いろはらべるのよしなしごと   作:神余 雛

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デビューがハロウィン後だったので、まずは妄想の第一歩目。


@ Halloween

「おはろた~ん!」

 

 お外はだんだんと冷え込んでくる季節。黄色いイチョウのはっぱが視界の端をひらひらと舞い踊り、道行く人間は防寒具を身に着け始めている中、元気いっぱいのろたんは事務所の談話室の扉を開けたのです。

 

「おー、ろたんちゃん。おはがるー。今日も元気いっぱいだねぇ」

 

 ソファに座ってのんびりくつろいでるハティちゃんも、ろたんに負けないくらいのにっこり笑顔。でも、ろたんの方がかわいい笑顔だもんねぇ。にひひ。

 ハティちゃんの横に腰を落ち着けて、お互い目を合わせれば始まる、今日の催し物についてのお話合い。

 

「いのりちゃんの配信が終わって、スタジオから出てきたところで声をかけるんだよね?」

「あぁ、そのつもりだ。ろたんちゃんはちゃんとお菓子は用意したか?」

「もちろんだよぉ。ハティちゃんもおいしくてほっぺたが落っこちちゃうようなお菓子を準備したから、楽しみに待っててねー!」

 

 そう、今日はハロウィンなんだよ。

 ハティちゃんとは、前々からいのりちゃんに内緒でお菓子を用意しようって約束してたんだ。最初はいのりちゃんをびっくりさせて、おいしいお菓子を食べてもらおうってはずだったんだけど、いつからかいたずらもしちゃおうってなっちゃった。

 

「そりゃあ楽しみだなぁ。いのりちゃんももう少ししたら配信も終わるだろうし、そろそろ扉の前でスタンバっておくか?」

「わかったー。お菓子はばれないように、身体で隠しておかないとだね」

 

 ハティちゃんはおう、と頷いてふところを漁ると、きれいに包装されたお菓子をポッケにしまったみたい。

 二人そろってスタジオの出入り口前で待ってると、「ON AIR」のランプが消えて、少ししてからいのりちゃんが出てくる気配がしてきました。

 ガチャリ、という音とともに、見慣れたきれいな赤い髪が扉の隙間から現れました。

 

「わっ、びっくりした~。ふたりとも、どうしたの?」

 

 その声にろたんたちは顔を見合わせると、ニッコリ笑顔でいのりちゃんの方を向いて、

 

「Trick or Treat!」

 

 と、言いました。

 いのりちゃんは目をパチクリさせて、えっ、と固まっちゃいました。

 

「ほらほら、いのりちゃん。お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞぉ」

「そうだぞぉ~!」

 

 ハティちゃんに合わせて、ろたんもいのりちゃんににじり寄ります。

 

「え、えっ!? 聞いてない! いのり、聞いてないよぉ!!」

 

 両手をわたわたさせるいのりちゃんを見て、これはお菓子を用意していない! と確信したろたんは、いのりちゃんに抱き着いて、イタズラをすることにしたのです。

 

「えへへ~。いのりちゃん、お菓子をくれないんなら、ろたんに膝枕してもらおうかなぁ~」

「あ、ズルいぞ、ろたんちゃん! 私もいのりちゃんのポカポカ膝枕してもらいたい!」

「ふふーん! いのりちゃんのお膝は早い者勝ちでろたんのものだもーん!」

 

 いのりちゃんに抱き着くろたんに、負けじと抱き着くハティちゃん。いのりちゃんはもうおめめがグルグルです。

 

「とりあえずソファにいくぞ。このままじゃあいのりちゃんが倒れちまう」

「はーい。でも、おひざはろたんがもらうからねー」

「はいはい。今回はいのりちゃんの膝枕はお預けだな」

 

 ハティちゃんに手を引かれて、ソファに腰かけたいのりちゃんのおひざに、ろたんはごろんしました。

 いのりちゃんのおひざはしっとりすべすべの肌触りで、だけどポカポカして、とってもいいにおいがします。これなら気持ちよく寝られそう。

 

「もう、ふたりとも突然なんだから。いのりはお菓子なんて用意できなかったよぉ」

「まぁまぁ、いのりちゃん。お菓子がなくったって、ろたんたちのお菓子あげるから機嫌なおしてね」

「私もちゃんといのりちゃんに用意してあるから、あとでみんなで食べような」

 

 後で? と首をかしげるいのりちゃんに、ハティちゃんはニッコリ笑いかけます。ろたんはおひざでおねむだから、もう知ーらない。

 

「いのりちゃんのおひざはろたんちゃんに取られちまったからな。というわけで、私もいのりちゃんにイタズラしていくぞ」

「えぇー!? そんなことより、みんなでお菓子を食べようよ!」

 

 ハティちゃんといのりちゃんが何か言ってるけど、ろたんはもう眠くなってきちゃった。

 

「おっと、ろたんちゃんが寝そうだ。いのりちゃんも大きな声出さないようにな。イタズラはまた今度にしてやる。ろたんちゃんに感謝するんだな」

「まったくもう、調子がいいんだから。今度はいのりも仲間に入れてよね」

「もちろん!」

 

 ハティちゃんといのりちゃんが、なんだか楽しそうなお話をしているけど、いのりちゃんに頭をなでなでされながらの膝枕はすぐに眠くなっちゃいます。

 ろたんの意識が落ちかける寸前に聞こえてきたのは、いのりちゃんとハティちゃんの優しいおやすみでした。

 

「おやすみ、ろたんちゃん」

「おやすみ、ろたんちゃん。次は私が膝枕だからなー」

 

 くふふ。ちゃんと、次はハティちゃんに譲ってあげるよ~。

 

 ――なんだか今日は、いい夢がみれそうです。




誤字脱字があったら申し訳ない。

いのりちゃん、ろたんちゃん、ハティちゃん。
好き勝手に妄想しました。嫌だったら連絡ください。すぐに消します。


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