多分なるべく無いようにします。
週末近辺に楽しい予定がある1週間とは意外と長いものではあったが、なんとか週末を迎えることができた。
今日はまふゆとフェニックスワンダーランドに行くため、適当にその準備を行う。
天馬に連絡をすると今日はだいぶ活躍するからしっかりと目に焼き付けろとまるでフハハハと笑っているさまが目に浮かぶメッセージが返ってくる。
スタンプは押しておいた。
準備が出来たので集合時刻まで後1時間ほど早いが先に出る。
今回は駅前で集合である。
いつも家の前だとまふゆのお母さまに見つかる可能性がある。
人が多いところで待ち合わせをした方がバレないだろうという私なりの考えである。
待ち合わせの目印としたところに向かったところ、すでにまふゆは居た。
まだ待ち合わせまで30分はある。
素早くまふゆに駆け寄り声をかける。
「ゴメン、待たせたねまふゆ。」
「・・・文人。別に、待ってない。」
そう言うと彼女は弄っていたスマホをカバンに仕舞い、手を差し出す。
「行こう。」
「あぁ・・・うん。」
彼女の手を取り、歩き出す。
なんだか旧世代的考えかも知れないが立場が逆な気がするのは気のせいだけではないだろう。きっとそうだ。
改札を通り電車に揺られ、駅構内からでると、フェニックスワンダーランドはすぐそこだった。
この遊園地に来るのはおそらく小学生ぶりとかだろう。
「・・・久しぶりに来たけどやっぱすごいね。」
「・・・私は初めて来た。」
「お父さんとお母さんと来たことないんだ?」
「・・・うん。特にそういう話にもならなかったし、『優等生』だったから。」
まふゆの表情に影が差す。
どうにもしんみりとした空気になってしまった。
「ま、まぁとにかく初めてなら二人で色々回ろう!」
「・・・うん。」
天馬が言っていた彼が出るショーの時間まではかなりある。
とりあえずMAPの把握とどんなライドがあるかだけは確認すべきだ。
まふゆの手を引いて歩き出した。
「いやぁ怖かったねジェットコースター。」
「・・・よくわからなかった。」
「まぁスリルを楽しむものだからね。どう?楽しかった?」
「・・・わからない。」
「じゃあ次に行こう!」
「おぉおぉおぉおぉ!?!?回る回る!!!」
「・・・目が回る。どうすれば止まるの。」
「随分と余裕だね!?とりあえずその回してるの止めようか!?」
「・・・。」
「なんで回す手を早めたの!?」
「・・・文人って変わらずお化けは怖いんだね。」
「現代では証明されない未知が襲ってくるのがね・・・。もしかしてまふゆ、わざとお化け屋敷入った?」
「・・・。先に行くね。」
「待って。すいませんでした。」
そんなこんなで色々なアトラクションに乗った。
そろそろショーの入場時間だ。
「じゃあ、まふゆ。あいさつ代わりに行きたいところがあるから行ってもいい?」
「・・・文人が行きたいなら。」
まふゆから許諾を得てショーが行われるとされる場所へと向かった。
席に座り、ショーの始まりを待つ。
程なくしてショーは始まった。
到底普通では思いつかないようなことを見たことのあるようなメンツがこなしているのを見て、やはりみんな只者ではないんだなと改めて実感する。
天馬が演じている姿はいつもの彼らしい自信とそれに恥じない力を持っている。
さらに鳳えむ。身体能力が異常である。
これをまとめ上げたのが神代類なのだろうか。
後そう考えるともう一人女性がいたはずだがその姿は見えない。
まぁそんなことは後でもいいかと考え、純粋に同じ年の人間が作ったとは思えないショーを楽しむ。
隣のまふゆは鳳えむがいることによりずっと「にこやか」だった。
ショーが終わり、役者たちが居なくなる。
それと共に人が散り始める。
そろそろ行こうと立ち上がり、空を見上げると夕日が落ちようとしていた。
そろそろ帰らなければいけない時間だ。
「・・・文人。観覧車に乗りたい。」
となりからまふゆがそう声を上げる。
彼女が望みを出してきたこと自体が
他ならぬまふゆからの希望なら叶えて上げるほかない。
まだ多少時間には余裕があるのでおそらく乗っても大丈夫だろう。
「もちろん。行こう。」
少し歩いて観覧車に乗りこむ。
久しぶりに乗った観覧車は狭かった。
まふゆが座ったことを確認してから、反対側に座る。
「今日は楽しかっ―」
彼女はその言葉も聞く前に彼女はすくっと立ち上がり、私の横に座る。
そして、寸分狂いもなく彼女は私の方へ体重を預けるがごとく寄り掛かった。
「・・・え?・・・まふゆ?どうしたの。」
「すごく、楽しかった。文人は?」
自然に彼女は会話を続ける。
受け入れろということだろう。
「すごく楽しかったよ。」
「・・・そう。」
会話を短くして、落ちる夕陽を見る。
「小説のワンシーンみたいだね。」
「・・・よくわからない。」
「素晴らしいなってこと。」
「・・・この状況が?」
「うん。」
しばらく会話はなかった。
観覧車はそろそろ一番上へと到達する。
まふゆはなぜか俯いていた。
「・・・まふゆ?」
「・・・文人」
彼女が不安そうな顔を見せる。
なんだか彼女は感情をもってから、二人きりになると時折とてもか弱い姿を見せる。
だからこそ、みんながいるのだけど。
彼女を抱きしめる。
「っ!?文人?」
彼女の肩が跳ねる。驚いているようだった。
「大丈夫。私はここにいるよ。」
これからどんなことがあっても。
そう声をかけると少しだけ震えていた彼女の肩は落ち着きを見せた。
「・・・ありがとう。」
返ってきたのは少し寂しげな彼女からの感謝の言葉だった。
降りるまで私たちは互いを抱きしめたまま、動くことはなかった。
降りたころには夕陽が完全に落ち切り、外は暗くなっていた。
「帰ろっか。」
「・・・うん。」
互いに帰る意思の確認を行い、帰路へとつく。
・・・そういえばなぜ先ほど彼女は不安そうな顔をしたのだろう。
「まふゆ。」
「・・・なに?」
「さっき、何を怖がってたの?」
「・・・自分を取り戻したら、私はどうなるのかなって。少し・・・よくわからない気持ちになった。そうなったら文人はまた、離れていくのかなって。」
「あぁ・・・なるほど。」
何ともくだらないと心で少し思ってしまう。
だって。
「私はまふゆの彼氏だからね。その程度では離れていかないよ。」
「・・・そう。」
返事も表情もそっけなかったがなによりも彼女は嬉しそうだった。
記念枠もしくはイベント部分について
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記念枠(内容は今のところ決めてないです)
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えなイベ