『GBN』サンドバック日記   作:東雲兎

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一万年と二千年ぶりに文章を書く気が起きたので、リハビリがてらの制作です。

描写とか久々すぎて出来ねぇぜ。変なところあったらごめんね。

この作品のキャラ『サンド⭐︎バック』は『GBN総合掲示板』の第二次有志連合戦(ビルドダイバーズ側)の参加者として応募したキャラです。


『GBN』サンドバック物語

 筋肉痛の肩を回しながらいつもよりちょっと早く会社から帰宅、時刻は6時半を回ったところだ。間食が多かったのもあって夕食を簡単に済ませてしまい、シャワーで身を清めていつでも寝れる状態にする。

 

 これから使う機材を起動しておいて、起動時間に水分を取っておく。今から2、3時間は取れないからだ。

 

「よっし、今日も頑張るぞぅ」

 

 立ち上がるシステムはガンプラバトル・ネクサスオンライン、通称『GBN』。自分の作ったガンプラをスキャン、仮想空間でそのガンプラに乗り込みバトルを楽しめるダイブ型のゲームだ。今ではかなりの流行となっているこのゲーム。やればやるほどズブズブに嵌まり込んだ。

 

  GPDと言われるGBNの前身となったゲームの二足草鞋だったのだが、GPDがサービス終了してから二足草鞋だったところを一本に絞ったのも嵌まり込んだ要因の一つだろう。

 

 定位置に己の今持てる全ての技術を注いで作り上げた魂のガンプラをセットして、専用のヘッドセットをかぶる。これで全ての準備が完了した。これから始まるのは楽しい楽しいガンプラバトル。今日こそ勝率30%を超えるべく気合を入れ直す。

 

「サンドバック、いきまーす」

 

 もはや自身でもネタにし始めたあだ名。もしくは通り名。意外と気に入っているのでダイバー名にまだしてしまった始末。

 

 

 

 電子世界に突入し、GBNのロビーへと入場をはたした。そしていの一番に金色が目に入ってきて、それが髪の色だと気づき、背筋が粟立つ。その金色はGBNプレイヤーにとって憧れであり、また戦う相手からは恐怖の象徴。理不尽を擬人化した存在とも揶揄され、高難易度ミッションをスナック感覚で攻略する意味のわからない存在。やらかすたびにみんなから『チャンプはさぁ……』と呆れられる人、

 

「やぁ、待っていたよ。良ければバトルしないかい?」

 

「ミ゜ッ」

 

 端的に言えば、最強が出待ちしてた。

 

 

 

 

 

 

 

128:名も亡きダイバー

今日は第一水曜日、サンドバックのぶつかり稽古の更新日です。

 

 

129:名も亡きダイバー

忘れてたわ。見てくる

 

 

130:名も亡きダイバー

今回はどんな化け物とやり合ったんやろか?

 

 

131:名も亡きダイバー

化け物と戦う前提で草

 

 

132:名も亡きダイバー

だってサンドバックだぜ?

 

 

133:名も亡きダイバー

納得できるのがなんともはや……

 

 

134:名も亡きダイバー

未だにサンドバックが強いのか弱いのか分からんのじゃが

 

 

135:名も亡きダイバー

強いだろ、たまに初心者にやられるだけで

 

 

136:名も亡きダイバー

初心者相手には基本ガバるからなぁ、あの砂袋

 

 

137:名も亡きダイバー

さっきハードコアのヴァルガでチャンプに追われてたよ

 

 

138:名も亡きダイバー

なのに上位ランカー相手にはタイマンでもかなりの確率で勝つというな(チャンプは除く)

 

 

139:名も亡きダイバー

チャンプ草ァ!

 

 

140:名も亡きダイバー

またチャンプに追われてんのかあの砂袋

 

 

141:名も亡きダイバー

いつもの

 

 

142:名も亡きダイバー

ヴァルガの定期イベント

 

 

143:名も亡きダイバー

ハードコアディメンションで時たま見かける光景

 

 

144:名も亡きダイバー

また悲鳴あげながら避けてんやろなぁ……

 

 

145:名も亡きダイバー

チャンプに追われるとかなにその恐怖

 

 

146:名も亡きダイバー

チャンプもガン攻めしないと落とされかねないからね。しょうがないね

 

 

147:名も亡きダイバー

いや、それでもチャンプを落とせる(倒せるとは言ってない)可能性あるのヤベェな

 

 

148:名も亡きダイバー

だってあいつ格上にはめっぽう強いもん。格下にはめっぽう弱いが

 

 

149:名も亡きダイバー

それどこのギャレン?

 

 

150:名も亡きダイバー

前の動画にGBNのダディ関連のタグがつけられてて笑った

 

 

151:名も亡きダイバー

アーマーと合体する小さいガンダムが出てきた回?

 

 

152:名も亡きダイバー

そうだよ()

 

 

153:名も亡きダイバー

あー、あの宇宙ミッションで砂袋が盛大にガバッたのに勝ってくれたオリガンの子ね

 

 

154:名も亡きダイバー

あの試合、開幕フォトンリングレイが直撃しててほんま草だった。咄嗟にファンネルとかで防いでたのは流石だが

 

 

155:名も亡きダイバー

むしろ武装がサーベルだけになってなぜ勝てた?

 

 

156:名も亡きダイバー

そこはサンドバッククオリティー、あとあのミッションの相方が強かった。

 

 

157:名も亡きダイバー

そういや≫137は見かけたって言ってたが、あーたもハードコアチンパン?

 

 

158:名も亡きダイバー

チンパン前提草

 

 

159:≫137

いや、今日デビュー。入った瞬間、遠くでパッと煌めいたと思ったら次の瞬間には2人が通り過ぎてたゾ

 

 

160:名も亡きダイバー

上位ランカーとかが戦う時のテンプレ草

 

 

161:名も亡きダイバー

何故生きている。

 

 

162:≫137

≫161 ポカンとしてたら、その後流れサテライトキャノンで消し飛んだゾ

 

 

163:名も亡きダイバー

あっ(察し)

 

 

164:名も亡きダイバー

流れサテライトは草

 

 

165:名も亡きダイバー

ハードコアなら良くある

 

 

166:名も亡きダイバー

そのサテライト多分俺だわ。適当ブッパしたやつ

 

 

167: ≫137

オマエカァァッッ!(筋肉ゴリラガンダム感)

 

 

168:名も亡きダイバー

おのれディケイドっ!

 

 

169:サテライト中毒者

ブッパした方向に棒立ちしてたお前が悪い。ポイントありがとう

 

 

170:名も亡きダイバー

歪みねぇ。やっぱ

 

 

171:名も亡きダイバー

ヴァルガやオセアニアだと常識だから

 

 

172:名も亡きダイバー

サンドバックのSNS垢、ザクムラ関連の呟き多くない?

 

 

173:名も亡きダイバー

あの人ザクムラガチ勢だから。最初に猫耳コラした人だから。

 

 

174:名も亡きダイバー

≫171ヴァルガと同じオセアニアやばい

 

 

175:名も亡きダイバー

基本ザクムラの作業配信には居るからな

 

 

176:名も亡きダイバー

チャンプ見にハードコア行ったら壺の水爆で消し飛んだんやが

 

 

177:名も亡きダイバー

壺の水爆www

 

 

178:名も亡きダイバー

あー、たまにフルスクラッチで作る奴がいるよな。

 

 

179:名も亡きダイバー

高確率で上にギャンがガイナ立ちしてる奴な

 

 

180:名も亡きダイバー

そういう奴って大体強いのよね

 

 

181:名も亡きダイバー

なんでそう変な方向ばかりに思い切りがいいのよ!?

『ジュドーの画像』

 

 

182:名も亡きダイバー

ジュドーwww

 

 

 

 

 

 ハードコアディメンション。挨拶よりもまず攻撃が常識の闘争を追い求めた者たちが最後にたどり着く楽園。または動物園。

 

 簡単に言い表せば超戦闘特化サーバー。

 

 そこでダイバーネーム『サンド⭐︎バック』は己のガンプラ『ガンダムMk.百(ハンドレッド)』の特殊能力、バックパックであるクスィーパッケージによるミノフスキークラフトを用いて飛行し、偶に邪魔となる野良ダイバーを撃墜しつつも後ろ飛びをし続ける。

 

「お、俺の側にちかよるなぁぅ!?」

『近寄らねば君を討てないのでねっ!』

 

 サンドはビームライフルを連射に切り替え、迎撃を試みる。しかしその全てを的確にFファンネルを使って防ぎ、突撃を最高速から落とす事なく継続してくるチャンプの『クジョウ・キョウヤ』とそのガンプラ『ガンダムAGEⅡマグナム』が全身を輝かせながら迫ってきていた。

 

 しかしここで格闘を選択することは出来ない。すれば将棋で言うところの詰みとなり、最大でも30手前後でMk.百はガンプラの活け造りとなるだろうことは容易に予測出来た。

 もう一つのガンプラなら格闘戦でも負けないだろうが、あれは特化させ過ぎている為に相手がわかっている時やチャンプエンカウントが確定でない限り使わないのだ。

 

 ただのタイマンでは勝ち目はない、何せ相手はGBN最強。異常な強さを誇る化け物のひとり。ただただ強い。ガンプラの完成度、操作技術、そしてダメージコントロール。全てにおいて高水準の男。だからこそ一点を除いてサンドは相手に後塵を拝していた。

 

 ——バケモノめ——

 

 内心で今日何度目になるかわからないそれを吐き出しつつ、サンドはそこに至るまでに散らばめた己のキリングレシピ(嵌め殺し条件)への布石を頼りに漸くの反撃を開始する。

 

 接近してきたキョウヤにまずバルカンで視界を狭めてやる。使用前Eパックをキョウヤの斬撃が来る場所においてやり、それによる死角におい てビームライフルを連射から集束へと変更。

 

 Eパックの爆発に紛れ、ビームに殺意を乗せて放つ。同時にフィンファンネルを操作し、相手が回避する場合と防ぐ場合の動きを想定してそれぞれ相手の死角となるであろう位置に置いておく。

 

 今回は殺気を感じ取ったキョウヤが咄嗟に避けたのを直感し、フィンファンネルを突っ込ませながら攻撃させる。

 

 それも既に読まれており、Fファンネルをフィンファンネルにぶつけて止められる。キョウヤは追撃をせんとするサンドに、体勢を崩したままハイパードッズライフルで迎撃。その狙いはサンドではなくFファンネル、ビームの反射によって目の前にいるのにも関わらずサンドの視野外よりの攻撃を実現する。

 

 がその程度はサンドにとって想定の範囲内に過ぎず、『こいつならこの程度は軽くしてしまうだろう』という謎の信頼から、キョウヤを見据えたまま機体を逸らすだけで回避する。そして集束しておいたビームライフルを構える。

 

 キョウヤもこちらが回避によって費やした刹那を利用して体勢を立て直していたが、既に一手こちらが勝っている。

 

 突如として何かがキョウヤの背後に激突、轟きヴァルガの空気を震撼させた。

 

『——ッ! フィンファンネルを影にしたかっ!』

 

 そう、突然現れたかのようにAGEⅡマグナムをよろめかせたのはクスィーガンダムの武装であるミサイルファンネル。Mk.百にはバックパック『クスィーパッケージ』のフィンファンネルの下に装備させている。

 

 予めフィンファンネルの後ろに隠しておいたもので、フィンファンネルの攻撃を防いだという認識を持たせた上での奇襲。こういうのは意外と刺さるのだ。ことこのような極限状態での戦闘だと余計に。

 

 殆どが死角や視野外からの攻撃。悪辣な、嫌らしい手だとサンドは自覚しており、人によっては非難されるかもしれないが仕方あるまい。だって自分は弱いんだからと。

 

 情けない話だと思うが事実、キョウヤから八十六回も攻撃される間に一度も反撃らしい反撃が出来ず、やられない為に足掻いて防ぎ続けるしかなかったのだ。

 

 もしこれがこの前に遭遇したMS狩りの悪魔ならその技量で斬り結んでいただろうし、上位ランカーであったなら言わずもがなで最近見ているGチューバーのクオンなら彼女の機体である週末(終末)龍ならその特性を存分に活かしてチャンプと大立ち回りをした事だろう。かつてのザクムラならば、あの赤砂ならば、あのピーキー好きのお嬢様ならば、彼ならば彼女ならばそして先生ならば……と思いつく限りの格上たちを思い浮かべながら、油断なくサンドは追撃を重ねる。

 

 集束ビームを放てば当然に防がれる。だが同時に放っていたトリモチは直撃し、関節部に絡みつくのが確認できた。これで近接戦は漸く互角になるくらいには持ち込めた。そして射撃戦を続けても勝ち筋が存在しない。だが、互角になった程度でキョウヤ相手に接近戦をするわけにはいかない。

 

「ミノフスキーオーバードーズ!」

 

 故に己が改造したミノフスキークラフトを発展させた時限強化を行った上で即座に接近を図る。この必殺技と設定されるそれは時間制限が終了次第ミノフスキークラフトが一定時間使用できなくなるものの、それ以上のリターンが存在し、更に時間制限内にこの戦いを終わらせなければ己の勝ちはないとサンドは予測していた。

 

 ファンネルミサイルのダメージからキョウヤは体勢を立て直す隙を稼ぐ為にFファンネル達がその行手を阻ませる。が

 

「ボルトアウトォ!」

 

 ファーストリスペクトの台詞で制御。それはクスィーパッケージからの分離、否()()による二段加速。刹那の間、理論(せってい)上におけるV2ガンダムの最高速を超えながらあらゆる計器やファンネル達を置き去りにして頂へと隕石のように墜落する。

 この加速は相手にはいきなり消えたかのように見えただろう。必殺を込めた一撃。

 

 ここまで持ち込むのにサンドは反射的な動きの癖を違和感のない程度にわざと見せ、視線の動きから攻撃の避け方防ぎ方あらゆる予備動作を演じてキョウヤの無意識を誘導した。そうして生まれた無意識の隙を突く形で嵌め殺しを開始したのだ。この状況まで組み立てられれば殆どのダイバーは訳もわからず撃破され、一部の強者ですら撃破から大破までの損害は免れないだろう。

 

 

 

 

 

 

『まだだっ!』

 

 そしてその程度、踏み越えられずして何がチャンプ(最強)か。

 

 

 サンドが意図せず僅かに漏らしていた殺気を先ほどの集束ビームに乗せていた殺意を思い出す事で捕捉。人間の反射速度限界に至りながら、迎撃を間に合わせる。

 

 

 必殺を期した一撃を防ぐ、サンドもまたそこまで想定内だと体勢崩したままのキョウヤを押し切ろうとする。だがチャンプはその先の想定を踏み超えていく。

 激突の瞬間、キョウヤは即座に打ち合ったサーベルを捨ててMk.百に組みついたのだ。

 

『オオオッァ!』

 

 相手の速度を利用した地球投げ。

 

「舐めるなぁっ!」

 

 駆けつけるはクスィーパッケージの単独飛行形態『クスィーブースター』 主を屠らんとするキョウヤを止めるべくと突貫を開始する。

 

 

 

 

 そして、そして……

 

 

 荒れ果てたヴァルガの大地に全ての武装を地面との激突やファンネル達の相討ちによって失った二機のガンプラが立ち上がる。お互いに満身創痍であり、ダメージアウト寸前。

 

「オーバードーズ……」

 

『FXバースト……』

 

 

「『極限稼働!』」

 

 しかしてその程度の損害でこの戦いをやめる理由になるかと問われれば返ってくるのは否だろう。二つの修羅は互いに拳を握りしめて、後先考えずに残る全てを解放する。

 

 

「オオオオオオオオァアアッ!!!」

『ハアァァァアアアアッッッ!!!』

 

 何度目になるかわからない激突を行い、殴り合いヴァルガが始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてサンドはまたしても敗北を喫しちゃった訳である。

 

 




自分を一般ダイバーだと思い込んでいる隠れ修羅勢サンドバック。
しかしリアルの周りがクソ強すぎて自分が弱いと思い込んでいるタイプ。
相手が一定以上強いとゾーンに入って、人力ゼロシステムで予測して動きを読んでくるタイプ
ちなみに新社会人の男性。

以下お借りしたダイバー名とその出演作品
『GBN総合掲示板』よりダイバー名、クオン及びザクムラ
『ガンダム:ビルドライジング』より『MS狩りの悪魔』ことアズキ
『お嬢様はピーキーがお好き』より『ピーキー好きなお嬢様』ことキリシマ
『ガンダムビルドダイバーズ アナザーテイルズ』より『赤砂』ことミワ
以上のダイバーの名前、及び異名をお借りさせていただきました。

名前のみの登場ではございますが、使わせていただきましたのでこの場をお借りして感謝を。
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