砂浜で逃げ惑う人々を横目に上陸する、爬虫類と哺乳類の中間のような外見のモンスター。
「がぁあああああ!!」
天に向かって雄叫びを上げ、その爆音で周囲の砂が吹き荒れる。
「うわぁ!」
その声に驚き一人の少年が腰を抜かし、少年の悲鳴を耳にしたモンスターが動けぬ少年に向かって、口から光弾を放つ!
高熱の光弾は失速する事無く少年に向かっていき、誰もがダメだと思ったその瞬間、一つの影が少年と光弾の間に割って入って行き、爆炎が立ち上る。
「また、化け物かよ!」
「でもアレ、あの少年を守って無くない?」
海に遊びに来ていたであろう水着姿の高校生ぐらいの男女が新たに現れた影に反応をしめす。
彼らだけなく、周りの大人たちも困惑の声をあちこちで零している。
「がぁあああああ!」
「ッハ。」
まるで神話に語られる地獄の番犬の様な異形の影・仮面ライダーウィッシュに向けて力強くかけるモンスター。後ろにいる少年を一目見たウィッシュは同じくモンスターに向けて駆ける。
「仮面ライダー、ウィッシュ。」
「っえ?」
「私達の住む町で戦う正義のヒーローって奴。」
周囲の人たちに説明するかのように神楽が言葉をこぼす。
大人たちの反応を見るに、ウィッシュや怪物事件の事はあまり知られて無いようだ‥‥
近づいてくウィッシュに向かい拳を振るうモンスターだったが、その一撃を屈むことで回避し、ダッシュの勢いと自身の体重を乗せたタックルの一撃を与え、続けざまに蹴りを入れる。
蹴りがみぞおちに入り、後退って動けないモンスター。それを横目に少年の元に向かい手を伸ばす。
「ありがとう!」
少年のお礼の言葉に頷き返し、逃げていくその姿を見守る。
「がぁああああああああーーーーーーー!!!!」
次の瞬間、痛みから解放されたモンスターが先程よりも大きな雄たけびを上げる。
その目には怒りの感情が浮かび上がっており、ウィッシュを睨みつけていた。
「アクーラ、準備良い?」
『えぇ、いつでも‥‥』
モンスターとは対照的に感情を感じさせないウィッシュの声。
その声に応える声もまた感情を感じさせず、短いやり取りをする。
しかし彼らにはそれだけで十分。
ウィッシュから見て、ベルトの左の口を開きスロットが露出。
アクーラと呼ばれた茶色のサメが変形し、ウィッシュの左手に収まり、そのままスロットルに沿ってベルトに装着される。
〈シュナイデン!〉
音声が鳴り響いた瞬間、紫色にかなり近いピンク色に濁った水がウィッシュに降り注ぐ。
濁った水【イネインマリン】が装甲に触れた瞬間に溶けていき、イネインマリンが新たな装甲として装着されていく。
全体的に赤紫色のボディと装甲、
両肩のショルダーフェイスは船の先端様に尖ったショルダーアーマーへ変化、頭部は複眼の色をそのままにサメを想起ささせるデザインへと変化し額には白いそのクリスタルが追加されている。
「アレがあいつの新たな力、アイツらの同化か……」
遠くから戦いを見つめる門矢士のは首からぶら下げたカメラで、新たなウィッシュ。
【シュナイデンフォーム】の姿をフィルムに写す。
「がぁあああああ!」
姿が変わった事なんてお構いなしに光弾を放つモンスター。
それに対してウィッシュは何もせず、モンスターに向けて歩みを進める。
迫りくる光弾を最小限の動きで回避。ウィッシュを通り過ぎた光弾は後方で爆破。
「ぐぅぅ、がぁあああーー!」
その様子に一瞬怯むものの、次々と光弾を放つ。
一発目を首をかしげることで回避、二発目は左半身を少しずらして回避、三発目は右腕を上げて回避
アルミナスが力任せの荒々しい戦い方、イレーズが周りの者を魅入らす舞のような戦い方を得意とするなら、このシュナイデンは的確に相手を追い詰めていき確実に撃破していく姿なのだ!
「がぁああああああああーーーーーーー!!!!」
悠々と迫りくるウィッシュをの姿に恐怖を感じ、それを隠すように突進を繰り出す。
そしてその戦いを建物の上からタイセイが静かに見つめていた。
繰り出される打撃を受け流していき、一瞬の隙にイネインドライブを通じ前腕の刃【ファンティングブレード】にイネインマリンを送り強化、すぐさま胸元を切り裂くことでモンスターかた火花が散る。
腕をひり向いたときの勢いを利用し流れるかのような連続回し蹴りで、モンスターを海面に向けて吹き飛ばす!
「ぐぅううう…がぁああああアアアアアーーーーーー!」
海面に打ち付けられたモンスターは切口を抑え始め苦しみだす。
しばらくもだえ苦しんだ後、ゆっくりと立ち上がり雄叫びと共に
『‥‥‥この感じは!』
「フフフ、ハハハハハ…………実験は大成功だ!Dr.ケトル、やはりあなた天才だ!!」
あり得ない者を見たかのように驚きの声を上げるケルス。
そしてタイセイが狂ったかのように笑みを浮かべ、今は無きDr.ケトルへ称賛の声を上げる。
「ガァアアアアアアアア!!」
人々が恐怖に支配される中、海の中へと入って行く巨大なモンスター。
それを追いかけ、ウィッシュも海中へと潜る。
数秒後にはあちこちに水柱が上がっていき、海中で行われている戦闘の激しさを物語っている。
「ったく、面倒な事が起きるはどの世界でも同じか。変身!」
〈KAMEN RIDE‥‥‥ DECADE!〉
舌打ち混じりの言葉を呟いた後、士は18個のマークが描かれたバックルにカードを装填。
いくつもの虚像が重なり、頭部にプレートが突き刺さる。複眼を緑に頭部のポンターが黄色に光る中、さらなるカードをベルトに装填する。
〈FORM RIDE‥‥‥ KIVA! BASSHAA FORM!〉
ベルトから出現した緑色の銃【バッシャーマグナム】を持ち、鎖が巻き付くと共に姿が変化。
右腕や胸部は魚人の鰭を模した形状をしており、コウモリを思わせる複眼は緑色に輝く。
変化が終了するとともに跳躍、【ディケイドキバ・バッシャーフォーム】も海中へ潜る。
海中ではモンスターから放たれた光弾を自由自在に泳ぐことで回避。
隙を見て多少のダメージ覚悟でモンスターに迫り、脹脛のブレードで切り裂く!
しかしながら互いの攻撃は決定打にならず、終わらない戦いが展開されていた。
「ガァアアアアアアアア!」
再び光弾を放とうと口元にエネルギー溜めるモンスター。
そこにバッシャーマグナムから放たれた弾丸が命中、口元で起きた爆発に驚き動きを止める。
「門矢先生?」
「悪いがバスの時間もある。次の一撃で決めるぞ!」
「はい。」
短いやり取りの後、それぞれが必殺の一撃の準備を始める。
ウィッシュがベルト上部のイネインスイッチを押し、Dキバがべルトにカードを装填する。
〈イネッシュストライク!〉
〈FINAL ATTACK RIDE‥‥‥ KI KI KI KIVA!〉
先に動いたのはウィッシュだった。
右足にエネルギーを溜め海中を高速移動、右足をモンスターに向けて突撃する。
反撃の光弾が放たれるが光弾を突き破って、モンスターに直撃!
その直後、Dキバの持つマグナムのフィンが高速回転。強力な水流を竜巻状にして放つホーミング弾連射、
次々と命中していき、気が付けばモンスターは海面へと打ち上げられ、空中で罅割れ硬化。
〈アクーラ!〉〈ケルベロス!〉
追い打ちをかけるため、ケルベロスの口を閉じながらアクーラをベルト中央の宝石向け押し込む。
それぞれ自身の名を読み上げる中、イネインスイッチを2回押す。
すると右腕を覆いつくすかのようにイネインエネルギーとイネインマリンが高速で回転、その様はドリルのようだ。
〈シュナイデンブレイズ!〉
音声が鳴り響く時には既にモンスターの所まで移動しており、右腕をモンスターに突き刺す。
モンスターは砕け散り、その波面はステンドガラスの様に太陽光を反射する。
それ光景と何処までも続く海を背に、2代ライダーは砂浜の上に立つ。
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ウィッシュとディケイドの共闘があった日の夜。
バビロンの基地で細身の男性と見慣れない紳士服の様な黒い服に身を包む男性が会話………
いや、取引をしている。
「貴方たちが持ってきた例のブツ。うちの科学者が多いに気に入ったみたいです。」
「では、取引の方は?」
「成立です。」
新たな波乱が巻き起ころうとしているのは、風紫町の人々はもちろん。
平和を守るライダー達やバビロンの連中すら、気がついて居ない……
それでも今日も月は、人々が眠る街を優しく照らしている。