昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#101 ネプギアンダム新バージョン

「私、もっとネギちゃんの役に立ちたいな」

 

 

 ミクがそう言うと、「ありがとう。でも、今はその気持ちと歌ってくれるだけで十分だから」とネプギアが優しく答える。

 

 

「……そうだよね。私、歌うことしか出来ないもんね」

 

 

 ミクは少し残念そうに呟くが、「はい、はーい! それなら、わたし、ミクちゃんに応援してもらいたい!」とラムが左手を上げた。

 

 

「応援? どうやって?」

 

 

 ユニが不思議そうに首を傾げる。

 

するとラムは笑顔で、「もちろん、歌でよ! ほら、金融詩人とかあるじゃない」と言うが、「それは吟遊詩人のことかな?」とネプギアにツッコミを入れられてしまう。

 

【吟遊詩人】とは様々な歌で仲間達をパワーアップさせるなどして戦う職業。

 

 

「おおー! さすがラムちゃん(ぱちぱち)」

 

 

 ロムが彼女にしてはやや興奮気味にラムを褒める。

 

続けてプラエも、「ラムさん、賢い」と感心をした。

 

 

「って言っても、そんな簡単に出来るものなの?」

 

 

 ユニがあごに手を当てながらネプギアに尋ねると、「ミクちゃんが活躍できるかどうかなんだ、やってみる価値ありますぜ!」とネプギアがサムズアップで答える。

 

 

「何で男口調なのよ……このガアンダムオタクが……」

 

 

 ユニは頭を抱えながら、溜息を吐いた。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「そんな訳で、完成しました! ネプギアンダムHMタイプ!」

 

 

 ネプギアがそう言うと同時に、側に置いてあったネプギアンダムから後光が放たれる。

 

先程の会話から約三時間、ネプギアは何か取りつかれたように黙々と機械のパーツを作成し、このネプギアンダムHMタイプを作ったのだ。

 

 

「HMタイプは、【Hologram&Music(ホログラム&ミュージック)】の意味があって、これでミクちゃんのホログラムを呼び出しながら歌を歌ってもらうの」

 

 

 ネプギアが説明する通り、今のネプギアンダムには右手にホログラムの投影機、左手にミクのソフトが入ったパソコンが装備されており、更に両肩には巨大なスピーカーが乗っていた。

 

 

「「「おおお~~~」」」

 

 

 ロム、ラム、プラエがネプギアの説明に驚きの声を上げる。

 

 

「要はネプギアンダムに、ミクが歌うのに必要な機材を載せたのね」

 

 

 ユニがそう言って頷くと、「こんなことが出来るなんて、ネギちゃんは本当に凄いんだね」とミクが感心をした。

 

 

 同時にラボのドアが開く。

 

 

「ネプギアさん、いらっしゃいますか?」

 

 

 入ってきたのはイストワールであった。

 

 

「いーすんさん、どうしたんですか? 何か困ったことでも起きましたか?」

 

 

 ネプギアがイストワールに尋ねる。

 

ネプギアが言う通り、イストワールは八の字眉毛で、はた目にも困っていることが伝わっていた。

 

 

「ええ、ハネダシティの近郊にまたモンスターが現れたようなのです……」

 

 

 イストワールがそこまで言うと、「グッドタイミングー!」とラムが嬉しそうに左手を上げる。

 

イストワールは目を丸くして、「は?」と驚くが、「ネプギアンダムHMタイプ出撃(びしっ)」とロムもノリノリで敬礼をする。

 

 

「えーとですね……」

 

 

 今までの経緯をイストワールに説明するネプギア。

 

するとイストワールは、「なるほど、そういうことですか」と納得する。

 

 

「いきなり実戦になるけど、大丈夫かしら?」

 

 

 ユニがミクのことを心配するが、「大丈夫だよ。大体のロボットアニメは、成り行きで民間人の主人公が主役機に乗り込んで戦うところから始まるし」とネプギアが答える。

 

 

「その、ロボットアニメ脳は少し直しなさい」

 

 

 ユニが呆れながらそう言うと、「私なら多分大丈夫。歌ってみんなを応援すればいいんだよね」とミクが言った。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 大型車に乗ってハネダシティの入り口に到着したネプギア達。

 

ちなみにネプギアンダムは長距離侵攻仕様のAタイプ【Assoult(アサルト)】に換装しての出撃である。

 

 

「今回のクエストは、プラネテューヌの街の近郊に現れた、データハウンドを従えたロングホーンの退治です」

 

 

 イストワールがそう言いながら、ホログラムを呼び出す。

 

そこにはハネダシティ周囲の地図と、モンスターの姿が表示されていた。

 

 

「データハウンドが、小型の恐竜型モンスターで、ロングホーンが大きな角を持った中型の恐竜型モンスターですね」

 

 

 ネプギアがイストワールの言葉に答える。

 

彼女の言う通り、データハウンドは大きさ1メートル強程で、四足歩行の恐竜のような姿をしたモンスターで、ロングホーンは3メートル程で、同じく四足歩行をする恐竜のようなモンスターだ。

 

 

「ちょっと強そう……」

 

 

 プラエが少し自信なさそうに呟く。

 

恐竜型のモンスターということで両者とも獰猛な見た目をしていた。

 

 

「大丈夫よ。強そうなのは見た目だけで、大したことないんだから」

 

 

 ラムが両手を腰に当てて胸を張って言うと、「みんながいれば大丈夫(あんしん)」とロムが言う。

 

 

「そうね。でも、油断は禁物よ」

 

 

 ユニがそう言うと、「そうだね、戦闘が初めてのミクちゃんもいるし」とネプギアが頷く。

 

 

「それじゃあ、偵察の為にRタイプにするよ」

 

 

 ネプギアはそう言うと以前のように、ネプギアンダムの換装を始める。

 

 

「そのプラモデルの差し替えみたいので、性能が変わるって本当に便利ね」

 

 

 ユニが呆れ半分感心半分でそう言う。

 

 

「それじゃあ、色々省略してネプギアンダム発進ー!」

 

「リョウカイ。パインサラダキタイシテルゼ」

 

 

 ネプギアが換装を終わらせたネプギアンダムを発進させる。

 

ユニは頭を抱えて、「その死亡フラグ言わせるのやめなさい」と言った。


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