精進します。
「ねぇ・・・文人。」
「な、なにかなまふゆ・・・?」
「奏達と何を話してたの・・・?」
前略、まふゆが怖い。
後ろから修羅的な何かが見える。あれが彼女の守護神なのだろうか。
「い、いや、怪我の具合とかどうだったみたいな他愛もない話だy「嘘・・・だよね?」いやそんなウソな訳・・・。」
「さっきの話最後の方だけ聞いてたけど。」
「・・・ちなみにどこら辺から・・・?」
「私をどうしたいのかって奏が文人に聞いてる所からかな。」
本人に聞かれると恥ずかしい部分を殆ど聞かれていた。
思わず手で顔を覆う。
そうしているとまふゆから声がかかる。
「ねぇ、文人。」
「何かな。まふゆ。」
「文人は、私がもう私を取り戻せたと思ってないの?」
「・・・。」
「私は意見も言えるようになったし、拒絶もできるようになった。」
「・・・そうだね。」
「じゃあなんで文人はもう一度私のお父さんとお母さんと私に話合わせようとしているの?」
「それは・・・。」
思わず言葉に詰まる。
「わからないの。お母さんのこともお父さんの事も本当はどうでもいい。でも文人がわからないのは嫌。不安なの。そうやってはっきり言わずに有耶無耶にされて不安にならないわけない。また私の傍から離れるかもしれないと考えると怖くて・・・!それでまた悲しくなって・・・!」
彼女の感情があふれ出す。
遂に彼女は涙をこぼし、その場に座り込んでわんわんと泣く。
確実に感情の制御ができていなかった。
無理に感情を想起させようとした私が悪いのだろう。
これを受け止めるのはその蛇口を全開にしてしまった私である。
しゃがんで彼女の背中に手を回し抱きしめる。
「・・・不安にさせてごめん。ちゃんと説明するよ。」
「・・・うん。」
「まず、今のまふゆは確かに自分の意思を持てるようになった。感情もしっかり取り戻した。でも、それだけじゃ足りないんだ。」
「・・・。」
「まず第1に他人への関心がないんだ。私やニーゴの人たちへの関心はたまに示すけれどお父さんやお母さんのことは今どうでもよくなっているでしょう?」
「・・・そうだね。」
「そこをどうにかするためにもまずはお母さんたちの考えに関心を持つんだ。どうして今まであんな態度をとっていたのか、どうして今になってこんなことになったか、そういうことをまずは聞いてみよう。」
「・・・できるかわからない。・・・次は?」
「次は・・・これは私の失敗だからあまりまふゆの気には病まないでほしいんだけど。今のまふゆは感情が急に目覚めすぎたせいか制御できてないと思うんだ。だから、加減良く抑える必要がある。・・・もちろん加減出来てるときもあるはず。例えばニーゴでの活動の時とか。まぁここらへんはおいおいどうにかするしかないと思ってる。」
「わかった。」
「だから、まふゆのご両親ともう一度話をしてみよう。」
「・・・文人も来る?」
「もちろんだよ。」
そう話し続ける中で彼女は落ち着きを取り戻したらしい。涙が引いている。
離してもいいかと思い立ち上がろうとすると何かに引っ張られてカクンと再度座りなおすことになる。
掴まれたところは袖であり、掴んだ犯人は言わずもがなまふゆだった。
「奏たちと許可なしに話した罰。・・・もう少しここにいて。」
「・・・わかった。」
しばらく、まふゆとセカイで抱き締められたまま他愛もない話をつづけた。
ミクは来なかった。気を遣われたのだろう。
30分かそこらがたっただろうか。
「もうすぐ一時だよまふゆ。」
「・・・今日は休む。」
まるで駄々をこねる子供の用に彼女は私の胸に顔をうずめたまま答える。
まふゆが幼児退行している気がするが気のせいだと願いたい。
「・・・二人で休むと怪しまれるよ?」
「じゃあこのまま連れて行って。」
・・・気のせいじゃない気がしてきた。
「いやほら心配するし作業滞るよ?」
「文人は私と一緒にいるの嫌なの?」
その聞き方は普通にずるい。
嫌なわけがない。
だがそれはそれ、これはこれだ。仕事は仕事である。
急がないとこの状況を奏たちに見られる。
東雲か暁山の場合写真に収められる可能性もある。
「もちろんそんなことはないけど・・・。」
「けど・・・?」
「いやこの状況を誰かに見られでもしたらって思ってね。」
「・・・今更だと思うよ。」
それは確かにそうだ。
ちょくちょく見られている。
そう今ちょうど来た奏たちのようにふとした際にちょうどタイミングよくみられ・・・
「あっMOB。ゴメン。そろそろ時間だから呼ぼうと思ったんだけど。」
そう謝りを入れてくるK。後ろでAmiaとえななんがはしゃいでいる。
「ほら見なよえななん!ボクの言うとおりだったでしょ?」
「・・・そういう問題じゃないのよ!何あれ!え!?普段のまふゆがあんなになるの!?」
「いや、前まではこれほどじゃなかったんだけどね。まさかこんなに進展するとはね~?」
口パクでやるじゃんとこっちに伝えてくる。
生憎私は何もしていないという顔をしたら笑われた。解せない。
「・・・皆?」
「雪。もう1時だよ。」
「・・・わかった。」
そういうと彼女は柔らかい表情から無表情に戻る。
仕事モードの切り替えというやつだろうか。
「じゃあMOB先戻ってるから。」
「あぁ・・・うん。わかった。」
そういうと彼女は淡白に部屋へと戻っていった。
「じゃあ私たちも先に戻るね、MOB。」
「わかった。すぐに戻る。」
そう返し、Amia達が戻るのを見送る。
それから私も気分を切り替えるために少し歩いてから戻ろうかと思い、何もないセカイを歩く。
「文人。」
そう誰かに呼び止められる。
画面から視線を外すとミクがいた。
「どうしたのミクさん。」
「戻ってきてくれてありがとう。」
そう彼女は微笑む。
「何もしてないから感謝されるのは照れ臭いな。」
「ううん。まふゆの事、いろいろしてくれた。」
「幼馴染だからね。」
「ふふ。」
そうミクは笑う。
改めて何もないこのセカイを見渡す。
相変わらず灰色だが、ここ最近になってこの灰色で落ち着くようになってきた。
すっかり彼女たちに毒されてしまったななどと思いつつ、自分も作業に戻ることにした。
もう一度、まふゆを話し合わせるためにも今目の前にあることから片付けていこう。
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記念枠(内容は今のところ決めてないです)
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えなイベ