「いろはす、雪ノ下姉上殿へ回復をかけてやれ、さきさき!あやつを拘束しろ!」
「はーい」
「さきさき言うな!、とりあえず了解」
川崎の手によりあっという間に拘束されるブラック将軍
「ふ、陽乃を倒しても暴走したアル・バイターがまだいる、俺が魔法で命令すれば自爆するぞ?そうすればこんな街程度は消えてなくなるわ!フハハハハハ!」
「くそ!あいつを破壊しておけば!」
葉山が歯ぎしりをする
「破壊?ハッ!無駄だ!アレは十以上の第四位魔法同時攻撃にも耐えられるのだ!陽乃ですら行使できるのは第三位魔法まで、お前らはせいぜい第四位といったところだろう?今すぐ束になって攻撃すればもしかして破壊できるかもなぁ!やってみるか?その前に自爆させるがな!」
と高笑いするブラック将軍しかし無論材木座達が先刻破壊済みである。
「あーそれ倒した」
「倒しましよね」
「倒したね、義輝が」
「え?アレを?材木座が?」
驚愕する葉山、比企谷とブラック将軍
「なに?まさか!どうやって?!・・・はっ!嘘ついても無駄だぞ?」
と自爆の呪文を唱えるブラック将軍
「・・・あれ?・・・まあよい、ふふふ、あんな出来損ないよりもドラゴン部隊がいる、こいつらも俺が魔法で呼べば貴様らなんぞ消し炭にしてくれる!」
とくじけず不敵な笑いを浮かべるブラック将軍
「やればよかろう?」
余裕の表情で材木座はバルコニーに向かった。
城は丘の上に建っており街を見渡せるようになっている
「成るほど街が一望出来るのう、いろはす!来てくれぬか?」
「はいはーい、うぁー眺めいいですねー・・・ってはっまさかこんな眺めのいいところで告白ですか?全部終わったら俺の故郷で一緒に暮らそうとか言うつもりですか?ごめんなさい、故郷とか親と同居とかまず無理ですごめんなさい、まず普通のお付き合いからにしてくださいごめんなさい」
「貴殿、いや貴女の早口大会はまた別の機会にするとしてだ、アレをやる、ドラゴンがこちに来るらしいが遠くて見えにくいので方向を指示してくれぬか?」
「あーそういう・・・はいはい」
材木座は片手を上げると魔法を発動、当然驚く比企谷達
「おい、なんだそれ・・・」
「義輝先輩って未だに生活魔法が暴走して全く役に立たないんですよねー、でもなんとかとハサミは使いようっていいましてー」
と一色が説明している脇で炎は細く、音は甲高くなる
「貴様!何を!クソドラゴンどもよ!この城を焼き払え!」
焦るブラック将軍、ドラゴンを呼び寄せる魔法を発動
「あ!これってアレっしょ!シンゴ〇ラのアレ!流石だわーザイモクザキクン流石だわー」
尊敬のまなざしの戸部だがそれ以外の全員は顔を青くしている
「そんなの見たことも聞いたこともないわ・・・」
「それ魔法なの?マジで?」
うろたえる比企谷達を他所に材木座は一色にドラゴンの位置を探すよう指示している
「えーっと、あっちですねー」
「こっちか?」
ビーム状の炎を向けると遠くで何かが爆散する
「ヒットしましたねー、あとはこっち方向へ薙ぎ払っちゃってください」
材木座が炎を薙ぎ払うと次々とドラゴンが爆散していく
「あーわたし達に気が付いたみたいで一斉にこっちに来ますね、上からも来るようです、多分それで終わり!よろしくです!」
「了解だ!バスタービーム!」
炎を垂直に持ち上げる材木座、炎に触れたドラゴンは次々を爆散して消滅
「ほれ将軍殿、ドラゴンはまだおるか?みつからんので呼び寄せてくれると助かるが」
「クソ・・・俺の負けだ・・・なんて奴だ・・・」
がっくりと膝をつくブラック将軍、丁度陽乃も目を覚ます。
「んーあれ?ここどこ?あれ?あ!雪乃ちゃん!」
「姉さん!」
ひしっと抱き合う雪ノ下姉妹
「よかった、生きてたんだ」
「姉さんも・・・」
「うむ!美人が抱き合ってる姿は絵になるな!」
と皆が二人に注目していたその時である
「クソ!目を覚ましたか!こうなれば・・・」
ブラック将軍は懐からナイフを取り出すと
「陽乃!この世界から消えろ!」
川崎の隙をつき拘束を抜け出すと陽乃の背後にナイフを突き立てた
「あ、っぐ・・・」
「姉さん!」
「あ・・・雪乃ちゃん・・・っぐ・・・」
ブラック将軍が刺したナイフは消滅し陽乃の傷口からは血の代わりに光の粒子がこぼれ出ている
「義輝、あれ」
「うむ、分かっておる、不可解だな」
「ごめん、雪乃ちゃん、お姉ちゃん油断しちゃった・・・雪乃ちゃん、比企谷くんをあまりいじめないでね・・・比企谷くん、雪乃ちゃんをお願い・・・捨てたら許さないから・・・」
「姉さん!しっかり!小町さん!回復を!早く!」
小町が回復魔法を唱えるがまるで効果が無く陽乃の体は徐々に光にむしばまれて行く
「さようなら・・・雪乃ちゃん」
そう最後に言い残すと陽乃は光になって消えてしまった。
「姉さん・・・・許さない・・・こいつが姉さんを!」
雪ノ下は剣を構えるとブラック将軍の方へ歩みだす
「ま、まて!話を聞け!」
「あの世で姉さんに詫びなさい!」
「あいやまたれい!」
雪ノ下が振り下ろした剣を片手でキャッチする材木座
「何するの!離して!」
「待たれよ、何かおかしいとは思わないか?」
「何がよ!」
雪ノ下は興奮で我を忘れているようだ
「何故、姉上殿は血を流さず光になったのか疑問ではないのか?我は魔族があのような感じで消えるのを前に見た、なんでもまたすぐ復活するという話だ」
ブラック将軍は感心したように話す
「よく知ってるな貴様、確かにその通り、陽乃はリザレクションのスキルを持っている、殺しても死なない、もっとも彼女にはそれを知らせてないがな」
「・・・え?だと姉さんは生きているの?」
「さあ?それを教えると思うか?」
「・・・フム、さきさき、さっき姉上殿がつけてたペンダントはあるか?」
「またさきさきって・・・まあ拾っといたけど、こいつにつけるの?」
「おいばかやめろ!」
ブラック将軍はもがくが川崎に拘束されて動けない
「さて、洗いざらい吐いてもらうからのう」
ペンダントつけると虚ろな目になるブラック将軍
「材木座、それは?」
比企谷は困惑顔だ
「ほむん、これこそ魔法都市帝国が開発した洗脳魔道具よ、つけた相手を意のままにできる代物、姉上殿はこれで洗脳されておったのよ」
「なんでそんなに詳しいんだよ・・・」
「いろいろあったのだよ・・・そう、海千山千とな・・・」
ともったいぶった言い回しをする材木座だったが
「直前に人間と友好的な魔族に会ったんで色々教えてもらった、義輝のはその受け売りだよ」
と川崎が簡潔に解説してしまった。
「ま、まあそれより詳細をこやつに問いたださねば」
とペンダントで洗脳状態のブラック将軍に陽乃はどうなったか聞くと
「・・・陽乃本人にはリザレクションのスキルがなんなのかは伝えてない、不死身と知れると我らが全滅させられてしまう」
「あのナイフは陽乃が全く言うことを聞かなくなった時の最終手段、リザレクションスキルで復活する場所を元居た世界に強制変更する為開発した魔道具だ」
と驚愕の事実が伝えられる。
「じゃ、じゃあ姉さんは元の世界に?」
雪ノ下が聞くとブラック将軍は虚ろな目で答える
「・・・魔法都市帝国では召喚の魔法を完璧に解析した。その結果こちらに召喚することもあちらの世界に追い返すことも可能となったのだ、どのみち移動できるのはその二つしかできない」
「どうやら本当のようだのう・・・さてどうやら戻れそうだわい、ハーレムチートのない異世界なんぞ興味は無いからな、積みゲーも消化したいし」
と材木座はウキウキし始める。
「・・・ただ、異世界間の移動には多大な魔力を必要として・・・今この世界の魔力は薄くなっている、その為生きた魔族を大量に用意して魔力を搾り取らねばならん・・・あのナイフ一つ作るのに魔族数十人を犠牲にした・・・」
「な、なんと・・・んな無茶な・・・出来るわけなかろう!」
今度はがっくりくる材木座である。
その間葉山や比企谷は拘束されていた国王を開放し、とりあえず魔法都市帝国による侵略戦争は一旦終結するに至ったのであった。
「さて、八幡と合流できたわけだが」
材木座は一色の方を振り返ると
「どうされる?今ならなし崩し的にあっちに行けるのでは?」
「・・・そうですね、ちょっと行ってきます」
一色は比企谷のそばによると
「先輩、雪乃先輩と結衣先輩を泣かせちゃだめですからね、きちんと責任取ってくださいね」
「お、おう」
材木座から見ると、奉仕部でよく見ていた光景が目の前で展開されていたように見える。
何時もの笑顔の一色がそこにいた。
「さて、これからどうしようかのう・・・」
ぼそりとつぶやく材木座
「一色さん・・・いいの?」
「いろはちゃん・・・」
「なにがですかー?」
ふと見ると、比企谷達とおしゃべりをしていた一色が戻ってきた
「信じられますか!お米ちゃん回復と補助魔法担当でわたしとキャラが被ってるんですけど!」
「はぁ、んで?」
「相手がお米ちゃんじゃあ勝ち目無いですからね、雪乃先輩や結衣先輩とも上手くやっているようですし・・・」
「私の役目は必要ないかなって」
にこっと笑う一色
「それより沙希先輩はいいんですか?」
「・・・あたしはいいよ・・・あれ見て入っていけるほど肝は太くないからね」
見ると比企谷が雪ノ下や由比ヶ浜と抱き合っている
「はぁ、まあ好きにすれば良かろう、これから戦後の処理でゴタゴタが始まるから巻き込まれると面倒だからのう、将軍殿にも挨拶したいし帰る方法も模索せねばな」
と材木座はスタスタとその場から離れる
「ちょっと待ってくださいよー、かわいい後輩置いてくつもりですか?」
「あんたちょっとは待っててくれてもいいんじゃない?」
「え?ついてくるの?」
再び一色と川崎と再びパーティを組むことになった材木座。
「んじゃ行きましょうか?」
「お、おう」
城の階段を降りる三人
「しかし魔法が使える世界なのだからエレベーターぐらい・・・」
と材木座が愚痴っていると
「ごめんなさいちょっと背中貸してください」
一色に物陰に引っ張り込まれる材木座
「ど、どうされた・・・」
「ごめんなさい・・・しばらくこのままで」
しばらくすると嗚咽が聞こえてくる
「だって・・・あの中に入れるわけ無いじゃないですか・・・」
「・・・お主も大変だの」
と材木座が何となく川崎の方を見ると俯いている。
「ゴメン義輝、胸借りるよ」
と前からは川崎が抱きついてくる
「お主もか・・・」
「ゴメン、がまんしてたけどもう無理・・・」
「・・・好きにしろ、まったく八幡の奴、ほんとハーレム体質だのう、我もハーレムが欲しいわい」
と二人が泣き止むまでその場に立ち尽くす材木座であった。
材木座達が立ち去った後、比企谷達はというと
「雪ノ下、結婚しよう」
「え?な、なにも今言わなくても・・・」
「材木座に言われただろ、失いたくなければ手を離すなと」
その様子を嬉しそうな残念そうな複雑な表情で見る由比ヶ浜
「お、おめでとう!ゆきのん」
「由比ヶ浜、お前もだ」
「はぇ?いやいや、無理でしょ」
「以前国王に言われた、俺達は特殊だから重婚しようが何でもありだってな」
「はぇーすごいねおにいちゃん!両手に華だね!」
と喜ぶ小町だが
「小町もだ」
「えぇー!だって小町は妹だよ?・・・エッチなことしちゃったけど」
「ここではお前を妹と証明するものは無い、結婚すれば名実ともに家族だ」
「えー!そ、それはそうだけど・・・」
「よかったね小町ちゃん」
「戸塚もだ」
「え、だってぼく男だし・・・」
「ドラゴンから取ったアレを使えば全く問題はない、戸塚は俺の親友だ、そして俺と血族になれる!こんなに素晴らしいことはない!」
「君は本当に無茶苦茶だな・・・」
呆れる葉山に抱きつく三浦
「勇者たち、祝福はするが結婚は落ち着いてからでよいかのう?」
やれやれといった表情の国王だった。