【旧版】仮面ライダーウィッシュ   作:火野ミライ

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第2話.変わり始める日常

僕、紫吹 夢の朝は大変だ。

 

朝早く起きて、自室の掃除。これは、軽くやるだけでいい。

 

だって、元が物置部屋だからね。

 

掃除が終わったら、朝食を作りに行く。 自分で作らないと、食べる事すら出来ないから。

 

最近は、あの子たちの分も作ってる。 手間は同じだ。

 

作った朝食を部屋に運んで、ボロボロの机に置く。 この机は、年代物だったりする。

 

『毎日、ありがとな。』

 

「気にしないで。 ケルスは?」

 

【ケルス】は、ケルベロスの事。

 

『ちょっと、起こしてくるわ!』

 

あの戦いの後、二人は僕の部屋に住んでいる。

 

『ふわぁ~ おはよぅ、夢。』

 

「おはよう。 そろったし、食べよう。」

 

まぁ、はたから見ればネグレイトされた子どもみたいな生活・・・かな?

 

いや、実際にネグレイトされてるけど、特に問題は無い。

 

【ネグレイト】

簡単に言うと、育児放棄の事。

明確な理由なしに放棄する積極的ネグレイトと、

経済不足などの理由がある消極的ネグレクトの二種類がある(Wikipedia参照)

 

あ、学費は父親が出してるし、家に居られるのも一応父親のおかげ。

 

母親的には、追いだしたいみたいだけど。

 

『『ごちそうさま。』』

 

それより、こいつらの生態?の方が気になる。

 

時間が無いから、食器を洗って着替える。

 

着替えたら、昨日寝る前に準備した()()()()を持って部屋を出る。

 

表の玄関は、使用禁止だから裏口に向かう。

 

「げっ、お姉ちゃん!」

 

「神楽、おはよう。」

 

彼女は、紫吹 神楽《しぶき かぐら》。 双子の妹。

 

「話しかけないでよ、お姉ちゃん! しっ!しっ!」

 

邪険にされるのは、いつもの事。 病気の影響で、悲しいとは感じない。

 

言われた通り、裏口の向かう。 神楽と会ったこと以外は、いつもの登校までの手順だ。

 

大変なのはここから。 神楽とは同じ小学校に通っている。

 

そして、神楽は車で10分かけて登校している。 僕は歩いて登校。 あとは、察して。

 

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学校に着いたら教室に向かわずに、保健室に向かう。

 

担任の先生は知らないけど、生徒は気味悪がってるからね。

 

まぁ、いじめに発展してないだけまし。

 

「おはようございます。」

 

「おはようございます、紫吹さん。」

 

担任の先生よりも、関わってる桜先生にあいさつをして適当な場所にリュックを置く。

 

あとは、下校時間まで好きに過ごす。 退屈だとは、感じない。

 

前世だと、感じてた気がする。 取り合えず、寝よう。

 

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ジリジリジリ・・・

 

「非常ベル?」

 

あれから何時間寝ただろうか? 取り合えず、非常ベルうるさい。

 

(「キャー!!」)

 

悲鳴が聞こえた。 嫌な予感がする。 見に行くだけ、見に行くか・・・

 

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『生徒の皆さんは、先生の指示に従って避難してください!』

 

放送を聞き流しながら、現場に向かって走る。 奇跡的に誰ともすれ違ってない。

 

ちなみに、非常ベルの原因は不審者。 何でも、3階の窓を破って入ったらしい。

 

先生、そこまで放送で説明しなくてもいい気がする。 おかげで、犯人が人外で確定。

 

「ケルスとコロク、遅い。」

 

まぁ、寝てた僕を棚に上げて言うことじゃないか。

 

「あぁ、誰ともすれ違わない訳だ。」

 

階段を上がりきるとそこには、男性教員が糸みたいなのにしばられて気絶していた。

 

それも、一人や二人の話では無い。

 

「あっちか・・・」

 

再び声が聞こえ、動き出す。 確か、音楽室が会った方だ。

 

道中のあちこちが荒らされているのを横目に見ながら、早足で向かう。

 

音楽室の付近にある柱の影に隠れる。

 

「キャ!」

 

「大人シクシロ!」

 

クモみたいな怪人・・・この前の蝙蝠怪人を【バットソルト怪人】って

コロクが読んでいたから、【スパイダーソルト怪人】かな?

 

そいつが一人の女子生徒を腕から出した糸で引き寄せている。

 

「フン!」

 

女子生徒を捕まえたまま、窓から逃走?をし始めた。

 

『お待たせ、夢!』

 

後ろか声が聞こえ、振り返る。 そこには、ケルスがいた。

 

「ケルス、行くよ。」

 

『よっしゃ!』

 

【ウィッシュドライバー】に変形したケルスを装着し、窓から飛び降りる。

 

「変身。」

 

ベルト上部にあるイネインスイッチを、右手で押す。

 

〈チェンジ・ウィッシュ!〉

 

音声と共に身長が成人男性ほどとなり、全身がケルベロスを模した肉体アーマーへと変化する。

 

〈アミナス!〉

 

受け身を取りながら着地し、ソルト怪人を追いかける為走り出す。

 

____________________________________________

 

 

「・・・! 見つけた。」

 

足に力を入れ跳び上がり、奴の頭上を飛び越える。

 

「クッ!」

 

「キャアーー!」

 

僕の姿を見た奴が、女子生徒を投げ捨て殴りかかってくる。

 

「ふっ!」

 

何とかカウンターを入れ、距離を離す。

 

チラッと少女の方を見ると、大した怪我はして無いようだ。

 

起き上がた蜘蛛怪人がこっちに向かってくる。

 

この前のバットソルト怪人に比べて、動きが遅いので戦いやすい。

 

お腹に強烈な蹴りを入れ、ベルト両端のケルベロスの顔を閉じるように操作する。

 

〈ケルベロス!〉

 

手を離すと音声がなる。 そしてイネインスイッチを二回押す。

 

〈アミナスブレイズ!〉

 

両肩の【ショルダーフェイス】の瞳が赤く発光し、両腕にエネルギーが溜まる。

 

「たぁ。」

 

両手を握り右手を上、左手を下にして必殺の一撃(ライダーパンチ)を当てる。

 

「グワァァァァ!」

 

三つの顔型のイネインエネルギーが、奴を吹き飛ばし、ある程度距離が離れると爆発する。

 

土煙の中からは、別の意味で怪しい中年男性が倒れていた。 警察に任せよう。

 

少女の方を見ると、スパイダーソルト怪人が撃破された事によって糸が消滅し、気絶していた。

 

「そういや、コロクは?」

 

『ちょっと、用事でな。 こっちには今、おらんわ。』

 

「あっそ。」

 

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スパイダーソルト怪人を倒した翌日の学校。

 

「・・・と言う訳で、今日から午前中までなのよ。」

 

桜先生から、学校側の対応を聞かされていた。

 

「紫吹さん、ちゃんと聞いてますか!」

 

「聞いてる。」

 

先生と話していると、3回ノックする音が聞こえてきた。

 

「どうぞ。」

 

ここは保健室なので、普通に生徒が入ってくる。

 

「失礼します。」

 

ノックが聞こえた時点で、布団の中に隠れるけど。

 

あ、そうそう。 ケルスの言った通り、コロクは帰ってこなかった。

 

彼(?)は、ウィッシュのサポートメカなのでそのうち帰って来るだろうけど。

 

ちなみに僕がウィッシュをやっている理由は、マスター登録されているから。

 

何でも最初に変身した、適合者に固定するためのプログラムらしい。

 

要するに僕にしか、ソルト結晶と人との融合を解除できないから。

 

まぁ、一回死んでいるんだ。 それに、僕が死んでも悲しむ人間はいないし。

 

「おはよう。」

 

知らない生徒・・・いや、昨日捕まっていた少女が布団をはぎ取った。 ・・・なんで?

 

「私は、小波 春菜《さざなみ はるな》! 君は?」

 

「・・・紫吹 夢。」

 

「夢ちゃんか・・・ よろしくね!」

 

どう言う状況か、分からないけどとりあえず・・・

 

「僕、男だよ。」

 

「・・・えええぇぇぇーーーー!?」

 

運命は、僕の事がとにかく嫌いらしい。

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