昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#248 ダゴンの実力

 ダゴンのヘイトを集めたネプギアはダゴンの攻撃を捌きつつ、自分とロムで減ったHPを回復しながら隙があったら攻撃するという、タンクの役割を果たしつつ、アタッカーのユニとラムも激しい攻撃をダゴンに浴びせていた。

 

タンク、ヒーラー、アタッカーのセオリー通りの必勝パターンだ。

 

しかし、ネプギアは妙な胸騒ぎを感じていた。

 

 

(これだけ攻撃しているのに、まだ倒れない……私達が押している筈なのに、なに? この不安感は?)

 

 

 ネプギアはそう思いながらも防御と攻撃を繰り返す。

 

ダゴンは女神化したネプギア達の強力な攻撃を何度も浴びせて、高いダメージも出しているのに倒れる気配を見せない。

 

 

「クククク……」

 

 

 そこにダゴンは不気味な笑い声を上げる。

 

怒りも多少は収まったようだ。

 

 

「何が可笑しいんですか?」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「これでネタ切れが? なかなか面白いお遊戯だったが、これで我と貴様等の力の差が埋まると思ったのか」とダゴンが言う。

 

それと、同時にネプギアの頭にNギアからの機械音声が聞こえてくる。

 

 

「エマージェンシー! エマージェンシー! エネミーのHP測定不能です。撤退を提案します」

 

 

 Nギアからの警告に、ネプギアは「えっ……」と思わず声を漏らしてしまう。

 

 

「その小細工がいつまで通用するか、じっくりと嬲って確かめてやる!」

 

 

 ダゴンがいやらしい笑みを浮かべると、口から鉄砲水を吐く。

 

 

「くっ!」

 

 

 ネプギアはとっさに左手の魔法陣で防御するが、反応が少し遅れたのかジャストガードにはならず5,247のダメージを受けてしまう。

 

 

「どうしたの? 反応が鈍いわよ!」

 

 

 ユニが叱りつけるようにそう言うと、ネプギアは仲間の戦意が落ちるかもしれないが意を決して、「敵のHP測定不能。倒せるかどうかもわからないよ」と仲間達に伝える。

 

 

「えっ!」

 

 

 ロムは不安そうに声を上げる。

 

 

「ふっふっふっ……ようやく気付いたか。貴様等の攻撃はなかなか効いたが、我を倒すには足りぬ。戦いは力だ、圧倒的な力の前に小細工など無意味」

 

 

 ダゴンは優越感に満ちた声で言い放つが、「だからなに? 尻尾を巻いて逃げるの?」とユニがネプギアに向けて叫ぶと、「ううん! 諦めない。私達が人魚を守るんだから!」とネプギアがハッキリ答える。

 

 

「それでこそ、わたし達のリーダーよ」

 

 

 ラムが嬉しそうに頷くと、「そうだね、わたしも頑張る」とロムも気を取り直して頷くと、「なおしてあげる!」と魔法を使ってネプギアのHPを全快させる。

 

 

(そう、やらなきゃ。HPを回復している様子もないし、それなら私達の全力を叩き込むだけ!)

 

 

 ネプギアはダゴンがHPを回復している訳ではないので、攻撃をし続ければ倒せると信じて、「私達は負けません!」と叫ぶ。

 

 

「ふん……その強がりがいつまでもつかな」

 

 

 しかし、ダゴンは余裕の態度を崩さない。

 

 

「それはどうかしら!」

 

 

 ユニがエクスマルチブラスターを構えると、「ウィークネスバレット!」と言ってダゴンに向けて弾を放つ。

 

ダゴンの胸に弾が当たり、当たった部分に赤い模様が現れる。

 

 

「M.P.E.Mオーバードライブ!!」

 

 

 それと同時にラムが叫ぶとM.P.E.Mがピンク色に発光する。

 

リミッター解除で通常よりMPを多く消費して魔法の威力を上げる機能だ。

 

 

「これでも食らいなさい!サンダーボルト!!」

 

 

 ラムの杖から先程よりも巨大な電撃の束が放たれ、ダゴンの胸に命中すると18,754のダメージが当たる。

 

 

「M.P.B.Lオーバードライブ!!」

 

 

 今度はネプギアがM.P.B.Lを構えるとM.P.B.Lが薄紫色に発光し、銃口に巨大なエネルギーが溜まる。

 

ラムのM.P.E.M同様のリミッター解除機能である。

 

 

「サンダービーム!!」

 

 

 ネプギアが叫ぶとスパークを纏った巨大なビームがダゴンの胸に当たり16,171のダメージを与える。

 

 

「エクスマルチブラスター、モードエンプレス!」

 

 

 続けてユニが叫ぶとエクスマルチブラスターが赤く発光する。

 

これもリミッター解除機能でエクスマルチブラスターの出力を上げることができる。

 

ネプギアのM.P.B.Lと同じく銃口に大量のエネルギーが集まる。

 

 

「サンダービームシュート!!」

 

 

 ユニはネプギアと同じようにスパークを纏った巨大なビームを、ダゴンの胸に当てると17,479のダメージが出る。

 

 

「これでどうですか!」

 

 

 ネプギアは強気な声で言うが、「フハハハハハ! 女神と言うだけのことはあるが、こんなモノで我が倒せるものか!」とダゴンは笑うと手の水かきでネプギアを斬りつけてくる。

 

 

「くっ!」

 

 

 ネプギアは左手の魔法陣でジャストガードをして、ダメージを3,112に抑えるが、「それそれそれ!」とダゴンは両手の水かきを使って連続でネプギアを斬りつけてくる。

 

 

「ううぅぅっ!」

 

 

 ネプギアは左手の魔法陣で耐えているが、HPがじわじわと減少していく、「ネプギアちゃん」とロムが回復魔法の発動をしようとするが、「させるか!」とダゴンは口から鉄砲水を放つ。

 

 

「あうっ!」

 

 

 魔法発動中の為に動けなかったロムは直撃を受けて吹き飛ばされると、7,845ダメージを受けHPゲージが二割になってしまう。

 

 

「これで終わりだぁ!」

 

 

 ダゴンはネプギアへのラッシュを更に速めると、ネプギアHPがあっという間に三割のところまで減ってしまう。

 

 

「くうっ!」

 

 

 ネプギアの体が薄紫色に光りガッツの発動により、HPの減少は緩やかになったが、ダゴンのラッシュは止まらない。

 

 

「回復弾!」

 

「ラムちゃん式ヒール!」

 

 

 ユニが弾を放つと同時にラムも回復魔法を使い、ネプギアのHPが一気に七割のところまで回復する。

 

 

「ちっ! 貴様等も回復ができるのか!」

 

 

 ダゴンは舌打ちをするが、「だが、焼け石に水よ!」とラッシュを続けるが、「見切りました!」とネプギアが叫ぶ。

 

同時に左手の魔法陣で迫り来るダゴンの右手の水かきを華麗に弾くと、guardの表示が出る。

 

パーフェクトなジャストガードである。

 

 

「くっ!」

 

 

 ダゴンは負けずに左手を振り下ろすが、今度は右手のM.P.B.Lのブレード部分をタイミング良く水かきに当たると、ダゴンの左手が受け流されparryの表示が出る。

 

これはパリイングと呼ばれる武器で相手の攻撃を弾くテクニックである。

 

 

「なにっ!」

 

 

 両手の攻撃を防がれたダゴンは無防備になり、同時に「Gビット!!」とネプギアが叫ぶと、六基のGビットがネプギアの周囲に現れて、ダゴンの胸に向かっていく。

 

 

ズキューンズキューンズキューン!

 

 

 Gビットの連続ビームがダゴンの胸に当たると、ウィークネスバレットとカウンターの効果で、21,458のダメージが出る。

 

 

「まだ終わりじゃないわよ!」

 

 

 ユニがエクスマルチブラスターを構えると、先程と同じスパークを纏った巨大なビームをダゴンの胸に当たり、25,794ダメージを与える。

 

 

「これはオマケよ!」

 

 

 ラムが叫ぶと巨大な電撃がダゴンの胸に当たり、27,894ダメージが当たる。

 

 

「なおしてあげる!」

 

 

 攻撃から立ち直ったロムが回復魔法を唱えると、範囲内のネプギアとロムのHPが同時に全快する。

 

 

「ナイスコンビネーション!」

 

 

 ユニがそう言って指をパチンと鳴らすと、「これぐらい余裕よ!」とラムがVサインを決め、「バッチリ」ロムもVサインを決め、「みんなのおかげだよ」とネプギアが嬉しそうに言う。

 

 

「ぬうぅぅぅ!」

 

 

 ダゴン唸り声を上げると同時に、胸のウィークネスバレットの模様が消える。

 

ウィークネスバレットの効果も制限時間があり一定時間を過ぎると効果を失う。

 

 

「無駄だ、無駄だ、無駄だ! 貴様らがいくらあがこうが我には敵わぬ!」

 

 

 ダゴンが叫ぶと、「徒労の斧って言われようが、わたし達は負けないわ」とラムが叫ぶと、「Oh No!」とネプギアがネイティブな英語で叫ぶ。

 

 

 辺りが凍り付き、【ひゅるる~】と寒い風が吹く。

 

 

「こんな時に何フザけてるのよ!!」

 

 

 ユニが大声でネプギアを叱りつけると、「それと、徒労じゃなくて、蟷螂の斧!!」とラムに向かって叫ぶ。

 

 

「ご、ごめん、つい……」

 

 

 ネプギアが慌てて謝ると、「つい、じゃないわよ!」とユニが憤慨する。

 

 

「くすくす……斧がオーノーだって、ネプギアちゃん面白い」

 

 

 ロムがクスクスと笑うと、ラムが楽しそうに「おぅ、のー」と言うと、「きゃはは」と笑う。

 

 

「コケにしおって!」

 

 

 馬鹿にされたと思ったダゴンが怒りの形相で口から鉄砲水を連射する。

 

 

「はっ!」

 

 

 ネプギアは素早く上昇と横移動を駆使して全ての鉄砲水を回避するとavoidの表示が出る。

 

 

「アンタみたいな力押しだけの相手に負けるもんですか!」

 

 

 ユニがその隙に二発目のウィークネスバレットを放ち、今度はダゴンの頭に命中する。

 

 

「みんな、行くよ!」

 

 

 ネプギアが叫ぶと、ユニとラムが先程と同じように集中攻撃の態勢をとり、ロムは回復魔法を唱えて待機する。

 

 

「くそっ! しつこい奴らめ、いくらやっても無駄だと言うことを教えてやる」

 

 

 ダゴンが腕を横に振って津波を起こすと、ネプギアが急上昇でそれを避けavoidの表示が出ると、「私達は負けません。みんなを守る為に」と言ってダゴンの頭を雷を纏ったM.P.B.Lで急下降して突き刺すと18,741ダメージを与える。

 

ユニもラムもネプギアに続いて攻撃を放つと、合計で5万以上のダメージが当たる。

 

 

 

***

 

 

 

 

「現在の総ダメージ3,204,215。依然にしてエネミーは健在、最大HPは未だ不明です」

 

 

ネプギアの耳にNギアからの電子音声が聞こえる。

 

 

「はあっ……はあっ……」

 

 

 ネプギアは苦しそうに激しいに呼吸をしていた。

 

プロセッサユニットも半壊して、着ているスーツも所々破れている。

 

 

「フフフ…もう限界か?」

 

 

 ダゴンがニヤリと笑うと、「まだです! まだ終わりじゃありません」とネプギアが叫び声を上げるが、同時に右膝がガクンと折れてしまうと、「くっ……」と悔しそうな声を上げる。

 

後ろに居るユニも辛そうに息を荒げ、ロムとラムも杖にしがみついてようやく立っている状態だ。ネプギア程ではないがプロセッサユニットも大分傷ついている。

 

 

 ネプギア達はダゴンと一時間以上戦っているが、いくらダメージ与えてもダゴンは倒れる気配を見せない。

 

彼女達はHPもMPもスタミナも尽きかけ、回復アイテムも無くなろうとしていた。

 

 

「雑魚にしては良くやった方だがな。安心しろ殺しはせぬ、たっぷりと嬲って楽しんだ後に、深きものどもの苗床にしてやろう。お前等のような強い母体なら、いい駒が生まれるだろう。そしてその駒でお前等の国を蹂躙してやる」

 

 

 ダゴンが脅すように言う。「そんなことはさせません!」とネプギアは脅しに負けずに立ち上がると、ダゴンに向けてM.P.B.Lのビームを放つ。

 

ビームはダゴンに当たり、5,487のダメージが当たると、「そうよ! アタシ達は負けないわ」とユニがエクスマルチブラスターを構えるとビームを放つとダゴンに当たり6,147ダメージを与える。

 

 

「まだ抵抗するのか? 無駄なことを」

 

 

 ダゴンはそう言うと、右手の水かきでネプギアを斬りつける。

 

 

「あうっ!」

 

 

 ネプギアは4,741ダメージを受けるとHPが二割まで低下してしまうが、「ネプギアちゃん、負けないで」とロムが懸命に回復魔法を唱えるとHPが八割まで回復する。

 

同時に、「これぐらいのことでヘコたれたりしないわ」とラムが雷の弾を放つと、ダゴンに当たり6,471のダメージが当たる。

 

 

「……いい加減負けを認めたらどうだ?」

 

 

 ダゴンが呆れたように言うが、「負けません! 人魚を……ゲイムギョウ界を守る為に、私達は負けたりしません!」とネプギアが叫びM.P.B.Lでダゴンに斬りかかる。

 

ユニも、「まだよ! まだ終わりじゃないわ!」と言うと、ラムも、「絶対に負けないんだから!」と言って、諦めずに攻撃を続け、ロムも、「みんなはわたしが守る!」と必死に前衛のネプギアのバックアップをする。

 

 

「……女神様、会ったばかりの私達のためにあんなにボロボロになるまで戦って……」

 

 

 離れて見ていたシェリリは必死なネプギア達を祈るように見ながら、「私も何か……」と考え込むと、「そうだ!」と何か思いついたように水の中に潜る。


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