたいだし、具体的なことはそこで一泊しながら考えない?いいかげんベッドで寝たいし」
「そーですよ、テント暮らしは疲れますからねー」
と言われその日から同じテントで寝ることになった材木座、無論火の番をするので交代でテントに入るのだが
「ウーム美人な女子が横で寝ているシチュエーションというのはウハウハに聞こえるが・・・」
一色が隣にいる時は
「うーん、先輩・・・責任・・・」
川崎の場合は
「京華・・・大志・・・ねーちゃん頑張るから・・・」
「これではいたたまれんぞ、しかし何故か二人ともずいぶんと近いのだが、普通はドキドキしたりムラムラするのかもしれんが、正直これでは何もする気がおきん・・・そういえば八幡はどうしておるのかの・・・あやつの事だから上手いことやっていると思うが・・・」
~~~~~~~~
材木座達が野宿を続けている間、比企谷達はというと国王に呼び出され相談を受けていた。
「凱旋パレードが終わって間もないが実は相談があってのう、隣国に不穏な動きが出ておる、交易ルートが使えなくなり物流が滞っているとの報告を受けておってな」
「また厄介ごとか」
働きたくない比企谷はまたも不満気
「比企谷、静かに!」
相変わらずそんな比企谷を窘める葉山である
「ははは、まあいよい、それと最近川が干上がったりして水の調達も難しくなっておる、魔法使い達に水の魔法で臨時に対処させているが、城下でデマを流すものもいてな、魔法都市帝国が攻めてくるから国王は国を捨てて逃げ出すつもりだとか笑止にもほどがある、一体何が起きているのやら、勇者殿らは何かご存じないか?」
「・・・道にインフラ、情報操作、どっかで聞いたことないか?雪ノ下」
「相手を孤立させ、ライフラインを断ち、偽の情報で撹乱、テロや占領作戦の基本の一つね、もしこれが意図的に行われているとしたら本当に隣国が攻めてくる可能性はあるわ」
「流石勇者殿、確かに水源を調べていた調査隊がなかなか帰ってこないとの報告も受けているのだがもしや」
その時唐突に兵士が駆け込んでくる
「謁見中に失礼!陛下!水源を探ってた調査隊が死体で発見されました!」
「なんということだ!」
「もう隠す必要もないってか、まずくない?」
「陛下!至急住民を避難させる必要があるかと!」
「ウム、勇者達の言葉を信じよう!できる限りの住民を避難させよ!」
彼らの周囲には不穏な空気が立ち込めていた。