最近新しい竹刀を買ったまっちゃんです。
いやはや、重すぎて振れん。
お気に入り登録19人、ありがとうございます!!
感想も3件もいただき、作者はとても喜んでおります!!
今後もこの小説をよろしくお願いします。
では、本編どうぞ。
眼を開けて辺りを見渡してみると、俺は公園のベンチに座っていることが分かった。
…所持金ゼロ、住む家も無しのこの世界でどうやって生活すればいいのだろうか。
そう思い、俺は立ち上がる。
「よいしょっと…。先ずはここがどこなのか確かめないと」
そうして公園を出て人通りのあるところまで歩き、交番を探した。
幸いなことに直ぐに交番は見つかった。
そこの警官曰く、ここは花咲川と言うらしい。
それを聞き、やはり異世界だなと改めて認識する。
手詰まりになり、フラフラとした足取りで彷徨っていると、何時の間にか蒼かった空は橙色に染まっていた。
顔を出した夕日が俺の顔を照らす。
その光が眩しくて、思わず手で遮ってしまった。
そのまま夕陽を見ていると、母さんの事を思い出して、郷愁を感じた。
眼に涙がたまり、こぼれそうになるが、何とか我慢して歩き出した。
その瞬間、下校途中の女子高生とぶつかってしまった。
長い間何も食べておらず、やせ細っていた俺は簡単に吹き飛び、尻餅を着いてしまった。
それを見た女子高生が「大丈夫ですか?」と屈みこんで聞いてくる。
「…はい」
少し怪我をしたが、大した怪我でもないので僕はそう返事した。
そして、またフラフラと覚束ない足取りで歩きだした。
呆けた状態のまま暫く歩くと、コンビニに辿り着いた。
ここでなら食べ物が買えるかもしれないと思い、自販機の下等に落ちていたお金を拾い集めた有り金を片手にコンビニに入った。
「いらっしゃいませー」
俺がそこに入ると同時に元気な女性の声が響き渡る。
その人を見てみると、先程ぶつかってしまった女子高生だという事に気が付いた。
だが、俺はそんなことを気にも留めずに鮭のおにぎりを大量に抱え、レジに向かった。
そして代金を支払い、レジ袋を持って店を出て駐車場のスペースに腰かけ、おにぎりを口にした。
いくら咀嚼してもあるはずの味は感じられなかった。
俺はそんな事お構いなしに食べ続ける。
それらを食べ終えると、俺はまた立ち上がり、この町を彷徨い始めた。
暫く歩くと、空は真っ暗になっており、俺は『CiRCLE』というライブハウスにいた。
丁度そこから5人組の女子高生が出て来たところでまた散策を始めようとしたが、脚が解れてしまい、その場に倒れてしまった。
直ぐに5人組の子達が駆け寄ってきて、僕に声をかける。
「友希那!直ぐに救急車呼んで!」
また出会った女子高生が銀色の髪をした子にそう言った。
僕は直ぐに立ち上がり、その必要は無いと伝えると、また歩き出そうとしたが、直ぐに解れて倒れてしまった。
「良いからから大人しくしててください!」
ウェーブのかかった茶色の髪を揺らしながら彼女はそう言った。
「…分かりました。…ごめんなさい、少し、眠らさせてもらい、ますね」
俺はそれだけ言うと、瞼を閉じて眠りについた。
「ちょ、ちょっと!!」
瞼を閉じてしまった彼を何とか起こそうと肩を叩くも、彼は一向に起きる気配がない。
サイレンの音が聞こえてきた。
直ぐ近くに救急車が来たのだろう。
そう思っていると、直ぐに救急隊員が来て、彼を担架に乗せて救急車で病院に運んで行った。
「リサ姉、あの人大丈夫かな?」
あこが不安げな目でアタシを見上げながら言った。
アタシはそれに微笑みながら「大丈夫だよ」と言った。
そして、彼が運ばれて行った病院に向かった。
俺が瞼を開けると、ある学校の屋上に立っていた。
辺りを見渡すと、そこには俺と、
そして、親友は俺に向かって少し微笑んでから鉄のフェンスをよじ登り、そこから飛び降りた。
俺は走ってそれを止めようとしたが、間に合わず、ただただ、呆然としていた。
ただ、彼が空中で口をパクパクさせて放った言葉は今でも鮮明に覚えている。
『あんたが悪いんだぜ。…ざまぁみろ』
その日の夕焼けは、真っ赤に染まっており、まるで彼の血の色の様だった。
小学生の頃。
スーパーの帰り道、俺は母さんの手を握りながら片手にレジ袋を持っていた。
希望に満ちた幼い笑顔を母さんに向けながら、俺は楽しそうに歩いていた。
この後に起きる惨状を知らぬまま。
そう思った瞬間、大型トラックが横転して迫ってきた。
母さんは俺を突き飛ばしてトラックに撥ねられた。
近くにいた人が救急車を呼んでくれて直ぐに母さんは病院に連れていかれた。
でも、助けられなかった。
父さんは急いで病院に車で行こうとしたのだが、向かっている途中で物凄いスピードを出していたバイクと正面衝突して死んだ。
永遠の暗闇が続いている空間に投げ出された。
俺は特に行く宛もなく、彷徨おうとしたが、何かが足元に絡みついているのに気が付いた。
目を凝らしてみると、それは母さん、父さん、親友だった。
そして、それに気づいた瞬間、途轍もない恐怖に襲われた。
「なあ、どうしてあの時止めてくれなかったんだ?」
親友がよじ登って来ながらそう言った。
「ねえ、どうしてあの時私を助けてくれなかったの?」
母さんがよじ登って来ながらそう言った。
「おい、何とか言えよ」
父さんがよじ登って来ながらそう言った。
「うるさい!俺は悪くない。俺は悪くないんだ…!」
耳を抑えて、頭を振り回しながら言った。
本当に悪くないのか?
親友の時だって、もっと早く動けていたら救えたかもしれない。
母さんの時だって、俺がいち早く気づいて教えておけば救えていたかもしれない。
父さんは、母さんが怪我さえしなければ、事故にあわなくて済んだ。
本当は、俺の所為だったんじゃないか…?
そう思った瞬間、俺は目を覚ました。
「…大丈夫ですか?ずっと魘されていたので…」
翡翠色の髪をした子がタオルを片手に言った。
恐らくずっと看病してくれていたのだろう。
「…はい。ずっと看病してくださったのですよね?ありがとうございます」
俺はお礼を言うと、枕に頭を預けた。
「…あの、貴方の名前を尋ねてもよろしいでしょうか?」
彼女がタオルをビニール袋の中に仕舞ってから言った。
あまり他人とは関係を築きたくはないのだが、一応救われた身だ。拒否するのも無作法と言うものだ。
俺は苦渋を飲んで了承すると彼女は名前を言った。
彼女は氷川紗夜、そういうらしい。
「俺の名前は
俺はそれだけ言うと、枕に頭を預けて白い天井を見つめた。
その瞬間、病室のドアが開き、先ほどの5人組の内氷川さんを除いた4人が入ってきた。
「あ、起きましたか?」
茶髪の子が首を傾げて言った。
「…はい。あの、救急車まで呼んでもらって。…ありがとうございます」
俺はベッドの上で頭を皆に向かって下げた。
「いえ…困った時は…お互い、様です」
肩甲骨辺りまで伸ばした黒い髪の子は人見知りなのか、途切れ途切れの言葉を紡ぎながらそう言った。
「…それと、多分、僕と年齢そんなに変わらないと思いますので、敬語じゃなくていいですよ。皆さん、18歳ぐらいでしょう?」
…まぁ、紫色の髪をした子は別だが、まぁ、精々12歳位だろう。
「う、うん。あこ以外皆18歳だよ」
茶髪の子が少し驚いた様子で言った。
「俺も18なので、敬語は要りません。…俺のこれは癖なので気にしないでください」
頬をポリポリと人差し指で掻きながら言った。
「そういえば、自己紹介してなかったね!アタシは今井リサ!よろしくね」
最初に茶髪の子が元気よく言った。
「私は湊友希那よ。よろしく」
次に銀髪の子が静けさを纏った声でそう言った。
「あこは宇田川あこ!よろしくね!…あと、こう見えても、高一だからね?」
紫色の髪をした子が湊さんとは対象的な声でそう言った。
俺は驚いたが、それを顔に出さずに平然を装った。
…にしてもこの低身長で高一か…。
見た所、145㎝ぐらいだろうか。
そう思いながらジッと見つめていると、宇田川さんから「…もしかして、疑ってた?」と言われてしまった。
「いいえ。疑ってなんかいませんよ」
頭を横に振り、話題を切り、自己紹介に戻す。
「私は…白金燐子、です。よろしく…お願いしますね…」
黒髪の子が落ち着いた声音でそう言った。
「…はい。僕の名前は、波谷楓です。よろしくお願いします、皆さん」
よろしく、とは言ったものの、もうこれ以上関わる事はないだろう。
寧ろ、俺からお断りだ。
壁にかけてある時計を視界の端で捉えると、その時計は午後7時を指していた。
「そろそろ皆さんは帰った方が良いのでは?時間も時間も時間ですし」
そう言ったが、皆さんは既に親に今日は帰れないと伝えているらしく、着替えも既に持ってきているらしい。
「あの、泊まる場所とかは、皆さんどうするおつもりで?」
そう尋ねると、病室の外にいた看護師さんが顔を出して「ベッドなら、こちらが貸しますよ?もう使わないものなので」と言った。
その言葉を聞くと、今井さんと宇田川さんは飛び跳ねて喜んだ。
それを看護師さんが鎮め、この病室にベッドを運んできた。
幸いなことに、この病室には他の患者はいなかった。
病室にベッドを運び終えると、看護師さんは出ていった。
ただ、そこである問題に気付いた。
「…ベッドが一つ足りない」
俺がそう言うと、皆さんは驚き、ベッドの数を数え始め、足りないことに気づいた。
「看護師さんに数が無いか聞いてくる!」
宇田川さんがそう言って病室から出ていった。
少しすると、宇田川さんが戻ってきて、衝撃の一言を放った。
「もう、余りが無いって…」
「…なら、俺が椅子で寝ましょうか?幸い、腰かけもありますし寝れますよ」
「いやいや、楓は患者なんだからベッドで寝て!」
「いや、でも」
「良いから、そこで寝て!」
俺は今井さんの圧力に負けて仕方なく頷いた。
「…そうだ。一つのベッドに二人で寝ればいいんだ」
俺がそう言うと、皆さんは納得した様に頷いた。
「それで、誰が一緒に寝るかってことなんですが…」
そう言うと、直ぐに皆さんはジャンケンを始めた。
…一瞬、修学旅行ではないかと勘違いをしてしまった。
結局、ジャンケンに負けたのは今井さんで、何故か僕のベッドで寝る事になった。
…本当に謎だ。何で初対面の男子と女子が一緒に寝なくてはならないのだ。
普通、そういうのは女子のベッドで寝るものだろう。
「…ごめん。迷惑だよね」
パジャマに着替えた今井さんがベッドの傍の椅子に座り、俯いたままそう言った。
「…いえ、しょうがないかと。ジャンケンは運ですし。…さ、寝ましょう」
俺がそう言うと同時に消灯時間になった。
そして、枕に頭を預けるのと同時に、今井さんがベッドに横になって、偶々お互いの顔を見合わせる形になった。
「そうだね~。それじゃ、お休み」
今井さんが少し微笑んでからそう言って、眼を閉じた。
その表情はとても綺麗で、直視していると、こちらが恥ずかしくなってしまうほどだった。
「ええ。お休みなさい」
俺はそう言ってから、寝返りを打って眠りについた。
アタシはずっと考えてた。
何で楓の瞳には光が無く、そして悲しそうな声音を出しているのか。
彼が寝返りを打ってから瞼を開けて背中を見つめると、その背中からは、悲しみや苦しみのような感情が感じられた。
初対面の人がどんな道を歩んできたのかは、アタシには分からない。
けれど、彼だけは特別で、どんな茨の道を歩んできたのかが分かるほど、負の感情を感じた。
それに思わずアタシは泣いてしまった。
他の皆や彼に気づかれないように声を押し殺して泣いた。
滲んだ視界で彼の背中を見ていると、彼を放って置くといつか勝手に消えてしまうのではないかと感じた。
今日出会った人だとは言え、関係を持ち、一つ屋根の下で一緒に寝た人だ。
死んでほしくない。
これがお節介でも良い。
これがエゴだって言う人もいるだろう。
それでも構わない。
アタシは彼に死んでほしくない。
そうして、満月が真っ暗な空を照らした日、アタシは彼を死なせないと心に決めて眠りについた。
特に話す事が無い!!
感想、評価等お待ちしております!!
ではまた次回!!