割といつもそうですが今回は9割方主人公の一人語りです。
朝比奈まふゆが自然に笑ってから数日が経った。
朝の準備をしながら考え事をする。
彼女はそれからというもののあの時の笑顔を見せてはくれないが彼女自体の態度は柔和になったように感じる。
口調も表情も何一つ変化は感じないが。
しかし、彼女の噛み癖はいまだ治ってない。なんならこの前噛まれた腕の痕はいまだに残っている。
友達などに腕の噛み痕を聞かれた際には犬に噛まれたと説明している。
流石に人に噛まれているなどと言えない。
まぁ今のところうまく誤魔化せているし何一つ問題はない。
そう思いながら、ドアを開ける。
予想通り、朝比奈まふゆは玄関で待っていた。
「おはよう。文人。」
「おはよう、まふゆ。」
そういつもどおりに互いに挨拶を交わし歩き出す。
「最近まふゆ一緒に登校してくれること増えたよね。」
「・・・そうかな。」
「うん。朝練とか大丈夫?」
「・・・私が居たら文人は何か嫌なことが?」
「普通にうれしいから何にもないけど。」
なんて適当な会話をする。
その後駅に着き、別れ互いの学校への道を歩く。
何よりもいつも通りの平穏。
それを久々に噛みしめる。
ここ最近では環境の変化が多かった気がするから今日は少なくともゆっくり出来そうである。
「とはいうものの色んなことがあったな・・・。」
噛まれた方の腕を見ながらここ最近の出来事を想起する。
感情のない朝比奈まふゆにニーゴ。
セカイにミク。
果てには朝比奈まふゆの不安という感情の発露。
あまりにも詰まりすぎている。
セカイに関しては超常現象の一種ではないだろうか。
考えても仕方のない事と考えなければならない情報が錯綜するくらいだった気がする。
まぁ過ぎた今からすればどうにかなってよかったな位にしか感じない。
とりあえず今日はゆっくり過ごそう。
そんなことを考えつつぼーっと記憶の整理をしながら学校の校門をくぐる。
途中風紀委員の持ち物検査があったがそうたいしたことでもなかった。
流石に黒から青色へのグラデーションの髪色をしている1年生が風紀委員をするのも風紀委員のイメージ的にどうなのかと思ったがうちのクラスにも金髪がいたなと思い考えるのをやめる。髪の毛がピンクとかオレンジよりマシなのかもしれない。
教室について、机に倒れるように顔を伏せる。
別にクラスで浮いているわけでも友達がいないわけでもいないが朝っぱらから話す気力もさらさらないだけである。
「フハハハハハ!!!皆おはよう!!!!」
教室に天馬司が来た。相変わらずキラキラしている。
変人だがみんなに愛されてる眩しいイケメンだ。
そう言えばいつだったか朝比奈まふゆに自分に自信が持てないのなら天馬司を紹介して自分に自信を持つレクチャーをさせてみたいと考えていたことを思い出した。
・・・朝比奈まふゆがアレになってもだるいなと思ったので速攻でやめたが。
そもそも、彼女に自分が何かと認識させるにはどのような人間を紹介すればいいのだろうか。
カウンセラー、心療内科の医者、学校の先生。
様々な人物が思いつくがそういった人間が何を教えようが結局自分とは何かを本質的に教えてくれる人間などいない。
結局答えなど他人との関わり合いで見つけて折り合いをつけるしかない、というのが一種の妥協点だと今考え付いた。
やはり、最終点としては彼女に他者への興味を持たせることだろうか。
ふと気が付くとHRはほぼ終わりに近かった。
ここ最近はずっと朝比奈まふゆについて考えているなと心の中で苦笑しながら今日の時間割を確認した。
とりあえず、そのうち何か別のアプローチを行ってもいいのかもしれない。
HRが終わるとともにロッカーへ教科書を取りに立ち上がり取りに行く。
彼女に別の興味を持たせるにはどうすればいいかを考えながら。
記念枠もしくはイベント部分について
-
記念枠(内容は今のところ決めてないです)
-
えなイベ