結局城を追われるように出ることとなりました。そしてそこで新たな仲間が!
城に帰った材木座は早速将軍に修行の成果を報告しに行く
「そうか・・・完全ではないが一応制御出来たか・・・まあ少し能力があがったからいいじゃろ」
「あと魔力が何故か減らぬ上にレベルが上がってステータスが9までいったら1に戻ったのだが・・・」
魔法の威力に対して全く魔力が減らないのだ、通常暴発してしまったら大幅に減ってあっという間に無くなってしまうはずである。
「ふむ、ワシも専門ではないからわからんが、もしかして変な召喚の影響であっちの9大勇者達と魔力の根源が繋がっているのかもしれぬな、おそらく魔法を行使するタイミング次第ではおかしげなことになるやもしれぬ、乱用はせぬことじゃな」
「そ、そんなぁ・・・自由にできないなんて・・・」
「あとステータスの数字も、もしかしたら9大勇者の方に流れてるのかもしれぬ、加護の数字が増えるのは恐らく勇者たちにステータスを分け与えたことで貰えてるとか?」
「魔法もステータスも八幡達のものって・・・ってか9大勇者ってなんぞ?」
「ああ、彼らはとにかく目立つし9人もいるのでな、皆そう呼んでおる」
「あのー我は?」
「別行動であるからな・・・仕方なかろう・・・」
その答えに涙目になる材木座
「酷いよ・・・魔力も八幡たちと共用だし勇者ではないし・・・もう帰りたい・・・」
「ま、まあ、魔力もステータスも誰と繋がってるかわからぬしな、ところで城内でおぬしの能力に疑いを持つものが出てきてな」
「え・・・」
「それで実績作るために畑を荒らすゴブリン退治をじゃな・・・ああおぬしは後ろで見てるだけでよい、兵士が勝手にやるから」
そう言われ街はずれに兵士とともに向かう、兵士はうろついているゴブリンをたちどころに切り捨てている。
「はぇー凄いものだのう」
材木座は椅子に座ってその状況を見ている
「アレが勇者様だべか?貫禄がおありになる」
と畑の主、何もしてない材木座だが勇者という肩書で評判は上々
「こっちにゴブリンの巣穴があったぞ!」
兵士の声がするところに皆集まる、そこにはゴブリンの背丈ほどの穴が空いているほら穴があった
「この中に魔法をぶち込んでゴブリン共を燃やしましょう!」
と魔法が使える兵士が準備を始めたのだが畑の主がそういえばと話しかけてくる
「勇者様は魔法が使えるとか」
その言葉にえ!となる兵士、魔法が使えるとは聞かされておらず、ただ勇者の手を煩わせないようにと言われているだけだったからだ。
よって
「素晴らしい!勇者様の魔法で是非ゴブリンの巣穴を一網打尽に!」
と兵士からも言われる始末
「え、あ、うーん」
材木座は自分の魔法はまるで制御が出来てないと思い込んでいるのでどうするべきか躊躇してしまっていた。
イグニッションと魔法を唱えて出るのがアレ、いかにも暴発ぎみとなるとせっかく将軍が用意してくれたのに大勢の前で大恥をかくのは必須である。
「実は今日は魔力の調子がちょっと・・・」
と言い訳をしようとすると、背後から火炎放射がゴブリンの巣穴へと放射される
「よう材木座」
後ろから比企谷一行が出てきた
「すまん、お前がゴブリン退治に出たって話聞いて俺達も手伝おうと思って来たんだが、調子が悪いとか言ってたんでな、巣穴からゴブリンが飛び出しそうになったんで魔法使わせてもらった、出番を奪って悪いな」
由比ヶ浜や戸塚が巣穴に向かって魔法を放っている、因みに雪ノ下は氷系の魔法を習得したらしく巣穴から逃げ出したゴブリンを氷漬けにしている模様
「由比ヶ浜と戸塚は炎や土、風系、雪ノ下は氷や水系だな、小町は回復補助を習得してもらった」
そして
巣穴から飛び出し暴れたゴブリンを比企谷は一刀両断。
比企谷達のパーティはだんだんと勇者一行っぽくなっているようだった。
「・・・ま、まーよ、良いということよ、うむ!我も調子が悪くなかったらゴブリン共なんて我一人で十分だったのよ!」
材木座が大見得を切ってその場はそれで終わったのだが、城に戻りホワイト将軍の所に行くと面倒なことになってるようだった。
「すまんのう、色々手を尽くしたがやはり周りの者がお前さんの実力がわからんということでな、このままだとあの9人と本格的な戦闘訓練をしないといけなくなりそうじゃ」
「八幡達と戦闘訓練?奴らはどのくらいの強さなのだ?」
材木座は先ほどのゴブリン討伐のことを思い出す。
比企谷達が使っていたのは攻撃魔法の類だ、しかも接近戦もスムーズに行っていた
「あー連中は成長速度が早くてな、今のところ熟練兵VS赤子みたいな力関係じゃな、無論お前が赤子の方じゃな」
「そんなの瞬殺されてしまうではないか!」
嘆く材木座
「まー良くてぼろ負けじゃな、でもそれだとお互い気まずいだろう、ちょっと離れたアルカンタの街の冒険者ギルドに特命で出向という形で城から出ていけるようにしておく、これなら問題ないじゃろう」
なんだかんだで材木座は結局城を追い出されてしまうのであった。
「ギルドにいって、護衛付きでアルカンタまで送ってもらえばいい、おまえだけだと道中の魔物にやられてしまうぞ」
と言って結構な量のお金をくれる
「そうそう、以前に召喚した者のことじゃがな・・・」
「ほむん、例の王子殿とトラブルになったという輩か?」
「初め王子は『ツンデレ姉タイプがいい』とか言って聞かなくてのう、魔術師たちが苦労してようやく探し当てたのじゃが、バカ王子はそいつに夜這いしかけてボコボコに返り討ちにされてな、見張りの兵が止めようとしたが巻き添えになってボコボコ、流石に手を出したのをお咎めなしにするわけにはいかんから路銀を渡して出て行ってもらったんじゃよ」
「いやそれその女子悪くないよね?」
「仕方なかろう、ここは王国だからな、んで次に王子は『これからは無条件に甘えてくる妹キャラの時代!仕草がかわいい小悪魔的後輩妹キャラ!』とか言い出してな、またも魔術師達が苦労して探し当てたのじゃが・・・」
「また襲ってトラブルであるか?」
「いや、逆にその女子に手玉に取られてバカ王子はその女子に貢ぎだしてのう、「この娘を戦わせる事はできない!魔物なんてどうでもいい、自分はこの娘と結婚する」とかいいだしてな、流石にそれはまずいとやはり路銀を渡して出てってもらったんじゃ。」
「・・・バーサーカーと詐欺師みたいな女子であるな」
「まあな、一人目は格闘技能が得意であって二人目は補助魔法系が得意じゃったな、他の能力も勇者としては折り紙付き、見つけたら力になってくれやもしれんのう」
「ほうほう、それでその者たちの名前は?」
「たしか・・・二人とも水のような名前だったような?河川?天然水?じゃったか?」
この将軍召喚した勇者の名前を忘れているようである
「ほふぅ、そのような奇妙な名前の輩は恐らく日本人ではないであろうな・・・」
不安ばかりの材木座だった。
次の日街を出る準備をした材木座は将軍に挨拶をしに行った。
「わしが出来るのはここまでじゃ、すまんがここにはもう戻ってこぬ方が良かろうて」
戻ってきたら疑惑の目に晒され無能力者とわかったら何をされるかわからない、その意見は最もである。
「そうだ、これを渡すの忘れておった」
と勲章を材木座に手渡す
「これは簡単に言うと勇者の証みたいなもんじゃな、特別に強かったりする人にしか渡さんものだ、これちらつかせれば大体はびびって逃げ出す、おまえさん弱いからこれで戦いを避けるとよかろうて」
「ありがたく頂戴いたしまする、今までお世話になりました」
「こんなことぐらいしか出来なくてすまんな、してこれからどうする?」
一礼している材木座にホワイト将軍は問いただす。
「チートハーレムにならぬ異世界には価値が無いので現世に戻る方法を模索してみるでござる」
「・・・相変わらずじゃな、まあその気概があれば大丈夫じゃろ、確か隣の魔法都市帝国ではこの国より魔道具の研究が盛んでな、もしかしたら何か分かるやもしれん、参考に覚えておくとよい、ではさらばじゃ」
「将軍殿もお達者で」
そして城を後にすると材木座はギルドへと向かう
「あのーアルカンタまで・・・」
とギルドの受付の所で話をしていると
「お!材木座じゃねぇか」
「やっはろー!中二!」
比企谷一行が現れた
「ざ、財津君、聞いたわよ、将軍様から勅命が下ったそうね」
若干悔しそうにしている雪ノ下である
比企谷達は訓練も兼ねてギルドでの討伐依頼を受けに来ていたのだ、ちなみに葉山グループと競争している状態で既にハイレベルな魔物討伐をこなしており、国の防衛の要となりつつあった。
「う、う、うむ!その通りであるな!」
「材木座君すごいね!葉山君達ですら一人で戦うなんて難しいのに・・・」
戸塚は尊敬のまなざしであるが、戸塚が言う一人で戦うのが難しいとは巨大なモンスターのことである、熟練した兵が束になってようやく倒せるレベルの話だ。
「その通りよ!実はアルカンタの街まで行くのだが、ただ行くだけはつまらぬからな!ついでに依頼をこなしつつ行くつもりだったのよ!」
やはり見栄っ張りな材木座
「というわけで嬢よ!護衛の任務などがあれば受けてたとう!」
さっきまでしおらしく話しかけてきてたのだが突然豹変っぷりに呆れてしまう受付嬢
「はい・・・商人の護衛というのがありますが・・・」
「うむ!それを我が一手に引き受けよう!我も召喚されし勇者よ!大船に乗ったつもりでおるがよい!」
高笑いをしながら商人たちとの打ち合わせにいく材木座に尊敬のまなざしの比企谷であった。
「どうしよう・・・」
大見得切ったのはいいが現在商人達の護衛任務で隊列の先頭を進む材木座である。
商人たちも勇者様が護衛なら安心だと騒いでいるため何も言い出せず一人で護衛任務につくことになってしまった。
「何もないことを祈るしかないよなぁ・・・いざとなったらイグニッションやらの魔法で目くらましをして逃げるか?」
材木座の得意技『いのちをだいじに』の作戦である
「まーどうとでもなるであろう!なるよな?多分大丈夫だよな?」
と自分に言い聞かせ隊列の前を進む、幸いなことにモンスターは出なかったのだが、2,3日ほどたち、荒野に差し掛かったところで商人の隊列は複数の人に取り囲まれる
「ちょっといいかな?持ち物全部おいてってくれないかなぁ!」
いつのまにか現れた盗賊団に囲まれてしまっていた。
「勇者様!盗賊どもに囲まれました!」
商人は材木座に縋り付いてきたため得意の『いのちをだいじに』が使えなくなる材木座
「わ、われはこの世界に召喚されし勇者の一人!剣豪将軍材木座義輝なるぞ!見よ!この勲章を!将軍様直々に賜った勇者の証!」
と盗賊団に勲章を見せびらかすと
「姉御!どうします!あれ本物っぽいですぜ!」
どうやら盗賊団のカシラは女らしい
「は!あんなのでビビってどうすんのさ!ほら新入り!出番だよ!」
とカシラが叫ぶと後ろから目元だけ出した覆面の女性が現れる
「お前の力を発揮できる相手だ、存分に戦っていいぞ」
覆面をした女性はゆっくりと格闘の構えを取る
材木座に縋り付いてた商人たちはバッと離れると距離を取って材木座を見守った。
「わ、我は強いぞー、降参するなら今の内であるぞー・・・・」
対して材木座は剣を構えるが恐怖でガタガタと震え始める
「わ、我は、勇者八幡と、は、葉山達が、たたた束になってもわ、我にはかなわぬのだぞー」
まるで説得力が無い物言いだが覆面をした女性はハッとなると
「あんた、確か材木?あいつの友達だっけ?ほら、あたし分かる?川崎だよ、川崎沙希」
覆面を外したその下の顔は川崎沙希であった。