昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「タリを倒したルウィーはその勢いでカルディアも倒し、ルウィーはゲイムギョウ界で一番強い国になりました」
ネプギアがそこまで読むと、ラムは、「さすがはルウィーね」と左手でガッツポーズを作り、ロムも、「ルウィーつよい」とバンザイして喜ぶ。
「ルウィーの強さの秘密はたくさんのメーカーが力を貸したからです。メーカーによって多くのゲームが作られ、ルウィーの信仰はますます上がりました」
本の続きを読み始めるネプギア。
【メーカー】とは本国以外でゲームソフトを作ってくれる企業や団体である。
各国のゲーム機に対応したゲームを作ることで、ゲーム機の面白さが増してその国のゲーム機の人気が上がる。
女神が信仰を得るには人々を守り導く他に、女神の分身とも言える自国のゲーム機の人気を上げる必要がある。
ゲイムギョウ界の名の通り、人々はゲームを楽しむためにこの世界で生きているのでゲーム機の人気を上げることは非常に重要なことだ。
ゲーム機の人気を上げる為に必要な物は面白いゲームソフトを沢山作ること。
その為には本国だけでなくメーカーのような民間の企業などの協力も必要になってくる。
メーカーの協力を得るには優れたゲーム機を作るだけでなく、交渉術なども重要になってくる。
その為に女神がシェアエネルギーを得る為には、戦闘が強いだけでなく内政や外交など各方面に高い能力を有し、優れた人材を扱うことも必要となってくる。
ちなみに現在のゲイムギョウ界では、テレビ画面でゲームができる家庭用ゲーム機となる据え置きゲーム機が守護女神の分身。
携帯型ゲーム機が女神候補生の分身と言われている。
「特に【RPG革命】で作られ現在も続編が作られている【ドラゴンクエスチョン】や【ファイナリストファンタジア】を筆頭とするRPGゲームは人々の心を魅了しました」
ネプギアが読むのを聞いていたユニは腕組みをしながら、「RPGの人気は不動よね~。お姉ちゃんも大好きだし」と感心する。
ネプギアも同じように、「そうだね。今のゲームはどこかしらにRPG要素があるよね」と感心する。
RPGとは【ロールプレイングゲーム】の略。
プレイヤーが主人公とその仲間を操作し、障害として立ちふさがるモンスターとの戦闘を繰り返しながら【経験値】や【お金】などを蓄積してパワーアップする。
そして徐々に行動範囲を広げていき最終的に目標を達成するというものである。
ゲイムギョウ界では圧倒的な人気を誇るジャンルで、後に様々な革命が起きてもRPGは衰退する気配を見せない。
このRPG革命により、ゲームに少しずつ育成をしていきながら先に進めるという概念の物が生まれ始める。
「こうして、ゲイムギョウ界=ルウィーと呼ばれるほどにルウィーは強大になりました」
ネプギアが続きを読みながら次のページをめくると、黒い魔女のような姿が描かれていた。
「このままルウィーがゲイムギョウ界の覇者になるかと思われた時に事件が起きました。【犯罪神マジェコンヌ】の誕生です」
ネプギアが更に続きを読むと、「犯罪神がルウィーで誕生したことは聞いてたけど、こんな昔に生まれたのね」とユニが右手をあごに当てながら言う。
犯罪神マジェコンヌとはゲイムギョウ界の邪神で女神であるネプギア達は彼女達と死闘を繰り広げたことがある。
「マジェコンヌは突如としてルウィーに現れ、【マジェコン】と呼ばれるほとんどのゲームをコピーできる悪い機械を広めました」
続きを読むネプギア。
自分のよく知る邪神のことを読むその声と表情はやや緊張しているようだった。
マジェコンとは、マジェコンヌの力で大半の物を複製できてしまうコピーツール。
これによりゲイムギョウ界の物の価値が暴落して市場破壊を招き、ゲイムギョウ界全体が危機に瀕した。
「マジェコンはルウィーの国民の心を壊してしまいました」
ネプギアが少し悲しそうな声で読む。
絵本の中とは言え、ゲイムギョウ界の人々がマジェコンの誘惑に負けてしまったのが悲しいのだろう。
「それによりゲームショップは枯れ果て、ゲームメーカーやゲームクリエイターは飢え苦しみ、ルウィーは滅亡の危機にさらされました」
ネプギアがそこまで読むと、ラムが、「犯罪神はやっぱり悪いヤツね」と腕を組んで憤慨し、ロムも、「ゆるせない(ぷんぷん)」と怒っているようだった。
ラムはそこで思いついたように左手を上げて、「なんでコピーツールが広まると国が亡んじゃうの?」と質問する。
ロムも、「そういえば、わたしも知らない」と不思議そうに首を傾げる。
「まずマジェコンを手に入れるのは、女神への信仰を捨てて犯罪神を信仰しなきゃならないのよ。この時点で女神のシェアエネルギーが落ちちゃうでしょ?」
ユニが右手の人差し指を上げて説明を始める。
ロムとラムはユニの説明に納得したようにこくこくと首を縦に振る。
更にネプギアが、「次にゲームをコピーされちゃうと、元になったゲームが売れないよね? そうすると国やメーカーにお金が入らなくなって国もメーカーも弱っちゃうの」と説明する。
「コピーする方は軽い気持ちだろうけど、ゲームに限らず商品はクリエイター知恵と技と努力の結晶なのよ。それを対価であるお金を払わずに手に入れるなんて最低よ」
ユニはそう言いながら腕を組んで憤りをあらわにする。
ネプギアは少し悲しい顔と声で、「クリエイターさんも人間だからお金が入らないと、ご飯が食べられなくて困っちゃうの」と言う。
ロムとラムはネプギアとユニの言うことを理解できているようで、うんうんとしきりに頷く。
ネプギアはそんな二人を見ながら、「クリエイターさんもそれで元気がなくなっちゃって面白いゲームが作れなくなっちゃうの」と説明を続ける。
更に、「それによって、面白いゲームがなくなってゲイムギョウ界全体が衰退しちゃうんだよ」と続けて説明する。
ユニは憤慨するように軽く右手で机をバンと叩くと、「要するに、悪貨が良貨を駆逐するってヤツよ」と言い放つ。
続けて、「悪くて能力のないマジェコン信仰者がルールを破って善良で優秀なクリエイター達に迷惑を掛けて滅ぼそうとしてるのよ」と言い捨てる。
ネプギアがあごに右手の人差し指を当てながら、「元は悪い人じゃない人がコピーツールの誘惑に負けて悪い人になっちゃうのも問題だよね」と言う。
ユニはうなずくと、「そうね。特に何も知らない子供を標的にするのは最悪よね」と答える。
ロムとラムはネプギアとユニの説明に納得したようで、「じゃあ、わたし達女神は違法コピーをやっつけるのにもがんばるのね」と力強く言う。
ロムも、「がんばる(ぐっ)」と言いながら二人とも胸の前で両手でガッツポーズをする。
ネプギアはその二人の姿を心強く思う。そして、「そうだね。一緒にがんばろうね」と言うと本の続きを読む。