織田信長「で、貴様は何年からの転移者だ?」   作:Schun

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本来諱である信長と言ってはいけないとかその辺はガバガバなのでご了承下さい。


プロローグ

 衝撃の一言だった。

 まともな思考も出来ず、ここに至るまでの経緯が頭の中を走馬灯のように流れてくる。

 

 

 

 

 俺、大久保蓮はどこにでもいる高校生だ。ニ時間前までは自信を持って言える、今はその自信が無い。

 そう、始まりは二時間前、下校中のことだ。いつもの道をいつものように歩いていた筈なのに気付いたら知らない荒れ道を彷徨っていた。

 辺りを見渡してもビルも電線もアスファルトも無い。道と呼べるかすら怪しい道を歩き続けてなんとか時代劇でしか見たことが無い木造のあばら家を見つけ、その住人と話す事ができた。

 その人の衣服も住居と似た古さを感じる着物をしていてここは何処なのかと不安を感じるようになった矢先、その人から告げられた『ここは尾張』の言葉に嫌な予感が的中する事となる。

 タイムスリップ、なのだろうか? 今が何年なのかは元号で伝えられた為に知る事が出来なかったが、自分が知らない元号だ、確実に100年以上昔だろう。

 これがドッキリあることを信じたいがスマホが常時圏外や高層建築物が一切見当たらないなんてこの現代社会であり得るだろうか? 

 

「尾張かぁ……」

 

 名古屋の昔の地名、それくらいしか知らない。江戸時代なのかと思ったが○○藩と言ってなかったのでそれ以前の時代の可能性もある。いや、もしかしたら流行りの過去の時代だが魔法があったりする似てるようで違う平行世界とかに異世界転生したのかもしれない。ありとあらゆる可能性が思い浮かんでは消えてを繰り返していたら……。

 

「ん?」

 

 パカラッパカラッと、馬の走る音が聞こえてくる。音のする方角を見ると馬に乗り刀を身に付けた武士らしき人が近付いてくる。見続けてるも向こうと目が合った気がした。するとだんだんと減速して私の前で止まる。

 

「その衣服、此処の者では無いな? 我が殿に会って貰いたい、ご同行願おう」

 

 どうすれば良いのだろうか? お殿様と言っていたし戦国時代の可能性が高くなった。この時代は現代と生活水準が大きく異なるし戦に明け暮れてまともに生きる事すら難しい時代だ。ならば殿様に会って未来の知識を伝え匿って貰うのも悪くない選択肢のはず。ならば、と返事を待っていた武士に同行を告げ、城まで一緒に向かうこととなった。

 

「尾張で殿様と言ったら……」

 

 恐らく日本で1番有名な戦国武将だろう。新しい物好きな人柄から受け入れてくれそうな気がするし、本能寺の変の事を伝えたら死を回避出来るかもしれない。そう思い城に向かった。

 

 

 

 

 

 回想から意識を取り戻し現状把握に努める。城に着いた後、奥にある重要そうな部屋に案内され待つように言われた。しばらくすると奥から威圧感というかオーラのある人物とその付き添いが現れた。着物の質感が周囲より高い事がその人の偉さを表している。

 その人物が放った一言がこれだ。

 転移? 何年? 他にもいるのだろうか? 

 

「ふむ、混乱しているようだな。儂の名は平朝臣織田上総介三郎信長、貴様等の言う織田信長だ」

 

 やっぱり織田信長だったみたいだ。そして自分の名前をまだ言って無いことに気付いたので慌てて話し始める。

 

「あ、あの! 俺、大久保蓮って言います。2020年にいたのに気付いたらいて……あっ、西暦だから言っても通じませんよね……えっと、桶狭間が何年だっけ……」

 

「大丈夫だ、他の転移者から西暦は聞いておる。今は千五百六十年、後の世に言う桶狭間の戦いの後だ」

 

「他の転生者って、俺の他にもタイムスリップ……未来の時代から来た人がいるんですか?」

 

「然り、貴様は二千二十年と言ったがそれぞれ別の時代から来ておる、これが終わったら会わせてやろう」

 

 良かった。時代が違うとは言え俺以外にもタイムスリップした人がいる。ただ一人放り出された気持ちだったが同じ境遇の人がいると思うと少し落ち着いた。 

 

「他の転生者は所持品と一緒に転移したが貴様は何か持って来てないのか?」  

 

「えっと……下校中だったので教科書とかスマホとかしか持ってなくて……」

 

「良い、後で確認するとして少しスマホを見せてくれんか?」

 

 スマホを取り出して信長に渡す。受け取ると興味深く見つめている。

 

「これが二十年のスマホか、確か一画面スマホ全盛期だったな。やはり伝聞と実物は違うな」 

 

 なんか信長がスマホにめっちゃ詳しいんですけど……

 

「貴様の処遇だが他の転生者同様儂の元で暮らして貰う事となる。他の領地へ向かう事は許さないが未来と比べると不便かろう。便宜は図ってやる」

 

「ありがとうございます!」

 

 話がとんとん拍子に進んで行く、信長すごいな! 

 

「待て、貴様二千二十年と言ったな?」

 

「はい、そうですけどどうしました?」

 

 周囲の側近がざわ付き始める。

 

「二千二十年と言えば疫病コロナ流行の年ではないか! 貴様、感染してないだろうな?」

 

「いえ! うちの近所や高校で感染者出たりはしてないので大丈夫です!」

 

「ならば良いが二千二十年ならばまだワクチンが出来てない時代ではないか、もし感染していたら今三密だし儂等全員隔離しなければならなかったぞ。取り敢えず聞きたいことは聞いた。後で詳しい話を聞くとして他の転移者に会わせてやろう」

 

 そう言って立ち去った。

 

「ありがとうございます……」

 

 なんで信長が三密知ってるの……




キャラ紹介

大久保蓮 
生年 2004年
転移前 2020年、16歳、高校2年生 
転移時の所持品 スマホ、財布、鞄(中身は主に教科書)
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