第1話.始まりは突然に
僕は死んだ。 死因はバイクで転倒して・・・
仮面ライダーに憧れた人生だった。 だから、バイクに乗り始めた。
だから後先考えず、飛び出した子どもをよけた。
バイクに引っ張られながら最後に見たのは、迫りくる電柱だった。
後悔はして無い・・・
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「起きてください! 紫吹さん!」
「桜先生?」
「全く、これで何回目ですか?」
「え~と・・・ 入学式以外の登校日数?」
「何のために、学校に来てるんですか!」
「あんまり、寝れてないから。」
バイクで担当した後、僕は転生したみたいです。
紫吹 夢《しぶき ゆめ》として、新たな生を受けて現在、二回目の小学校生活中だ。
「ちゃんと家で寝てください。 保健室はあなたの寝室じゃないのよ。」
「知ってる。」
宮崎 桜《みやざき さくら》先生が、ベットで寝ていた僕に言う。
「なら、教室で授業を受けてください。 っと言うか、
一年生で始めからさぼりなんて、紫吹さんぐらいですよ。」
ベットから降りて、上ぐつを履きながら桜先生の話を聞く。
「・・・やっぱり、他の子が怖いですか?」
「怖いって言うか・・・」
保健室の洗面台に向かて歩き始める。
「注目してほしく無い。」
鏡には、色が抜け落ちた白色の髪に赤い目で、ひたすら無表情で見つめる長髪の子が映っていた。
【先天性白皮症】
一般的には【アルビノ】って言った方がいいのかな?
先天的なメラニンの欠乏により体毛や皮膚は白く、瞳孔は毛細血管の透過により赤色を呈する。
・・・らしい。(Wikipedia参照)
【失感情症(アレキシサイミア)】
こっちは感情を認知することの障害・・・らしい。(Wikipedia参照)
要するに、今の僕。 この症状によってクラスや家族に軽蔑されている。
「まぁ、勉強が嫌なのも本当だから。」
「紫吹さん・・・」
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下校時間。 家に向かって帰らずに、公園に行く。
別に友達と遊ぶわけでもなく、時間を潰すため。
「・・・何アレ?」
いつもの人気のない公園の
「ケルベロスと悪魔?」
ケルベロスと悪魔を思わせる、ロボット?が机の上に置いてある。
「忘れものかな。」
黒を主体とし、銀のラインや赤い目のケルベロスのロボットを持ち上げる。
「子どものおもちゃじゃ、無さそう。」
持ってみて思ったのは、それだ。 子どものおもちゃにしては、耳がとがりすぎで危ない。
ケルベロスを置いて、悪魔の方も持ってみる。
「持った手触りは、一緒だな。」
こっちも黒を主体に赤い蝙蝠の羽、緑の瞳。 誰かが趣味で作った物なのかな?
「かっこいいと可愛いがいい感じに合わさっているな。」
造った人のデザインセンスは、プロ級だな。 プロの人が趣味で作ったのだろうか?
『かっこいいはいいけど、可愛いとはなんだ!』
「・・・喋った。」
『あ~あ。 俺、知らねぇ~』
・・・どうなってるの?
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『では、改めて。 おいらは、ケルベロスだ! よろしくな!!』
『俺は、悪魔型ナビゲーションガジェットのコロク。 ま、宜しく。』
「僕は夢、紫吹 夢。 よろしくね。」
趣味制作ロボット(仮)から、物体Xに変わった彼ら?との自己紹介を終えた。
「早速だけど、君達の事を教えて。」
『いいけど、えらく感情が薄いな。』
『簡単に言うと俺達は、ここと違う世界からやって来た。』
『パラソルワールドって奴だな。』
『ケルベロスは、黙ってろ!』
『(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)』
コロクの言葉に、三つの顔が同じ表情になった気がする。
次元うんぬんについては、色々と納得した。
「何でこっちに来たの?」
『簡略化しても長くなるけどいいか?』
「うん。」
『俺達がこっちの世界に来た理由。それは、【ソルト結晶】を追って来たんだ。
ソルト結晶って言いうのは、俺達の世界でS級危険物質とされている物なんだ。』
「S級危険物質・・・」
『あぁ。 ソルト結晶の最大の特徴が、共鳴した知的生命体を吸収し
異形の存在になるところだ。』
「それって、人間を吸収するの?」
『あぁ。』
『だが、安心しな! そうなった時のおいら達だ!おいらには、ソルト結晶と生命体を分離する
【イネインエネルギー】発生装置が組み込まれているんだ!』
「なるほど。」
『だが、問題があってな。』
「問題?」
『俺達の世界で、ケルベロスの適合者がいなかったんだ。
だから、こっちで適合者を探してたんだ。
適合者って言うのは、ケルベロスの力に耐えられる奴の事だ。』
「見つかったの?」
『いや、さっき来たばっかだし。』
「なんか、ごめん。」
『気にするな! 候補者なら居るから!』
『あん? 誰だよ、候補者って?』
『それは~~・・・』
ケルベロスが言葉を溜めていると、少し離れた場所で爆発が起きた。
「『『!?』』」
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逃げる人々。その中心には、蝙蝠を擬人化したような怪物が、人間の血を吸っていた。
「まんま、吸血鬼だな。」
ケルベロスとコロクに連れられ、現場にやって来てしまった。(後悔)
「モット、血ヲ!」
血を吸いつくした、立ち上がった蝙蝠怪人の体には宝石の欠片みたいのが体のあちこちにあった。
『ソルト怪人!? 嘘だろ!!』
「どうしたのコロク?」
肩の近くを飛んでいたコロクの言葉が気になり、質問してみる。
ちなみにケルベロスは、僕が抱きかかえている。
『ソルト結晶の適合率が異常に高い人間が吸収されたら、【ソルト怪人】になるんだ。
だが、確率としたらかなり低いはず。・・・いや、異世界ならあり得るのか。』
『初陣が、最強シリーズか!』
『初陣って、適合者がいないのにどうやってやるんだよ!』
『適合者なら、此処にいるじゃん。』
「『?』」
ケルベロスが僕から降り、僕の目を見つめてくる。 ・・・嫌な予感。
『夢、俺と戦ってくれ。』
今までで、一番真剣な声で僕に言ってきた。
『おいおい! 焦るなって、夢はまだ子どもだ。 そもそも、お前のチェンジシステムだって、
体の完成した成人がするものであってだなぁ。』
『夢は、俺の力を受け入れる資質がある。 いや、夢にしかできない!』
二人の口喧嘩は、激しさを増す。 ふと、視線を下・・・蝙蝠怪人(仮称)の方に向ける。
そこでは女性の人が押さえつけられようとしている。 足元には、ケーキの箱がある・・・
「ねぇ。」
この時期に買うケーキ、それも祝い事用。 考え付くのは、家族の誕生日。
「ケルベロスと融合?すれば・・・」
ちょっと、羨ましい。 そう思ってしまった自分がいる。
「あの、蝙蝠怪人を・・・」
だから、あんな理不尽で悲劇の日にしたくないと思ってしまった。
「ソルト怪人を倒せるの?」
あの日と変わらず、後先考えずに動こうと思う。
『もちろん!』
『・・・』
また、死ぬかもしれないけど。
『・・・未成年の君だと、後遺症がどれほどかは分からない。 それでもやるのか?』
今より、状況が悪化するかも知れないけど・・・
「うん。ケルベロス。」
『よっしゃ!』
ケルベロスの体が変形していき、両端に左右の横顔、真ん中には赤色の宝石があり、
宝石の上下に中央の顔が口を開いた状態に。
『腰においらを当てろ!』
手元に来たケルベロスを言われた通りに、腰に当てる。 すると帯が伸び、装着された。
『あとは、バックル上部のボタンを押すんだ!』
・・・きっと、僕の憧れた彼らは、迷わずに助けに向かうと思うから。
「すぅ~・・・変身。」
深呼吸の後、彼らの言葉を借りてベルト上部のボタンを押しこむ。
中央の口が閉じ、宝石を咥える。
〈チェンジ・ウィッシュ!〉
音声と共に、体に変化が起きる。
〈アミナス!〉
体の変化が終わったころに、別の音声が流れだすが、関係無しにと飛び降り、
蝙蝠怪人の肩を掴み、女性から引き剥がすように投げ飛ばす。
「逃げて。」
「は、はいぃ!」
女性が立ち上がり、逃げていく。 そう言えば、今の姿はどうなっているんだろう?
近くにあったガラスに反射している自身の姿を見る。
「・・・」
そこには、黒いボディにケルベロスと同じ模様の銀のライン。
左右の肩には犬?狼?のようなショルダーパーツ。
顔はちょっと怖いけど、赤い複眼を持っている。
ベルトいい、見た目と言いまるで・・・
「仮面ライダー?」
『おぉ~ それ!かっこいいから採用!』
『なら、【仮面ライダーウィッシュ アミナス】と言った所か。』
仮面ライダーウィッシュ・・・
「グガァァ!」
雄叫びをあげた蝙蝠怪人が、こっちに向かて飛翔してくる。
それを前転で下をくぐり抜ける。
『いいか、よく聞け。 まず、イネインエネルギーが効くようにするためには
対象の動きを止めないといけない。』
『つまり、戦えってこと!』
コロクとケルベロスの言葉を聞き、構える。
しばらく睨み合っていたけど、蝙蝠怪人が先に動き出した。
何とか攻撃を躱し、パンチを当てる。
『ナイス! 流石、おいらが選んだ相棒!!』
怯んだ奴に向かって、ラッシュを仕掛ける。
『今だ、夢!』
「うん。・・・・どうやるの?」
『え、え~っと・・・』
『はぁ~ 自分のシステムぐらい理解しとけ、犬っころ!』
『犬じゃない!』
「それより、コロク。 説明、お願い。」
『イネインスイッチを二回押せ。 イネインスイッチは、ベルト上部のやつな。』
言われた通りにベルト上部のボタン、【イネインスイッチ】を押す。
一回押すと、中央の口が宝石を離す。 二回押すと再び宝石を咥えた。
〈イネッシュストライク!〉
音声と共に、右足にエネルギーが溜まる。
跳び上がり、急降下キックで蝙蝠怪人に必殺攻撃を当てる。
爆発が起きた。 煙が晴れるとそこには、パジャマに身を包む男性が。
「・・・終わった?」
『あぁ、夢。』
『後の処理は、この世界の大人に任せて、家に帰ろ。』
「・・・分かった。」
この事件を機に僕は、様々な事件に巻き込まれていくが、それは少し先の話。