昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
ファミ通の取材を終えたネプギアはプラエとあんみつを客室に案内していた。
「この部屋を自由に使ってください」
ネプギアが案内した部屋は広さ四十畳程のスィートルーム。
家具も充実しており、一流ホテルのような佇まいだ。
「何から何までかたじけない」
あんみつが深々と頭を下げるが、プラエは不安そうな顔でネプギアを眺める。
「うん? どうしたの? なにか欲しいものでもあるのかな」
ネプギアが優しい声で問いかけると、「……ネプギアお姉さんと一緒がいい」とプラエが上目遣いでネプギアのスカートの端をを摘まむ。
「プラエ様! そのようなワガママ……」
あんみつがそう言いかけるが、「それじゃ、今日は一緒にお風呂入って寝よっか?」とネプギアがプラエの頭を撫でると、「うんっ!」とプラエは花の咲いた笑顔を見せる。
「…………」
呆気にとられて黙ってしまうあんみつに、「やっぱり色々と不安なんだと思います。暫く一緒にいようと思います」とネプギアが答える。
「しかし、ネプギア殿にも都合が……女神であらせられる貴女には様々な責務があるのでは?」
あんみつがそう言うと、「それだったら、いくらでも調整しますから。安心して下さい」とネプギアが事も無げに言う。
「プラエもお手伝いする!」
プラエがネプギアに続いて言うと、「ありがとう」とネプギアが微笑む。
「それじゃ、お風呂入ろっか?」
ネプギアが左手でプラエの右手を握ると、「うん!」とプラエが握り返し、二人は浴室に入って行く。
「……優しすぎる……」
あんみつはそう呟くと、「プロテノール様は何を思って、あの二人を引き合わせるようなことを……」と言って二人の入って行った浴室のドアを眺めていた。
****
翌朝。
G.C.2019の三月二十八日木曜日。
ピピッ!
時計から朝のアラームが一回鳴ったが、その音は即座に止められる。
「……いけないいけない。アラーム止め忘れてたよ」
アラームを止めたネプギアが小さな声で呟く。
時計は6:30を示していた。
ネプギアの朝は早い。
以前は姉のネプテューヌと一緒に八時頃まで寝ていたが、ネプギアが真剣に仕事に取り組むようになったG.C.2012頃から早起きをするようになった。
時計のアラームより早く起きた彼女は着替えも殆ど終えており、あとはセーラーワンピの前ボタンを閉めるだけだった。
昨晩はプラエと一緒に寝たので、しがみついた彼女を優しく放し、Nギアのライトで朝の支度をしていた。
ネプギアがセーラーワンピのボタンを閉めて着替えを終えると、「ネプギア殿」と声がかけられる。あんみつが寝ているベッドからだ。
「あっ、起こしちゃいましたか。ごめんなさい」
ネプギアが小声で謝ると、「いえ、既に起きていました。いつもはプラエ様の朝食の支度があるので」とあんみつも小声で答えながら上体を起こす。
「こんな朝早くから仕事ですか?」
あんみつが質問をすると、「これから朝ごはんを食べたら、ネットニュースで情報を集めて、八時ちょっと前に仕事を始めます」とネプギアが丁寧に質問に答える。
「……プラエ様のせいでご迷惑をお掛けします」
あんみつが申し訳なさそうに言うと、「いえ、これはいつものことですから」とネプギアが事も無げ言う。
「毎朝このような時間から?」
あんみつが少し驚いたように言うと、「朝の空気は気持ちいいですから。それに朝早いと時間を有効に使っている気がするんです」とネプギアが微笑みながら言う。
「もっと朝が早くて今頃通勤電車に揺られてる人だっているだろうし、それに比べればなんてことありません」
更に小さくガッツポーズをしながら言うネプギア。
「感心ですね」
あんみつがそう呟くと、「お引き留めして申し訳ありません。プラエ様のことは私に任せて、ご自由になさって下さい」と続けて言う。
「ありがとうございます。ここに書置きを置いておきますので、プラエちゃんが起きたら教えてあげて下さい」
ネプギアが時計の下にピンク色の可愛らしいメモ書きを挟む。
そこには、プラエに朝早くから仕事に行くことを謝ることと、自分がプラネタワーの何処にいるか、呼び出すにはどうするか、などが丁寧に書かれていた。
「何から何まで、かたじけない」
あんみつが深々と頭を下げるが、「頭を上げて下さい。私はプラエちゃんのことを守るって約束したんですから、これぐらい当然ですよ」とネプギアが優しい声で言う。
「それじゃあ、私、行きますね」
ネプギアはそう言ってNギアを右太もものケースにしまうと部屋を出ていく。
「……疑うのが恥ずかしくなるぐらい真面目で純粋な子だ……」
そう言って布団の中に手を入れるあんみつ。
そこには彼女の刀が置かれていた。
「しかし、プラエ様の為にもう暫く様子を見なければ……」
あんみつはそう言いながら刀の柄を握りしめる。
「いや、違うな。私は斬りたいんだ彼女を…………プロテノール様の……である彼女を」
あんみつはそう言いながら、安らかな寝息を立てるプラエの顔を眺めていた。