昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#37 ロムとラムに認めてもらうには

 ネプギアがプラエにロムとラムやユニのことを説明し、あんみつが全員に自分とプラエのことをプラエの超能力を明かした上で説明をする。

 

 

「なるほど。そのプラエさんが超能力者で隠れ住む必要があったんですね」

 

 

 フィナンシェがあんみつに確認をすると、「あなたにも秘密にするのは心苦しかったけど、万が一の場合もあるから」とあんみつが答える。

 

 

「いいんです、納得できましたから。あんみつの行動はメイド道として正しいものだと思います」

 

 

 フィナンシェがそう言うと、「ありがとう、フィナンシェ」とあんみつがお礼を言った。

 

 

「とりあえず、今はロムとラムね」

 

 

 ユニがそう言うと、「ごめんなさい……プラエがネプギアお姉さんにいっぱい甘えちゃったから」とプラエが肩を落とす。

 

 

「プラエちゃんは悪くないよ。私がロムちゃんとラムちゃんに上手く説明できなかったのがいけないんだよ」

 

 

 ネプギアは右手でプラエの頭を撫でながら言う。

 

 

「仲の良い友達が知らない人と知らない間に、こんなふうに親密になってたら少なからずショックよね」

 

 

 その光景を見ながら、ユニが右手をあごに当てて頷きながら呟く。

 

 

「えっ!? それってもしかして、ユニちゃんもショックだったりするの?」

 

 

 ネプギアが何故か嬉しそうに身を乗り出してユニに問いかけると、「アタシは別に何ともないわよ」とユニが腕を組みながら冷たく突き放す。

 

 

「ガーン……私とユニちゃんって仲の良い友達じゃないの~。私はユニちゃん事すごく大事な友達だと思ってるのに……」

 

 

 ネプギアはこの世の終わりのような顔でガックリとうなだれてしまう。

 

 

「あーー、もう、めんどくさいわねアンタは。アタシはプラエみたいな小さな子に嫉妬するほど子供じゃないってことよ」

 

 

 ユニが心底鬱陶しそうに言うと、「ホントに?」とネプギアが心配そうにユニを見つめる。

 

 

「そうよ! うずめの時はアタシの言葉に耳を貸さずに、うずめさんうずめさんって本当にイライラさせられたんだからね!!」

 

 

 ユニは両手を腰に当てながら憤慨するが、「あっ……」と自分の失言に気付いたらしく口元に手を当てる。

 

 

「べ、別にネプギアのことが好きだからじゃないんだからね。友達としてよ! あくまで友達として!」

 

 

 ユニは慌てて腕を組みながらそっぽを向いて言い直すが、時すでに遅し。

 

ユニの言葉に感動したネプギアが、「ユニちゃーーーん」とユニに抱き着いてくる。

 

 

「ああもう、まとわりつかないでよ! 鬱陶しいわね!」

 

 

 ユニは内心は少し嬉しそうにしながらも、ネプギアを押し退けようとするが、「やっぱり、ユニちゃん大好きー」と言ってネプギアはユニから離れようとしなかった。

 

 

「ふふっ……ネプギアさんとユニさんは相変わらずですね」

 

 

 その光景を見ながらイストワールが微笑むと、「ノワールもこれぐらい素直だったらいいのにねー」とネプテューヌがしみじみと呟くが、「ネプテューヌさんの態度にも問題があると思います」と即座にイストワールにツッコミを受けてしまう。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

「で、アンタはどうするつもりなの?」

 

 

 ひとしきり抱き着いて満足したネプギアがユニから離れると、ユニは右手で髪の毛をかき上げながらネプギアに質問をする。

 

 

「やっぱり、ロムちゃんとラムちゃんにちゃんと事情を話して、プラエちゃんのこと分かってもらうようにする」

 

 

 ネプギアが小さくガッツポーズをしながら力強く言うと、「相変わらずの正攻法ね。でも、それだけじゃ弱いわ」とユニが腕組みをする。

 

 

「ユニちゃんは他に考えがあるの?」

 

 

 ネプギアがユニに質問をすると、「当然よ。アタシを誰だと思ってるのよ」とユニが鼻高々に言う。

 

 

「なになに? 教えてユニちゃん」

 

 

 ネプギアがせがむように言うと、「ズバリ、プラエの力や想いをあの二人に認めさせるのよ」とユニが自信満々に言い放つ。

 

 

「プラエの力と想い……」

 

 

 プラエが少し不思議そうに首を傾げる。

 

 

「ロムとラムが、ネプギアやアタシやうずめのことを認めたのは、お姉ちゃんを助けるとかダークメガミを倒すとか強い意思の力を、そしてウソ偽りのない実力を見せたからよ」

 

 

 ユニがそう言うと、「確かにそうかも……」とネプギアが頷く。

 

ネプギアと出会った頃の二人は、ロムはともかく、ラムはなかなか懐かなかった。

 

だが、ネプギアの共闘と協調を呼び掛ける真剣な訴えと、ルウィーの危機を何度も救ってくれた実力を認めた上で仲間になってくれたのだ。

 

うずめに対しても、姉を誘拐した疑いがあったにも関わらず、打倒ダークメガミの為にユニの脅しにも屈せずに堂々とした態度で向かって来たのが、二人の心に届いたのだろう。

 

 

「さすがはユニちゃん、目の付け所が鋭いね」

 

 

 ネプギアがそう言って感心すると、「アタシも似たようなものだしね」とユニが答える。

 

 

「似たようなもの?」

 

 

 ネプギアが不思議そうに小首を傾げると、「アタシがネプギアのことを認めたのも、お姉ちゃん達を助けるって強い意思と、そしてそれに見合う実力を見せてもらったからよ」とユニは答えた。

 

 

「ねーねー。いーすん、わたしゲームしに戻っていーい?」

 

 

 ネプテューヌが退屈そうにカレーのスプーンを口に咥えながら、イストワールに向かって言う。

 

自分が蚊帳の外なので面白くないようだ。

 

 

「ネプテューヌさん、今は大切な話をしているのですよ。妹達のこととは言え、女神同士が認め合うと言うのは……」

 

 

 イストワールがたしなめるように言うが、「わたしはそーゆーの無くて大丈夫。だって主人公だもん」とネプテューヌはあっけらかんと言い放つ。

 

 

「主人公なら、戦う目的が全宇宙の美女をハーレムに入れることでも、敵が【スケールがデカい】とか言って感服しちゃうんだから」

 

 

 ネプテューヌが気楽そうにそう言うと、「では、ネプテューヌさんが戦う目的は全宇宙のプリンを自分のものにすることですか?」と質問すると、「イエスアイドゥー!」とネプテューヌがウインクしながらサムズアップで答える。

 

 

「はぁ……頭痛がしてきました……」

 

 

 イストワールは心底呆れたように右手で頭を押さえてうなだれてしまう。

 

 

「わかった。プラエ、ロムさんとラムさんにプラエの想いと超能力を認めてもらう」

 

 

 プラエが小さくガッツポーズをしながら意気込みを見せると、「うん、頑張ろうね、私もロムちゃんとラムちゃんにプラエちゃんのこと分かってもらうようお願いするから」とネプギアが答える。

 

 

「よし、決まりね」

 

 

 ユニがそう言うと、フィナンシェがスマホを取り出して、「お二人の位置はGPSで掴んでいます。そうと決まれば急ぎましょう」と訴える。

 

フィナンシェとしてはすぐにロムとラムの後を追いたかったが、ネプギアの話をちゃんと聞くべきだと判断したので今まで追わなかったのだ。

 

 

「プラネタワーからは出て行ってないみたいね」

 

 

 ユニが少し安心したふうに言うと、「多分、追ってきてほしいんだと思います。お二人ともネプギア様のことを心の底から慕っていますから」とフィナンシェが答える。

 

 

「うん、二人に嫌われないようしっかり話さなきゃ。フィナンシェさん、先導お願いします」

 

 

 ネプギアがそう言うと、フィナンシェを先頭にロムとラムの捜索に向かうのだった。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

 フィナンシェのGPSを頼りにロムとラムを探すネプギア達。

 

 

「この先の部屋にお二人は居るようです」

 

 

 フィナンシェがそう言うと、「この先は空き部屋で施錠済みだった筈ですが……」とイストワールが不思議そうに首を傾げる。

 

 

「鍵が開けられてるわ」

 

 

 目の良いスナイパーのユニが扉を確認して言うと、「魔力を感じます。開錠魔法で開けたんだと思います」とすかさずネプギアが答える。

 

 

「ユニお姉さんもネプギアお姉さんもすごーい」

 

 

 プラエが拍手をして二人を褒めると、「ムムムッ……」とネプテューヌが右手をあごに当てながら不満そうに唸る。

 

 

「お姉ちゃん?」

 

 

 ネプギアはそんなネプテューヌの様子が気になったのか、彼女の顔を覗き込むように様子を伺うと、「そろそろ、わたしの主人公力【ぢから】を見せなきゃいけないみたいだね」とネプテューヌが珍しく真剣な顔と声で言う。

 

どうやら、ネプギアとユニの活躍で自分の立場に危機感を覚えたようだ。

 

 

「主人公ぢから~? 何ですそれ?」

 

 

 ユニが如何わしいモノでも見るかのようにネプテューヌに尋ねると、「超スーパーで偉大でグレートな奇跡を起こすミラクルパワーだよ」ネプテューヌは両手を腰に当てて自信満々のドヤ顔を決め込む。

 

しかし、「お姉ちゃん……超とスーパーは同じ意味だよ。あと偉大とグレート、奇跡とミラクルもおんなじだよ」とあっさりとネプギアにツッコミを受けてしまう。

 

 

「主人公オブ主人公のわたしの溢れだす主人公補正をもってすれば、主人公力はマルチプラケーションされアディションされサブトラクションされディビジョンされるんだよ」

 

 

 ネプギアのツッコミを無視してサムズアップで言い放つネプテューヌ。

 

だが今度は、「それ、なんて竜頭蛇尾ですか……」とユニは右手で頭を抱えて呆れてしまう。

 

 

「あ、あれ? ここは賞賛の嵐じゃないの?」

 

 

 ネプテューヌが不可思議そうな顔で尋ねる。

 

ネプギアは残念そうな顔で、「お姉ちゃん……マルチプラケーションとアディションは乗算と加算だからいいけど、サブトラクションとディビジョンは減算と除算だよ……」と説明をする。

 

 

「ジョーさんとか火山とか、源さんとか徐さんとか分からない! わたしにわかるように説明せよ」

 

 

 何故か偉そうに要求するネプテューヌに、「えっと……足し算と掛け算の後に、引き算と割り算したら意味がないんじゃないかなってことなんだけど」と丁寧に説明してくれるネプギア。

 

 

「…………」

 

 

 さすがのネプテューヌも黙ってしまい、他のメンバーも残念なモノを見るような目でネプテューヌを見る。

 

除算と加算も知らないのにゲームで覚えた英語をテキトーにそれっぽく使ったのが良くなかったのだろう。

 

 

「とにかく! ここはわたしに任せて。ロムちゃんもラムちゃんもわたしの主人公力で、バシッと説得しちゃうから!」

 

 

 ネプテューヌは気まずい空気を払うかのように大声で言うと、「ねぷ子少尉吶喊します!」と扉に向けて走り出す。

 

 

「あっ! お姉ちゃん、鍵が開いてるってことはロムちゃんとラムちゃんのことだから、何かイタズラと言うか罠が……」

 

 

 ネプギアはそこまで言いかけるが、ネプテューヌは耳を貸さず、「たのもーーー!」と豪快にドアを開く。


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