昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
ネプギア達はダゴンの境遇を決める為に近くの無人島に立ち寄っていた。
既に戦いは終わったので、ネプテューヌとプルルート以外は女神化を解いていた。
「拷問するからには邪神の秘密の一つや二つ聞き出せるんでしょうね」
ノワールがプルルートを睨みながら言う。
すると、「当たり前でしょ。あたしにかかれば、直ぐに洗いざらい喋るわよ」とプルルートは自信満々に言い放つ。
「そう……期待しているわ」
ブランがそう呟くと、「邪神の情報は今後必要になるでしょうし、お任せしますわ」とベールが言う。
すると三人の女神はネプテューヌとプルルートに背を向ける。
「あら? みんな行っちゃうの?」
プルルートが残念そうな声で言うと、「ええ、少し疲れましたので。ネプギアちゃん、行きましょう」と言ってベールがネプギアの手を引く。
ブランもロムとラムの手を引いて、「ロム、ラム行くわよ」と言うと、「ユニもこっちにいらっしゃい」とノワールがユニの手を引く。
女神候補生達は、さっきの一件以降、誰もプルルートと目を合わせようとはしなかった。
「俺達も行こうぜ、まじぇっち、れいっち」
うずめもそう言ってネプテューヌとプルルートに背を向ける。
マジェコンヌはプルルートを一瞥すると、「ふん」と言ってうずめの後を追い、キセイジョウ・レイは、「ピーシェちゃん行きましょう」と言ってピーシェの手を引く。
後に残ったのはネプテューヌとプルルート、そして縛られたダゴンのみであった。
***
ベール達が向かったのは無人島の反対側。
そこにはヘリが着陸しており、女神以外のメンバーが待っていた。
「どうでした? お姉さま」
チカが心配そうにベールに尋ねると、「プルルートが洗いざらい喋らせてくれるらしいですわ」とベールは素っ気なく答える。
「本当によかったのかい? 彼女に任せて」
ケイがノワールに尋ねると、「よくはないけどね。でも、あれ以上言い争いを続けても埒があかないし、何よりネプギアの心がもたないわ」とノワールが言う。
「ネプテューヌの野郎……。わたし達や妹より、あんな女に媚び売りやがって」
ブランが怒りに震えて右手を握りしめると、「ブラン様、お気持ちは分かりますが、落ち着いて下さい」とミナがブランを宥める。
「ネプギアさん、大丈夫ですか?」
イストワールが心配そうにネプギアに尋ねるが、ネプギアは力なく、「はい……」と言うだけだった。
「後で、私がガツンって言ってあげるわ」
アイエフがそう励ますと、「わたしもねぷねぷにメッしてあげるです」とコンパがそれに続く。
しかし、ネプギアは、「大丈夫です……もしかしたら、私が間違っていたのかもしれませんし」と悲しそうな声で答える。
「そんな筈ないわ! ネプギアは間違ってなんかいない!」
ラムがそう言うと、「ネプギアちゃんは正しい」とロムもそれに続く。
「ふん、どうだかな」
しかし、マジェコンヌがロムとラムの言い分を否定する。
すると、「どういうことよ?」とユニがマジェコンヌを睨む。
「甘っちょろい、とでも言いたいんでしょうね」
ニトロプラスがそう言うと、マジェコンヌは、「そういうことだ」と言って背を向ける。
「でも、あんなこと正義のヒーローのすることじゃないよー」
日本一がそう言うと、「そうだよ。よい子がトラウマ負ったらどうするんだよー」とビーシャが同じく抗議をする。
すると、「確かにね。あんなの記事にも出来ないし」とファミ通も同意する。
「私がいけないんです。ギアシステムって言って、お姉ちゃん達に指図するようなこと言うから……」
ネプギアが落ち込んだ声で言うと、「それは違うと思うな。ネプギアの指示は適切だったし」とファルコムが言う。
続いて、「そうよ! そんなの四日みよ!」とラムが言うが、「それを言うならやっかみよ」とユニに訂正されてしまう。
「「う……」」
ユニとラムの言葉に少し気まずそうな声を出すノワールとブラン。
先程の出撃前に、ネプギアに対して少々きつく当たったのを思い出してしまったようだ。
ロムが、「お姉ちゃん、どうしたの?」と尋ねると、「何でもないわ」とブランは平静を装う。
「……少し気分転換に歩いてきます」
ネプギアがそう言って立ち上がると、「アタシも行くわ」とユニも立ち上がるが、「ううん、一人で大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」と言ってネプギアは立ち去ってしまう。
「おい、うずめ」
クロワールがうずめを呼ぶと、「ネプギアを追いかけろよ」と続けて言う。
それを聞いたうずめは、「なんでだ? ぎあっちは一人になりたいみたいだったぜ」と不思議そうな顔で言う。
「いいんだよ。ネプギアはお前じゃないけど、お前に言いたいことがあるんだよ」
クロワールの言葉に、「なんだそりゃ? 訳わかんねーぞ」と首を傾げるうずめ。
だが、大きいネプテューヌが、「いいからいいから、早くいかないと見失っちゃうよ」とうずめの背中を押す。
渋々ながらも、ネプギアを追ううずめ。
***
「うずめさん?」
後を追ってきたうずめに対して不思議そうな顔をするネプギア。
「いやー! 俺も散歩したかったって言うか、その、邪魔するつもりは無かったんだけどよ」
うずめが空を見上げながら、たどたどしく言う。
しかし、ゆっくりとネプギアと目を合わせると、「やっぱり、ぎあっちが心配でさ」と言う。
「ありがとうございます」
ネプギアは素直にお礼を言うと、「少しお話しませんか」と言って海岸に座る。
うずめは、「ああ」と頷くと、ネプギアの隣に座る。
「うずめさんと、くろめさんは一つの存在になったんですよね」
ネプギアがうずめにそう尋ねると、「おう、未だにアイツのことはよくわかんねーけどな」と苦笑いする。
「今話してることって、くろめさんに伝わるんでしょうか?」
ネプギアが続けて尋ねる。
すると、うずめは、「多分どっかで聞いてると思うぜ」と言う。
「……ごめんなさい」
突然、ネプギアが謝る。
「どうしたんだよ? ぎあっち」
そんなネプギアを心配するうずめ。
「私、くろめさんを救ってあげられなかったんです」
ネプギアはそう言うと、「くろめさん……救ってあげられなくて、ごめんなさい」と続けて言うと泣き出してしまう。
「お、おい、ぎあっち。頼むから訳を話してくれないか?」
うずめが慌てて、ネプギアに尋ねる。
「ぎあっちに泣かれると、胸の奥がキュッとなって辛いんだ」
うずめがそう言うと、ネプギアはその理由を話し始めた。