4分33秒のソナタ   作:かしうり

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救護、および本音の「カンキ」

昨日の事を経ての今日である。

土曜日がゆえに昼までしかないのに学校に行くのは面倒だなとか考えつつ、家を出る。

 

「おはよう。文人。」

「あぁ・・・おはよう。まふゆ。」

 

今日もまた、歩き始める。

 

朝比奈まふゆの顔を見るたびに昨日の事が思い出される。

正直めちゃくちゃ恥ずかしい。

おかげで朝比奈まふゆの顔も見れない。

 

「・・・。どうしたの。」

 

朝比奈まふゆが質問してくる。

まぁ人の顔を見ずにしきりに逸らそうとすればそうもなる。

 

「あぁ・・・えっと・・・昨日だいぶ恥ずかしいことを言ったなって思って。」

 

「・・・?」

 

彼女が首を傾げる。

 

「・・・まぁわからないならその方がいいかもしれない。」

 

「つまりその場の空気で言ったってこと?」

 

「それは・・・違うかな。あれは少なからず本心だよ。まぁまふゆから目を離さずにいてくれてまふゆが嫌がらない人がほかに見つかれば話はだいぶ変わるけれど。」

 

流れで恥ずかしいことを言ったなと思いつつ諦める。

 

それ以降彼女はそれに言及することはなかった。

いっそのこと殺せとか思わなかったわけでもない。

 

 

午前授業が終わり、放課後である。

 

放課後は特にやることもないのでこの周辺の図書館に向かって、勉強などをしてから帰る。

生憎家では勉強がはかどるタイプではない、というのが大きな理由の一つである。

 

図書館は駅を挟んで反対側にある。

神山高校からは少し遠いが運動をしない私としては体のいい運動である。

駅を挟んで図書館を向かう途中、どうしても宮益坂女子学園の前を通る必要があるのが何とも言えない気持ちになる以外は特に何もない。

 

学園の前を通る際に神山高校の風紀委員のグラデーションの髪色をした女性とオレンジ色の髪色をしたチャラそうな男性と青色と水色で髪色が半分に分かれた図書委員会の男性とそれらに囲まれて嬉しそうな背の小さいアイボリーのような髪色をした女性が楽しそうに談笑していた。

 

騒がしいなと思いながら前を通りすぎ、図書館へと向かった。

 

 

図書館での勉強も区切りがよく、そろそろ帰るかと荷物をまとめ図書館を出る。

先ほど来た道を通り、駅へと向かう。

 

学園の前を再度通る。

 

「朝比奈さんっ!!!危ない!!!!」

 

突如叫び声が聞こえた。

思わず叫び声の方向に目を向ける。

自分の数歩先で躓いてる朝比奈まふゆがいた。

 

躓いた先にあるのは花壇。このままいけば煉瓦の角に頭をぶつける。

 

それらを瞬時に理解し、数歩先の為に助けようと自分の体が考えなしに動き出す。

 

世界がスローモーションのように見える。

 

右足を軸にして、彼女が落下する予測線へと腕を差し出す。

予測通り彼女はそこに収まったが予期せず行ったため、重さに耐えきれず腕も落下を始める。

右足を軸にしていたことで左足を前に出すことに成功し、踏ん張ることでどうにか腕が重さに対応し、彼女の落下を止めることに成功した。

 

「まふゆ、ケガはない?」

 

「・・・。」

 

どうにか抱きかかえた彼女を見ると放心していた。若干素が漏れている。

 

「朝比奈さん!!大丈夫!?」

 

おそらく危ないと叫んだ主だろう者が朝比奈まふゆを呼びながら駆けてくる。

背が高く、秘色の髪をしたおっとりとした面立ちの女性だった。

 

「うん。大丈夫。文人くんが支えてくれたから。」

 

そういいながら朝比奈まふゆはその女性の手を借りて立ち上がる。

 

「えぇっと・・・貴方は・・・?」

 

と、こちらを見ながら聞かれる。

 

「あぁ・・・えっと。朝比奈まふゆさんの幼馴染の森文人と言います。貴方は・・・」

 

「あぁ、ごめんなさい!先に名乗らせてしまって。日野森雫です。朝比奈さんと弓道部をしています。」

 

日野森雫・・・?確かどっかのアイドルグループをやめるだとかでニュースに上がっていた気がする。

であっても当人の前で触れるのはご法度だろう。

地雷を踏み抜くより知らないふりをしていた方がずっといい。

 

「ふふ。そんな固くならなくてもいいんじゃない?」

 

朝比奈まふゆがクスクスと笑う。

心から笑っていないのがありありとわかる。

 

「初対面なんだしこのくらいでいいんだと思うよ。」

 

と返す。

 

「ところでまふゆ今から帰るの?」

 

一呼吸おいてから話しかける

 

「・・・そうだよ?」

 

「二人で帰ろうとしていたのよ~。」

 

そしたら朝比奈さんが転んじゃってと日野森雫が答える。

 

「なら心配だから3人で帰ろう。帰りに転ばれるかもって心配になるし。」

 

「あらあら、幼馴染思いなのね。」

 

「うん。いいよ。一緒に帰ろっか。」

 

了承を得て3人で帰り始める。

 

「でもびっくりしたわぁ。」

 

と当然日野森雫は話題を振る。

 

「・・・何が?」

 

「朝比奈さんに幼馴染が居ただなんて。」

 

「・・・そういえば言ってなかったね。」

 

「まぁそんな特筆すべき様な人間でもないからいいと思うんだけど。」

 

とさりげなく自虐をしてしまう。

まぁ別に言うほど珍しい人間というわけでもないのは事実だ。

 

「そんなことないわ。誰かの為に体を張れるのはすごいことよ?」

 

「それはどうも。」

 

有名だったアイドルから褒められるというのも中々ない経験ではあった。

 

その後朝比奈まふゆにいまだ治ってない噛み痕の部分を抓られた。

解せない。

 

 

日野森雫と別れ、帰路につく。

 

互いに無言で話すこともない。

 

「そういえばまふゆ、痛むところはない?」

 

体勢が危うかったがために、相手にもダメージが入っていることを考慮していなかったなと思いつつ質問する。

 

「・・・特に痛みはない。」

 

「ならよかった。まふゆも気を付けてね。まぁ問題ないとは思うけれど。」

 

会話が区切られ、無言が続く。

 

朝比奈まふゆの家の前についてしまった。

 

「じゃあ、まふゆ。また月曜日かな。」

 

「…うん。」

 

「うん。じゃあn「文人。」・・・どうしたの?」

 

「今日、助けてくれて・・・ありがとう。・・・多分、嬉しかった。」

 

そう彼女は言い放つと玄関を開けて彼女の母親にただいまと声をかけ中へ入っていった。

 

 

残された私は嬉しさと動揺と雑多の感情が混ざり合い、しばらくそこに立ち尽くすしかなかった。

 




次回の更新ですが、諸事情により1月27日か28日とさせていただきます。

また、朝比奈まふゆの誕生日が1月27日なので誕生日記念とかの話になるかもしれません。

27日に間に合わなかった場合は28日に更新を行います。

その場合も一日遅れではありますが書いていたら誕生日記念です。

27日の更新に成功したら28日の更新も多分あります。

無理だったら27日の更新後の更新は29日です。

記念枠もしくはイベント部分について

  • 記念枠(内容は今のところ決めてないです)
  • えなイベ
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