【旧版】仮面ライダーウィッシュ   作:火野ミライ

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Chapter.8

背中に生えた羽を使い、自由自在に空を飛び攻撃を仕掛けてくる。

その一撃を床に倒れこみながら蹴り上げる事でカウンターに成功。

しかしながら当たったとは言え、大したダメージになっておらず少しふらつかせただけみたいだ。

両腕を顔の横に置き力を入れ反動で起き上がる、すぐさま黒光りする敵を視界に入れる。

 

タイムリミットのよる物か?普段感じない【焦り】が思考を支配し始める・・・

さっき戦ったブロークンもそうだったが、如何せんスピード型の敵や飛行能力持ちの敵と相性が悪い。

 

「っわ!」

 

イネインスティンクト状態になりたいがケルスが許してくれないし・・・

思考しながらも地面を転がりコックローチソルト怪人の攻撃を回避する。

だが、気が付いたら屋上端まで追いつめられていた。

 

「終わりです!」

 

今まだ以上の速度でこちらに突撃してくるソルト怪人。

とっさに腕をクロスする事で防御するも、威力を抑えきれずに屋上の一部を破壊し吹き飛ばされる。

 

「がぁ!」

 

肺からかなりの空気が逆流する。そしていつかの様に左手は動かなくなっていた・・・・・

元々完治して無く、医者からも激しい運動を禁止されていた。

それを無視して戦い続けた付けが今、回って来たってところか・・・・

 

「勝負ありですね。」

 

そんな僕の状態を見て、アスファルトの上に降り立つソルト怪人。

何とか起き上がろうとするが、体に限界が来ているのかビクともしない。

ホント、運命に嫌われる。それでも・・・

 

「まだ、だ・・・」

 

「なに!?」

 

ケトルの情報を集めてくれた、相馬君とその執事。

紫吹家の中で唯一僕を人間としてみてくれる、日向さん。

アルビノなど僕の病気に理解がある教員、桜先生。

普段はアレなのに妙な所で鋭い、小波先輩

まだちゃんとした関りは少ないけど色々気にしてくれる、春月先輩に村山先輩。

あとは家族にさっきの警官達や動けない病院患者。いろんな人達がこの街に居る。

この街で暮らしている。この街で・・・・・生きてる!

 

「ここで終われない・・・・」

 

「バカな・・・・」

 

不死。確かに人類が夢見て追いかける物の一つかもしれない。

それでも死ぬって事を、死の概念を人は捨てちゃいけない。

難しい事は言えないけど、忘れちゃいけないんだ。だってあの日、僕は満足してたんだから。

 

「終わらせない!」

 

「一体、どこにそんな力が!?」

 

手足に力を込めなんとかたちあがる。驚きの声を上げるケトル。

目の前の真実をごまかすかのように放った攻撃は、小さな乱入者によって不発に終わる。

鮮やかな青色のボディに緑の瞳。どことなくケルス達を思わせる、ロボットの鳥は僕の周りを旋回する。

 

『おまったせ~♪』

 

この状況に似合わない声を出す目の前の存在に一瞬、時間を忘れそうになる。

 

『なんやお前?』

 

『嘘、だろ・・・・』

 

ケルスが驚きの声をだし、先程まで隠れていたコロクが信じられない物を見たように呟く。

 

『説明は後で♪それよりマスター、僕を使って!』

 

「・・・・どうやって。」

 

『・・・ベルト右側の口をめいっぱい開け!』

 

渋々と説明するコロクの言う通りに、僕から見て右の顔を思いっきり開ける。

口は抵抗もなくどんどんと開いていき、ベルトの上辺にロックされる。

 

『右顔ぉぉぉーーー!!』

 

ケルスの悲痛な叫びを耳しながらベルト右側に現れたスリットを見つめる。

 

『そこに僕をセット!パワーアップです♪』

 

「ぐは!」

 

用件を伝えると身体を炎に包み、起き上が瞬間のケトルを再びダウンさせる。

そのまま僕の右手に収まる。足部分を右顔の口内?入れようにセットする。

 

〈イレーズ!〉

 

音声が響き渡った瞬間、僕の身体は蒼い炎に包まれる。

熱さや痛みは感じないが、新たに何かが入って来る感じがする。多分さっきの奴とも同化してる。

変化が感じきれ無くなったタイミングで腕を振るい、炎を切り裂く。

 

____________________________________________

 

炎の渦を切り裂き現れたウィッシュの姿はこれまでと違っていた。

光の当たり方により色味を変える青をメインにし装甲が少なったボディ。

イネインドライブはイエローへと変わり、肩のショルダーフェイスはショルダーアーマーに。

頭部の造形も猛禽類を思わす物へと変化。背中には折りたたまれた羽。

【イレーズフォーム】へと姿を変えたウィッシュがソルト怪人を見つめる。

 

「な、なんだそれは!そんなのデータには!!」

 

『ただいま降臨した俺の・・・俺達の力受けて見よ!』

 

新たな仲間の声を皮切りに、ウィッシュがアスファルトを蹴りソルト怪人へ進行する。

近づいて来たウィッシュに向かい拳を風るソルト怪人だったが、

その一撃を()()()()()()()、蒼い炎を纏った右手でストレートを放つ!

 

「が!」

 

続けざまに回し蹴り。炎の軌跡を残しながらの一撃により、吹き飛ばされる。

 

「っ!」

 

 

羽を展開し空へと逃げるソルト怪人。それに対してウィッシュもまた、翼を広げ飛翔。

空中で幾度となく交戦をし、互いに一歩も譲らない。

 

「はぁはぁはぁ。」

 

次第に肩で呼吸し始めるソルト怪人と先程までの嘘のように体を動かすウィッシュ。

 

「お前の野望(ねがい)は、此処で終わり。」

 

その差が勝敗を決めていた。イネインスイッチを二回押し右足にエネルギーを溜める。

 

〈イネッシュストライク!〉

 

空中で前転のような回転しライダーキックを放つ!その一撃を貰い、高度を下げる。

 

「はぁぁぁ・・・・」

 

さらに力を込める事で貫通!アンテナを巻き込みながら大爆発を起こすソルト怪人。

屋上にソルト結晶が転がり落ち、そのまま消滅する。

それに続くかのように、身体が冷たくなったDr.ケトルが屋上に・・・

 

 

 

 

 

残るソルト結晶は、0 こうして事件は幕を閉じた

 

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・」

 

あの事件か既に2ヶ月気がすぎ桜が咲き始めた今日この頃。

未だ二人の人間を直接ヤったという事実に思うところがある中、日常を過ごしている。

 

この世界(町)に散らばったソルト結晶を全て片付けた事で仮面ライダーもお役御免。

・・・正確にはシーケットの中にも組み込まれているだが、

現在、シーケットのマスターは僕だから問題は無し・・・・・と思う。

問題があっても押し通す。それが彼からの頼みだから・・・

後、ケルス達はこっちに居る。シーケットやポエニクスがいる分、より賑やかにはなった。

 

まぁ、良い事だけじゃなくて、悪い事も増えた。

それは僕自身の悪化。身体の調子があんま良く無い。医者お手上げ状態である。

理由は何となく察してる。ウイッシュ・デス・バーストやイネインスティンクト使用。

ウィッシュの禁忌を二つも使ってるからね。代償ゼロの方が可笑しいだろう。

 

そんな中、僕は今生きている。きっといつか、また死を経験するだろ。

後悔だってすると思うし、もっと悪化するかもしれない。

でも、良いも悪いも生きるって事。そう思うから。そう思いたいから。

 

だから今は、前に進もう。この胸の鼓動が鳴り続けている間は!

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