【旧版】仮面ライダーウィッシュ   作:火野ミライ

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第13話.事変

「最近増えてきた怪物事件。その事件に対して警察は‥…」

 

テレビのアナウンサーが声がのっぺらぼうの様に

顔が無い緑色の人型の姿の映像と共にモニターから流れる。

 

『警察は無能!?風紫町市民は警察に不満の声』

 

風のってきた新聞の一面にデカデカと文字がつづられている。

 

「警察より、仮面ライダー方が俺達を待ってくれる!」

 

インタビューを受けている大学生が感情的に言葉を紡ぐ。

 

『黒と白、二人の仮面ライダーの関係性とは?』

 

屑籠の中に捨てられている雑誌の1ページに、Dr.ケルトの事件の時、

戦っていた二人の仮面ライダーの写真が記載されている。

 

「はぁ~」

 

容赦なき言葉に思わずため息が出る。

俺の名前は岡川 雄一。去年刑事になったばっかの新米だ。小さい時から刑事ドラマの影響で、

刑事を夢見て。努力の結果、無事になったまでは良かったものの‥‥

 

現在は怪物事件の対応に追われている。と言うのも、怪物たちは人知を超える存在で、

現状の装備では歯が立たず。戦闘になった際は常に負傷者が出るぐらい厄介なのだ。

 

世間では警察の対応が遅いって言われているけど、俺達が付く頃には既に終わった後‥‥

仮に怪物が現場に居る時にやって来てもそれは基本、仮面ライダーが撤退した時で‥…

 

あ!仮面ライダーって言うのは、突如としてこの街に現れた戦士。その見た目は何処か恐ろしく、

イヌ科の動物に似たマスクに肩のアーマー、四肢に伸びる銀色のラインが特徴的。

最近では空を飛べる青色の姿も確認されている。

 

彼は怪物事件の際、必ず現れ市民を守る。見返りを求めず戦うその姿は、

テレビで描かれるようなヒーローの様で、誰もが見た目なんて気にしなくなっていた。

 

そんな彼とは逆に、映画の聖騎士を思わせる見た目の白い仮面ライダーもいるには居るが、

彼はDr.ケルトの開発した生物兵器と共に、この風紫町を脅かした存在。

そのせいか、見た目と相反して市民からは忌み嫌われている。

 

「はぁ~‥‥」

 

まぁ、その‥…なんだ。

 

「自分たちが無力なのは、自分たちが分かってるんだよな………」

 

正直、結構来てる。こうして休みの日に噴水広場に来るぐらいには‥‥

 

「‥…はぁーーー」

 

「‥…お疲れ様。」

 

さっきまだ俺以外に居なかった噴水広場に、少年とも少女ともい言える中性的な声が響く。

顔を上げ、声の主の姿を視界に入れる。そこには白い肌に白い髪、赤い目の子供が立っていた。

 

____________________________________________

 

「どうぞ。」

 

「ありがとうございます‥‥…」

 

さっき出会った女物の服に身を包んだ少年にリンゴジュースを渡す。女物服を着ているのは、

姉か親戚、もしくは親の知り合いからのお下がりなんだろう。まぁ、彼が着ていても違和感は

感じなかったが、小さい子は性別の分かりづらい子は普通に居たりするからな。

 

彼の膝の上には黒猫‥‥に似たおもちゃいや、ロボットが気持ちよさそうに撫でられている。

今時のペットロボットってここまで進化してるのか。

 

「俺は岡川 雄一、君は?」

 

って!いつもの癖(迷子の子に対しての)でここまでしてしまったが、俺今日、非番。

しかもこの子は普通に散歩できてるだけ‥…

 

「…………夢。」

 

数秒の沈黙の後、無表情で彼、夢君は答えてくれた。

 

____________________________________________

 

「ッヒヒヒ!さて、今日も始めるか!」

 

噴水広場を見つめながらモヒカンの男性、ショウヘイが怪しべな笑みを浮かべる。

その手に握られているのはサイコロサイズのキューブ。それを地面に落とす。

すると中にあった毒々しい緑色の液体が地面に広がり、そのまま複数の人型を生成する!

 

「暴れろ!クリッター・ソルジャー!!」

 

ショウヘイの言葉を受け、怪人たちは噴水広場へと向かっていく。

 

____________________________________________

 

噴水広場の近くにやって来た僕達。

そこには私服姿の岡川刑事が座っている姿が目に入る。なんだか、お疲れムードでため息を吐いており、気が付いたら声をかけていた。

この刑事さんとは何度かあった事が有るけど、それは仮面ライダーとしてであり、

紫吹 夢としては初対面。

 

岡川刑事の横に座る。‥‥プライベート中みたいだから小川さんで良いか。

その時、ケルス達とは別行動中で良かったと思いながら、膝の上に座ったシーケットを撫でる。

 

互いに自己紹介をした後は、貰ったジュースを片手に何気ない会話をする。

そんな時だった…

 

「「「クックw」」」

 

この前、ショッピングモールで戦った奴らが現れる。

それを見た通行人が、思い思いに逃げ始める。

 

「おっと!動かないでくれよぉ~!!」

 

この場に居たすべての人達がその声に動きを止める。

声の元に視線を向けると、世紀末に居そうな派手な髪色のモヒカン男性が居た。

 

「俺はバビロンのショウヘイ!ここに居るお前らには、仮面ライダーをおびき寄せるエサになってもらうぜぇ~」

 

………めんどくさい事になった。

 

「いけ!ソルジャーども!!」

 

ショウヘイが指示を出すと、ソルジャーと呼ばれた怪人たちは動き、人々を襲いだした。

 

「ああああ!」

 

「っく、はぁ!早く逃げてください!」

 

男性が襲われそうなところを岡川さんが間に割って入って、ソルジャーを吹き飛ばす。

‥…うん、此処は岡川さんに任せてコロク達と合流しよう。

 

____________________________________________

 

『夢!』

 

『遅いわよ、番犬!』

 

『全力ダッシュできたのに~…』

 

「話はあと。行くよケルス。」

 

合流したケルスが変形したウィッシュドライバーを腰に装着する。

ちなみに変身だけなら、シーケットでも良かったが、ソルト結晶が組み込まれた変身システムであり為、未知数な事が多く、本当にそれしか手段がない時にしか使わないようにしている。

 

『ちょっと~!今日は僕に活躍の場をk『居眠り鳥はじっとしてなさい。』はい‥‥』

 

「‥…変身。」

 

遅れて今やって来たニクスに言葉をシーケットがさえぎる。

ちなみに居眠り鳥って呼ばれているのは、彼が寝ることが好きな子だから。

 

〈チェンジ・ウィッシュ! アミナス!〉

 

その様子を横目に変身を終え、先程まで居た噴水広場に向けて走り出す。

 

____________________________________________

 

「くそ!」

 

「「リリリ!!!」」

 

一方、噴水広場ではボロボロになった。岡川の姿があった。

彼がいくら訓練を積み重ねた人であっても、いくらソルジャーがもろくても、

人知の力と数の暴力によって、追い詰められてしまった。

 

損に自身の弱さに涙を流しながら、地面に小串をぶつける。

それでも状況は変わるはずも無く、ソルジャーは無慈悲にもその牙を岡川に向ける。

 

「は。」

 

その時、飛び蹴りでソルジャー軍団を吹き飛ばしを撃破する影が現れる。

 

「ウィッシュさん!」

 

「……………」

 

その言葉に首だけ向け頷くウィッシュ。直後にエネルギーで出来た紫色の尻尾、

ケルベロステールを出現させ、横払いで次々と撃破していく。

あらかた近くの敵を撃破し終えたら、地を駆け戦闘を繰り広げていく。

 

「っく!やっぱクリッター・ソルジャーだけじゃ、無理か。」

 

それだけ呟くとショウヘイは誰にも悟られずにこの場を去る。

 

〈ケルベロス・イネインチャージ!〉 

 

それに構う余裕も無く、必殺の一撃を放つためベルト右の顔を閉じ、イネインスイッチを押す。

すると紫色だった尻尾はエネルギーの密度が高まり、黒色へと変色。

 

〈ケルベロスザンパー〉

 

それをバク転と共に分離、光輪状になり次々と切り裂いていく!

切り裂かれたソルジャーは半固形状の液体となり、周囲に散らばり、すぐさま蒸発。

 

〈ケルベロス・イネインチャージ!〉〈ケルベロスザンパー〉

 

その光景をよそに、黒色のケルベロスクローを両腕に出現させ、自身からソルジャーに近づき切り裂く。

やはりソルジャーは液体となり、液体はすぐさま蒸発。

 

「…………」

 

戦いが終わったころには、何も残らなかった。

 

____________________________________________

 

「‥‥…以上が、本官の見た光景です。」

 

風紫警察署の会議室で、岡川刑事が休日体験したことを報告していた。(もちろん、夢の所は除いる)

 

「うむ‥…」

 

その報告に、お偉いさん方は頭を悩ませる。

 

「岡川刑事!」

 

「はい!」

 

「キミには………」

 

岡川刑事の運命は動き出そうとしていた……

 

____________________________________________

 

一方、ショウヘイもまた科学者に報告していた。

 

「…ってな訳でよぉ、もっとつぇ~のが必要だ!」

 

「それなら問題ありません。Dr.ケルトの研究所で見つけた資料を元に……フフフフフフフ!」

 

「いや、リアルでそう笑う奴いるのかよ‥‥」

 

科学者の浮かべる笑い声に突っ込むかも、科学者には届いてはいなかった。

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