いろはらべるのよしなしごと   作:神余 雛

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@April Fool's Day

 私は一体何を見せられているんだろう。

 いのりもろたんもどうしてしまったんだ?

 私が運営からもらったクッキーを渡したからなのか……?

 

 それとも――いつものように遅刻をしたからなのか?

 

「ねぇ、いりのくん。ろたおに……その綺麗なお顔、見せてごらん?」

「ろ、ろたおくんッ!? は、恥ずかしいよ……」

 

 談話室の扉を開けて中に入ったら、いのりの向かいのソファから身を乗り出しているろたんが、いのりの手首を捕まえて顔を近づけてる。今にもチューしそうな距離なんだけど……

 というか、どういう状況なんだ!?

 

「いりのくん。恥ずかしがってる顔も、とってもかわいいよ」

「ハティちゃんも見てるのに!? ちょ、ちょっとろたおくん!」

 

 

 私の目の前で、ろたんがいのりに詰め寄ってる!

 いのりは私の嫁なんだぞ!

 

「ろたん! いのりは私の嫁なん――」

「ハティちゃん。ちょっと黙っててくれる? ろたお、今いりのくんとお話するのに忙しいの」

 

 その言葉と同時に、ろたんがいのり肩を抱き寄せ、いのりの顔をろたんの目前に固定した。

 わ、私はどうすればいい!?

 

「ねぇ、いりのくん。ろたお、言ったよね? 色目を使うのはやめろって。何度言っても言うことを聞かない悪い子のいりのくん。いったいどうしようね?」

 

 いのりが居心地悪そうに目を背けて、私の方に助けを求めてきているのが分かる。

 

 でも……申し訳ないが私じゃあ今のろたんからは助けられない!

 

「いりのくん、どこを見てるのかな? ハティちゃんの方ばかり見てないで、こっちを見て? ろたおはこっちだよ?」

 

 じりじりと距離を詰めて、とうとうソファの角に追い詰められたいのりに向かって、ずいっと身を近づけるろたん。怪しく輝く金色の瞳から、いつものろたんからは感じられない色気が感じられて、私までドキドキしてきた……

 

「ろ、ろたおくん……」

「いりのくん、もう……いいよね?」

 

 そう言ったろたんは、ニヤリと笑うといのりに顔を近づけていく……

 待てっ! ろたん!

 

「ろたん、ストップ! そろそろやめておけよ」

 

 私は思わず声がこぼれた。どういうつもりなのか分からないけど、こんなのろたんじゃないだろ。

 ろたんは思わずといった風にこちらを見ている。いつもの色にもどった金色の瞳が私を射抜く。私は決して目をそらさないように、そして、私の気持ちが伝わるように言葉を紡ぐ。

 

「ろたん、何を考えているのか分からないけどさ、いのりとろたんはさ、そんな無理矢理な関係じゃなかっただろ」

 

 私がろたんを見つめてそう言うと、いのりとろたんは目を合わせてニッコリ笑った。

 

『ハティちゃん、A Happy April Fool's Day!!』

「……え?」

 

 え?

 

「ハティちゃん、今日はエイプリルフールだよー」

「ろたんちゃんと一緒にずっと待ってたのに、ハティちゃんまた遅刻するんだもん。二人でちょっと驚かしてみせようかなってお話してたんだー」

 

 おいおいおい、どういうことだよ?

 私はドッキリを仕掛けられたってことか?

 

「……なんだよ、もう。焦ったじゃん」

 

 私がイタズラされたのは、まぁ、遅刻したし仕方がない。

 

「でも、こんな形でイタズラすることはないだろー」

 

 二ヒヒって笑うろたんと、アハハって笑ういのりを見て、私は仕方がないなぁって笑うのだった。

 





 はい、というわけで、いろはらべるのよしなしごと、第二弾。

 エイプリルフールってことで何かネタやりたかったけど、特に思い付くものもなかったから、短めだし、こんな感じになってしまった。

 いのりちゃんとろたんちゃんが何かをやってて、ハティちゃんがやれやれってしてるのを見たかった。
 ……普段はハティちゃんがやれやれされる側だし(小声


 また、気が向いたら第三弾も書く、かもしれない。
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