ついでに勿体ないのであとがきで設定も投下してる、見る価値なし。
そのため終わり方が中途半端である。
少女にとって、それはいつも通りの散歩だった。
夜の街の路地裏を、殺しても問題ない獲物を探すように練り歩く。
無論実際には殺さないし、殺せない。
ただ、この身に滾る殺人衝動を抑えるためのなんの変哲もないルーティンだった。
しかし、どうも今日は様子が違う。
足を止める、何かの視線を感じる。
その視線に感じられた意思はよくわかる。
獲物を探す目、自分と同じ目だ。
ヒュンッ
風切り音と共に飛んでくる影を最低限の動きでかわしながら襲撃者の姿を確認する。
人を粘土細工のようにこねくり回して獣の特徴を再現したかのような醜悪な異形だ。
まるで、人間の中身の悪いところだけを集めたかのよう。
そんな存在と出会って、正常でいられる人間など、通常なら男女問わずいまい。
ただ、彼女が異常だった。
ただそれだけだ。
「あのさ、お前」
再びなんの工夫もない突進を繰り返してきた異形の攻撃を再び紙一重で避けながら少女はささやくように語る。
「はっきり言って自分と相手の格の違いも分からないようじゃ獣以下だぞ」
そう言って三度突進してきた異形に懐から出したナイフをそっと当てる。
それだけで、異形は真っ二つに切り裂かれ絶命した。
少女の蒼く輝く目が通常の黒へと戻る。
「なんだよ。あっけない。人間じゃないとはいえせっかく殺しても誰にも咎められない相手を見つけたってのにさ…ん?」
ふと、似たような気配が周囲にさらに増えたことを感じて彼女の口角が吊り上がる。
再び彼女の目に蒼い光が灯る。
まだまだ、夜はこれからだ。
「精々楽しませてくれよ。化け物ども」
そう言って彼女は嬉々として異形の集団へと走っていった。
「あぁ、そいつは呪霊だよ」
「呪霊?」
「あぁ、人の恨み、妬み…とにかく悪感情とかが溜まると発生するやつ。私達魔術師にとっちゃ管轄外なんだけどね。基本は呪術師って名乗る、まぁ魔術師の亜種みたいなのが退治してるんだけど。そいつらだって発生した呪霊をすぐさま発見して速攻討伐できるわけじゃないからね。式みたいに偶然遭遇する人間も出ちゃうってわけ。そうやって一般人の被害が出て呪霊の存在は発見されるわけだが、そいつ等も運がなかったね。よりによって式を獲物に選ぶなんて」
そんなことを長々と語る蒼崎橙子の話を、話半分に少女は聞き流す。
自分から聞いておいてそれはどうなのだろうか、と思わなくもないが報告ついでに気になった単語に反応した少女に勝手に長々と語りだしたのは向こうの方だ。
「ただ最近は呪霊の動きがきな臭いらしくてね。こっちまで仕事が回るようになってきた。呪術高専のところの校長とかそれなりに仲がいいから断るに断れなくてね。式の成果も報告して精々恩を売ってやるさ」
別に自分の手柄とか欲しいわけじゃないが、自分の成果がコレに取られてるかと思うと少々腹立たしい。
「あぁ、それと今日は何とか情報はもみ消すが、これからはあんまり外に出るな。お前の存在は知られると色々面倒だ。また荒谷のような奴を山ほど相手にしたいか?あれほどの猛者は早々いないだろうが」
「そりゃ面白そうだけど、刀折れちまってるから新しいの調達してくれよ」
「…わかった、今度は簡単に折れないやつを持ってくるよ。その代わりしばらく給料減な」
「それをいうなら今までの未払いを支払うべきなんじゃないのか?」
そんな言葉をかけるが、相手は素知らぬ顔をして作業を再開する。
「さて、刀は何が良いかな?」
どこからか引っ張り出してきた刀のカタログを渡しながら、蒼崎橙子はそう問うのだった。
時刻は夜、場所は路地裏。
警告はされたが、しかし彼女も私を止められないのをわかっていたのだろう。
私としても、特に仕事と関係ない指示を聴く気はない。
しかし、今日はいつも通りの散歩ではない。
呪霊と呼ばれる、殺しても誰に責められるわけでもない獲物を探す。
両儀式にとって、殺人と呼ばれる経験は一度しかない。
殺した相手は皆人間なんかやめてる奴らばかりだったから。
それに比べてこいつらはどうだろう。
姿かたちなんて人間とは似ても似つかない、しかしなぜだろう。
奴らは確実に人間だと、そう感じる。
一つの廃ビルを見上げる。
一見なんの変哲もないが、しかしわかる。
ナニカが潜んでいることが。
特に気負うこともなく足を廃ビルに向ける。
「*********!!!」
少し進むと、名状しがたい雄たけびを上げ呪霊が姿を現す。
まったくこらえ性がない。
獲物を誘いこむというのならもっと待たねばダメだろう。
尤も、今回の場合獲物は呪霊の方である。
ニヤリと少女の口元が歪む。
目に蒼い光が灯り、ナイフを抜刀する。
一瞬の静寂の後、先に飛び出したのは少女であった。
瞬間的に距離を詰め、ナイフを振り下ろす。
腕で受けた呪霊だが、その腕は綺麗に切り落とされる。
「*********!?*****!!」
苦悶のような、悲鳴のような雄たけびを上げ転げまわるがそんなの少女には、捕食者にとって関係はない。
そう、呪霊は理解したのだ。
自分は狩る側ではなく狩られる側だと。
慌てて踵を返し退散する。
勝てないのなら逃げる程度の知恵はあったようだ。
「おいおいどこに逃げるって言うんだ」
懐からもう一本のナイフとりだした少女は、それを無造作に投げつける。
その鋭利な刃先は呪霊に深々と突き刺さり、足を一本切り落とす。
移動に大幅な制限が課せられた呪霊は、しかし残りの力を振り絞り振り向く。
せめて一矢報いて、そう決死の覚悟を決める呪霊だが少女はそんなのお構いなしに投げたナイフを拾い上げる。
「********************!!!!」
せめてもの威嚇で雄たけびを上げ、片腕と片足でどうにか少女にとびかかる。
しかし悲しいかな、五体満足のときでさえ敵わなかった相手に四肢のうち二つを喪失した状態で敵うはずもない。
いともたやすくその攻撃はかわされ、お返しとばかりにナイフで首を一刀のもとに落とされた。
「お見事」
「…誰だアンタ」
突如後ろから声がかかる。
気配自体は察知していたものの、敵意がないので放っておいた故に驚きはない。
「僕は五条悟。呪術師ってやつ、結構有名人なんだけど知ってる?」
「知らない、それにしても呪術師だぁ?そういえば橙子がなんか言ってたな…まぁ良いか、でその呪術師さんがなんの用だ?俺はもう帰るんだ」
「いや、そうもいかなくてね。君、見たところ呪術師じゃなさそうだ。呪力も流れてない訳じゃないけど、でも攻撃に使用してるわけじゃない。呪霊が見えるのはともかく、一体どうやって祓ってる、いや、この言い方は適切じゃないな、一体どうやって殺してるんだい?」
「簡単な話だ、万物万象全てには綻びが存在する。そこを突けばどんなに硬い物体だろうと簡単に崩れ去る。俺の目はね、モノの死が見えるんだ。生きているのなら、たとえ神様だって殺して見せる」
彼女はそう言い切りニヤリと笑った。
設定集
両義式
領域展開は使えないけど、領域展開内のモノを殺したり下手な領域ならそれ事殺せる。
刀を持つと、体を作り替え戦闘における最適解の体に置き換えることによって圧倒的戦闘力を誇り、疑似的な未来予知まで使いこなす。
黒桐鮮花
炎の術を使う。
拳にまとわせて、それを体術で叩きつける。
まだ炎の操作が未熟なので火蜥蜴の革の手袋を身に着けている。
浅上藤乃
歪曲の魔眼と千里眼により障害物関係なくなんでも曲げる。
呪霊だろうと関係なくごばぁと曲げる。
『両義式』
領域展開『』を使用可能。
根源の渦と同じ空間を展開する。
世界の摂理によって彼女以外の存在が許されず、彼女以外の存在は即座に分解され還元される。
また、根源の渦なのでそこから世界を書き換えることが可能である。
それ以外の戦闘技能等は刀を持った式と同等。