【旧版】仮面ライダーウィッシュ   作:火野ミライ

15 / 35
Chapter.7

コンクリートの壁をぶち破り、二つの影。ウィッシュが転がり、ブロークンが悠々と歩く。

二人に戦いはやはり、ブロークンが優勢のようだ。

 

「・・・ッ!」

 

起き上がったウィッシュが拳を振るう!その一撃を左手でさばき、膝蹴りを当てる。

何とか踏ん張り次々と攻撃を仕掛けていく。

だが、その攻撃もブロークンには通じず、さばかれ反撃を喰らう!

 

「うぅ・・・」

 

吹き飛ばされたウィッシュ。大広間に置かれていたテーブルを押しつぶしながら倒れる。

何とか立ち上がった所に虹色の軌跡を残しながら高速で移動、再びウィッシュを吹き飛ばす。

 

「オラァ!オラ!オラ!オラァァー!」

 

地面にぶつかりバウンドしたところを右ストレート!

椅子を吹き飛ばしながら先に回りアッパー!

柱を壊しながら追いつき地面に叩きつける!

着地後すぐに高速移動、回し蹴りでウィッシュを吹き飛ばす!!

高速移動を駆使した連続攻撃に手も足も出ない。

 

「ケルス、爪と尻尾って同時に展開する事って出来ない?」

 

『出来なくは無いけど・・・すっごく危険だよ。』

 

「どのぐらい?」

 

『夢とおいらの相性だと・・・しばらく痛みで寝込むぐらいかな?』

 

「そ。」

 

ケルスの言葉を聞き、手足に伸びるイネインドライブに

イネインエネルギーを巡らせ、紫色に輝く!

直後、両腕にはケルベロスクロー、腰回りにケルベロステールが出現し、

複眼と両肩の瞳が赤く、紅く輝き辺りを照らす。

 

「フン!それがどうした!!」

 

「ハァ~~」

 

【イネインスティンクト】状態へと移行したウィッシュ。

この状態ではケルベロスクローによる連続攻撃と、ケルベロステールの破壊攻撃が同時に使え、

両肩の瞳でも周囲の状況が見えるようになる。

また、ケルスとの同化率も高まり本能による攻撃・回避が可能となる。

 

しかしその反面、常に必殺規模のイネインエネルギーが身体を駆け巡るため、

身体への負担が大きく、ケルスとの相性が相性が悪ければ廃人となるほど、諸刃の剣なのだ。

 

「ガルゥ!」

 

「なに!?」

 

尻尾による振り払いでブロークンを吹き飛ばす。

続けざまにかぎ爪を振り下ろし、胸部アーマーから火花が散る。

今までとは打って変わり、獣ような動きにブロークンが苦戦する。

 

「っく!」

 

再び高速移動を駆使し、ウィッシュに攻撃を仕掛けようとする。

それに対して、尻尾を立たせて辺りを警戒する。

 

「!そこ。」

 

「なっ!?」

 

物理的に視野が広がり、ケルスと同化率が上がり情報処理能力の上昇、

ケルベロステールのもう一つの効果、察知能力の上昇と言った様々な能力の上昇により、

高速移動中のブロークンの攻撃を防ぐ。

 

マスクの下ではゴウが目を見開き驚きの表情でウィッシュを・・・

・・・夢を見つめていた。

 

「ガルアァ!」

 

ケルスとの同化率が上がった為か、普段の夢では考えられない叫びを上げ、

ブロークンを回し蹴りで飛ばす!展開していたかぎ爪と尻尾を消し、ベルト上部のボタンを押す。

 

〈イネッシュストライク!〉

 

「はぁー」

 

「ぐ、うぅぅ!」

 

ウィッシュのライダーキックを両腕をクロスする事で防ごうとする、ブロークン。

次の瞬間、爆発の炎が大広間に広がる。それに続く衝撃波が火を鎮火する。

明かりの無い大広間の床にゴウが倒れており、夢が見つめる。

 

「死なない人間。そうすれば、餓死で死ぬ奴が減る。・・・これって間違っていたのか?」

 

横たわるゴウが今にも消えそうな声で、誰に言う訳でも無く言葉をこぼす。

 

「・・・僕には分からないけど、貴方の願いは間違ってないと思う。」

 

それに答えるように無感情の言葉が周囲に響く。その赤い瞳は優しくゴウを見つめている。

 

「っへ。・・・【本物の仮面ライダー】が肯定してくれるのか?」

 

「本物の仮面ライダー、か・・・自身の信じる物のために戦った。

 田倉 ゴウ・仮面ライダーブロークン、貴方だって本物さ。」

 

「ガキ、名前は?」

 

「仮面ライダーウィッシュ。・・・紫吹 夢。」

 

「夢、俺の最後の願いを聞いてくれ。」

 

「・・・・・・」

 

無言で頷き、言葉を待つ夢。その表情は真顔でとても優しそう、矛盾を思わせるそんな顔だった。

 

「シーケット・・・このベルトを頼む。」

 

自身の腰に装着されていたベルトを外し、夢へと渡し、ゴウはこと切れた。

その瞼をゆっくりと閉じ、上の階へ足を進める。

 

____________________________________________

 

階段を上り、屋上へとたどり着いた。そこでは予想どうり、Dr.ケトルが待ち構えていた。

巨大なアンテナを背にDr.ケトルが話し始める。

 

「いやはや、流石はウィッシュ!私の最高傑作を次々と破り、ここまでたどり着くとは!

 折角なのでしがない科学者の話に付き合ってくださいな。」

 

こっちの有無を聞かずに、一人の博士は話始める。

 

「私は生物学を専攻してましてね。長年の研究の末、私は現行の生物を元にした

 3対の人型災害救助用人工生命体を作り上げましたのです!

 しかし、他の科学者は私を認めてくれなかったのです!そんな時でした!

 この街で偶然にもソルト結晶を見つけたのは!!最初は未知の鉱石に惹かれ、

 研究を進めるうちに鉱石の性質に気づきました。

 そこから研究は進み、遂にこの不死化光線発射装置を完成させました!!」

 

腕を広げ示すものは、アンテナに取り付けられた装置だった。

四角い箱型の装置はディスプレイがあり、難しい数式が次々と浮かんでは消えを繰り返している。

 

「不死になって、どうするの?」

 

「そんなの簡単ですよ!認めてもらうんです!!私が天才だったてことを!!!」

 

承認願望ってとこか。

 

【承認願望】

人は社会で暮らすうちに「誰かから認められたい」という感情を抱くようになる場合が多い。

その感情を承認願望と呼ぶ。

努力へのモチベーションになるが、強すぎると金銭・地位ばかりを追いかけ、幸せになれない。

愛情不足で育つと、承認願望が強くなる傾向があるらしい。(Wikipedia参照)

 

要するに誰にでもある感情(願い)。その願いがソルト結晶に触れ、暴走したんだろう。

 

「さてと、勝負しましょうか?ヒーロー君。

 あの機会を止める方法は私の生命活動を止める事。」

 

機会に触れるDr.ケトル。すると機械ごと神秘的な光に包まれ、異形の姿に変わっていく。

その姿は日本人なら良く知る虫のように黒光りとした身体を持ち、

一説には人類滅亡後に一番繁栄するとまで言われる生物を模したソルト怪人。

ごk・・・・【コックローチソルト怪人】

 

「・・・止める。この命にかけても・・・・・・変身。」

 

イネインスイッチを押し、地獄の番犬を思わす黒色の仮面ライダーへと変身する。

現在の時刻は約8時。タイムリミットは1時間も無い。

 

 

 

 

 

 

to be continued

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。