八雲藍♂に転生した件   作:闇桜

8 / 10
自分で進路を見失った。どうして、どうしてこうなるんだ……

受験勉強って面倒ですね!


第捌話

「んん」

 

 お?レミリア起きたかな?それにしても、吸血鬼って思ったよりもタフだねぇ。まだ紫様を送ってから2時間くらいしか経ってないのに目を覚ますとは。

 

「起きたか?」

 

「っ!誰!!?」

 

「おっと済まない、驚かせたか。私は八雲紫様に仕える八雲藍という。待っていろ、今紫様を呼ぶ」

 

[紫様、レミリアが起きましたよ]

 

[分かったわ、今そっちに行くわね]

 

─レミリア・スカーレット

永遠に幼き紅い月、スカーレットデビルと呼ばれる吸血鬼。幼い頃に両親を失った故に、家族を思う気持ちは人一倍強い。妹であるフランを閉じ込めている張本人であるが、レミリア自身はフランが大好きである。運命を操る程度の能力を持つが、その実運命操作とはいえど未来を見たり小さな変化を起こすだけのことしか出来ない。自身をカリスマ溢れる誇り高き吸血鬼だと思っているが、カリスマ溢れてない誇り高き吸血鬼となっている─

 

 

 さてさて、この敵意剥き出しなの何とかならないかな。私別に急に襲ったりしないんだけど。なんか悲しい。

 

「さっき振りね、吸血鬼さん?さてと、じゃあちょっとお話をしましょうか」

 

「……貴様、何勝手に人の家に入っている」

 

 いやいやさっき戦った時から入ってたでしょ何言ってるの。ていうか今更だよもう。

 

「あら?それを言うなら貴女もよ吸血鬼さん?何勝手に人の国に入ってるのかしら?」

 

 いや別に紫様だけの国じゃないよ。私も作るの協力したしここに住んでる人皆の幻想郷でしょう。もうツッコミどころ満載だねこの2人は。

 

「グッ」

 

「さて、今回話すのは、貴女達の処分について」

 

「…殺すなら殺せ。但し私以外の館の住人には手を出すな。皆は私の勝手な我儘で巻き込んだだけだ」

 

 ヒューカッコイイ〜!いいね〜この館の人。愛されてるね〜。

 

「殺しはしないわよ。但し、ここに住むからには私の言うことを聞いてもらう」

 

「…………背に腹か、何でも言ってみろ」

 

「条件は幾つか有るわ。1つ目。無闇に人妖を襲わない事。2つ目。これから暫くはこの館に不可視の結界を張る。あまり外には出ないで頂戴。3つ目。私の決めた事、幻想郷の決まりに従う事。これらを守ってくれれば何をしても良いわよ」

 

「……何をしても良いわよって、外に出れないのであれば、何もすることが無いだろう」

 

 あー、確かに!そういうことについて紫様は考えてるのかな。考えてなかった、なんて言ったら後でお説教してあげよう。

 

「大丈夫よ、外出禁止はすぐに解くわ。幻想郷の中が落ち着いたらすぐにでもね。他に何かある?」

 

「……」

 

「無いようね。それじゃ、ここには居ない貴女の家族を呼んでもらえる?確か、幽香と殺り合ってた子よ。特徴は金髪で、枝に宝石が付いたような羽をしているとしか知らないけど」

 

 あー、フランの事かな?そういえば確かにフランが居ない。さっき部屋に戻っていったけど、どうしたんだろ。まぁ危惧していた幽香と殺り合ってそのまま……なんてことは無かったね。本当にそれだったらレミリアが滅茶苦茶荒れてそう。

 

「生憎だけど、妹様はもう寝てるわよ。レミィが起きるのを待ってみたいだけど、耐えきれなかったようね」

 

 お、ここで突然のパチュリー乱入。でもそうか、フランは寝ちゃったのか。じゃ、後でお姉ちゃんが起きてるのを知って喜ぶだろうな。あの子、なんだかんだ言ってお姉ちゃん大好きだし。

 

「そう。藍、ちょっと連れて来てくれる?」

 

「承知致しました」

 

 さてさて、フランもこの時期だと地下に居る筈だし、行ってみようか。まぁその地下の場所が分からないんだけど。まぁ大丈夫でしょ。僅かながらに感じられるフランの魔力を追えば何とかなりそうだし。

 

「ちょっと待ちなさい!フランに何をする気よ!」

 

 おぉ?これがレミリアの素かな。正直私も気になるけど、主が決めた事に私は異論は無い。勿論他の人はご自由にという感じだけど。

 

「危害を加える気は無いわ。ただ、聞きたい事があるのよ」

 

「……仕方ない、分かったわよ。フランに危害を加えたらただじゃおかないから」

 

 さて、話も纏まった所で私は行こうか。フランの魔力なんて分かりゃしないけど、元を辿って大きな魔力であれば、それがフランという事になる。とりあえずさっさと行こうかな。ん〜、先ずはあっちに行ってみよう。

 

sideout……

 

 

 

─紫side

 

「ねぇ、藍は妹様の場所を知っているの?」

 

「知らないわよ。私もあの子も、ここには初めて来たもの。まぁ、あの子は他人の力には敏感だからね、そのせいもあるんでしょう。あとは、私でも知り得ない情報を持っている事もあるの。貴女達の名前も、あの子が教えてくれたのよ。だから、知らないとは思うけど、絶対、とは言い切れないわ」

 

 実際、あの子は式神を巧みに操って様々な、それも有益な情報を集めてくれる。それに文句1つ言わずに私に尽くしてくれている。私もあの子に何かしてあげようかしら。フフッ、いえ、それよりも休暇をあげましょう。あの子の自由にさせてあげないと。

 

「そう。向こうは確かにフランの部屋、いえ、牢獄ね。あの妖怪であれば、フランの狂気を葬り、私達を助けてくれるのかしら」

 

「それも断言出来ないけれど、そうなればいいじゃない。貴女も妹さんと外を歩きたいでしょう」

 

「そうね……あの妖怪、藍といったか、藍に任せてみるとしよう」

 

sideout……

 

 

 

─藍side

 

 さて、ここが1番大きな力を感じるんだけど、ここにフランは居るのかな。薄暗くてよく見えないし、狐火でも灯しながら行こうかな。

 

「……誰?」

 

 お!子供の声がする!これは当たりかな?いや、でもレミリアが子供を捕らえてる可能性も……いや無いか、あのレミリアだもん。

 

「パチュリーでも美鈴でもお姉様でもない。お兄さんは誰?」

 

「私は八雲藍。君のお姉様の交渉相手である八雲紫様に仕える者だ。さてフラン、一緒に来てくれるか?紫様が呼んでいる」

 

「……行かない、って言ったら?」

 

 お、これは行かないつもりかな?だが私にはそんな事は関係ない。私は紫様の命令をこなすだけだからね。

 

「無理にでも連れて行く。何、君達を殺す訳じゃない」

 

「…………分かった。でも、私をお姉様から離しておいて」

 

 それまたどうして。フランはレミリア大好きっ子の筈なのに……

 

「私のせいでお姉様が傷付くのは見たくないから。だから離しておいて」

 

 成程、それもレミリアの為だったのか。いやはや、優しい妹だね。この子を幻想郷の皆も真似て欲しいよ。

 

「分かった。では、行こうか」

 

「うん」

 

 それにしても、静かな子だなぁ。フランって結構元気というかお転婆というか、そんなイメージがあったんだけどなぁ。狂気が消えたら、フランも元気になるのかな。

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

「紫様、只今戻りました」

 

「おかえり、藍。ありがと。ふ〜ん、この子が狂気を…」

 

 狂気?フランを呼んだのってそれ関連の話って事なのかな。さてさて、フランの問題に赤の他人である私達が絡んでいいものか。まぁ私は口を出さなきゃ良いだけか。

 

「ま、それは置いておいて。貴女、お姉ちゃんと外に行きたい?」

 

「っ!?…う、うん」

 

「そ。藍、貴方の仕事を暫く解除するわ。その代わり、ここでこの子の相手をなさい。狂気を抑えられるのであれば抑えてもいいから」

 

 は、はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!?な、何を言ってるのこの人!第一私が抜けたら冬の結界の管理どうするの!紫様がやるの!?いや無理でしょ寝てるもん!博麗の巫女も大変だし!あっと、落ち着け〜、落ち着け〜私〜。

 

「……承りました。ですが、私の空いた枠は如何なさるおつもりで?」

 

「あぁ、それは大丈夫よ。先代に任せるもの」

 

「先代?…あぁ、仙人へとなったあの先代ですか?」

 

「そう、その先代よ。霊沙。あの子に任せるわ」

 

─博麗霊沙

先代博麗の巫女。史上初、博麗の巫女の中で仙人になった。性格は細かく、あらゆる事に文句を言っては自分の好みにするある意味強者であった。また、修行が好きで、何となく仙人になる修行を始めたらなってしまったという前代未聞の仙人である。今は天人の比那名居天子にお世話になっている。

 

「霊沙ですか…また一荒れありそうですね」

 

「私が何とかするわ。藍はここに住み込みでこの子の相手をしていなさい。ただ、何かトラブルがあれば召喚するわ」

 

「はぁ……分かりました。暫しの間、此方で過ごします」

 

「えぇ。話は終わった事だし、私は帰るわ。藍。くれぐれも失礼の無いようね」

 

「はっ!」

 

 と、いう事で私は暫く紅魔館に住むこととなった。ただこれは、幻想郷の機密事項として扱われる事になった。それもそうだ。紫様の式神である私が紅魔館にいると知れれば何を言われるか分からない。まぁ、これはこれで新鮮で楽しそうである。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。