4分33秒のソナタ   作:かしうり

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日間ランキングに何度も載せていただいたり、お気に入りが200を突破したりしました。
皆様のご愛読のおかけです。ありがとうございます。

感謝します。


200超えで何か記念話でも書こうかと考えていますがまだ全く決めていません。
アンケートにでも頼るかどうかってレベルです。


第3楽章、負たる激情
策略、および何もない


先ほどの告白を受けて、部屋へと帰ってきた。

まふゆと手を繋いで帰路を歩いた。

手を繋いでいたのは何よりも本人の希望である。

なんでもその方が落ち着くそうだ。

 

この時間がいつまで続くか、この状態がどこまで保てるかなんてわからない。

 

問題はこれからの身の振り方だ。

少なからずこれからまふゆのお母さまとの接触は避けられない。

しかし、そんなラスボスの位置にいるような存在に無策で対応するのはあまりにもキツい。

それをどうにかするためになるべく早めにまふゆの「自分」にちかい精神的支柱をどうにか取り戻すべきである。

 

「まぁ元々ニーゴの活動自体もいつお母さまにバレてもおかしくないものだし・・・。」

 

タイムリミットが多少短くなるのと変わりないな、と思いながら1時より前だがナイトコードを開く。

入ったら奏がいた。

奏はミュートにしていてきっと用があるときでないと話さないだろう。

まぁ話しながら作業ができるほど私もマルチタスクができる人間ではないので早くやることをやってから考え事の続きをしようなんて考えながら今のタスクを見る。

 

締め切りというのは重要である。

人のモチベや作業ペースに大きく関わると思う。

それを今管理している。

ついでに一度終わったタスクをある程度まとめて確認者である奏に確認を取る。

雪の歌詞、えななんの絵、それらを組み合わせた瑞希の動画編集。

それらを一度集めた後私という名の一般人の感性レンズを通すのちに奏にそれぞれ渡す。その際どのように映るかというもの話すがそういうことも必要だと奏は話していた。

 

生憎私は消費者である。作られたコンテンツを貪るように吟味し、消費する。

その点では彼女たちの才能がうらやましいとも感じる。

 

そんなことを考えつつ今の進捗として誰に催促を掛けなければならないかとかをちょっとだけ考えたりもする。少しだけ心苦しいことを言わなければならない時もある。

 

「あれ、やっほーMOB。今日は早いね。」

 

「こんばんはAmia。何かしていないと落ち着いていられなくてね。」

 

最初に来たのはAmiaだった。

こんな早く来るのかと思いつつ音量の調節を行う。

 

「・・・なんかあったの?」

 

「・・・いいや?何も?」

 

何なければこんな時間にいないだろと内心思いながら嘘をつく。

Amiaに弄られるのがどうにも嫌だった。

 

「へぇ・・・?」

 

「あれ、MOBじゃん。今日早くない?もうそんな時間だっけ。」

 

次に入ってきたのはえななんだった。

 

「あぁ・・・うん。作業していないと落ち着かなくてね。ただそれだけなんだ。」

 

「ふーん・・・?なんかあったの?」

 

二人そろって同じことを聞かないで欲しい。

 

「いいや。なんにもないんだ。」

 

「Amia?MOBなんか吐いた?」

 

「何もないから問い詰めてたんだけどどうにもならなくてね~。雪にでも聞いてみる?」

 

まずい、そう言えばえななんはAmiaに結託するほうだった。

いや、なんならこの場明確な私の仲間は居ない。情報を隠す戦いにおいて私は不利である。

 

こうなったらなにも知らない奏に助けを求める以外方法がない。

 

「K・・・助けてくれ。」

 

「・・・?ゴメン、聞いてなかった。何かあったの?」

 

あっ・・・詰んだ。

 

「あのさぁK。MOBってばボク達に大事な隠し事があるみたいなんだ。」

 

「そうなのK。どうにも重要そうなんだけど話して貰えなくて…。」

 

AmiaとえななんがKの引き入れにかかる。

まずい。

 

「いや、K。聞いてくれ。この二人がそこまで大したことでもないことをひたすらに聞いてくるから助けてほしいんだ。」

 

頼む、どうにか私の味方をしてくれK。

 

「えっと・・・。MOB。重要なことで悩んでるなら時には誰かに話すのは大事だと思うよ・・・?この時間にいるのも珍しいし、なにかあったの?」

 

篭絡失敗である。むしろダメージである。

 

「だから、特にな「嘘だね。」マジでそんな悪いことはなかったから!!」

 

「こんばんは。」

 

雪の声がした。

ボイスチャンネル参加者を見ると確かに雪がいる。

 

「あ、雪だ。やっほー」

 

「ねぇ、雪。MOBに今日何があったか知ってる?」

 

とKが雪に質問する

これはどう足掻いても言われる流れである。

観念したほうがよかっただろうか。

 

「・・・知ってる。」

 

「コイツ口割らないのよ。教えてくれない?」

 

えななんがそう追及する。

 

「・・・嫌、かな。」

 

「嫌ァ!?なんであんた急に?」

 

「まぁまぁえななん。誰しも言いたくないことはあるよ。それに、今のでだいたい何が起こったかわかるだろうし?」

 

と、Amiaは怪しく笑う。

どう足掻いても察しのいいAmiaには感づかれてしまったらしい。

 

「え?何がわかるのAmia。」

 

とKがAmiaに聞く。

実に彼女らしい質問だなとか現実逃避をしてしまう。

 

「K、あまりにも人間と接しなさすぎでしょ・・・。」

 

とえななんが突っ込む。

そんなこんなで活動が始まる。

 

「そろそろ明日の学校の為に寝るね。」

 

と雪がそう言い残して落ちる。

 

「じゃあ、私もそろそろお暇します。なんか進捗あったら連絡ください。」

 

そう言い残し、まふゆに行くことの旨を伝えセカイへ赴く。

 

 

セカイではいつも通りミクがいた。

 

「ミクさん。本届けに来たよ。」

 

「文人。ありがとう。」

 

彼女は嬉しそうに笑う。

また少し笑顔が柔らかくなった気がするなと思いつつ本を置く。

 

「いつもの事だからね。」

 

そう返し、立ち上がって辺りを見渡す。

 

相も変わらず何もないな、と思う。

これだけ何もなければ大声だって出せそうだななんて思いながらさらにぐるりと回る。

鉄骨、空白、鉄柱、まふゆ、人形、お面、鉄柱、暁山。

 

「・・・んん?」

 

「やっほーセンパイとまふゆ。」

 

「文人、瑞希。」

 

いつの間にか二人がいた。

 

二人とも気が付いたのがわかったらとこちらへ近づき、ミクと合わせて4人で輪を作るように固まる。

 

まふゆは呼んだからまだわかるが瑞希はなぜ来たのだろう。

 

「ボク?ボクは確認したいことがあるから来ただけだよ。」

 

まるで心でも読んだかのように暁山は答える。

 

時折暁山が怖い。

 

「で、どうしたんだい暁山さん。今日は悪い事なんてない良い一日だったよ。」

 

暁山は笑う。

 

「アハハ。そんな警戒されると流石にボクでも悲しいよ。もうボクの中での確認は終わってるからそこまで気にしないでいいよ。」

 

ほら、とまふゆと私の間を指さす。

いつの間にかまふゆは私の手を取って繋いでいた。

 

「・・・恋人ならこうするのが普通ってそこの小説で読んだ。」

 

とまふゆはミクの為に適当に積んでいた本を指さす。

 

・・・どうやら回りまわって私が自分自身の首を絞めたらしい。

 

「いやぁ恋人だってミク!」

 

「・・・まふゆが幸せそうで嬉しい。」

 

と片やニヤニヤしながら片やはいい笑顔でそう答えた。

 

「・・・はぁ。サークル内でその関係の話されるのあんまり作業効率的によくないだろうと思って言わないでおこうと思ったけどしょうがないね。」

 

なんて最もらしい理由を付ける。

本当はバレると弄られるからだ。

 

まふゆにダメージはそこまで入らないが私の方には多分結構入る。

 

「とはいえ嬉しいでしょセンパイ。」

 

「・・・。」

 

出せているかはわからないが無言の圧を出す。

 

感づいたのか暁山の肩がびくりと震えた。

 

「じゃ、じゃあボクはそろそろお暇するよ。3人でごゆっくり~。」

 

と最後までなんとも言えない発言のまま、暁山は去っていった。

 

明日弄られるななんて考えながら少しぼーっとする。

 

その後適当に三人で雑談をして自室に戻ってきた。

 

とりあえずナイトコードに何か連絡が入っているか確認したのち、ないとわかるとこれからどうしていくべきかを文章アプリケーションを立ち上げて考える。

 

きっと1時間たっても何も埋まらないだろうななんて考えながら打っては消すことを繰り返す。

 

 

予想通り1文字も埋まることはなく、遅刻しないように寝る羽目になった。

 

 

記念枠もしくはイベント部分について

  • 記念枠(内容は今のところ決めてないです)
  • えなイベ
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