八雲藍♂に転生した件   作:闇桜

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第肆話

 今日は遂に結界を張る、と。これまた大掛かりな仕事だなぁ。おっとこんな事してる場合じゃなかった。動物達を簡単に式神にして、周りを見張らせよう。何か異常があれば教えてくれるだろうし。

 

「異常があったらどちらか片方がここへ来る事。さ、皆持ち場に付け」

 

 紫様に動物達の配置が終わったら報告しないとなぁ。いやはや、大変だなぁホント。……うん、そろそろ良いかな。

 

[紫様、準備が完了致しました]

 

[そう、分かったわ。それでは今から、結界を張るわ。この結界を張っている間に結界の外と内の中間に入ってしまった人妖は人なら外でも内でも好きな方へ。妖怪ならこっちに連れ戻しなさい]

 

[承りました。それでは此方も行動します]

 

 よし、早々人は居ないだろうけど、何があってもいいようにちゃんと準備してなきゃね。

 

ピーーーーーー!

 

 ?あら、さっきの中の1匹がもう来たよ。何かあったのかな。よし、とりあえずついてこうか。

 

 

 

 

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 ん?おぉ、本当に人が居るよ。しかも結界張る所を綺麗になぞりおってな。さてさて、彼奴はどうしたものか。人も家族居るし数のバランスあるしだから連れ戻した方が良いんだろうけどなぁ。まぁ、とりあえず引き戻そうか。

 

「そこの者、そこで何をしている」

 

「お?おぉ、助かった!実はここで迷ってしまっていてな。里へ帰りたいのだが、如何せん道が分からなくてな」

 

 何だ迷子か。それなら1番大きな里にでも連れて行けば良いかな。そこからなら道もあるし、通行手段も幾つかあるでしょ。

 

「分かった。ここら辺で1番大きな里に案内する。そこからは自分でどうにかしてくれ」

 

「おう、助かったよあんちゃん。名前は?」

 

「……藍」

 

「そうか、藍。俺ァ弁慶ってんだ」

 

 弁慶!?弁慶って、あの義経と一緒に旅してた、あの弁慶!?わぁお、とんでもない大物が現れたな。あ、これもしかして外に出さないと外で弁慶と義経が会わない?あ〜、うん、それならここから出すか。仕方ないね、自分がそんな大物なのが悪いね。

 

「悪いが、貴方を案内すべきは、里ではないようだ。行くぞ。貴方が居るべきは町だ」

 

「さっきと言ってる事違くねぇか?」

 

「気にするな、此方の事情だ」

 

「ふぅん」

 

 短っ!会話が短い!全然続かない!ぬわぁんもうどうすりゃいいのこれぇ。気まずい、めっちゃ気まずいんだけど。陰キャの引きこもりには辛い。

 

「なぁ」

 

「何だ?」

 

 あっちから話してくれた……!神様仏様弁慶様、ありがとうございます。

 

「アンタは何でこんな所に居んだ?」

 

「私は仕事だ。貴方こそ、何故こんな所に?」

 

「俺ァ旅しててな。んで、俺より強ぇ奴探してんだが、中々見つからん。誰か居ないのかと歩き回ったら、案の定迷った訳だ」

 

 なるほどね〜。って事はまだ義経には会ってないのかな?会ってれば多分義経について行ってる筈だし。

 

「そうか。出会えると良いな。私も仕事があるので、少し急ごう。掴まれ。空を飛ぶ故、落ちるなよ」

 

「はぁ?空を飛ぶ?いやいや、人間には出来ねぇよ」

 

「だが、ある場所の巫女は飛ぶ。ほら、早くするんだ。私も暇ではない」

 

「分かった分かった、分かったよ。それ、これで良いか?」

 

「あぁ。絶対に離すなよ、死にたくなければな」

 

 うーん、個人的な意見、今の私めっちゃウザイ気がする。どこまでも上から目線というかなんというか。弁慶が怒ってなければ良いけどなぁ

 

「うぉ!?ほ、本当に飛びやがった!どうなってんだ!?」

 

「私は生まれつき飛べる。一気にスピードを出す。気を付けろ」

 

「お、おう」

 

 あ、この人絶対私が妖怪だと疑い始めてるでしょ。まぁ実際妖怪なんだけどさ。バレて町で騒がれたらどうしよ。あ、でもその頃にはもう私は町には居ないし大丈夫か。しばらくしたらこの次元からすら居なくなるし。

 

 

 

 

 

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「着いたぞ」

 

「応。ありがとな」

 

「気にする事は無いさ。では、牛若丸に宜しくな」

 

 よし決まった。このまま帰ろう。陰陽師なんかに見つかったら厄介だし、戦闘なんてしたら町に被害が出るし。

 

 ─この時弁慶には、藍の腰に金色の尾が9本、一瞬だけ見えたそうだ。そして弁慶はこの事は誰にも話さなかった。藍が妖怪かもしれないと、そう疑っていたからであり、恩人の生活を脅かす事は無いようにしたからでもあった─

 

 

 

 

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 弁慶と別れてからどれくらい経ったかなぁ。今の所は何も無いから暇だなぁ。そろそろ何かイベント起きてくれないかな。じゃないと暇で死んじゃう。あれ、あの狼は…うん、やっぱり私の式神だね。何かあったのかな。

 

 

 

 

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「た、助けて…!」

 

「ギャハハハハハ、こんな所にだァれも来やしねぇよ。それよりもお前、美味そうだなぁ」

 

「ヒッ!」

 

 あ〜、人間を追いかけて外に出た妖怪かな。これだったら妖怪を内に放り込んで終わりなんだけど、あの人怖がってるし、心のケアもしてあげた方が良いかな。

 

グサッ

 

「ギャアァァァァァァ!!お前は…!八雲の…!!」

 

「なんだ、私を知っているのか。なら話は早い。命が惜しくば即刻住処へ戻れ。明日まで出てくるな」

 

 短刀で軽く引っ掻いただけで大袈裟な…そんなに怪我してないし、出血だって少量なのに。

 

「へっ!何が命が惜しくばだ。八雲の所のだろうが、俺相手にこんだけの傷しか付けられないなら怖くはない。お前も引き裂いて食ってやるよ!」

 

「はぁ…そういう捨て台詞を吐く奴は、大抵雑魚だと相場が決まってる」

 

ドン!ザザザザザ!

 

「グッ、カハッ!」

 

「さっさと行かないか。私はお前を殺すつもりは無いのだから」

 

「けっ、覚えてやがれ…!」

 

 あーあ、全くもう。こんな事で戦いたくはなかったなぁ。あっと、さっきの人は大丈夫かな?

 

「大丈夫ですか?」

 

「え、あ、はい…大丈夫です。助けて下さり、ありがとうございました」

 

 うーん、立ち上がり方がぎこちないな。足でも挫いたかな。もしそうだったとしたら送り届けないと。てか人間がこんな所に居たら格好の餌かな。じゃあどっちにしろ送り届けないとか。

 

「怪我をしているようだ、背負って行こう。乗ってくれ。そして里の場所を教えてくれるとありがたい」

 

「お、お願い致します。私が住む里はここから大体半里程行った所にある小さな里です」

 

 半里…て事は彼処かな。よし、目的地が分かれば簡単。早めに送り届けてあげるとしよう。

 

「任せてくれ。直ぐに送り届けよう」

 

 

 

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 到着っと。うん、やっぱり言われた通り小さい里だね、幻想郷の1番大きな里とはあまり比べ物にならないくらいだ。でもちゃんと門は立派だなぁ。

 

「どうしてですか里長!居なくなったのは、俺の妻なのですよ!?」

 

「だからこそじゃ。お主が行けば、情に流され何をするか分からん。酷だとは思うが、これから出す捜索隊を待ってやれ」

 

 出るに出づらい。えぇいなるようになれ!行くぞ!

 

「誰だ!って、茜!」

 

「無事送り届けた事ですし、私は帰ります。それでは」

 

「待って下さい!あ、あの、私、貴方にお礼を…」

 

「しなくて良い。無事に暮らせ」

 

「でも…!」

 

 うーん、引き下がらなさそうだなぁ。どうしよ、本当に何も要らないんだけどなぁ。あ、そうだ

 

「では里の者全員に伝えろ。無闇に里から出るなと」

 

「は、はい!勿論!」

 

 よし、これでいい。これなら私の仕事も少しは減るでしょ。私は私で大変だし、あまり出ないでくれるとありがたい。

 

[藍、もうすぐで張り終わるわ。1度こっちへ来てくれる?]

 

 っ!?び、びっくりしたぁ。もう、急に話しかけてこないで欲しいなぁ全く。

 

[分かりました。今すぐに]

 

 隙間を使って行こう。こういう時に紫様の能力って便利だよねぇ。ホント、あれはチートだよチート。狡いなぁ、私もそんな能力つかってみたかったなぁ。

 

「お疲れ様。もう終わるから、式神を下げなさい」

 

「分かりました」

 

 ていうか式神の契約解けば良いだけなんだけどね。て訳で完了。これで幻想郷も完全に完成かな。色々トラブルはあるだろうけど、頑張らないと!




幻想郷が完成致しました。次回は吸血鬼異変を始めようかと思ってます、はい。違うのを入れるかもですが。ではでは次回もゆっくり読んでいってね
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