昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#130 ネプギアVSビッグ馬鳥

「ヒヒーン!」

 

 

 ジャングルに馬のいななきが響く。

 

パナンジャングルを訪れたネプギア達は早々に一匹の馬鳥と遭遇していた。

 

体長3メートルはある巨体が翼をはためかせて、敵意に満ちた瞳でネプギア達を睨みつけている。

 

 

「さて、相手をしてあげようかしら」

 

 

アイエフはそう言って、余裕のある笑みをニヤリと浮かべると前に歩み出て馬鳥の目の前に立つ。

 

 

「フヒーーン!」

 

 

興奮した馬鳥は鼻息を荒くしてアイエフ目掛けて突進してくる。

 

 

「見え見えね」

 

 

 avoid、アイエフは素早く横にステップを踏んで突撃を避ける。

 

攻撃の避けられた馬鳥の進む先には左右でネプギアとファミ通が待ち受けていた。

 

 

「その隙見逃しません!」

 

 

 ネプギアがそう叫んで馬鳥の右横に飛び出すと右手のギアナックルで正拳突きを繰り出す。

 

それと同時に、「もらったー!」とファミ通が反対側から飛び出て両手にエビを持って横にスイングする。

 

 

ズガン!

 

 

 ネプギアのギアナックルとファミ通のエビによる横殴が馬鳥を挟撃する。

 

 

「ブヒーーン!」

 

 

 馬鳥は合計で二人の攻撃で1,000以上のダメージを受ける。

 

 

「覚悟!」

 

 

 ネプギアとファミ通の挟撃で動きの止まった馬鳥の正面に、あんみつが飛び出して袈裟斬りで切り裂く。

 

更に、「クロックチェーン九時! 雷の力よ」とプラエが雷を纏った鎖を伸ばす。

 

鎖は馬鳥に絡みつくと、電撃でダメージを与え、あんみつの攻撃と合わせて1,000以上のダメージを与える。

 

 

「サンダー!」

 

 

 続けてイストワールが魔法を唱えると、イストワールの右手の人差し指から電撃が飛んでいき馬鳥に命中すると653ダメージが当たる。

 

 

「お覚悟ですー!」

 

 

 更にコンパが巨大注射器を抱えて馬鳥に突撃しその太い針を突き刺す。

 

 

「ブモーーー!」

 

 

 コンパの追撃で375ダメージを受けた馬鳥は悲鳴を上げて消滅する。

 

 

「やりました!」

 

 

 ネプギアがそう言って右手を上げると、「完璧だね」とファミ通も右手を上げて二人はハイタッチを交わす。

 

 

「ナイスよ」

 

 

 その先ではアイエフがサムズアップを二人に送っていた。

 

 

「ファミ通さんとのコンビネーションも大分慣れてきましたね」

 

 

 イストワールが感心しながら頷いてそう言うと、コンパも、「流石ギアちゃんですー」と言って、ネプギアのコンビネーションに感嘆していた。

 

ネプギアと付き合いの長いアイエフとのコンビネーションはバッチリだが、まだ出会って日の浅いファミ通とも息の合った同時攻撃を完璧にこなすネプギアの器用さと協調性に感心しているようだ。

 

 

「この調子でサクサク行きましょう」

 

 

 先頭のアイエフがそう言って前に進み始めると、ネプギア達もその後を追った。

 

 

 

***

 

 

 

「ここが最奥ですね」

 

 

 ネプギアがNギアの地図を見ながらそう呟く。

 

ネプギア達は何匹もの馬鳥を蹴散らしつつ、最奥へと辿り着いていた。

 

 

「そろそろお約束のボス戦かな?」

 

 

 ファミ通がそう言うとあたりが影に覆われる。

 

 

「ヒヒーーーーーン!」

 

 

 ネプギア達が空を見上げると、上空に6メートルはある巨大な馬鳥が浮いていた。

 

 

「おっきいですー」

 

 

 巨大な馬鳥【ビッグ馬鳥】の大きさに驚きおののくコンパ。

 

 

「ブルルル!」

 

 

 ネプギア達を敵とみなしたビッグ馬鳥が激しく翼をはためかせて突風を起こす。

 

もの凄い風圧がネプギア達を襲う。

 

 

「くっ! ウインドストーム?」

 

 

 アイエフはそう言うと両手で身を守るようにして突風に耐える。

 

 

「す、凄い風ですー」

 

 

 そう言いながらスカートを抑えるコンパ。

 

 

「ダメージは大したことありませんけど……」

 

 

 イストワールはコンパの服に掴まり突風に耐えている。

 

イストワールの言うようにダメージ自体は300前後でHPゲージ二割分にも満たないが、「これじゃあ、身動きが取れないよ~」とファミ通が情けない声を上げる。

 

 

 実際にファミ通の言う通りで、吹き飛ばされないよう踏ん張るので精一杯で誰一人としてその場から動けない。

 

【ウインドストーム】とは風属性による広範囲の特殊攻撃。

 

巨大な翼から突風を起こし相手にダメージを与えつつ風圧で動きを制限する攻撃である。

 

 

「ブヒーーーン!」

 

 

 身動きの取れない先頭のアイエフ目掛けて、ビッグ馬鳥が急降下してくる。

 

アイエフにビッグ馬鳥の巨体が迫る。

 

 

「しまった……回避が間に合わない!」

 

 

 風は止むが、とても回避が間に合うタイミングじゃない。

 

回避タンクで防御力の低いアイエフでは、あの高さからのビッグ馬鳥の体当たりを受けてしまうと瀕死どころか戦闘不能に陥る可能性がある。

 

 

ズキュキュキュキューーーーン!

 

 

 ビッグ馬鳥の巨体がアイエフに当たろうかという時に連続したビーム射撃の音が響く。

 

 

「ヒーーーン!」

 

 

 同時に五発のビームがビッグ馬鳥に当たり、ビームの推力により落下起動をずらされ、アイエフの真横に土煙を上げて墜落する。

 

ビッグ馬鳥は合計で3,535のダメージを受けて横倒れになる。

 

 

「アイエフさんはやらせません」

 

 

 パープルシスターに変身したネプギアが凛とした声を上げる。

 

続けて、「よかった……間に合ったね」とプラエがホッと安堵の溜息をもらす。

 

ネプギアはウィンドストームの最中に、プラエの時間操作の力を借りて女神化をしてパープルシスターに変身していた。

 

そして、その右手に持った銃剣M.P.B.Lの射撃機能によってビッグ馬鳥を撃ってアイエフを守ったのである。

 

 

「まったく、冷や冷やさせてくれるわね……」

 

 

 アイエフはネプギアの方を振り返りながら、冷や汗を拭う。

 

 

「遅くなってすみません」

 

 

 ネプギアはアイエフに一言謝ると、滑空して倒れている馬鳥に接近する。

 

 

「フヒィィィィ!?」

 

 

 ビーム攻撃と墜落したダメージでもがき苦しむビッグ馬鳥。

 

 

「ごめんなさい!」

 

 

 その姿を哀れに思うネプギアだが、戦いに私情を挟む訳にはいかない。

 

 

ブスッ!

 

 

 勢いに乗ったネプギアのM.P.B.Lのブレード部の突きがビッグ馬鳥の首に刺さる。

 

 

「ヒィィィィィィン!」

 

 

 ビッグ馬鳥は2,687ダメージを受けて絶叫を上げると、「みんなは私が守るんです!」とネプギアが叫ぶ。

 

 

キィィィィィィン!

 

 

 同時にM.P.B.Lからチャージ音が聞こえてくる。

 

 

「M.P.B.L最大チャージ!」

 

 

 ネプギアは容赦なく、そこから零距離射撃を放つ。

 

ビッグ馬鳥は避けることも出来ず、4,852ダメージを受けるとビームの推力に吹き飛ばされる。

 

 

「ヒヒヒヒン!」

 

 

 悲鳴を上げながら転がり回る馬鳥。

 

 

「うわ……ネプギア様にしては容赦ない攻撃ですね……」

 

 

 ネプギアの一連の連続攻撃に恐れおののくファミ通。

 

 

「女神様は女神化すると、みんな強気になるですー」

 

 

 コンパはネプギアの激しい攻撃の理由は女神化によって性格が強気になった為であると説明する。

 

 

「それだけではありません。みなさんを護りたいと言う強い意志もあるのです」

 

 

 イストワールがコンパの解釈に追加するように言う。

 

 

「みなさん! 私が先頭に立ちます! バックアップを!」

 

 

 ネプギアはビームの照射が終わると同時にビッグ馬鳥を更に追撃しながら、全員に指示を飛ばす。

 

 

「OK! みんな行くわよ」

 

 

 アイエフがそれに応えると、全員がネプギアを先頭にしたフォーメーションに切り替える。

 

先頭のネプギアがタンク兼アタッカーで、その後ろにアイエフとファミ通とプラエとあんみつがアタッカー、更に後ろのイストワールはヒーラー兼アタッカー、コンパはヒーラーの役割分担である。

 

 

「ブルルル!」

 

 

 吹き飛ばされて墜落したビッグ馬鳥は意識を覚醒させる為に頭を左右に振っている。

 

 

「フォーミュラーエッジ!」

 

 

 ネプギアはその隙を逃さずビッグ馬鳥に連続の斬撃で攻撃をする。

 

合計で3,698ダメージが当たる。

 

 

「ヒヒーン!」

 

 

 しかし、ビッグ馬鳥はダメージを堪えてネプギアに反撃する。

 

 

「くっ!」

 

 

 ネプギアは避けずに左手に防御の魔法陣を張り攻撃を受け止める。

 

ネプギアは865のダメージを受けてHPゲージが二割ほど減少する。

 

 

「ギアちゃん、何で避けないですか?」

 

 

 コンパは女神化したネプギアなら避けられそうな攻撃を受け止めたネプギアに疑問を持つ。

 

 

「ビッグ馬鳥にウィンドストームを使う隙を与えない為に張り付いているんです」

 

 

 あんみつがコンパの疑問に即座に答える。

 

パーティ全体に被害が出るウィンドストームを使う隙を与えない為に回避を捨てて、ビッグ馬鳥に肉薄するネプギア。

 

回避の為に距離を置いたら、ビッグ馬鳥が素早く後退してウィンドストーム使うかもしれないのだ。

 

 

「はああああ!」

 

「ブヒヒヒヒン!」

 

 

 激しい攻防を繰り広げるネプギアと馬鳥。

 

双方共にダメージの応酬が続く。

 

 

「ネプギア様……女神様自ら盾になるんんて……」

 

 

 感嘆しながらもメモを取るファミ通。

 

その隣でプラエも、「ネプギアお姉さん……」とネプギアに感嘆の眼差しを向けていた。

 

 

「さあ! この間に攻撃を!」

 

 

 イストワールは魔法の詠唱を始める。

 

 

「ギアちゃんの回復はわたしに任せるです」

 

 

 コンパは救急キットを取り出し、ネプギアの減少したHPを回復させる。

 

回復するコンパへのヘイトは上がるものの、ネプギアとの激しい攻防でビッグ馬鳥のヘイトはネプギアに集中しており、ビッグ馬鳥のターゲットはネプギアに固定されていた。

 

 

「そこ! 隙だらけよ!」

 

 

 怒り狂いネプギアだけに攻撃をするビッグ馬鳥の真横からアイエフがカタールで突き刺すと、「こっちも隙だらけ!」と同時に逆サイドからファミ通が殴り掛かる。

 

 

「ヒーン!」

 

 

 不意を突かれたビッグ馬鳥は合計で1,000以上のダメージを受けて一瞬動きが止まる。

 

更に動きの止まったビッグ馬鳥に、「もらった!」とあんみつが刀を突き刺し、「クロックチェーン、十時! 光の力よ!」とプラエが鎖を伸ばしてビッグ馬鳥を打ち据える。

 

こちらも1,000以上のダメージが当たり、流石のビッグ馬鳥も、「ブルルル」と唸りながら怯む。

 

 

「大地の記憶!」

 

 

 ビッグ馬鳥が怯むと同時に魔法の詠唱を終えたイストワールが魔力を解放する。

 

 

ズゴゴゴ!

 

 

 馬鳥の足元から巨大な岩の槍が突き出す。

 

 

ザクッ!

 

 

「ヒィィィィィン!」

 

 

 串刺しになり955ダメージを受けて絶叫し悶える馬鳥に続けざまに、「はあああああ!!」とネプギアが気合の籠めたM.P.B.Lの一閃で切り裂き3,520のダメージが当たる。

 

ネプギアをタンクに、コンパをヒーラーとして、他の五人が援護攻撃続け少しづつビッグ馬鳥にダメージを与えていく。


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