「くそ!なんで攻めてくるのが人間じゃなくて魔物なんだよ!」
比企谷達は現在王都にて魔物の軍勢と戦っていた。
「人間もいるが後方にいるようだ、魔物を操ってるらしいな」
葉山が比企谷の脇で剣を振りながら答える。
「下っ端に働かせて自分らは高みの見物かよ・・・どの時代もブラック企業ってのはあるんだな、働くとやっぱ負けだな」
「アホなこと言ってる暇ないだろ!上からくるぞ!」
四方から攻めてくる魔物の群れ、そして空中には無数のドラゴンが王都上空を周回しながら炎のブレスを吐いているのだ。
「一般市民を非難させてなかったら地獄絵図だったな、しかし降りてこないなんて卑怯だろ」
「制空権を取った方が勝ちというのは近代戦にも通ずる戦法よ、しかもあのドラゴン、魔法や弓矢がギリギリ届かない位置から攻撃しているわ、戦法を考えた人は賢いわね」
「雪ノ下、相手褒めてもなんもでねぇだろうが・・・おいなんだあれ!」
街の建物を破壊しながら巨大な生物と思われるものがこちらにやってくる、ドラゴンの体に巨人の上半身、体からは無数の職種が生えており、尻尾の部分には二匹の蛇竜が周囲を威嚇している
「なんだあれ?」
「うえーキモいよヒッキー」
「そうね、気持ち悪いわね比企谷くん」
「なんか俺が気持ち悪いみたいに聞こえるんですが」
「この上また厄介そうなのが・・・みんな!あいつを迎え撃つぞ!」
葉山はダッシュで迎撃に向かう
「マジかよ、逃げたほうがよくない?」
「八幡!駄目だよ!」
「おにいちゃん?そういう発言小町的にポイント低いよ!さあ走って走って!」
葉山が剣を構え巨大生物へと向かい、その後を比企谷たちも追うこととなる。
「ふふふ、さすが異世界から来たりし勇者だな、貴様が立てたこの作戦かなりの功を走してるではないか」
巨大生物の上では不敵に笑う男がいた、魔法都市帝国のブラック将軍である。
そしてその横には美しい女性が巨大生物を操っている。
しかし目の焦点が定まっていない
「洗脳状態というのがいささか物足りぬがこの合成獣『アル・バイター』を操る為だ、仕方あるまい」
巨大合成獣は勇者の力によって動かされていたのである。
虚ろな目で生物を操りサンキンガル王都の町を蹂躙してく
「ククク・・・しかし本当に戦わせるだけではもったいない、あとで貴様の妹と感動の再会をさせてやろう、そこで・・・ハハハハ」
高笑いをするブラック将軍
「・・・雪乃ちゃん・・・待っててね・・・」
戦火の中でニヤリとするその顔は雪ノ下陽乃その人だった。
ドラゴンのブレスを避け、葉山達と比企谷達は巨大生物の足元で凄惨な現場を目撃することになる
「なんだよありゃ・・・」
アル・バイターに王国兵士が立ち向かっているが全く歯が立たない、そればかりか体中から生えている触手の先端がパックリ割れると兵士たちを次々と飲み込んでいっているのだ。
「食ってやがる」
唖然とする比企谷の所へも触手が鋭く迫ってきた
「あっぶな!」
すんでの所で回避した比企谷、ふと頭上を見上げるとアル・バイターの上にいる陽乃に気が付いた
「あれ?なんかあの人見覚えない?」
ハッとなる雪ノ下と葉山
「あれは・・・姉さん?・・・姉さん!!!そこで何やってるの!」
「陽乃さん!」
二人の声を聞いたのかこちらを見下ろす陽乃とブラック将軍
「おや?・・・あんな所に貴様の妹がいるぞ?ハハハハ!予定より早かったな!勇者たちよ!私はブラック将軍と申す、こちらの美しい女性はご存じであろう?我らも勇者召喚の儀式を行い召喚したのだ!」
「あの人も召喚されたのか・・・マジで魔王の風格だな」
呆然となる比企谷
「サンキンガル侵略作戦はこの陽乃が戦略をたてたのだよ!そしてこの巨大合成獣アル・バイターの設計もやってのけた!美しいだけではなく実に素晴らしい優秀な女だよ、さあ陽乃、やってしまえ!」
「・・・雪乃ちゃん・・・死になさい!」
陽乃はアル・バイターの触手を操り攻撃態勢を整える
「姉さん!聞こえないの!姉さん!」
陽乃へ呼びかけることに必死の雪ノ下、そこに雪ノ下を捕食せんと口を開いた触手が頭上から襲い掛かってきた
「ゆきのん危ない!」
いち早くの攻撃に気が付いた由比ヶ浜は雪ノ下をつき飛ばした。
しかし
「・・・あ・・・」
あっという間に触手は由比ヶ浜を飲み込む、その姿は蛇が獲物を丸のみしたかのように大きく膨らんでいた
「くそ!由比ヶ浜を助けるぞ!」
比企谷と雪ノ下が触手に剣を突き立てるが弾力で押し返されてしまう。
「比企谷くん、凍らせて切りましょう!」
雪ノ下が氷の魔法で凍らせようとするがまるで効果がない
「魔法が弾かれる!」
「八幡!僕がやるよ!」
戸塚も手伝ってくれるが焦げ跡すらつかない
「比企谷!こっちもそろそろやばい!」
その間、葉山は四方から襲ってくる魔物をなんとか退けているのだがじり貧である。
「・・・ゴメンねヒッキー、迷惑ばっかりかけちゃって、もういいよ」
触手の中から由比ヶ浜の声がする
「言い訳あるか!雪ノ下!もう一回だ!」
「もういいの、あたし鈍くさいからいつもみんなに迷惑ばっかりかけてさ、ごめんね」
「そんなことないわ!由比ヶ浜さん!今助けるから!」
「本当にもういいよ、なんかあんまり苦しくないの、あったかくて、苦しまず死ねそう・・・ゆきのん、あまりヒッキーを困らせないでね」
「由比ヶ浜さん!諦めないで!」
「ヒッキーといっぱいエッチしたからもう悔いは無いかな?すっごく楽しかった!ゆきのんとも小町ちゃんともさいちゃんともみんなと裸でエッチなことするなんてこの世界に来なかったら無理だったもん、ヒッキー、ありがと、ゆきのんのこと泣かせないでね」
「由比ヶ浜ー!!!」
必死に剣を突き立てる比企谷だが触手の弾力で押し返される。
絶望の表情を浮かべる雪ノ下と比企谷はその場にへなへなと座り込んでしまった。
「見下げ果てたぞ八幡!」
唐突な怒鳴り声で比企谷は我に帰り後ろを振り向く、そこには大剣を抱えた材木座が立っていた