4分33秒のソナタ   作:かしうり

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いつも誤字報告ありがとうございます。
これからももし発見したらご連絡ください。


期待、および詰問と威圧

帰ってきたら親から妙ちきりんなチケットをもらった。

なんでも動物系と触れ合うカフェの優待券らしい。

 

まぁ何とも5人分のチケットとはお誂え向きである。

アニマルセラピーでも求められてそうな人間たちと行くべきだろう。

どことも言えないしどこら辺がなんて口が裂けても言えないが。

 

とりあえずサークル内で話していけそうなら皆で行こうと期待を胸に、1時を待たずにナイトコードのボイスチャットへ入る。

 

既に私を含めた5分の3が入っていた。

 

「あ、やっほーMOB。元気?」

 

「こんばんは、Amia。うん、まぁ元気な方だよ。」

 

「うんうん。元気なのはいいことだからね。」

 

どこの教師かという程の発言を適当に流しつつ、皆の集合を待つ。

 

 

ほぼ1時になってようやく全員がそろった。

 

「じゃあ、ちょっと早いけど始めようか。」

 

というKの合図とともに作業が始まるが・・・

 

「あーちょっといいかな。」

 

と、作業が始まるのを先に止める。

 

「うちの親からお誂え向きが如く動物のカフェの優待券を5人分貰ったんだけどどう?皆で行かない?」

 

全員に一発で伝えたかったので活動の初めに言う。

ついでにどんなところかあらかじめ探しておいたURLとチケットの概要を写真に撮ってナイトコードに貼っておく。

 

「このチケットの書いてある通り、暇な日でいいらしいんだ。」

 

まぁ何とも都合の良い招待券である。

いったい我が親はこれをどこから貰ってきているのだろう。

 

「・・・なるほど。これなら前の人形展みたいに無理やり予定を合わせなくてもいいかもしれない。」

 

とK。

 

「そうねぇ。まぁ動物と撮るのも映えるから私は賛成かな。行こうよ。」

 

とえななん。

 

「僕はもちろん賛成だよ。こういう機会中々ないからね!」

 

とAmia。

 

「・・・都合が合えばいいよ。」

 

と雪。

 

一応皆からそれぞれ許しをいただいたのでスケジュールを詰めていく。

 

予定日が決まり、じゃあということで本日のサークル活動は始まった。

 

 

ある程度夜が深まり、皆で雑談が始まる。

 

「そういえばこの前雪が早く抜けた時あったじゃん。」

 

とえななんが話題を切り出す。

 

「あ~そんなこともあったねぇ。」

 

すかさずAmiaがボケる。

 

「反応がおばあちゃんかっての。」

 

突っ込みの技術が上達している気がする。

 

「で話を戻すけどあの時MOBやけに帰ってくるの遅かったけど何かあったの?」

 

どうやら矛先は元からこちらにあったらしい。

 

「・・・特に何もなかったよ。」

 

「・・・今間があった。てことは絶対なんかあったでしょ。」

 

誤魔化してもえななんは鋭く追及してくる。

どうしてこうも女性というのは耳聡いのだろうか。

とはいえ、何かあったかなんて言える訳がない。

 

「ホントに何もないって。」

 

「特にたいしたことでもないんでしょ?言いなさいよ。」

 

「えななん。」

 

「何よ雪。」

 

 

「何もなかったよ。」

 

 

雪の助力という名の威圧により助け船を出してくれる。

彼女は本来そんなつもりで言ってなかったとは思うがこれはどう足掻いても威圧している。

 

「あ、はい・・・。」

 

先ほどまで威勢の良かったえななんは完全に雪の威圧の前にその猛りを抑えられていた。

なんだかさっきまで面倒な絡まれ方をしていたがなんだかえななんがかわいそうに見える。

弱者を助けたいと思うのは日本人精神らしいが実際はどうなのだろう。

 

「まぁ少し雪と話していただけだよ。ちょっとした世間話を。」

 

「ふ、ふ~ん。そういうことにしておくわ。」

 

どうやら逃げに徹してくれたらしい。

 

雪に『助かった』とメッセージで送ったら『別に何もしてない』と返された。

それでもいいやと思いつつ、自らの作業に戻る。

 

 

さらにその30分ほどたっただろうか。

 

「明日も学校だからそろそろ寝るね。」

 

「じゃあ私もそろそろお暇しようかな」

 

雪の離脱発言にのってナイトコードからでる。

 

いつも通りにミクに本を届けるため朝比奈まふゆに連絡をして返事が返ってくるのを待ち、来たらセカイへと潜る。

 

 

いつも通りミクに本を渡す。

 

ミクがまふゆに噛まれた痕を見て少し目を見開いてからこっちを向く。

 

「・・・文人、これは?」

 

言っていいものなのだろうか。

朝比奈まふゆを見るとこてんと首をかしげる。

君の話をしているんだがと思いつつ、うまい具合に回答を考える。

 

「あー・・・。見るという行為への答えっていうか。なんていうか。」

 

ミクはじっとこちらを見ている。はっきり言えとでも言いたいのだろうか。

 

「・・・私の答えにして誓いだよ。」

 

「・・・文人なりの答え。うん。」

 

彼女は無表情なりに納得したような顔を見せた。

 

・・・ふと思い、朝比奈まふゆとミクを改めてみる。

 

「どうしたの文人。」

「・・・?」

 

やはりまふゆのセカイとして具現化されたからか、どこか彼女たちは似ている。

姉妹などが一番近い表現だろうか。どこか限りなく近いが別個体とでもいうような。

 

「・・・いいや。なんでもないよ。」

 

そういって誤魔化す。

 

「・・・そう、ならいいけど。」

 

ミクは首をかしげているが別に良い。

理解されてしまうと恥ずかしくなってしまう。

 

「じゃあ、そろそろ寝ようかな。おやすみ、ミクさんとまふゆ。」

 

そう言いながらスマホの停止ボタンを押す。

 

今日は誰も止める人が居ないのはなんだか少し寂しいものだなと思いながら自室に戻る。

 

パソコンをシャットダウンし、ベッドに潜る。

 

 

次のオフでの集まりが楽しみだな、なんて思いながらベッドへもぐり眠りについた。

 

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