昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「それじゃあ、プラエちゃん達と一緒にクエスト行ってきますね」
ネプギアは立ち上がると、机に置いてあるNギアを右太もものケースに入れてクエストに向かう準備をする。
「私も行きます」
イストワールが同行を申し出るとネプギアと一緒に部屋を出る。
ここ最近イストワールは、よくネプギアのクエストに同行している。
ネプギアが心配な気持ちと、彼女の活躍を見るのが嬉しい気持ち、後はネプテューヌのせいで溜まったストレスの発散などが主な理由だ。
***
ネプギアがプラエとあんみつを誘ってプラネタワーを出ると時間は13時頃になっていた。
「あら? ネプギア、それにイストワール様達も」
プラネタワーを出てすぐに、後ろから知ってる声に名前を呼ばれる。
「アイエフさん、それもコンパさんとファミ通さんも」
ネプギア達が後ろを振り向くと、声を掛けてきたアイエフとその右隣にコンパ、左隣にファミ通がいた。
「こんにちはですー」
コンパが挨拶をすると、ファミ通も、「こんにちは」と挨拶をする。
「こんにちは。みなさん、お揃いでどうしたんですか?」
ネプギアはアイエフとコンパはよく一緒にいるが、ファミ通が一緒なのは珍しいと思ったので質問をする。
「みんなでランチをしてきたのよ」
アイエフがそう言うと、ファミ通が、「取材でお世話になったから、私から誘ったんだ」と細かい事情を説明してくれる。
「もうファミ通さんも仲良しさんですー」
ファミ通の誘いで、三人で昼食を取ってきたようである。
以前から良好な関係ではあったが今日の昼食で更に三人とも意気投合したようで以前より仲良くしている。
「そっちは、またネプ子の肩代わり?」
アイエフあごを右手で押さえながらそう言って、ネプギア達の目的を即座に言い当てる。
「えと……当たりです」
ネプギアは姉のサボりを隠したい気持ちはあったが、アイエフ相手にそれは無駄だと思い素直に認める。
「アイエフさん、凄い」
プラエが驚きながらアイエフを褒めると、「ネプ子とネプギアの行動なんてお見通しよ」とアイエフが腕組みして得意気に答える。
コンパも、「普段のギアちゃんは午前中にお仕事に出かけますから、午後に行くときは、ねぷねぷがお仕事してくれない時だって決まってるんですー」と微笑みながら答える。
「なるほど、確かにそうですね」
あんみつが感心したように頷く。
ここ最近プラエと共にネプギアの仕事に同行する彼女は、コンパの言う通りだと感じたのだ。
「私も付き合うわ。コンパとファミ通も来れる」
アイエフが軽く買い物に行くようなノリで同行を申し出つつコンパとファミ通を誘うと、コンパも、「行くですー」と言い、ファミ通も、「勿論行きますよ」と即答する。
「ありがとうございます。助かります」
ネプギアは素直に感謝すると同行を受け入れる。
「皆さん、レベルはどれぐらいになりましたか? 私達は26になりました」
イストワールが全員にレベルの上がり具合を質問する。
パーティの戦力はパーティを組むたび常に確認して、それに応じた戦術を立てる必要があるのだ。
「私は24だよ」
ファミ通がそう答えると、アイエフが、「25です」と言い、コンパが、「24です~」と答える。
「イストワール様、今日のクエストは何ですか?」
戦力の確認が終わったところで、アイエフがイストワールに質問するとイストワールは、いつものホログラムを出す。
「今日はパナンジャングルで、馬鳥の討伐です」
イストワールはそう言ってクエストの説明に入る。
パナンジャングルとはバーチャフォレストの南にある密林のことである。
馬鳥とは馬に羽の生えたモンスターだ。
しかし、ペガサスとは違い、前足にあたる部分が翼になっており、後ろ脚で二足歩行をするのだ。
読み方は【うまとり】と【ばちょう】で議論が上がっており結論はまだ出ていない。
ちなみにプラネテューヌでは、うまとりの方が主流なので、皆うまとりと呼んでいる。
ばちょうの読み方はリーンボックスでの主流となる。
「ねぷねぷは、馬鳥だから嫌だっていったんですか~?」
コンパが首を傾げて質問すると、ネプギアは、「いえ、違いますけど……」と答えると、「でも、なんで馬鳥だとダメなんですか?」と続けてコンパに質問する。
「ねぷねぷはナスの次に馬鳥のふんが嫌いみたいです~」
コンパがそう言うとアイエフが、「何かトラウマがあるみたい。ドロップアイテムがどうのこうの言ってたかしら?」と説明を付け加える。
「なるほど! 馬だけにトラウマなんですね!!」
ネプギアは自信満々のドヤ顔でそう言うが、周囲には寒い空気が押し寄せる。
「それじゃ、行きましょ」
アイエフは何事もなかったように華麗にスルーするとスタスタと先に進む。
「む、無視しないで下さい! 悲しいです!」
ネプギアはあわあわと泡ふためきながらアイエフの右手の袖を掴む。
彼女なりにネプテューヌに言われた面白い女神になろうと努力しているのである。
自分でも、少しダジャレを考えるのが楽しくなってきているふうでもあるが……。
「わかりましたー。そこに車を停めてありますから、みんなで行きましょうー」
「こ、コンパさんまで~」
コンパにですらスルーされたネプギアはガックリと肩を落としてしまう。
「ネプギア様のダジャレ結構好評だよ。清楚な見た目に対してのギャップ萌えって感じで」
「き、記事にするのは止めて下さい~」
ファミ通は微笑みながらフォローするが、ネプギアは顔を真っ赤にして慌ててしまう。
ファミ通の記事は読んでいるが、自分のダジャレが出る度に赤面してしまう。
まだ自分のダジャレを大勢の人に見られるのは恥ずかしいようだ。
「ネプギア殿、そんなに恥ずかしいなら言うのを止めてみては?」
あんみつが落ち着いた声で進言するが、「それはダメなんです。私、ダジャレでみんなを笑顔にするって決めたんですから」と小さくガッツポーズをしながら力説するネプギア。
ネプテューヌに言われたことを律儀に守っていることの他に、彼女なりにダジャレで個性を付けたいという意味があるようだ。
***
ネプギア達はハネダシティと同じように、アイエフはバイクで、ネプギア達はコンパとファミ通の車で現地に向かう。
「あれ?」
車で移動中にネプギアの目に見覚えのある人物が映る。
(あれは……ボーク? でも、あの人は神次元の人で……)
ネプギアが外のボークらしき人影を集中し見る。
服は私服になっているが、確かに似ている。
ネプギアが本物かどうか悩んで首を傾げていると、イストワールが、「どうかしましたか?」と心配そうな顔して質問してくる。
「いえ、なんでもありません」
ネプギアは何事もなかったように首を左右に振る。
(もしかしたら超次元のそっくりさんかも)
イストワールのように超次元と神次元には似た人物が多い。
ネプギアはあのボークもその類だと思うようにした。