昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「わわっ! こんなにモンスターがいるなんて聞いてないよー!」
ネプギア達を追うのに必死だったファミ通は、いつの間にか十匹以上のモンスターに囲まれていた。
ファミ通を取り囲むのは【ゴーストボーイ】と【ゴーストガール】と呼ばれるモンスターだ。
ゴーストと名が付いているが、おどろおどろしい雰囲気ではなく、どちらかと言えば可愛らしい姿をしている。
体長1メートル程でタコさんウインナーみたいな形状をして大きくて丸い目が二つ付いているだけのシンプルな姿だ。
頭に角が付いている方がゴーストボーイで、リボンが付いている方がゴーストガール。
シカベーダー達と同じく古くからいるモンスターで、普段は黄色い球状に大きな口のあるモンスターと迷宮の中で追いかけっこをしている。
ゴーストボーイ達はファミ通を取り囲み、じりじりと近づいて包囲の輪を狭めてくる。
「これはちょっとマズいかな……」
ファミ通が武器を構えて迎撃をしようとした時……。
ズキューン!
突然、銃声が響き渡る。
同時に上空からビームが降ってきて、ファミ通の目の前のゴーストボーイに直撃すると2,350の大ダメージが当たり一撃で戦闘不能になる。
ズキューン! ズキューン! ズキューン!
ビームは二発三発と続けて降ってくる。
その狙いは正確で一発ごとにゴーストボーイ達の数が減っていく。
「はああああ!」
ビームと一緒に白い影が、掛け声を上げて急降下してくる。
白い影は落下スピードに乗ったままゴーストガールを突き刺すと、2,931ダメージが当たる。
「ていっ!」
着地した白い影は、すぐさま手に持った武器を振り回して周囲のゴーストボーイ達を蹴散らす。
一撃で2,500以上のダメージが当たり、一振りごとにゴーストボーイ達の数は減って行く。
上空からの射撃も続いており、最初の射撃から十秒も経たない内にモンスターは全滅した。
「一体なにが……」
ファミ通はあまりの急展開に構えを解いて呆然としてしまう。
「ファミ通さん、無理は止めて下さい」
白い影の正体はネプギアだった。
敵陣に向かって行ったが、その途中でレーダーでファミ通が囲まれていることを知り、ユニと二人で急いで引き返してきたのだ。
上空からの射撃はユニのX.M.Bによるものであった。
「ごめん。取材に夢中で……」
状況を理解できたファミ通は後頭部を掻きながら申し訳なさそうにネプギアに謝る。
「あっ……ごめんなさい。本当はファミ通さんのペースに合わせるべきなんですよね。でも、みんなお祭りを楽しみにしてるから」
今度はネプギアがファミ通の取材に合わせて行動出来なかったことを詫びるが、「いいよいいよ。寧ろ、全力のネプギア様達を取材出来るチャンスだし、ゲイム記者魂で頑張ってついて行くよ」とファミ通が明るい声で答える。
「だったら、Gビットを持って行って下さい」
ネプギアがそう言うと彼女の周りに六基のGビットが現れる。
「え? でも、それはネプギア様じゃないと扱えないんじゃ……」
ファミ通は少し驚いたようにネプギアとGビットを見ながら言うが、「大丈夫です。ファミ通さんを護るよう指示を出しておきますから」とネプギアが答える。
それと同時に、Gビットはファミ通に向かって移動すると彼女を護るように周囲を浮遊する。
「ネプギア早く早くー!」
「ラムちゃんが呼んでるからもう行きますね。危険だと思ったら直ぐ逃げて下さい」
先行しているラムから通信で早く来るよう急かされると、ネプギアは宙に浮かび上がり、そのまま矢のようにラム達の居る方向に飛び去る。
「いやー……流石は女神様だな。こんな颯爽と助けられたら惚れちゃうよ」
ファミ通は暫くポーッとしていた。
「っと! いけないけない。取材取材」
ファミ通は本来の目的を思い出して今度は慎重に進む。