訳アリのチート君   作:シン レイス

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一話

 

「.......」

 

 

目が覚めたらそこは知らない場所だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え、待って、ホントに知らないんだけど。どこよここ?

 

内心慌てながら周りをキョロキョロと見回しても、黒一色で何もないところだった。

 

 

 

「.......どうしy「こんにちは」っ!?」ビクッ

 

これからどうしようかと困っていると、いつの間に目の前にいた老人にも若者にも見えるちょっとぼやけてる不思議な人がいた。

 

 

うん、自分でも何言ってんだって思うよ。なに、ちょっとぼやけてるって。認識疎外の術かなんか使ってんの?つーか気配が全くしなかったんだけど........忍者?......とりあえず、

 

「.....こんにちは」

 

挨拶はちゃんと返そう。

 

「うん、こんにちは。それにしても、ずいぶんと落ち着いてるね?」

 

「.....そうですか」

 

自分はコミュ力がないのでとりあえずそう返したが、

 

 

はあああああ!?んなわけあるかい!!!目ェ覚めたら知らない場所とか、突然現れたアンタとか、わからな過ぎて落ち着いてる訳ないだろ!!と、心の中ではだいぶ荒れていた。

 

 

「あはは、結構荒れてるね」

 

「!?」

 

え、今心読まれた....?

 

「僕は君たちが言うところの神様ってやつでね」

 

チョット何イッテルカワカンナイ

 

「それで別の世界に転生させる魂を選んでいたら、ちょうど死んで候補に挙がってきた君が選ばれたってわけ!」

 

へー、ちょうど死んで候補に挙g.........ん?

 

 

「.....死んだ?」

 

「死んだ」

 

 

「.....誰が?」

 

「君が。最期どうやって死んだか覚えてない?」

 

....................................................あ

 

 

「.....自転車で下校してたら転んで、そこに大型トラックが突っ込んできて......」

 

言われて思い出した、俺死んでるやん。

 

「ちなみに即死だったらしいよ」

 

そんな嬉しくない情報いらんわ。

 

しかし、俺としてはうれしい話だ。あっちの世界には親も親しい友人もいなかったから未練もないし、転生物は二次創作小説読み漁って夢に見てたし。

 

「これから行く世界とほしい能力は君が指定できるよ。どうする?」

 

「.....それじゃあ、行く世界は『僕のヒーローアカデミア』で、能力は『上書き』でお願いします」

 

「ほうほう、能力の細かい設定はどうする?」

 

「.....えっと、あの....上限なし、制限なし、デメリットなしでお願い、したい、です......」

 

要望を言っていると神様が静かなのが気になりチラッと見てみると、とてもニヤニヤしていた。これはもしや....

 

 

 

 

 

「ふふふ、そうかそうか、俺tueeeがしたいんだね、しょうがないよね、男の子だもんね~」ニヤニヤ

 

やっぱりばれてたー!!いやあああ!!恥ずかしいよぉ.....

 

 

「ごめんごめん、そんなにすねないで」アハハ

 

うぅ...ちくしょう....心読まれるって碌なもんじゃねぇな....

 

「でもごめんね。デメリットは能力に釣り合うもののリストの中からランダムで付けられるんだ。でも、上限と制限は無くせるから」

 

うーん、やっぱり全部都合よくはいかないか。まあ他二つは通ったから良しとしよう。

 

「.....分かりました」

 

「うん、ほかに何かあるかい?」

 

「.....あ、あと」

 

「お、何々?」

 

「.....その、能力じゃないんですけど、俺が生きてた世界のアニメと漫画とゲームの情報を全部もらえますか?....えっと、技とか、曲とか...」

 

この要望は能力じゃなので通るかが怪しいところだが....

 

「ふふん、余裕だね♪」ドヤァ

 

通るんかーい

 

「他はもうないかい?ないならもう転生させちゃうけど」

 

.....他は特にないな、よし。

 

「.....お願いします」

 

「OK!記憶は残ったままだから!それじゃあいっくよー!!」

 

そう言いながら神様はさっきまでなかった杖(のような何か)振り回し始める。そこで俺は、自分が読んだ作品の中に急に穴に落とされる展開があったのを思い出して身構える。

 

「それーー!!」

 

掛け声とともに杖がこちらに向けて振られると、何かが光るということもなく、ただただ俺の意識が薄れていく。

 

 

落とし穴とかじゃなかったから優しいなと思いましたまる

 

 

「------」

 

「.....?」

 

神様が何か言っていたが、聞き返す前に意識が完全に消え、聞くことができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男がいなくなってから、神は暗い顔をしながら男の人生が記されている書類を見直していた。

 

「.........物心つく前に親に捨てられ、彼の怖い姿のせいで小・中学校でいじめられ、悪い女に引っかかって女性不信になって.....やっと新しい人生を歩めると思ったら、彼の引いたデメリットがリストの中で一番悪い”アレ”なんて....。彼が楽しい人生を送れるように祈るしかないのか.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オギャー!、オギャー!

 

 

 

はい、えー、生まれました。俺です。名前はまだない。

 

どうやら生まれた時からすでに意識がはっきりしているらしく、周りがどういう状況かが理解できる。

 

「お母さん、元気な男の子ですよ」

 

誰かに抱きかかえられながら母親と思われる人の前に持ってかれる。

 

おぉ、母さんちょっと美人じゃね?となると父親の顔が気になるな。

 

「やったな筆子(ひつこ)!!大きい立派な男の子だぞ!!」

 

「えぇ、本当ね典人(のりと)さん」ハァ、ハァ、

 

母さん声きれいだけど父さん声普通だな。てか母さん大丈夫?なんかすごい疲れてるけど。俺どんだけでかかったの?

 

 

 

 

 

あれから母親も落ち着いて、今は三人で病室にいた。

 

「なぁ、この子の名前どうする?」

 

お!ついに俺の名前が聞ける!ヒロアカは個性に関係する名前が名前が多かったからな。俺の個性は「上書き」の筈だからどうなるんだろう?

 

「フフフ、実は決めてあったの。この子の名前はね?......」

 

 

 

 

 

 

 

 

五十嵐義昭(いがらしよしあき)

 

それが俺の名前らしい。.......普通だ.......。とりあえず今は個性が使えないのでおとなしく赤ん坊として過ごそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに父親はフツメンだった。

俺が生まれてから結構時間がたった。もうすぐ四歳になるが未だに個性は発現していない。あの神様が4歳ちょうどで発現するように設定したのかはわからないが、こればっかりは待つしかない。

 

あと、神様がミスったのか姿は前世と変わらなかった。俺は前世ではヤクザの組員と勘違いされ、職質を何回もされるほどの姿だったので必然的に......

 

『うえぇぇぇぇん』

 

俺を見た子供たちにめっちゃ泣かれた。凹んだ。それを見ていた俺の親とその子の親が、お前の顔じゃしょうがないと言わんばかりの苦笑いで俺を励ましてきた。それを見てさらに凹んだ。赤ちゃんとか保育園児が泣くのはまあわかるとして、小学二年生が泣くなよ。年上に泣かれた俺が泣きたくなるわ。

 

 

 

4歳になった。

 

キーーーン

 

「.....?」

 

朝起きると、頭の中に変な音が響いた。俺はもしやと思い、布団から出てごみ箱に入っていた紙を取り出して、

 

「.....上書き」

 

フッ

 

 

 

 

 

 

.................できた....

 

 

できた、できたできた!ようやく個性が使えた!しかも俺が想像した通りに!!

 

俺は今、ただの紙をガムテープに変化させることができた。”この紙はガムテープである”と個性で上書きしたのだ。そして、俺の想像通りに使えて上限も制限も無いとなると.....

 

「.....上書き」

 

ボオォ

 

よし!よし、よし!できた!Huuuuuuuuuu!!!

 

 

 

こほん、あの神様超いい仕事してくれたな。

 

今度は俺に対して、”俺は火を使える”という上書きをしたのだ。するとどうだろう、なんとガスバーナーのようなきれいな火を立てられたではないか。

 

これこそが俺が考えた本当の個性の使い方、能力のストックだ。こうやって使える能力を増やしていけば、俺は様々な能力が使えるようになるのだ。フフフ、俺が恐ろしい.....

 

”考えた個性が自由に使える”という個性も魅力的だったが、もし自分が使おうとしなくても考えただけでうっかり発動してしまう可能性を考え、それだと取り返しのつかないことになる危険があったので選ばなかったのだ。そして俺の個性はあくまでも上書きがメインなので、自分が使おうとしない限り個性は発動しない。つまり危険性がグンと下がる。フフフ、俺が恐ろしい.....(二回目)そして”口に出さなくても頭の中で上書きできる”ように上書きしてから、

 

一方通行(アクセラレータ) 常時発動!)

 

これである。細かい設定は後でするとして、とりあえずこれを常時発動しておけばほとんど危険なことはなくなるのである。といっても今発動しているのは自分にとって危険なものや攻撃を反射するだけの”なんちゃって一方通行”であるが。

 

「.....よし」

 

親に報告に行こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、起きたか。おはよう、義昭。誕生日おめでとう」

 

「おはよう、義昭。誕生日おめでとう」

 

「.....ありがとう、おはよう、パパ、ママ」

 

リビングに向かうと父さんと母さんが挨拶してくるので同じように挨拶を返す。前世の分も含めて精神年齢は20歳なのでパパママ呼びは恥ずかしいが、違和感をなくすためにそう呼んでいる。

 

「.....二人とも、僕個性使えたよ」

 

「!本当か!?やったじゃないか!ようやくだな!」

 

「ええ!本当に良かった....。それで、どんな個性なの?」

 

「.....パパ、ママ、誰にも言わないって約束できる?」

 

この個性はとんでもなくチートなので、あまり人の耳に入るのはよろしくないのだ。俺の放つ雰囲気が変わったことに気づいたのか、二人も真剣に答えた。

 

「ええ、約束するわ」

 

「もちろんだ」

 

「.....分かった」

 

 

 

そして俺は、二人に自分の個性について話した。話を聞き終わった二人は驚愕を露わにしながらこう言った。

 

 

 

 

 

『チートだな(ね)』

 

「.....うん、チート」

 

そう言うと思ったよ。しかも二人の個性は強力というほどのものではないので、その二人から生まれた俺がこんな個性だから余計に驚くだろう。

 

 

「...確かにこの個性は多くの人に言っていいものじゃない。それをちゃんとわかってて聞いたんだな。えらいな、義昭」

 

「そうね。4歳でその判断ができてるのはすごいわね」

 

二人も分かってくれたようだ。まあ実際は20歳なんだけどね。

 

「.....じゃあ僕、部屋戻るね」

 

「おう、後で出かけるから準備しとけよー」

 

「寝ないでね♪」

 

「.....分かった」

 

その後は家族三人で出かけて遊び、帰ってきておいしいケーキとプレゼントをもらい、楽しく過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はもう寝るだけとなったときに、俺は神様に言われたことを思い出した。

 

(デメリットは能力に釣り合うもののリストの中からランダムで付けられる、だったか?)

 

そういえば今日は能力を結構使ったのに反動が来てないなと思い出す。

 

俺はそれが気になって布団から起き上がり、あるものを表示する

 

(ステータスオープン)

 

俺は個性を使い、自分のステータスをゲーム画面のように表示できるようにした。こうすることで自分のことをしっかりと把握できるようになった。

 

(デメリットは......)

 

画面の中の〈個性〉の文字をタップし、デメリットを調べていくと....

 

 

 

 

 

 

「..................は.....?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【寿命が縮む】

 

 

 

 

頭が真っ白になった。

 

 

 

 

 

 

 

神様、デメリット鬼畜過ぎない?

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