4分33秒のソナタ   作:かしうり

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多分2,3話まふゆでてきません。



衝突、および奇妙な邂逅

さすがに学校をさぼったのはまずかっただろうか。

 

昼すぎまでに学校に向かえば病院に行っていた程度で済ませられるなと時間を見て考える。

そんなことを考えて歩いていたらコンビニから出てきた女性がそこを走っているサラリーマンとぶつかり転ぶ。

サラリーマンは謝りの一つもせず走り去っていった。

 

思わずその女性に近寄る。

その子は目につくほど鮮やかで長い銀色の髪で小柄でジャージを着ていた。

 

「大丈夫か。怪我はないか?」

 

「・・・うん。大丈夫。足を擦りむいたくらい。こっちも前を見てなかったから。」

 

彼女を起こし、確認すると確かに擦り傷が出来ていた。

彼女に対し少し待っていてくれと声をかけ、コンビニで水と絆創膏と消毒液と自分の昼ご飯を買う。

 

「お節介だとは思うが治療の一つはさせてくれ。時間は取らせない。」

 

「いや、いい・・・です・・・。」

 

そうは言われてもどうにもほっとけなかった。改めて立ち上がった彼女を見た所かなり細い。このまま怪我をして帰るまでに菌に繁殖されたら速攻で死ぬんじゃないかと思うくらいには。

何より彼女の眼が朝比奈まふゆと似ていた。

彼女ほど追い詰められてはいないが、切羽詰まっているようだった。

なおさら見過ごせなかった。

 

「これで破傷風とかになったらと私はきっと君を心配する。老婆心ながらのお節介だ。

大丈夫、さっきそこで買ったから変なものは含めていない。

諦めて治療されてくれ。 直ぐに済む。」

 

「・・・わかった。」

 

ちょうど近くにバス停用の椅子があったのでそこに促す。

 

しぶしぶ、といったところだろうか。彼女は椅子に座った。

私は水をあけて彼女の足へペットボトルの口を向ける。

 

「ここから少し沁みると思う。耐えてくれ。」

 

水で傷口を洗い、傷口の周りを拭く。

その後消毒液を掛け、傷口周りの水分を拭き、絆創膏を貼る。

 

「・・・よし終わった。すまなかった。ありがとう。」

 

「いや・・・多分礼を言うのはこっちのほうだと思う。ありがとう。」

 

そう言いながら銀髪の女性は立ち上がった。

 

「いやほぼ八割が私の自己満足だ。気にしなくていい。」

 

「・・・そういわれると返す言葉もない。」

そのような社交辞令を済ませてさっさと学校へ向かおうと思ったときである。

 

 

「・・・あれ、その声・・・K?Kだよね?」

 

 

背後からKという存在に気づき話しかけてくるものがいる。

振り返りその人物を見ると薄いピンク色の髪色でサイドテールに髪を結んでいる女子を見つけた。 さらに神山高校の制服を着ている。

 

確かうちの学校に不登校な有名人がいたがこんな容姿だった。暁山瑞希、だっただろうか。

 

「・・・Amia?どうしてここに・・?」

 

「補講にお呼ばれしちゃってね~。午後から行こうってわけだよ! あれ、そちらの方は?」

 

どうやらこの銀髪女性がKというらしい。

そして暁山瑞希はAmiaとしておそらくSNSでなにかしらの活動に関係を持っているのだろう。

あまり関係ないから割とどうでもいいかもしれない。 

だが、彼女の知り合いである人間に関係を聞かれてしまった以上身の潔白のために答えるしかないのかもしれない。

 

「どうも。先ほどこのKさん?がコンビニの前で男性と正面衝突をして怪我を負っていてね。僭越ながらその治療に当たっていたんだ。ただそれだけさ。」

 

「なるほど・・・。その制服、神山高校だよね。授業は?」

 

「多分それはどちらもできない質問だと思うぞ。のっぴきならない理由で自主的にお昼からだ。」

 

まぁ怪我させて挙句治療までしたとか胡散臭いだろうし警戒はされるよなと自分でも思う。

 

 

「・・・じゃあAmia。私は用事済んだからこれで。」

 

「ん、じゃあねK。またナイトコードで。」

 

K,Amia、ナイトコード。この三つのキーワードである程度の答えが出ていた。確か巷で騒がれている音楽サークルがそんな感じのメンバーが入っていたはずだ。

うろ覚え知識でしかないが。

 

「さて、ボクはこれから高校に向かうけど君はどうするの?」

 

「そろそろボチボチ向かうから一緒に行かせてもらおうかな。有名人と話せるめったにない機会だからね。」

 

 

「あはは。自己紹介は必要なさそうだね?」

 

 

「1年生の暁山瑞希だろう。その容姿、補講だから学校に出る。という噂は様々なところで聞く。」

 

「らしいね~。僕としてはあんまり気にしないんだけど。」

 

「だろうな。自分な好きなことを全力でやるやつに他人のことを気にするほどの余裕はないだろうからな。」

 

「お、もしかしてわかるクチだったり?」

 

「生憎全てを投げ出し他者の眼を気にしないほど熱中しているものはないが、そんなことをできるやつにかける言葉が後押し以外にはできないだろうというのはなんとなくわかるだけさ。天馬君や神代君みたいにはなれないけどな。」

 

彼らはすごい。周りに変人といわれてもワンツーフィニッシュとか言われても全く気にせず我を通していく。いわゆる主人公力とでもいうのだろうか。私はあぁはなれそうにはなかった。

 

「・・・天馬君・・・?あれ?もしかして先輩だったりする…?」

 

聞かれなければ特に答える気はなかったが一応答えたほうがよかったのだろうか。

 

 

「あぁ自己紹介してなかったな。2年A組、森文人だ。よろしく、暁山瑞希さん。」

 

 

暁山瑞希は固まっている。彼と呼べばいいのか彼女と呼べばいいのかはいまいちわからないがなんとなくこの表情は読める。やっちまったなって感じの表情だ。

 

「あぁ、いや、気にしなくていい。もともと1年の差だ。敬語じゃないほうがやりやすいからな。その方が気楽だろう。・・・せめて何か言ってくれ。」

 

私の名前を聞いた直後から暁山瑞希は固まっている。私自体は平々凡々を擬人化したような人間なので聞いたことすらないはずだ。それとも何か良くない噂でも広がっていただろうか。

 

「あぁいやごめん。よく天馬先輩の話を類と話した時話題に上がる人だったからさ・・・。君だったんだね・・・。すいません・・・でした・・・?」

 

どうやら私は有名人にドン引きされるほどやばいやつと認識されているらしい。

 

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