昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「あれが超次元と神次元を結ぶゲートです」
イストワールがそう言いながら、直径五メートル程の光り輝く泉のような場所を指差す。
「ここがゲート……」
ファミ通はしげしげとゲートを観察する。
「よーし! 一番乗りー!」
ネプテューヌはそんなファミ通の様子を気にもせずゲートに飛び込む。
「じゃあ、わたしとロムちゃんは二番乗りー!」
「わーい!」
続いてラムがロムの手を引いてゲートに飛び込む。
「すみません、ゆっくり観察しているところに」
ネプギアがファミ通に謝ると、ファミ通は「いいよいいよ、気にしないで。私個人が珍しいってだけで、取材の中心は女神候補生様達だから」と笑いながら答える。
「じゃあ、私達も行くわよ」
「はいですー」
アイエフがゲートに入るとコンパもそれに続く。
「アタシ達も行きましょ」
「そうだね」
ユニの言葉にネプギアは頷くと、「プラエちゃんとあんみつさんも一緒に入りましょう」と言い、プラエの右手を優しく握る。
するとプラエも、「うん」と笑顔で頷いてネプギアの手を握り返す。
「いーすんさん、ファミ通さんをよろしくお願いします」
ネプギアはそう言うとユニと一緒にゲートに入り、その後ろにプラエとあんみつが続く。
残ったファミ通はしげしげとゲートを観察すると、「お待たせしました」と言ってイストワールの方を向いた。
「では、私達も入りましょう」
イストワールがそう言うと、「はい」とファミ通がその後に続く。
ファミ通がゲートに入ると一瞬眩い光に包まれるが、すぐにそれは収まる。
しかし、周りの景色は先程とのバーチャフォレストと同じ、木と草が生い茂る森の景色だった。
「ここが神次元? 見たところ全然変わってないみたいだけど?」
ファミ通は辺りを見回しながら率直な感想を言う。
少し拍子抜けしたように見える。
「あんみつ、何が変わったかわかる?」
プラエがあんみつに質問すると、「いえ、わかりません」とあんみつは首を横に振る。
あんみつには景色はおろか、草や土の匂いすら変わらないように思えた。
「神次元は超次元と非常に似ており、景色どころか住んでいる人々もよく似ています」
イストワールはそんなファミ通達に丁寧に説明をする。
「例えば、神次元には神次元の私もいます」
「神次元のイストワール様?」
イストワールの言葉にファミ通は不思議そうに首を傾げる。
「神次元のプラネテューヌに着けばわかりますよ」
イストワールがそう言うと森の中から人影が見えた。
人影は三人組の男女で、女性が二人で男性が一人であった。
「みなさん、お待ちしておりました」
中央の男性がネプギア達に話しかける。
青い髪をウルフカットにした身長180cmぐらいの成人男性で、白い生地に紫の模様が入ったロングコートを着て黄色いスカーフを巻いていた、その服装の色合いはネプギアの服、セーラーワンピにどことなく似ている。
右腰に剣を携えているその姿は、中世の騎士のようでもあった。
雰囲気も精悍でたくましく、歴戦の騎士のようである。
「今月も来訪いただきまして誠に感謝しております」
続いて右隣の女性が話しかける。
彼女も髪が青くミディアムヘアーで、身長は160cmぐらい、男性と似た騎士然とした姿をしている。
細部が違うのは女性用であるからだろう。
雰囲気は柔らかく温厚な感じのする女性だ。
「私は女神として当然のことをしているだけです。そんなにかしこまらないで下さい」
ネプギアは彼女達に対して謙虚ではあるが、どこか威厳を感じさせる態度で接する。
「しかし、ネプギア様の御厚意がなければ、この神次元のプラネテューヌはどうなっていたか……」
左側の女性がネプギアに言う。
青いロングヘアーをした少女で、服装は同じ騎士然としたものだが先の二人より若く見える。
若々しいが雰囲気はクールで冷静な感じのする少女だ。
「プルルートさんが何とかしてくれましたよ………多分」
本来の女神であるプルルートをフォローするネプギアだが、正直な性格ゆえに断言ができなかった。
「彼女たちは神次元のプラネテューヌの住人ですか?」
その様子を見ながらファミ通がイストワールに質問する。
「はい、彼女達は神次元のプラネテューヌに仕える【アレスター】家の皆さんです」
イストワールはそう言うと、「父親のレイさん」と中央の男性を紹介し、次に「母親のユリィさん」と温厚な女性を紹介し、最後に「そして娘のエレノアさんです」とロングヘアーの少女を紹介する。
「ネプギア様への信仰も厚いみたいですね」
ファミ通はアレスター家の三人のネプギアに対する敬意ある態度をそう分析しようだ。
「そうですね。ネプギアさんは実に十年以上もの間、この神次元のプラネテューヌを支えていましたから。アレスター家の皆さんとも付き合いが長く、エレノアさんが子供の頃は色々と面倒もみてあげたそうです」
「十年? そんなに!」
イストワールが説明をすると、ファミ通が目を丸くする。
女神が不老不死とは知っているが、どうみても少女のネプギアが十年も国を治めていた経験があるというのが驚きのようだ。
それに、超次元でネプギアが公の場に立ってから、今まで十年程しか経っていないので、どのような経緯があるのかが不思議だった。
「以前は超次元と神次元では時間の流れが違っており、超次元での一日が神次元での一年に相当していたのです」
イストワールがそんなファミ通に説明を始める。
イストワールの言う通り先程通ってきたゲートが通じるまで超次元と神次元の時間の流れは違っていて、超次元で数日の間にネプギアは神次元で数年の経験を積んできたのである。
ちなみに十年以上神次元に居たのは、神次元に突如として現れた国【エディン】との戦いが長引いた為である。