ソードアートオンライン Monster Hunter World   作:GZL

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今回かなり短めです。
これくらいの字数の時も良いですよね?


第9話 婚約

キリトとアスナの想いは通じ合った。

アスナが望んでいた雰囲気で…とまでは行かなかったが、約2年間…彼女が胸の奥に秘めていた気持ちがあの場面で爆発した。

キリトからの熱い口付け…。

あれには動揺したアスナだったが、嬉しくもあった。

何故なら、あのような行為は好きな人以外では絶対に出来ないからである。

その後、アスナとキリトは暫くあの峡谷で抱き締めあい、グランザムに戻って、ヒースクリフに事の顛末(てんまつ)を話した。

それを聞いた彼は「ふむ」とだけ呟いた。

あまり動揺はないように見えた。

そして、キリトは更に驚くべき発言をした。

 

「暫く…俺とアスナに休暇をください」

 

「えっ?」

 

つい数分前まで暗い話をしていたから、暗い表情をしていたアスナの顔は『休暇』と聞いて、パッと明るくなった。

休暇ということはキリトとずっと一緒に居れるということだからだ。

 

「ほう…その理由は?」

 

しかし、ヒースクリフはそこまで甘くない。キリトがきちんとした理由を述べなければ、休暇など与えてくれるはずがない。

それを分かっているのか、キリトは中々話し出すことが出来なかった。すると、アスナが代わりに、はっきりとその理由を言い上げた。

 

「今の血盟騎士団に…違和感を感じたこと。それと…私たちは愛しあっています。そのための休暇です」

 

今度は逆にキリトが驚愕の表情を作った。

もちろんヒースクリフ以外の幹部は怒り心頭だった。

 

「ふざけるな‼︎そんなことで休暇なんて…馬鹿も休み休み言え‼︎」

 

「本気です。ふざけてなんかいません」

 

キリトもアスナの話に合わせてそう告げて、彼女の手をギュッと握った。

それだけでアスナは顔が温かくなった気がした。

だが、幹部の怒りは極限にまで高まっている。表情だけで許す気がないと分かってしまう。

 

(これでも認めないならギルドから脱退してやる…)

 

アスナが心の中で、そう思った時…。

 

「分かった。今暫くの休暇は許可しよう」

 

キリトもアスナも一番予期していなかった、ヒースクリフが折れたのだ。

 

「団長⁈何を言って…!」

 

「これは私の決定だ」

 

少しの間、アスナは口を開けてポカンとしてたが、キリトが頭を下げているのが見えたので、彼に(なら)って急いで頭を下げた。

 

「ありがとうございます!」

 

「ただし、君らはすぐに戦場に戻るだろうから…その辺は覚えておきなさい」

 

【すぐ戦場に戻る】

それを聞いた2人は何とも言えない嫌な感じがした。

キリトは不安な表情のままだったが、アスナは真逆にキリトを愛するまでは、攻略を進めることが唯一の使命だと思っていたので、『嫌だ』と思うことはかなりの進歩だと思うのだった。

 

 

 

 

アスナの家に帰るまで、キリトは彼女の手を握ったままだった。

行き違う人に見られて、恥ずかしい感じもしたアスナだったが…とても幸せだった。

実際、人を愛することがこんなに幸せだと感じれたのは、この世界に入ってからだった。特に、いつも決められた事ばかりしてきたアスナにとっては…。

バタンと扉が閉まり、誰の目も配られないところに入った瞬間、キリトはアスナの身体を抱き寄せて…キスをした。

 

「…ん…」

 

「アスナ…好きだ…絶対に離したくない…」

 

キリトの口から漏れる声…。

鼻腔を突く彼の香り…。

アスナはその全てが愛おしかった。

 

(もう…我慢出来ない…)

 

「キリトくん……こっち…」

 

アスナは自ら手招いて、寝室へと彼を連れていく。

一応鍵を閉めて、誰も入って来れないようにして、アスナは自分の装備を解除し始めた。

途端にキリトは顔を赤くして、慌て始める。

 

「なっ…ななな何をアスナ…」

 

「…分かってるでしょ?」

 

「…で、でも…俺なんかで…」

 

()()()じゃない。君だから頼めるの…。お願い…」

 

アスナの甘い誘惑にキリトは負けたのか、一気に抱き(すく)めてキスをする。

そして、アスナの意識は、微睡(まどろみ)の中へと落ちていった…。

 

 

 

 

アスナが目を覚ました時、既に外は暗かった。

隣には服を着て、アスナを優しく見詰めているキリトの姿があった。

それに応えて、アスナも屈託の笑みを返した。

 

「悪い…起こしちゃった?」

 

「いいよ…。キリトくんと一緒なら…何をされてもいいから…」

 

アスナの大胆発言にキリトの顔は再び赤くなる。

 

「ずっと…このままがいいなあ…」

 

「…帰りたくないのか?俺たちの世界に」

 

「帰りたいよ…。色々とやり残したこともあるし…。でも、私は今の方が幸せなの。現実にいた時よりも…」

 

「…アスナ……」

 

今日で何回目か忘れたが、今度は触れるだけのキス…。

2人はお互いにキスをしていなくてはいられない体質になったように感じられた。

こつんとオデコを当てて、キリトくんはそっと呟いた。

 

「…俺の家…22層のログハウスに、引っ越さないか?アスナ…」

 

「えっ?」

 

「ずっと一緒にいたいし…ここじゃ、休暇も満喫出来ないだろうし…」

 

「そうだね。ここじゃあ、人目についちゃうし…」

 

「それと……」

 

最初、モゴモゴとアスナに聞こえないくらいの小さな声で何かを呟いていたキリトだったが、覚悟を決めたように真剣な表情になって…こう言った。

 

「結婚…してくれませんか?」

 

アスナは驚きで目が見開き、嬉しさで涙も溢れ出た。

上半身を起こして、裸の身体が見られないようにシーツを巻いて、彼を抱き締めた。

そして、耳元で…。

 

「はい…」

 

と嬉しさ満開の声で応えたのだった。

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