【旧版】仮面ライダーウィッシュ   作:火野ミライ

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第22話.崩壊?壊れ始める少年

日差しが差し込む中、ボロボロのフードを深くかぶり顔を見られないようにして歩く僕。

そんな僕の姿と少しにおい始めた身体に邪険な視線が向けるが、すぐさま視線を逸らして通りすがる周囲の人々。そんな嫌な視線を受けながらやって来たのは、喫茶店FAIRY。

 

「‥‥いらしゃいませ!」

 

店の中に入ると店員が一瞬嫌な顔をしなががら、接客してくるれるは、さすがプロ。

すっみこの方の席に座り、うけ取ったメニュー表を端に置き、顔が見られないようにフードをさらに深くかぶる。お冷(水)を飲みながら店の中で待つこと数分、待ち合わせ人がやって来た。

 

「悪い待たせたな。」

 

やって来たのはおしゃれなスーツに身を包んだ()()()

何故、下の名前で先輩予備なのかと言うと、風紫小学校に通う紫吹夢は世間一般的に死んでる事になっており、士先輩も元々1学期のみのピンチ教師として通っていたから、互いに生徒と先生の関係じゃなくなるためだ。

 

士先輩は僕の正面に座るとコーヒーを注文、砂糖を加えると一口に含む。

 

「随分と厄介なことになっているそうだな。」

 

語り掛けてくる士先輩の言葉に頷き、残っている水を一気に飲みほし、周りに聞かれないように言葉を紡ぐ。

 

「どうやら、逃走中のモンスター異常なまでの学習能力を持っているようでして「ちがう!」」

 

僕の言葉を遮り、睨みを聞かせてくる士先輩。

 

「俺が言ってのはお前自身の事だ。感情が鈍いからって、家を追い出され名前すら失って、何も思わない訳じゃないだろ。」

 

「………」

 

「お前今のままじゃ、ただただ言われるがままに戦う戦闘マシーンになるぞ。」

 

士先輩が言っている事も分かる。

確かに家を追い出され、名前も失ってから自暴自棄になりがちだ。今までの残飯や賞味期限切れの食事がましだと思える食事や、雨水で喉を潤す生活をしている現状。優位つ前より改善されたのは、自室と言える場所に自然の光が入る事。

 

いま生きているのだって、戦闘の際に体内に駆け巡ったイネインエネルギーの残留が悪物質を浄化してくれているから。元々ソルト結晶を人体から分離させる際、後遺症やらなんやらが残らないようにするための物質エネルギーで、それを対象ぶつける事で使っていた時の記憶ごとソルト結晶と分離、消去する。

 

それの応用、と言うか本来は身体の完成した成人が使う者を未発達の子供が使ったゆえのイレギュラーで、体内にエネルギーが残ってしまっているらしい。今回はこの残留エネルギーが一種のフィルターとして動いているらしい。

 

詳しい事はたとえ、ウィッシュシステムの開発者たちでさえも分からないとの事。

ウィッシュ事態がこっちの世界にソルト結晶が流れ込んだ為、急遽作られたものだからね。

こんなウィッシュのシステム面を考えても、現状には変化がなく、士先輩は僕の瞳を見つめてくる。

 

結局は士先輩の言う通り、今の僕は戦う事しか考えていない。正確には、それしか残されてない。

人は失った時に当たり前の大事さに気づくというが、僕には分からない。分からなかった……

だからこそ、

 

「普通を夢見てる人達を守りたい。」

 

その為なら僕は、もう一度死んだって良い。

 

____________________________________________

 

あの後、士先輩との情報交換の後、久々に甘味の物を口にして店を出た。

ちなみに会計は士先輩もちだ。お金持って無いし仕方ない事だが……

 

今は知人に会わないように気を付けながら小学校に入学する前、家を追い出される形で来ていたすたびれた公園にやって来た。ここは戦後に作られた小さな公園らしく、当時は様々な子供たちが此処で汗を流したときいている。そんな公園も時代と共に忘れ去られ、現在では雑草が僕の腰ぐらいまで伸びきっている。

 

遊具のどれもが()びついており、遊具に使われている木材は少しでも体重を乗せれば崩れそうなのが一目でわかるほど朽ちている。普通ならこのような一目の付かない場所にゴミが無造作に捨てられていそうだが、そのような事も無く、人の手が全く付けられておらず、その様はまるで誰も知らず、人々から忘れ去られた物語のよう。

 

ここを見つけたの当時は前世の事を思い出してから間もなく、現状の状況にも、自身の病気(じょうたい)にもよく分からないまま、風に身を任せて歩いていた。只々呆然としながら歩いていた先で見つけたのが、このすたびれた公園。確かその時は2・3歳ぐらいの時で、後日図書館で風紫町の地図を見た時もこの公園の事は乗っていなかった。

 

やっとの思いで見つけたそれらしき文面にも、今は辿り着くことすら出来ない公園と記載されていた。なぜそんな公園に偶然、辿り着けたのかは今だにわかっておらず。僕自身も道筋を説明しようとしても、何故か説明できなく。けれども、自身の足で向かっていくと感覚的に辿り着ける。そんな不思議の場所。

 

そんな秘境じゃいけど、僕しか来れない公園は、アルビノである事を珍しそうに見てくる目も無ければ、感情が薄い事を不気味がる人もいなく、居心地が良かった。時間を潰す道具も無いけど、周りの目を気にする事無く過ごせる空間は楽だったし、風紫町独特の風を浴びるだけで時間は潰せた。

 

少し不満点を言うなら小学校付近の公園とは違い、東屋の様な雨をしのぐことのできる場所が無い事。

 

「………」

 

《それにしか自分と言う存在が必要とされるのが無かった。》

 

ふと、遠足に行く前に士先輩に言われた言葉を思い出す。きっと士先輩から見た僕の姿はあの時よりもひどくなっている気しかしない。それでもう僕から【仮面ライダー】を取ったら、何も残らない所まで追いつめられている。

 

「それしか残されてないのなら、やるしかない。」

 

いまだ底が見えないバビロンの戦力。奴らがなぜ、人々を襲うのかは分からない。

けれども、僕は戦い続ける。そこにしか僕の居場所は残って無いのだから。

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