昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「次はあそこ!」
ラムが指差したのは射的の屋台であった。
「行こう行こう(ぐいぐい)」
ロムは右手でネプギアの手を握って左手でユニの手を握ると【クイクイッ】引っ張る。
普段は大人しいロムも祭りの熱気で積極的になっているようだった。
ネプギアはそんなロムを見ながら微笑むと、「うん、行こ」と頷き、ユニは少し呆れつつ、「はいはい、そんなに引っ張らなくても行くわよ」と答える。
「行きましょ」
ラムがそう言うと、「「うん」」とロムとプラエが頷いて、三人は射的の屋台に駆け込んで行く。
「おじちゃーん、わたしとロムちゃんとプラエで1回づつ!」
ラムがそう言うと、ネプギアが、「お願いします」と店主にお金を渡す。
「この中から鉄砲を選ぶの?」
ロムは箱の中に置いてある射的用の鉄砲を眺める。
「どれにしようかな……」
そう言ってプラエは箱の中の鉄砲に手を伸ばす。
「ちょっと待って」
ネプギアはそれを制止する。
「どうしたの? ネプギアちゃん」
ロムは不思議そうな顔をする。
「こういうのは道具選びから差が出てくるんだよ」
そう言いながらネプギアは射的の銃を一つづつ取って、レバーを引いたりトリガーを引いたりして動作を確認する。
「そうね。バネがしっかりしたのを選ばないと弾が遠くに飛ばないわよ」
ユニもネプギアと同じように銃を手に取って動作確認をする。
「そうなんだ……」
そんな二人を見て、素直に感心するプラエ。
ネプギアとユニは銃が好きであり、それは玩具の射的の銃でも変わらない。
先程の金魚すくいとは違い、自分たちの得意分野である銃に関しては玩具とはいえこだわりがあるようだ。
「ネプギア、銃の方は任せたわ。アタシは弾を選ぶわね」
ユニはそう言って持っていた銃を箱に戻すと、別の箱にある射的の銃の弾であるコルクを選び始める。
「弾も何か変わるの?」
ラムがユニに質問する。
「当然よ。空気の力を均一に伝える為に、コルクの形が整っているか、どこも欠けていないかをチェックしないとね」
ユニがドヤ顔で説明を始めるとコルクを一つ一つチェックする。
「ほわ~」
プラエは声を上げて感心すると、テキパキと作業するネプギアとユニを眺める。
「お嬢ちゃん達なかなかの通だね」
射的の店主もネプギアとユニの姿に感心をしていた。
「銃はこの三つがいいかな」
「弾はこのへんのが使えそうよ」
ネプギアとユニはそう言って銃と弾をロムとラムとプラエに渡す。
「「「ありがとう!」」」
ロムとラムとプラエは声を揃えてお礼を言うと嬉しそうにそれを受け取る。
「レバーを引いたら、銃口にコルクを詰めて」
「うん」
「わかったわ」
ネプギアが説明をすると、ロムとラムはネプギアの言う通りに弾を込める。
「よーし当てるわよー!」
「がんばる(きりっ)」
ロムとラムはそう言うと銃を構える。
「もう、姿勢が全然なってないじゃない」
ユニは呆れながらロムの後ろに回る。
「まずは脇をしっかり締めて」
「うん」
ロムはユニの言うように脇を締める。
「ピストルグリップは右手でしっかり握る」
ユニはロムの右手を握り銃のグリップの部分を持たせる。
「次は左手でフォアエンドを優しく握る」
今度は左手を握り中央の木の部分フォアエンドを握らせる。
「ストックを右肩の肩の付け根にあてて安定させて」
更に銃の底の木の部分をロムの右肩の付け根に持ってくる。
「最後に右頬をストックに密着」
ユニは銃のストックの部分をロムの右頬に当てる。
「なんだか狙いやすそうな気がする(びしっ)」
ロムはユニに姿勢を整えられて、更にやる気が出たようだ。
「両目は開けて、右目でサイトを覗いて照準を合わせて」
「最初だから小さい景品を狙った方がいいよ」
ユニのアドバイスの後にネプギアもロムにアドバイスをする。
「うん(こくこく)」
素直に返事をするロム。
「狙いを定めたら迷わず撃つ!」
「……っ!」
パン
ユニの声に反応して、ロムがトリガーを引くと勢いよくコルクが飛んで行き、景品に並んでいたお菓子に当たるとその箱が落ちる。
「できた!」
思わず声を上げるロム。
「ロムちゃん、すごーーーい!」
ラムは大声でロムを褒める。
「アタシが教えればこんなもんよ」
ユニは腕組みして鼻高々に言う。
「ありがとう、ユニちゃん」
ロムは景品のお菓子の箱を持ちながらユニにお礼を言う。
「ねぇねぇ、ユニちゃん、わたしにもやって」
ラムはユニに自分にもロムと同じように姿勢を整えて欲しいとせがむ。
「わかったわ」
ユニは今度はラムの背中に回り姿勢を整えさせる。
「これでよし! 撃ってみなさい」
「とりゃー!」
パン
ラムが掛け声と共にトリガーを引くと小さなぬいぐるみに弾が当たって落ちる。
「やったー! ゲットよ!」
ラムは嬉しそうにガッツポーズを決める。
「よかったね、ラムちゃん」
「うん!」
ネプギアの言葉に嬉しそうに頷くラム。
「ユニお姉さん、プラエにもして」
「いいわよ」
プラエがユニにせがむと、ユニはプラエの姿勢を整える。
「よし! 当ててみせなさい」
ユニがそう言うと、「えい!」とプラエが銃を放ち、弾が景品のお菓子の箱に当たると見事に落ちる。
「ネプギアお姉さん、プラエにもできたよ!」
プラエが嬉しそうに言うと、「上手い上手い」とネプギアは微笑みながら拍手をした。
「ねぇ……わたし、あのおっきい水色のクマさんのぬいぐるみが欲しい」
ロムはおずおずと景品に並んでいる大きい水色のクマを指差すと、「わたしは反対側のピンクのヤツ」とラムが元気よく反対側の同じ大きさのピンクのクマを指差す。
更にプラエも、「なら、プラエは真ん中のウサギさんが欲しい」と大きなウサギのぬいぐるみを指差す。
三つとも景品の中で一際大きく、恐らく目玉の景品だろう。
「あれはちょっと難しいんじゃないかしら? 一発や二発じゃ落ちないわよ」
ユニが難しそうな顔で腕組みをする。
「だったら、みんなで力を合わせようよ」
ネプギアが力強く言うと、ユニはネプギアが言いたいことを理解したようでニヤリと笑うと、「なるほど。こういう時こそアタシたちの力の見せ所ね」とやる気をアピールするように右手で握りこぶしを作る。
「おじさん、私達の分もお願いします」
ネプギアは店主に二人分のお金を渡すと二人は銃と弾を選ぶ。
「一点集中。みんな、息を合わせて行こう」
ネプギアがそう言うと、「合体攻撃、華麗に決めるわよ」とユニが言う。
ロムとラムはネプギアとユニが、みんなで力を合わせて落とすという意図を理解して、「「うん!」」と二人揃って元気よく返事をする。
「えっと……プラエにもできるかな?」
プラエが少し困った顔でネプギアの顔を見る。
ネプギアは優しく微笑むと、「大丈夫。私達と一緒に頑張ろう。失敗してもいいから。ね?」とプラエに言う。
プラエは、「うん」と元気よく頷いた。
「じゃあ、号令お願い」
ユニはネプギアにリーダーとして掛け声を上げるようにお願いをする。
「みんな整列」
ネプギアの声で五人は横一列に並ぶ。
「撃鉄起こせ!」
ガシュッ
次の声で五人が銃のレバーを引く。
ロムとラムとプラエは撃鉄の意味が分からなかったが、ネプギアとユニの動作を見てレバーだと理解したようだ。
「弾こめっ!」
続いて五人揃って弾をこめる
「構えっ!」
五人は綺麗に銃を構える。
ロムとラムとプラエもユニに教わった通りの構えだ。
「目標、水色のぬいぐるみの頭部!」
ネプギアがそう言うと五人は狙いを定める為に銃を動かす。
頭に集中して衝撃を与えることでひっくり返そうと言うのだ。
「うてーーーー」
パパパパパン!
ネプギアの最後の号令で五人が同時に銃を撃つ。
弾は五発とも水色のぬいぐるみの頭部に当たるとぬいぐるみは後ろに倒れて落ちる。
「やったぁ!」
飛び跳ねて喜ぶロム。
「ざっとこんなものよ」
ユニは銃を肩に置いて得意げに言う。
「やるねぇ、お嬢ちゃん達……」
店主も女神候補生達の合体攻撃に驚く。
「次、わたしのピンクのやつ~」
ラムがピンクのぬいぐるみを指差す。
「うん、みんな行くよ!」
ネプギアがそう言うと、五人は銃を持つ。
次のターゲットはラムが欲しがっているピンクのクマだ。