機動戦士ガンダム 宇宙の渡り鳥    作:青色のラピス

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第八話

ビームスプレーガンが火を噴き、的目掛けてビームが進む。

少しずつビームは拡散し、威力は下がっていくがそれでも的を貫く。

連邦のビーム兵器の技術力は高く、このままいけばビームスプレーガンも直ぐに完成するだろう。

 

『よし、次のテストに移ろう。アマキ少尉、君の部下二人の準備は終わったようだな……。よし、二人が到着したらMSの模擬戦をしてくれ。壊さないでくれよ?』

 

『ガンキャノン相手ですか? 正直あまり意味ないと思いますが…?』

 

ガンキャノン相手の模擬戦はかなりの数をしているし、ジオンの機体はザクⅡだ。

ザクⅡの機動力はガンキャノンの比ではない。せめて戦闘機ならマシだと思うんだけどな……。

 

『ははは、確かにそうかもしれないな。だが今回は違うぞ。』

 

『違うって何が違うんですか? ガンダムが相手とでも言うのですか?』

 

『見たら分かるさ。……おっと、到着したようだぞ。』

 

どうやら来たらしい。

ミノフスキー粒子が薄いためレーダーにも反応が出る。

同じ連邦の機体だが、模擬戦のために設定を変えているためレーダーに反応する。

さて、どんな機体が……、って、え?

 

『はははは。驚いただろう。』

 

『いや、驚くも何も外見はザクⅡですけどレーダー上の反応はザニーじゃないですか。グレードダウンしてるじゃないですか。』

 

『仕方ないだろう。ザクなんて鹵獲したら問答無用で解体されて解析されるんだから。でもスペックは同じ、いやザニー(こっち)の方が上だ。舐めてかかるとボコボコにされるぞ。……よし、双方準備はいいか?』

 

『こっちは問題なしだ。』

 

『ああ、いつでもだ。』

 

『……二人とも相手は上官だぞ…。』

 

『いや、別に気にする必要はないさ。アマキ少尉は?』

 

『俺も問題ありません。』

 

『よし、模擬戦開始だ!』

 

 △▼△

 

ザクの外装を貼り付けただけのザニーだが中身を相当改造したようでザクⅡ以上の性能で襲い掛かって来る。

武装は90㎜のブルパップマシンガンとシールドで連邦製のオンパレードだ。

二人ともここ数日で相当腕が上がったらしい、二人がかりとはいえ機体性能と操縦技術で勝る俺が攻めあぐねている。流石は熟練の軍人というべきか。凄い適応力だ。

 

「それでも負ける気はないさ…!」

 

軍人としては新米だがMSパイロットとしてなら中堅クラスはあるという自負がある。その上新型まで使っている。負けるわけにはいかない……!

エンジンを回し、機体を加速させ、飛ぶ。現状でジムのスラスター出力は最大でガンダム2号機の6、7割ほどになる。重量はガンダム以下である為、推力はガンダムの9割近い数値を出すことができる。

このスピードはザクとは比べ物にはならないものになる。

マシンガンの照準をザニーに向けて合わせ、引き金を引く。

撃墜判定が下り、一機が脱落する。しかし着地した瞬間を狙い、残りのもう一機が接近戦を挑んでくる。

振り下ろしてくる鉄棍をシールドで受け止める。ジムのシールドはラージシールドであり、模擬戦相手のザニーが持つシールドよりも大きく、防御力が高い。そのため強く打ちつけられた鉄棍を易々と受け止める。

シールドで相手を払い、距離をと――れない。

なんとそのままスラスターをふかして、突撃をかましてくる。

不意を突かれてしまったため、体勢を崩し岩盤に叩きつけられる。

 

『どうです? 降参しますか?』

 

『ハッ!! 寝言は寝て言いな!』

 

『そうですか。 じゃあ、始末書でも書いてもらいましょうか!』

 

そう言うとジムの上で馬乗りになったザニーの右腕が上がり、鉄棍を振り下ろそうとする。

しかし、その鉄棍は振り下ろさせる訳にはいかない。エンジンを回し、スラスターに火をつける。

そのままジムがザニーにぶつかり、ザニーを吹き飛ばす。

 

『さあ、仕切り直しと行こうじゃないか…!』

 

 ▼△▼

 

「やれやれ、いくら何でも接近戦は予想外ですよ……。」

 

現在の連邦のMSのプログラムは射撃重視だ。……というより接近戦のデータ不足が甚だしく、満足な動きをさせることができないだけだが。

まあ、ちょうど良い機会だと割り切ろう。

模擬戦だから人が死んだり、マシンが壊れる可能性は低い。

 

「しっかし、ほどほどにしてくださいよ? 直すの大変なんですから。」

 

しかし、私のそんな思いは無視して模擬戦はさらにヒートアップしていく。

周りにいた他の技術者たちが悲鳴を上げる。

ただでさえ数の少ないジムをあれだけボロボロにしたらそうもなるな。

現に私もかなり憂鬱だ。はあ……、良いデータ集まっていると良いな……。

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