昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「くそっ……くそっ……なんなんだよ、なんなんだよこれ……夢なら醒めてくれよ」
涙を流しながら地面を叩く神次元のブラン。
「そんな……プルルート……私、私は……」
愕然と放心する神次元のノワール。
「ふふっ……ノワールちゃんもブランちゃんも、何とかあたしの気を引こうと必死だったみたいだけど残念でした。あたしは誰の物にもならないわ。あたしは束縛するのは好きだけどされるのは大嫌いなの」
プルルートが腕組みしながら堂々そう言うと、「じゃあ、何でネプテューヌは……?」と神次元のノワールが問いかける。
「それは運命の相手だからよ。初めての会った時にビビッと感じたわ。フィーリングって言うのかしら? ねぷちゃんも感じたわよね」
プルルートの言葉に、「ええ、感じたわ。わたしとぷるるんの間には運命の糸のような物があるって」と言って頷くネプテューヌ。
「だ・か・ら、ぎあちゃんのことも邪魔になっちゃったのよね~」
プルルートがそう言うと、「ええ、いつまでもわたしの背中を見ているのは止めて一人立ちしてほしいものね。我を見失って、神次元に来るなんて、もってのほかよ」とネプテューヌはネプギアを冷たく一瞥しながら言った。
それを聞いたネプギアは、「お姉ちゃん……」と寂しそうに呟く。
「いいわいいわ。憧れて尊敬して信じていた大好きなお姉ちゃんに捨てられたその表情! たまらないわ」
プルルートが光悦した表情で言うと、「わたしには、ぷるるんと言うパートナーが出来たの。姉妹がいつまでも一緒に居られるなんて夢物語はそろそろ終わりにして欲しいのよ」とネプテューヌがそれに続く。
「どう? あたしとの歴然とした差を見せつけられた気分は? ぎあちゃんの信じていた姉妹の絆なんて、あたしとねぷちゃんの愛の前にはゴミクズ以下なのよ」
プルルートはそう言うと、ネプテューヌの腰に手を回して、ネプテューヌと密着する。
そして、「でも、ねぷちゃんもあたしと同じみたいで、最初は邪魔だなーと思ってたけど、何かと便利だし利用できるまで使っちゃおうってことにしたのよね?」と続けて言った。
それを聞いたネプテューヌは、軽く頷くと、「ええ、あなたはよく働いてくれたわ。ネプギア。あなたはもう必要ない。どこへなりとも行きなさい」とネプギアを突き放すように言う。
「あははははは! 捨てられた者同士傷でも舐め合ったら~。とってもお似合いよぉ~」
プルルートはそう言って高笑いをすると、「わたしとねぷちゃんはあなた達とは別世界の住人なの。あなた達と一緒にしないでちょうだい」と続けて言う。
その言葉に対して、ネプギアはプルルートを睨むと、「そうやって、人を利用するだけ利用して最後に踏みにじるなんて酷いと思わないんですか!」と叫ぶ。
「思わないわね。あたしは選ばれた者だって何度も言ってるでしょ」
プルルートは平然とそう答えると、「それに、ぎあちゃんだって、善人顔で綺麗事言っては人をコキ使ってるじゃな~い」と続けて言う。
「私は少なくとも人に感謝し、その恩返しが出来るよう努めています。そして、人と人との繋がりを、絆を信じています」
ネプギアの言葉に、プルルートは、「また、そうやって綺麗事で人を惑わすんだ~」と言うとお手上げのポーズを取る。
「そんなに人を信じられないんですか!?」
ネプギアが叫ぶ。
プルルートは、そんなネプギアをつまらなそうな目で見ると、「人は生きる限り一人よ。権力と財力、そして暴力と快楽。支配する側と支配される側がいるだけ。闘争と支配の繰り返し、これが世の中の真理よ」と言い放つ・
「それでは憎しみが憎しみを呼ぶだけです。なんで分からないんですか!」
尚も抵抗するネプギアだが、プルルートの態度は変わらない。
「ぎあちゃんの言うような調和と協調で人が生きていけるなんて弱者の戯言よ、そんな妄想信じてたら人なんて低能な生き物滅んじゃうわ。なにより、そんな生き方刺激がなくてつまらないじゃないの」
プルルートはそう言うと、蛇腹剣を伸ばしてネプギアに攻撃を仕掛ける。
parry。ネプギアはM.P.B.Lのブレード部分で、伸びて来た蛇腹剣を叩き落とす。
「それでも、信じることと前に進むことを諦めたりしません。刺激欲しさに人を苦しめ憎しみを生み出すなんて間違っています! 憎しみを生むもの憎しみを育てるものを全て吐き出して下さい!!」
ネプギアはそう言うと、反撃にM.P.B.Lのビームを放つ。
ビームはプルルートに命中すると、187,364のダメージを受ける。
「あたしに吐き出すものなんてないわ!」
M.P.B.Lのダメージを気にせずに叫ぶプルルート。
「いつもいつも、トボケた振りして人を弄んで!」
ネプギアはそう言うと、更に追撃をする為に、プロセッサユニットのブースターを全開にしてプルルートに接近して、M.P.B.Lのブレード部分で攻撃を仕掛ける。
カキンッ!
それを蛇腹剣で受け止めるプルルート。
「あたしにはその権利があるのよ。 あたしのような天才の足を引っ張ることしか出来なかった愚図な子達に何ができるの~? 常に世の中を動かしてきたのは、あたしとねぷちゃんみたいな一握りの天才なのよ」
プルルートはそう言うと、ネプギアの脇腹に蹴りを入れようとするが、ネプギアは素早く後退してそれを避ける。
そして、「その傲慢は人を家畜にすることです! 人を道具にして!それは人が人に一番やってはいけないことなんです!」と叫ぶと、今度はM.P.B.Lのビームを連射する。
またもビームの直撃を受けたプルルートは、合計で195,481のダメージを受ける。
プルルートは、立て続けに攻撃を当てるネプギアに対して、「本当に反抗的になったわね……。あなたなんて、【扱いが悪いよー】って、ぴーぴー泣いてる方がお似合いよ。扱いの悪くてネガティブで腹黒で妬みで裏切り属性のぎあちゃん」と見下すように言った。
それを聞いたネプギアは、「以前は扱いが悪いと嘆いているだけでなく他人を羨むことすらありました。嘆いているだけで、なぜこうなったか原因を考えようともしなかった私がネガティブで妬み屋と言われるのは仕方がありません」と落ち着いて言う。
「考えを改めた私は落ちついて自分を見つめ直し、それは私の弱さと甘えだって気付いたんです。私は前作の主人公だから、お姉ちゃんの妹だからって、その立場にあぐらをかいていました。だから、自分の力を過大評価してしまったんです。腹黒いと言わざるを得ません」
ネプギアがそう言うと、「ふふ、ようやく自分の立場ってヤツが理解出来たのかしら?」とプルルートが愉しそうに笑う。
「人は一人じゃ生きていけない。私には支えてくれるたくさんの仲間と信仰してくれるプラネテューヌの人がいることを忘れて、ただお姉ちゃんに逢いたい一心で、みんなの言葉も聞かずに、大切な信者の人たちを守る使命すら忘れて、大きな過ちを犯してしまいました」
ネプギアはそう言うと、過去の自分の行為を悔いるように目を閉じる。
そして目を開けると、「私の力は仲間と信者の人達と支え合うことで初めての生まれるものだって気付きもせずに。それを忘れた私の扱いが悪くなるなんて当然の罰なんです」と言う。
「そして、その罰は私だけでなく、プラネテューヌの街とそこに住む人達にまで振りかかってしまいました。悔やんでも悔やみきれません。裏切り者なんて言われるのは当然の報いです」
そう言うと、ネプギアは悲しそうな目をして顔を伏せる。
しかし、直ぐに顔を上げると、「でも、過去は変えられません。だから、私は二度と同じ過ちを繰り返さない為にも、側で支えてくれる人達との心と体のふれあいを大事にすること、そしてもう一度の弱い心を鍛え直すと決めたんです」と言い切る。
「……気に入らないわね。その善人ぶって悟りきった態度。あなたの扱いが悪いのはそういう星の元に生まれたからよ。努力や反省で直るようなものじゃないわ」
ネプギアの話を聞いたプルルートは、そう言うと不快そうに蛇腹剣を振る。
言葉通りネプギアの態度が気に入らないようだった。
「例えそうだとしても、努力も反省もせず嘆いてるだけじゃなにも変わりません。未来は変えるとこができるんだと信じて希望を持って前に進む。そう決めたんです」
ネプギアの答えに、プルルートは、「イライラするわね。あたしがイジケて泣いてなさいって言ってるんだから、言う通りにしなさいよ! その未来も希望も粉々に砕いて踏み潰してあげるわ」と言って、左手から電撃魔法を放つ。
avoid。ネプギアはプルルートの電撃魔法を避けると、「そんなこと絶対にさせません。そんなことをしたら、私だけじゃなくて、私を信じている人、私が守らなきゃいけない人達まで不幸になってしまうから」と言いながらカウンター攻撃で、M.P.B.Lのビームを放つ。
ビームの直撃を受けたプルルートは、214,679のダメージを受ける。
プルルートは不快そうな顔をすると、「ぎあちゃんみたいな誰にでも好かれるような優等生タイプって、大っ嫌いなのよ。気乗りしないことに真面目にやりなさい、人にばかり頼らずまずは自分でやってみなさいって、グチグチとうるさいのよね」と言い放つ。
更にプルルートはネプギアを睨むと、「いつもそう、みんなに好かれる子が正論ふりかざすから、あたしみないな自由で気楽に生きたい人が息苦しくて居場所がなくなるのよ」と言った。
「嫌いだからと言って、自己を正当化して人を過剰に貶めたり攻撃的になるのは間違っています。男女平等を吟いながら、過激な女尊男卑をする人達と変わりません。そう言う人達が逆に男女平等への道を妨げているって分からないんですか!?」
ネプギアの言葉に、「そう言う正論が気に入らないって言ってるのよ。あなた達だって綺麗事で支持を得て、不真面目だと思った人を糾弾してるでしょ、生き方は人それぞれなのよ!」と言って蛇腹剣をネプギアに向けて伸ばすプルルート。
parry。ネプギアはM.P.B.Lのビームでプルルートの蛇腹剣を撃ち落とす。
更に、「だから、人の生き方をそれぞれと言って、嫌がる他人に愛や調教と言って暴力を振るうのは間違っていると言っているじゃないですか! それに私達が言っているのは先人の人達が培ってきた、人が生きる上で必要な心構えとルールです!」と叫ぶ。
「あたしはルールを無視して自由に生きることが出来る星の元に生まれてきた選ばれた存在なのよ」
プルルートは自信満々にそう言い放つと、再び蛇腹剣をネプギアに向けて伸ばす。
avoid。ネプギアはプロセッサユニットのスラスターを噴射して、その攻撃を避けると、「わたしも、あなたみたいにぐーたらして仕事もせずに、トボケたフリして他人を利用して、気に入らないと暴れて迷惑を掛ける人、大っ嫌いです」と言い返す。
「嫌いで結構、好かれちゃ困るわ。あなたなんて、ねぷちゃんのこぶ付きのような物なんだし!」
そう言って構わず攻撃を続けるプルルート。
ネプギアはそんなプルルートに対して、「女神としてあなたのことを更生させてみせます!」と凛とした声で叫ぶ。
激しくぶつかり合うネプギアとプルルート。
そんな時、今度はベールと神次元のベールが現れる。
「これは酷いことになってますわね」
ベールがそう言うと、「プルルートに手を貸したこと、心から後悔していますわ」と神次元のベールが言う。
今までの経緯は、全てイクスの全国生中継とボーク達の撮影により、ベール達どころかゲイムギョウ界全土に伝わっていた。
プルルートが、「あら? ベールさんもあたしのこと裏切っちゃうの?」と不快そうな声で言う。
「わたくしはピーシェちゃんに頼まれたから来ただけですわ。そのピーシェちゃんに悪い教育をしようとしたあなたに手を貸す理由なんてありませんわ」
神次元のベールの反論に、「ベールさんはあんまり好みじゃないからって躾けなかったのが失敗だったわね。たまには好き嫌いせずに躾けることも大事だわ」と言うプルルート。
「できるならどうぞ。それより、よそ見なんてしてていいのかしら? 大分ネプギアちゃんに圧されてるみたいですけど」
神次元のベールが言う。
彼女の言う通り、プルルートはネプギアに圧され始めていた。
「……っ! 演出よ! これから逆転勝ちして、ぎあちゃんの愕然とする顔を拝む為よ!」
やや、焦り顔で叫ぶプルルート。
ベールはネプギアを見ながら、「ネプギアちゃん、信じてますわよ」と静かに声援を送った。