4分33秒のソナタ   作:かしうり

3 / 56
多分今回あまりにも地の文多いです。
申し訳ない

更新時間は割と不定期です
できたら出す、ストックはないです。



仮説、および下準備。

さて、幼馴染である朝比奈まふゆの観察をして早数年たつが全く成果は得られていない。

強いて言うなら彼女の趣味嗜好を詳しく調べてみたくらいだろう。

以下は彼女の趣味や好きなものを聞いた際の抜粋である。

 

 

「趣味といった趣味はないけど部屋に水槽があるんだ。そういう意味では一応アクアリウムが趣味になるかな。」

「なにか飼ってるの?」

「ううん、なんにも。水草しか入れてないんだ。疲れちゃってね。だからいつかそこに何か生き物を入れるのが目標かな。」

 

だとか。

 

 

「好きなもの・・・?うーん。ごめん、よくわからないんだ。特にないって言えばいいのかな。」

「じゃあ嫌いなものとか苦手なものもないのか?」

「まぁ、そうなるのかな。ごめんね。あんまり参考にならなそうで。」

「いや、いいんだ。気にしなくていい。ありがとう」

 

だとか。

 

これについて考察を述べよう。

 

まず趣味についてだ。

 

その後ネットで調べた所、水草だけのアクアリウムはダッチアクアリウムというらしい。彼女の趣味がそれに該当するかは定かではない。

 

彼女はいつかそこに何かを入れると言っていた。そう考えるとダッチアクアリウムをしていると考える事は吝かでもないがその可能性が十分に低いことも考えられる。

 

 

よって彼女は本当に()()()()()()()()()のだろう。

おかしな趣味もあったものである。

 

普通に考えて趣味といえば読書やその他適当な運動の種目を言ったりする方が普通に見える。

だが、彼女は趣味はないと言い放った。そこには大きな違いがあると考えられる。

 

 

次に好きなもの、嫌いなものについて。

 

 

まぁ好きなものが特にない、だとか苦手なものがそもそも特筆するほどないのはわかる。まだ理解ができる。

しかしわからないと彼女は最初に返答した。そこに一番の疑問点がある。

 

わからない、とは一体何か。

本来人が好きなものといわれて答える者は様々である。

多分誰でも唐突に好きなものは?ときかれたらとっさに思い付いたものかある程度好きというジャンル分けされたものの中からランダムに一個取り出すというのがありがちな回答だろう。

しかしこれに対する返答がわからないから特にないというのはあまりにもおかしい。

これじゃあまるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。彼女がよくやっていることですら特技でもなく、趣味でもない。

 

これじゃあただできることを漫然とする傀儡のようではないか。

 

・・・たかが好き嫌いでここまで細かく考えるのもよくないとは思うが彼女の変化についてレポートを書くぐらいの気持ちが私にはあった。

 

 

御託はこのくらいにして私はここで一つ仮説を立ててから朝比奈まふゆへの実験を行う。

 

 

彼女の「嫌い」を引き出してみせるのだ。

 

 

この実験は簡単である。彼女の確実に空いていそうな日をお茶に誘い、かなり苦いお茶などの味の極端なものを食べさせる。

しかし、ここで大事なのはこれが両極端な味であるということを理解させないことである。何気なく飲み、何気なくおいしいねと言って見せる。

 

 

もちろん私も食べ、飲む。なので私も苦さに耐えなければならない。これはコラテラルダメージ故仕方ないものと考える。

 

 

この実験における仮説はこうだ。

 

―好き嫌いがわからない朝比奈まふゆに味好みがあるのか―

 

 

この仮説は実験により回答が大きく変わる。

 

彼女から「これは嫌いだ」を引き出せた場合。彼女にしっかりと好き嫌いがあるが本当に好きなものも嫌いなものも特に思いつかなかっただけ、となる。

 

逆にこれが反応も特になく上っ面な「おいしいね」を引き出してしまった場合。

この時のほうが対処に困る。バラすか、それとも濁すか。

 

 

 

いや、それはその時考えよう。とりあえず朝比奈まふゆをお茶に誘うことが先決であり、そして極端な味を集めることも大事である。

 

私は早急に通販サイトで最も苦いお茶を探し出し、3つほど注文し、明日朝比奈まふゆを誘うことを考えた。

 

 

 

 

 

 

 

翌日になって早朝に頼んだものは届いていた。とりあえず実験のために小さいコップにお茶を入れ、飲む。・・・・うん。クソ苦い。正直声が出ない程度には苦い。これが正しいことを証明するためにあとでクラスメイトにも飲ませよう。これは実験なので致し方ないのだ。

 

そして登校の準備をして規定通りの時間に外へ出る。

 

「おはよう、文人くん。」

「あぁ朝比奈さん。おはよう。」

 

玄関入り口にはすでに彼女がいた。

小学生のころから小学校が同じであり隣家であることにより一緒に登校しているが、今は高校も中学も別である。

彼女はご両親の意向で女子高に通っている。名前は宮益坂女子学園、だったか。

一方の私は神山高校である。まぁ腐るほどあるありがちな高校の一つだ。

 

「朝比奈さんは今日は弓道部の朝練とかないのか?」

「今日はないんだ。大会とかもそんなに近くないし、切羽詰まってないから。」

「なるほど。それならゆっくりでも大丈夫そうだな。」

 

などとくだらない雑談を始め、ここ最近の近況を話す。

最近の朝比奈まふゆは忙しい。委員会に部活、さらに予備校と()()()()を一身に背負いつついろいろなことに手を出している。音楽にも最近手を出したらしい。

くだらない雑談で逃げるのも終わりにして本題に入ろうと思う。

 

「朝比奈さん」

「ん?なに?どうかしたの?」

「今週末とか暇?うちに珍しいお茶が届いたからちょっと飲んでみない?」

 

切り出し方はいたって普通のはずである。問題は相手の予定と都合である。

 

「うーん・・・まぁお昼前とかだったらいいかな…?」

 

上々である。

 

「あぁうん。そんな大した時間は取らせないし茶菓子もこっちで用意するつもりだから大丈夫だよ。」

「いいの?じゃあごちそうになるね。」

とりあえず第一段階は成功である。

その後直ぐに駅に着いたのでお互いの高校へ向かうために分かれた。

 

決行は週末である。

 




おまけ
その後・・・
「おはよう天馬君。」
「あぁおはようって森か。どうしたんだ?」
「あぁ大した用はないんだが少し珍しい飲み物を手に入れたから飲んでみないか?」
「・・・嫌な予感しかしないぞ。見たところ普通のお茶だが・・・。」
「まぁぐいっといってみてくれ。話はそれからさ。」
「うむ・・?じゃあいただくぞ・・・。 


・・・にっっっっがぁぁぁぁぁあああああ!?」
「偽りなしか。おーけーおーけー。ありがとう天馬君。」
「おい森!なんだこれは!想像を絶する苦さしてるぞ!せんぶり茶とか伊達じゃないぞ飲んだことないけど!」
「あぁ。日本一苦いお茶らしい。飲ませたい人がいて自分も飲んで苦かったけど一応他の人で確認したかったんだ。ごめんよ実験体に使って。」
「それを先に言ってくれ・・・・ガクッ・・・」

記念枠もしくはイベント部分について

  • 記念枠(内容は今のところ決めてないです)
  • えなイベ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。