東方澪咲禄   作:見知らぬ誰か

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第04話

「待たせたわね」

 

 咲夜はマフラーをして外に来た。メイド服は冬用なのか長袖だが、スカートは膝上のスカートだ……寒そうだがタイツを穿いているため寒くは無いらしい。

 

「いや?別に待っては居ないよ」

「そう?」

 

 咲夜は震えながら門の前に立っている美鈴を見て、納得した。

 

「あ、これ渡しておく」

 

 澪羅が咲夜に渡したのは赤、オレンジ、黄色の順で放射状になっていて透明感のある正六面体の魔石だった。

 

「なにこれ」

「爆破術式を魔石にしたもの。爆発範囲は最小半径1メートルで最大7メートル

 名称は『爆魔石』そのまんまだね」

「どうやって使うのかしら?」

 

 澪羅は自分のポケットから1つ爆魔石を取り出して実演した。

 

「んー……爆発する場所を思い浮かべて、これを握り潰す」

 

 握り潰し、爆発した場所は門の正面の木の根元だった。

 

「フランの『キュッとしてドカーン!!』が元だな」

「……これで何をすれば良いわけ?」

「美鈴が寝てたらキュッとしてやれば良いんじゃね?」

 

 咲夜はなるほど……と頷いてメイド服のポケットに仕舞った。

 ちなみにこの爆破術式の範囲指定には澪羅が発つ前に紅魔館のあらゆる所に設置していた策敵術式を応用したもので確定させている。

 

「で、何処に行くんだ?」

「別に買い物に付き合って貰うだけよ」

「そうかい、じあ行きますか」

 

 そう言って2人は歩き出した。

 

・―・―・―・―・―・―・―・

 

 30分程で人間の里に辿り着いた澪羅と咲夜、だがその里に活気は無く人1人として歩いて居なかった。

 

「ま、流石にここまで冬が続けば気が滅入るよなぁ」

「これじゃあ、買い物できなそうね……どうしようかしら…………」

 

 色々と困る2人である。とはいえこれでは買い物どころではない。まず物売りですら開いていないのだから。

 

「1日休暇貰ったし。この異変を解決すれば元に戻るだろうし……宴会も楽しめるから良いんじゃねぇか?」

「じゃ、私はこのまま異変を解決しに行くけど……一緒に行く?」

「行きたいのは山々だが、生憎と術式セットが無いからこのまんまだと簡易術式しか組めなくて火力不足だな。1回戻る」

「じゃあ、先に行ってるわよ」

「ああ」

 

 2人は別れ、咲夜は飛んで行き澪羅は紅魔館に戻る。

 

・―・―・―・―・―・―・―・

 

「さて」

 

 俺は紅魔館に戻り、自分の部屋に来ていた。普段から持ち歩く鞄の中に様々な魔法の道具や媒体を詰め込み、咲夜から無断で部屋の一番奥の物置にあったナイフを拝借させて貰い、魔法付加して強化したナイフもその鞄に突込むと、飛翔能力を付加させた靴を履いて空に飛び立つ。

 目指すは……何かが流れている感じのする方向だ。

 適当に簡易魔法を組んでいるとチルノが来たから俺は脛に着けていた拳銃のホルダーから拳銃(FN-ファイブセブンとかって言ってた気がする)を取り出して引き金を引いた。勿論、実弾なんてものは入れていない、なぜならここの妖怪や妖精に効かないからだ。よって引き金を引いて発射されるのは魔力弾だ。

 なんで銃なんてものを使うのかと聞かれれば何かが発射されるイメージがすぐに湧いて来るからの一言に尽きるだろう。何かを飛ばす感覚なんて簡単には理解出来ない、だから俺は顕界のものを利用するのだ。

 発射された魔力弾は真っ直ぐに進み、チルノの額に当たる。そして魔力の放出によって爆発が再現される。勿論、実銃にこんな爆発なんて起こるはずが無い。チルノは気を失って落ちていく、下は雪だし怪我はしないだろうから俺は進む。そうして進んだ先に居たのは……

 

「レティ・ホワイトロックか」

「そうよ」

「まぁ、何だ?お前らには楽園かもしれんがお前達が存在出来てるのはここに居る人間のおかげだし、通してくれないか?」

「いや」

「なら、忘れ物は消す事にしよう」

 

 俺は右だけだった銃を左にも持って構える……が…………

 

「やーめた。通っても良いよ」

「何だそりゃ」

「だって3人ぐらいにちょっかい出して全部負けたんだもん」

「それで?」

「怪我しちゃった」

 

 良く見れば右腕に怪我をしていた。

 そう言えば妖怪に治癒魔法って効くのかね?やばい、試したくなってきた……あれ?それ以前に弾幕ごっこって怪我をしないようにしてるんじゃなかったのか?まぁ、そんな事はどうでも良いや。

 

「治してやろうか?」

「治せるの?」

「多分治せると思う」

「多分って……」

「魔法使いってのは好奇心旺盛なんだよ。知りたいんだよ、いろんな事をさ」

「じゃあ、試して見れば?」

「サンキュー」

 

 俺をとレティは地面に降りると俺は治癒魔法を展開する。

 

「何か違和感あったら言ってくれよ?妖怪を治療するのは初めてでな、何が起こるかわかんねぇから」

「分かったわ」

 

 俺が治癒魔法を怪我した右腕に当てると傷口はどんどん塞がっていき、最終的には傷跡すらも残らずに消えた。

 

「これからの為に聞くが、何か違和感は無かったか?」

「何も無かったわ」

「サンキュー。妖怪にも治癒魔法は効くのか

 あ、銀髪のメイド服着た奴は来たかい?」

「ええ、あっちに行ったわ」

「ありがとう。じゃあな」

 

 俺は飛んで、レティの指差した方向に飛んでいく。その先には……

 

「マヨヒガかぁ……嫌だから隠蔽魔法掛けてっと……」

 

 俺はそこを真っ直ぐに進んだ。その先にあったのは…………

 

「これは……冥界への入り口か?確か幽明結界って聞いたけど……随分と薄くなってんな…………」

 

 幽明結界はこの世とあの世を分ける結界だからこんなにゆるいとだめな気がするが……恐らくこっちだろう。

 俺はその中になんの気も無く入って行った。

 

 入った先にあったのは長い長い階段だった。その横には灯篭があって明かりがあり、その間には桜が満開で咲いていた。

 

「…………」

 

 俺は飛んでショートカットするのではなく、1段1段桜を愉しみながら階段を登って行った。なぜだか急ごうとは思わなかった。

 だがそれも途中で飽きた。1段飛ばし、2段飛ばし、3段飛ばし……と増えて行き最終的には20段飛ばしの途中で階段が途切れた、そこには金髪金眼の普通の魔法使い『霧雨 魔理沙』と咲夜が、刀を背中と腰に佩いていて半霊を抱いている銀髪の半人半霊の少女が向かい合っていた。

 

「何してんの?」

「勝てないのよ、この半人半妖に」

「何も通じないんだぜ。霊夢は倒せたから通ったらしいが」

「ふぅん……じゃ、お相手願おうかな」

 

 俺は立体魔法陣を複数同時展開して魔石を構築させて欲しい物を形作っていく。その形は…………

 

  日本刀

 

 硬さは硬と柔を持ち合わせ、切れ味は最高、そして軽い。そんなのをイメージして創り上げる俺の一品……その銘の名を『紅銀(くぎん)』という。刀身自体は銀色だが刃の部分が血のような紅の刀、刀身の長さは2.8メートル。そのうち完全物質化する予定だが、今は急造品だが……我慢しよう。

 俺は一応のもう1つ作るために再び立体魔法陣を展開してもう1本創って行く。銘の名は『紅月(くづき)』、刀身は月の色で白に青を足したような色で刃が血の色の日本刀で刀身の長さは1.6メートル。

 俺は紅銀を背に佩き紅月を腰に横になるように佩いた。

 

「名前は?」

 

 銀髪の少女が聞いてくる。

 

「水無月 澪羅だ」

 

 彼女も返してくる。

 

「魂魄 妖夢です」

「魂魄か……一応聞くよ、答えたくないなら答えなくても良い……

 あんたの祖父は……魂魄 妖忌であってるか?」

 

 彼女がビクリと反応する。さて、返事は?

 

「ええ、私のおじいさまは魂魄 妖忌です」

 

 なら、言わなきゃな…………

 

「なら、事伝手をを頼まれてる」

「なんですか?」

「『西行妖を咲かせてはならぬ』だそうだ」

「その理由は?」

「聞かされなかった」

「それでは止める理由になりません」

 

 彼女はそう言って刀を抜いた。非常に長い刀だ……あれはゆうに3メートルを超えてないだろうか?

 俺も紅銀を抜いて臨戦体制になる。構えは彼女の使う魂魄流のオリジナルアレンジで多少変わっているが、臨戦体制となると構えなんてものは無く、自然体だ。あの爺さんがそうだったから俺もそれに習った。構えるよりも自然体の方が受けやすいのだ。どの方向からでも。

 

「おじいさまの…………」

「驚いている暇は無いぜ?」

 

 俺は飛び出し間合いに入った瞬間に左斬上行うが、彼女は恐ろしい反応速度で一歩下がりそして長い刀でその攻撃を防ごうとするが……

 

「甘いね」

 

 この紅銀は俺のような筋力の無い魔法使いでも使えるように軽くしているのだ。それゆえに、本来ならば剣術上級者もしくは師範代レベルで無ければ出来ない斬撃の軌道変更が出来るのだ。

 だから俺は、斬撃をそこで止めて突きを放った。突き出すだけならどんな速度でも出来るのだ。

 

「ごふっ……!?」

「まだだぜ?」

 

 俺はそこから手の届く場所にあった彼女の剣の刀身を持って何の抵抗も無く取った。無刀取り……爺さんの技を憶えるのに何年掛かった事か……あ、あの妖忌の爺さんは少し(だいたい1年ぐらい)だけ幻想郷に居ました。その間剣の稽古をしてもらいました。残念ながら魂魄流の技には適正のあるものが少なかったからあまり憶えられなかったけど、1つだけ秘儀が習得できました。

 

「ふっ……!!」

 

 俺は突きから今度は右斬下を行う。

 

「くっ……」

 

 彼女は何とか回避に成功するが距離が開きすぎた。俺はその隙を見逃さず、畳み掛ける。

 

「零ノ太刀 壱ノ章」

 

 俺は完全に予備動作無しでの突進による切り払いを放つ。すんでの所でその攻撃が避けられる。どんな反射神経だ……初太刀すら見えないはずだが……抜きの部分が拙かったか……未熟だな。

 

「何ですか!?その攻撃は!?」

「喋ってる暇があるのか?」

 

 俺は次の動作に入る。

 

「零ノ太刀 弐ノ章」

 

 今度は動きすらも感知できない秘儀だ。俺は一瞬で彼女の背後にまわり、柄尻で首を思いっきり強打して気絶させる。

 ちなみにこの『零ノ太刀』だけど仕組みは簡単で遅いフェイントを入れた瞬間に神速で移動する、これだけの仕組みだよ。俺は何とか出来てるけど爺さんの『零ノ太刀』は圧巻だったな。

 

「さて……おそらくこの奥は西行妖か…………」

 

 もう8割方咲いているのだろう。俺は彼女を地面に寝かせて魔理沙と咲夜に向く。

 

「どうする?行くか?」

 

 速攻で反応してきたのは魔理沙だった。

 

「霊夢も終わって無いみたいだしな」

「私も」

 

 咲夜も賛成のようだった。なら、行きますか。

 俺と魔理沙と咲夜は西行妖のある方に歩いて行った。




強引だとか気にしないでね
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