とりあえずこれ以降の更新は考えていません。
よって事実上この作品は完結となります。
皆様のたくさんのご愛読、ありがとうございました。
次作品を作る予定も特にありませんがまぁもしつくっていたらその時にお会いしましょう。
あれから一週間経った。
あのえななんの一件以降、これといった変化はニーゴには起きていない。
いつも通りに皆が曲を作ることに専念している。
強いていうなら皆の会話が少し弾むようになったことだろうか。
そして今日はというと―
「おはよう。まふゆ。」
「おはよう文人。」
2週間前に約束していたまふゆとの買い物の為に私達は大型ショッピングモールに出かけていた。
何一つ問題なくショッピングモールに着く。
集まったのが11時というのもあり、時刻はもうすぐ12時になるかならないかといったところだった。
「もうお昼だね。」
「何か食べる?」
そうしようと賛同しスマホを開いてあらかじめ開いていたこのモールのガイドサイトを開く。
「何か食べたいものある?」
正直まふゆに今味好みを聞いても仕方ないというのはわかっているが念のため聞いてみる。
パスタか定食か、はたまたファストフードか。
こういう誰かと食べる昼食を自分で決めるのはあまりやらないから苦手だ。
「・・・なんでもいい?」
「うん。なんでもいいよ。」
「じゃあこれ。」
と彼女が同じスマホを覗き込んで指し示す。
彼女の髪がわずかに鼻に当たる。
女性特有のいい香りがした。
指し示したのはフードコートにある店。
牛丼を安く早く提供するとよく自他ともに評価されている店だった。
「ダメかな?」
「いいよ。行こう。」
フードコートで席を取ってから交互に自分の食べたいものを買いに行く。
流石安く早いと言ったところか、まふゆは注文してから数分経たずに呼ばれて品物を持ってきた。
「先食べてて。」
と声を掛けて自分の品物が出来たアラームが鳴ったので取りに行き、戻る。
美人は何を着ても似合うという言葉があるが、それは食べ物を上品に食べるという際にも通用する言葉らしい。
上品に牛丼を食べるように見えるまふゆの様は少しおかしかった。
席に着いて自分も食べだす。
「ねぇ文人。」
席について食べだすなりまふゆは私を呼ぶ。
「どうしたの。」
「これ、おいしい。」
「よかったじゃn・・・・!?」
そうかと思いながら発言していたがおかしいと気づいてまふゆをバッと見やる。
まふゆが不思議そうに首を傾げる。
「どうしたの?」
「まふゆ・・・味わかるようになったの・・・!?」
「あ、確かに。そういえば。」
と何でもないことのようにまふゆは反応を返す。
こちらとしては大きな変化である。
味覚というのはストレスに直結すると言われているがそれが治るということはまさに彼女の中のストレスはある程度軽減されたということである。
しみじみと良かったなとまふゆが牛丼を頬張るさまを見ながら思う。
「・・・でもなんでその事言ってくれなかったの?」
「・・・今はあんまりそこに興味がないからかな。」
と返された。
その後牛丼の理由を聞いたら食べた事がなかったらしい。
思ったより理由がお嬢様だった。
腹を満たした後は当初の目的であった観賞魚を買うためにモールを歩いている。
二人であれやこれやと適当な話をする。
辺りを見渡しながら話を続けていると確実に見たことのある女性とオレンジの髪色をした男性が並んでいた。
というか絵名さんと・・・彼氏だろうか。
意外と彼女も派手な見た目を選ぶんだなと思いながらその方を見るのをやめようと思い首を戻そうと思ったとき。
彼女の目と焦点が合う。
わずかに彼女の瞳孔が開き、驚くような表情を見せた。
「・・・どうしたの文人。」
とまふゆは一方向を見続ける私を不審に思ったのか質問してくる。
「・・・いや絵名さんがいるなって思ってみてたんだけど・・・。」
「絵名さん・・・?絵名の事?」
何故かまふゆから不穏な空気が漂い始めた。
目が合った絵名さんに関してはこちらへとにやけながら近寄ってくる。
後ろのオレンジ髪の男性も近づいてくる。
どう考えても不穏なことにしかならない。
「やっほ~まふゆ、文人。デート?」
「・・・まぁそんなところだよ。絵名さんは?」
「見てわかんないの?買い物よ。」
フンスと胸を張ってそう答える。
だが彼女は肝心の荷物を持っておらず、その代わりにオレンジ髪の男性が紙袋を多めに持っていた。
「そっちの人は・・・?」
「あぁ・・・弟よ。ほら瑞希が言ってたでしょ。私に弟がいるって。」
「あれ本当だったんだ・・・。どうも。」
どうやら彼氏じゃないらしい。
そう思いながら彼に会釈をすると返してくれた。とても居心地が悪そうだ。
どうやら自分から志願したわけじゃないらしい。可哀想に。
「じゃ、私は次の店行くから。じゃあね文人、まふゆ。」
「うん。じゃあね。絵名さん、弟君」
そう挨拶をすると絵名さんとその弟君は去っていった。
きっとこれ以上いても彼の為にならないからこれが正解なのだろう。
「じゃあ行こうかまふy「ねぇ、なんで絵名の事下の名前で呼んだの?」・・・まふゆさん?」
まふゆの目から若干光がなくなっている。さらに瞬きをせずにこちらを見据えているのが普通に怖い。
「答えて?」
「この前セカイで話した際に互いに似たような境遇だから下の名目で呼べって言われて呼んでるだけだよ。他意はない。」
と正直に吐く。
「そっか。ならいい。ほら、行こう?」
正直に話したのが功をなしたのかまふゆは修羅の空気を消して笑顔を見せた。
・・・女性って怖いなと久しぶりに感じた。
全ての買い物が終わり、家路へとつく。
最寄駅を降りて、二人で家までの道を歩く。
「楽しかった?まふゆ。」
「うん。楽しかった。目的も達成したし。」
と彼女は満足そうな顔で答える。
「・・・良かった。」
しばらく二人で何も言わずに歩く。
沈黙を破ったのはまふゆだった。
「・・・ねぇ文人。」
「どうしたの?」
「・・・ありがとう。」
急にまふゆからお礼を言われた。
「なんで急に?」
「今日の事も、絵名の事も、私の事も。きっと私達だけじゃどうにもできなかった。だけど、文人と奏と瑞希がいたからこうやってどうにか出来た。だから、ありがとう。」
「礼を言われることでもないよ。だって私たちは仲間だ。それに、私だって皆から助けられてるんだ。だからまふゆ。礼を言うのはこちらの方なんだよ。・・・ありがとう。」
「・・・うん。」
そんな会話をして、二人で家へ帰った。
その後やはり絵名が今日の事を瑞希に教えていつものような流れが始まるのは・・・実に平穏で、平穏を取り戻せたことが何よりも嬉しかった。
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記念枠(内容は今のところ決めてないです)
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えなイベ